●ガスパー「一睡もしていない」
国王杯初戦に敗れた翌日、会長のガスパーはマドリッドでおこなわれたフットボール協会の集まりにかけつけている。多くのメディアがガスパーの到着をまつ中、彼は一切のコメントを拒否した。だが会議終了後のメディアの執拗なまでの要請についに口を開いたガスパー会長。
「テレビで試合を観戦する習慣はないから昨日の試合も見てはいない。だが何分かおきに連絡は受けていた。初戦での敗北は非常に悲しい出来事だし、果てしない無力感でいっぱいだ。昨日は一睡もできなかった。多くのソシオもたぶん同じように眠れない一夜を過ごしたんだろうと思う。彼らの怒りは当然だし、会長でありソシオの一人である私にもじゅうぶん理解できることだ。」
確かに彼はソシオの一人ではあるが、他のソシオと違うところはバルサ会長というクラブの最高責任者であることだ。
「バルサ会長としてあらゆる批判を受ける覚悟がある。すべてを勝利することは不可能だとしても、それでも敗北の責任を引き受けなければならない。私は会長であり、最高責任者として批判は素直に受け止めよう。そしてクラブ関係者すべてが責任を引き受けなければならない、もちろんソシオを除いてだ。」
●デ・ボエル「俺は良い仕事をしたよ」
試合後のラジオインタビューで、エンケ批判をしたデ・ボエル。
「3点のうち少なくても2点はエンケがどうにかしなければならないゴールだった。」
だが1日たった昨日には微妙にニュアンスが変わってきている。すべてメディアによる誤解であり、彼の伝えたかったメッセージは少し違う意味のことだという。
「俺の言いたかったことは、少なくても2点に関してはエンケはもう少し何とかすることができたのじゃないか、そういうこと。そして俺たちディフェンスの選手ももう少しうまくできたんじゃないか、そういうことさ。個人的には非常に体調がいいし、あの試合でも相手ゴールをくらった場面以外ではとてもいい仕事をしたと思っている。」
だが彼のエンケ批判発言については、彼がいかに言い直そうともチームメイトたちは不満を感じている。誰も正面切って口には出さないが、デ・ボエルはしてはならない同僚批判をしたのだ。当事者となったエンケは語る。
「自分はそういうスキャンダルとは離れたところにいたいと思う。チームが負けたときはすべての選手、監督が負けたということで、誰か一人の選手の敗北ではないと思っている。したがってこれまで個人的には一度も同僚批判などしたことないし、これおからもすることは絶対ないだろう。」
●沈黙を守るダニ、そして負傷
これまでダニが過ごしてきた季節が真冬だとすれば、一昨日のノベルダ戦では極寒の季節の到来をさとったことだろう。後半に入り1点差で負けているシーンが二度もあったにも関わらず、そしてその試合にベンチ入りすることが許されていたにも関わらず、彼の出番はついにやって来なかった。この試合前の土曜日の練習でイヤな予感がしていたダニ。練習試合でメディアプンタとしてプレーしていたジェオバンニと代わって彼のポジションにつかされたこたがひっかかっていた。もし彼がメディアプンタとして認識されているのなら将来いっさいの出番の可能性がないということだ。もっとも競争が激しいポジションなのだから。ルイス・エンリケ、サビオラ、リケルメ、ジェオバンニ。
ダニが理解できないこと、そして同時に多くのバルセロニスタにも理解できないこと、それはバンガールが”9番”の獲得をあきらめ、クルイベルの控えとしてダニを試合ごとにベンチに呼んでいるにも関わらず出場チャンスがないことだ。唯一、ダニにとって幸運だったこと、それはノベルダ戦に出場していないから敗北の責任を誰も彼には負わせないことだろう。だがそれでもダニの不幸は続く。昨日の練習で負傷し全治15日間と診断された。
●バンガール、練習に遅刻
バンガールにとって例外は一切ない。昨日のバルセロナ近郊に降った大雨の影響で交通渋滞し練習に遅刻したバンガール。だがそれでも彼はすべての選手がそうするように罰金を払うことになる。原因がどうであれ遅刻したことには変わらないという責任感の固まりのようなバンガール。だが彼は一昨日の敗北の理由を「個人の選手のミスで得点された」としながらも一人一人の選手を責めることはしていない。
多くの関係者にとってはこれは非常な驚きだった。これまでのバンガールであるならば、敗戦の翌日は選手を集め怒鳴りながらミスを追及していたからだ。だが昨日のバンガールは少しどころか大いに違っていた。選手を集めビデオ鑑賞会をするバンガール。どこにミスがあり、どこを改善しなければならないか検討する。ビデオを見る限りバルサのゴールチャンスは多くあり、決してシステムは間違っていなかったと確認した後、選手たちを励ますバンガールだ。
●バルサ、リケルメの半分の権利を獲得
リケルメ移籍の最初の支払いが今週の月曜日におこなわれた。600万ユーロ、これが最初の支払額であり、同時にリケルメの権利の半分をバルサが獲得したことを意味する。そして、もう半分はボカが所有している。そして2回目の支払い、それは来年の6月と再来年の6月の分けておこなわれることになる。ただしバルサ側がリケルメの権利を100%獲得したい場合のみにおこなわれることで、もしボカと半分ずつの権利でもいいということであれば、リケルメに関する支払いはこれが最後となる。50%か100%か、その返事は11月10日までにおこなわれなければならない。
このニュースを知ったリケルメはもちろん喜んでいる。ついに、少なくとも半分はバルサの選手になれたのだ。だが彼を喜ばせたもっと大きなニュース。それはいよいよ家族がバルセロナに来る日が近づいてきたこと。奥さんのアナベラ、娘のフロッピと一緒に住める日が近づいてきたリケルメだ。
●さあ、ビルバオ戦だ!
バルセロニスタにとって明るいニュース、それはルイス・エンリケとプジョーがビルバオ戦出場に何の問題もないことだ。さらにオーベルマルスとアンデルソンのドクター許可も近々出る見込みとなっている。
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