8月18日

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ジャルデル獲得にストップ!

ストップをかけたのはバンガール。クルイベルやダニに代わるゴレアドールが必要としながらも、ジャルデルの獲得はジェオバンニやダニの放出問題も起きると考えられ、あまり積極的ではないバンガールだ。そのバンガールはバルサで監督を務めたあと、監督業を引退したいと語っている。


1997年に初めてバルサの監督になりましたが、当時の選手で残っているのはもうルイス・エンリケだけになりました。現在のチームと当時のチームを比べるとどうですか?

今回と前回の監督就任には大きな違いがある。私が1997年にバルサに来たときの契約内容はバルサ下部組織のディレクターということだった。決して一部チームの監督として私は雇われたわけではない。だがシーズンの始まる何週間か前にヌニェス会長に呼ばれて一部の監督を引き受けるように要請された。そして私はそれを引き受けた。したがってあの年のチームは私が選んだ選手によって構成されていたわけではない。あの年の選手で私が個人的に話した選手はたった一人だ。それはポペスク。彼に残るように説得したんだが、彼の決意はもう決まっていてすでに他のクラブからのオファーを受けていた。だが今回は違う。監督就任を要請されてから多くのクラブ関係者と話をし、すべての選手たちとも話し合いを持つことができた。したがって現在の選手構成は1997年のものより圧倒的にバンガールのものだ。

もっと大改造をしたかったですか?

可能な限りの改造はもうすでに終了している。そう、可能な限りの改造だ。今のフットボールクラブの現状はバルサだけではなく多くのクラブが経済的問題を抱えている。私はクラブ経済が許す範囲の中での改造ができたと思っている。許されるならもっと多くの選手を獲得したい。だがそれは不可能だ。したがって唯一言えることは状況が許す範囲内での最高のチームが作れたと思っている。

どこのポジションを補強したかったのか。

プレステージを見る限り、どうしても補強しなければならないというポジションはない。だが可能ならラテラルの選手よりデランテーロ選手の獲得が必要だろう。ラテラルにはナバーロやモッタがじゅうぶん使える見通しがついたし、必要ならコクーだって起用することもできる。だがデランテーロはクルイベルやダニに代わる選手がいないのも確かなことだ。しかも彼らはいわゆるゴレアドールではない。しかしだからといってジャルデルは必要ないだろう。多分我々は彼の獲得には走らないだろうと思う。もし誰も来なかったら、それはそれで良しとしよう。基本的なチーム構成はじゅうぶんに出来ている。

この選手たちでタイトルをとることが可能ですか?

もちろん可能だ。だがタイトル獲得の約束はできない。現在の段階で約束できること、それは我々がそれに向けて努力すること、毎日一生懸命練習すること、それだけだ。

バルサのライバルは?

バルサのライバルはバルサだ。我々にとってもっとも重要なことは、常に我々自身を見ながらシーズンを戦っていくことだ。もしチームがうまく機能すれば、どんなチームであろうと勝利することが可能だ。だがスペインリーグは非常に激しい競争があるリーグだということを忘れてはいけない。昔と違って優勝候補は我々だとかマドリだとか、デポールやバレンシアだけでなくなってきている。

ガスパーはバンガールの監督就任という大きな賭けにでたといわれていますが。

それはメディアを通して聞いている。だが私の履歴書を見たことがあるかね?それを一度でもみたことがあるならば、バルセロニスタも私の監督就任ということを喜んでいるだろう。ガスパーが私を雇ったのは、私が監督を務めれば何らかのタイトル獲得が可能だと考えたからだ。私は確かにバルサに戻れて満足している。だが同時にガスパーやバルセロニスも満足しているだろうと信じている。

しかしガスパーはあなたを監督に就任することで多くの敵を作りましたが。

私はもう5年もカタルーニャに住んでいる。そしてその間、多くの人々と対立させられることになった。私にしてもこの監督就任は多くの危険性を含んでいるものだ。ガスパーだけが冒険しているわけではない。

あなたはこれまで何回か「55になったら引退」という発言をしてきていますが。

そう、55歳になったらこの世界からおさらば。それからは違うことをするつもりでいる。違うタイプの仕事をバルサでするかも知れないし、他のクラブですることになるかも知れない。しかしいずれにしても監督業は55歳までだ。それがバルサでの引退となれば最高だと思っている。

