8月8日

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

本番に向け準備万端

8月14日(水曜日・21時30分・カンプノウ)におこなわれることが決まったバルソビア相手のチャンピオンズ予備選。この日をスタートとし、バルサはいよいよ本番へと突入する。昨日のニューキャッスル戦は、そのスタートへ向けての最後のテストとなった。テストの結果は? もちろん合格と言っていいだろう。

合格としたのはニューキャッスル相手に勝利したからだけではない。まず攻撃面を見てみよう。パルマ戦やアヤックス戦で示されたように、このバルサにおける得点能力を疑うものはいないだろう。クルイベル・サビオラコネクションは見事と言っていいほどうまく機能している。メンディエタ・モッタは両サイドからの攻撃体制を作り出すことに成功している。ルイス・エンリケやリケルメはゴールへの接近を試み、相手ディフェンスに恐怖を与える存在となりつつある。攻撃面での心配はこれまでのところ見られない。したがって問題はディフェンス面に絞られていた。この最後のテストでアヤックス戦での反省を生かしきれるかどうか、それが昨日の試験内容だった。

パルマ戦を終了し記者会見場にあらわれたバンガールが語ったこと、それはダイレクトフットボールに対するバルサディフェンス陣の弱点だ。後方からのロングパス一本でスピードのあるデランテロがバルサ側ゴールに近づいてくる戦法。それへの対処の仕方がバルサディフェンス陣の一つの課題でもあった。そういう意味でニューキャッスルはチャンピオンズ予備戦で当たるバルソビアと似たような戦法で戦ってくるチームだ。後方からのダイレクトパスによりダイレクトなフットボールを得意とする両チーム。

バンガールの心配が的中する。試合開始20分ぐらいまでは完全にニューキャッスルに攻めまくられていたバルサ。ロングパスをバルサディフェンスが処理してからのボールが前に出ない。したがってパスが続かないバルサとなっていた。だがバルサのディフェンス陣はプジョーの思わぬ退場という場面がありながら、決定的なチャンスを相手に与えるシーンはほとんどなかったと言っていいだろう。ボールを支配することはできなかったものの、ディフェンス陣の安定したプレーが続く。クルイベルが得点してから状況は徐々に本来のバルサペースとなってきた。最大の課題であったディフェンス陣の安定、それはこの試合ではどうにか獲得することができたと言える。

■バンガール
「最初の20分間の我々のプレーには満足できない。相手のペースにあわせたリズムの展開となってしまった。反省すべき点は反省しないといけないだろう。だがクルイベルの個人技であげた得点が状況を落ち着かせてくれた。その後は本来の我々のペースで試合を運ぶことができるようになったからね。ナバーロとビクトルは本当に良くやっていた。彼らのことは正当に評価しなければならない。」

こう語るバンガールは今日が誕生日。8月8日、51歳になるバンガールだ。

■カピタン・エンリケ
「試合のペースを支配するのに時間がかかってしまった。このグランドで、つまりプレステージの試合だというのに満席となっているこういう雰囲気の中で戦うのは決してやさしいことではないよ。でも最初の得点が入ってからどうにか我々のペースになったね。」

終了間際にリケルメと交代したルイス・エンリケ。この試合ではスタメンとなったが、バルソビアとの試合ではそうなる保証はない。リケルメとの熾烈なポジション争いが待っている我らがカピタンだ。

■プジョーとレイジンゲルの負傷
昨日の試合で唯一否定的なこと、それはプジョーとレイジンゲルの負傷だ。前半5分で脳しんとうでグランドをあとにしたプジョー。そして彼の代わりに入ってきたレイジンゲルは前半の途中で捻挫してしまった。したがって後半が始まるときにはガブリが彼の代わりに入ってきている。
不幸中の幸いとでもいうか、二人とも大した負傷ではなかったようだ。後半に入りプジョーはベンチに戻り、吐き気を感じながらも試合観戦続けていた。またレイジンゲルの捻挫も2、3日の休養で治ると診断されている。


●「10番・ロマン」ではなく「10番・リケルメ」
何週間も前からメディアの間で噂されていたリケルメの名前表示。それはリケルメ個人がユニフォームにロマン表示を望んでいたからでもある。リケルメというものよりロマンの方がより親近感を感じるというリケルメの望みは結局達成されないことになりそうだ。リケルメがバンガールあるいはクラブにロマン表示を要請したかどうかは明らかになっていない。だがクラブ側はリケルメの名の方が一般的と考えており、この名前でいくことになりそうだ。「10番・リケルメ」、このユニフォームが近々バルサショップに並ぶことになる。

●ペップ対マドリ
スペイン時間で今日の夜中の2時、ローマ対マドリの親善試合がニューヨークでおこなわれる。もちろんペップにとってバルサを離れてからの初めてのマドリ戦となる。

●ロナルド批判する大人たち
今のところインテル残留となっているロナルド。だが昨日の練習に合流した彼を待ち受けていたのは、300人以上の怒り狂ったインテリスタ。「裏切り者」「恩知らず」の叫び声が続く中、ロナルドは練習に参加しなければならなかった。だがインテリスタだけが彼を批判しているわけではない。フットボール界の大人たちも彼を厳しく批判する。

ルンメニゲ「フットボール界のもっとも醜い部分をさらけ出してしまった。確かにプロ選手は自分の価値を高めていこうとするのは当然だろう。だがそれには限界もあることを知らなければならない。そして今回ロナルドはその境界線を越えようとしてしまった。恥知らずと言われても何の反論もできないことをしようとしてしまった。」

カペーロ「モラッティがこれまでロナルドにしてきたことは誰もが知っている。3年間にもわたってプレーしてこなかったにも関わらず、彼はロナルドの可能性を信じた数少ない人間だった。しかも決められた年俸はきちんと支払われていたことも多くの人間が知っている。それにも関わらず今度のようなことが起きるのは恐ろしいことだと思う。モラッティが怒り、クラブの利益を優先してロナルド残留の決断をしたのは当然だろう。」

ヒディング「ワールドカップでの活躍をこういう形で利用するという根性が気にくわない。ロナルド個人が悪いのか代理人だけが悪いのかは知らないが、いずれにしてもミットモナイ話しだ。クラブに対する、しかも負傷中の3年間世話になったクラブに対するセンチメンタルのかけらもないこうい行為は本当に嫌だね。」