8月9日

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バルサのフォーカード

リバルドが個人技でゴールを決め、バルサの勝利に貢献し、いくつかのシーズンさえ救ってきた。だがそのリバルドはもういない。しかしバルサにはバンガールが信頼する4人のゴレアドールがいる。リバルドが”切り札”だったとすれば、バンガールバルサには”フォーカード”がそろっている。

プレステージでのすべての練習試合が終了したいま、何らかの総括をおこなうことができる。これまでの試合を見てきた限りで言えることは、才能にあふれた多くの選手がいること、そしてゴールに絡むことができる何人かの選手が存在するということだろう。だがそういう個人的な才能は別として、バンガールバルサを大きく特徴づけるもの、それは11人の選手が一体となったブロックの強さだ。まさにそれはバンガールが執拗に要求してきたものであり、さらに強化していかなければならないものであるだろう。新たなシステムを武器に始まる今シーズン、バルサには攻撃面で主役となる4人の選手がいる、つまりバルサのフォーカード。

■クルイベル 6試合・364分・2ゴール
クルイベルは昨日メディアの質問に答え、すでにポーランドのチームとの戦いの準備はできていると語っている。
「フィジカル的にはじゅうぶんに耐えられるぐらい我々はできあがってきていると思う。しかも何人かの新しい選手がいるけれど、グランドの中での理解もじゅうぶんだ。
ニューキャッスル戦でのPKの失敗を悔やむ。もっと慎重に蹴るべきだったと反省するクルイベルだが、シーズンが始まってからはPKを誰が担当することになるかはまだチーム内で決まっていないと言う。だが彼にとってはそんなことはどうでもいいこと。グランドの中でエンジョイできればいいという。
「これまでの試合だけでいえば、我々選手は非常に楽しんでプレーをしているように思う。それは大事なことだよね。我々が楽しんでやれば、それを見ているファンも楽しいに決まっているから。

■ルイス・エンリケ 3試合・186分・1ゴール
リケルメとの厳しいポジション争いが予想されるルイス・エンリケ。だがクルイベルやサビオラを含めて4人でのポジション争いというケースも考えられる。だが彼はそんなことはまったく気にしていない。
「昨シーズンはメディアプンタというポジションが多かったけれど、これまでもいろいろなポジションをこなしてきている。シーズンは非常に長いということを忘れてはいけないよ。すべての選手が必要となる長いシーズンが我々を待っているんだ。」
これまで3試合しか起用されていないルイス・エンリケだが、選手投票で選ばれたのを尊重してバンガールが彼をカピタンに任命したことからもわかるように、ルイス・エンリケに対する信頼は絶大のものがある。
「オレ達はみんな同じ船に乗っているんだ。オレがカピタンであるけれど、船員みんなが力を合わせていかなければ。」

■リケルメ 4試合・237分・2ゴール
ボカ時代とは違うポジションでプレーすることを義務づけられているリケルメ。ボカではすべてのボールが彼を中心にまわることによりチームが機能することになったが、バルサでは11人の中の一人の選手に過ぎない。
「監督は自分の自然なポジションより10m左でプレーすることを要求している。相手にプレッシャーをかける意味でそれが必要だという。でもおれは何の問題もないよ。チームの一員として監督が命じるところで仕事をこなせばいいだけの話しさ。」
チームの一員、その自覚はこれまで1か月近くバルサの選手として練習してきたことから生まれたものだ。
「このチームでプレーしている選手は一人一人が凄い実力を持っている。初日の練習でそれはすぐにわかったさ。ポジションがどこでも誰もがゴールを決める能力を持っている。だから自分は単なるチームの一員。しかもリバルドの代わりに来たわけでもないし。」
まだアルゼンチンに残っている奥さんや娘の到着を心待ちにしているリケルメだ。

■サビオラ 6試合・388分・3ゴール
リケルメがこれほどまでに早くチームに同化できた原因のひとつにコネッホ、あるいはピベ、そう、サビオラの援助が大きくものをいっている。彼もまたポジションの変化を強いられている一人だ。
「自分には新しいポジション。最初は正直言って驚いたよ。なぜならこれまでああいうポジションでプレーすることなんか考えたこともなかったからね。だから今の自分が考えることは一つだけ。いかに早くこのポジションに慣れることができるか、それだけだ。ゴールが決められるかどうかということまで頭が回らない。もっともゴールはそのうちやって来るもんだろうけれどね。」
バンガールはサビオラが予想以上に新しいポジションの飲み込みが早いと感じているようだ。事実、彼に要求されていることを試合ごとにこなしてきているサビオラ。しかも時間の経過と共に新たなポジションの楽しさも感じてきているようだ。
「ボールに触れる機会が以前よりグーンと多くなっているのは嬉しい。試合により参加している気分さ。ゴールチャンスは少なくなるかも知れないけれど、チームが機能すればいい。それは勝利を意味することになるからね。」