次期監督候補の名前にいつもクーマンがあがりますが、あなたにとっては迷惑な話かな。

そんなことはない。彼は私の友人であるし、最初のバルサ監督時代には彼をサブとして呼んだぐらいなんだから。

あなたが大切に抱えているノートの存在がいつも話題になりますが。

オランダでも同じように言われていた。アヤックス時代にすべての可能なタイトルをとった時にも同じような批判が起きた。批判はいつもあるんだ。だがこのノートはだな、選手の働きをより良くするために必要なものだ。選手を助けるためのノートだということを人々は理解していない。いいか、バンガールのフィロソフィーというのは選手の持っている才能を可能な限り引き出すというのが基本となっている。グラウンドには11人の選手がプレーしている。彼らがおこなった良いこと悪いことをその度にメモしないでどのように記憶できるのか。これは重要なことであるんである。試合後に良いこと悪いことを彼らに伝えてやらなければならない。そう私は彼らのパパみたいなものなんだ。子供のしつけは正しくしなければならない、うん。

ということはあなたのノートは子供たちの教育に必要な教科書みたいなものですね。

その通り。生徒には正しく良いこと悪いことを具体的に資料を提供して伝えなければならない。一般社会に出ていって社内で会議があったとしよう。そこでは必ずメモをとることを要求されるだろう。それでなければ会議の意味がない。いいかい、もう一度繰り返すがバンガールのフィロソフィーの基本となっているのは選手の才能を最大限に生かすことだ。

しかし監督も選手を理解していかなければならない部分もあるのでは?

バンガールのフィロソフィーは選手の持っている才能をいかに有効に生かすかということにある。わかったね。だから現在のシステム(3−4−2−1)を採用しているのだ。システムが最初にあるのではなく、まず選手のもっているプレー傾向を発見するのが最初の私の仕事。それでシステムが決まる。例えば、サビオラを例に取ってみよう。昨シーズンプレーしたポジションより今の方が彼にとって非常にいいと信じている。彼もそのうち理解してくるだろう。我々は3人のデランテロがいる。一人がプンタとして、もう二人は彼より少し下がった位置でプレーする。サビオラがプレーしているポジションは、その少し下がった位置だ。あのポジションのいいところはディフェンスからのプレッシャーが少ないこと。彼は昨シーズンより快適にプレーできるだろう。

いろいろなところでプレーできる選手を高くかっていますね。

サビオラ、リケルメ、ジェオバンニ、ルイス・エンリケ、ガブリ、彼らは多くのポジションで起用することができる。これは重要なことだ。システムを変えることなしに各ポジションにつく選手を代えることができる。素晴らしいことじゃないか。特にメンディエタは素晴らしい選手だと思う。彼のポジションに要求されることは非常に多いにも関わらず、ほぼ完璧にこなしてきている。あのポジションをこなせるのはシュナイデルとかガブリ、ロッケンバック、フェイノルドにいる韓国人のサン・チョンぐらいのものだろう。

それでは左サイドの方は?

右のメンディエタの仕事をモッタが左でこなす、これが私のアイデアだ。彼はまだ若い選手だし、これからどんどん伸びてくるだろう。コクーも同じようにプレーできると思っている。オーベルマルスでもいいし、ナバーロでもいい。確かに私はこれまで左サイドの補強の必要性を語ってきた。これからも誰かが加入してくる可能性だってないわけではない。だがプレステージを見てきた限り、補強が必要なのは左より右だな。

リケルメを評価していますか?

私はすべてのバルサの選手を評価している。決められた仕事をこなすすべての選手を評価している。そして、各選手がかかえている体調の問題もじゅうぶん考えている。彼らはスター選手とはいえ人間でもある。体調が良いときもあれば悪いときもある。いつも100%というわけにはいかない。バルソビア戦で出場した11人のスタメン選手が他の試合でもそうであるという保証はどこにもない。あの試合はルイス・エンリケがスタメンで出場したが、それは相手ディフェンスが非常に遅い選手が集まっていると知っていたからだ。リケルメよりスピードのあるルイス・エンリケにとって好都合のディフェンスだった。だから彼がスタメンで出場したということだ。

今のシステムはシーズンを通してのものですか?

我々が抱えている現在の選手にとっては一番良いシステムだと思う。だが相手が2人のデランテロの場合に限る。もし3人のデランテロを用いてくるチームと対戦したら我々は4人のディフェンスを用意しなければならない。だが基本的に同じような選手を起用していくのがいいと思っている。(カピタン注・上の発言と矛盾していねえか?)したがってメンディエタかモッタを後ろに下げての戦い方というのも考えられる。