9月14日

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LIGA 第2節
9月14日 21:30
SAN MAMES
BILBAO
vs
FC BARCELONA

 

●召集選手(スタメン候補
ビクトル、プジョー、デ・ボエル、ナバーロ、チャビ、コクー、メンディエタ、モッタ、サビオラ、ルイス・エンリケ、クルイベル、エンケ、レイジンゲル、ガブリ、ジェラール、ロッケンバック、リケルメ、ジェオバンニ

●負傷中
オーベルマルス、アンデルソン

●非召集
ボナノ、クリスタンバール


バンガールに動揺はない

彼のフィロソフィーに疑いの余地はないし、もちろんシステムにも誤りはない。彼のシステム、それは危険に満ちたものであると認めるものの、バルセロニスタが好むスペクタクルなフットボールを展開するものだという。

早くも国王杯から敗退。その翌日ヨハン・クライフが大胆な変革をクラブに求め、クラブ会長のガスパーは一睡もできなかったことを理由に無力感におおわれた発言に終始。だが監督であるバンガールには、思わぬ敗北後にもいっさいの動揺はないようだ。己のフィロソフィーの有効性を信じ、それから生まれるシステムに絶対の信頼感を持つバンガール。バンガールノートに誤りなどあるはずがない。過去にもなかったし、将来にもそんなことは起こり得ない。敗北の原因となるのは彼のシステムとは離れたところで起こる「個人のミス」によるもの、そう断言するバンガールだ。

昨日の彼の態度や発言を見る限り、確かにバンガールにはいっさいの動揺の色はない。会長というよりはバルセロニスタの固まりと呼んだ方が似合うガスパーがノベルダ戦敗北の夜は一睡もできなかったのに比べ、バンガールはいつものように熟睡したという。それは己のフィロソフィーにもシステムにも誤りがなかったという安心感からきているのだろう。敗北したのはひたすら選手の誤りだったのだから。だからシステムの誤りではなかったかという質問を受けた彼は驚きの表情を隠そうともせず次のように答えている。
「そういう質問はおかしい。これまでのバンガールバルサの勝敗の統計を見たことがあるのか。バンガールオランダ代表での統計を見たことがあるのか。バンガールアヤックスでの統計を見たことがあるのか。それらの統計を見てから質問すべきだろう。今シーズンにしたって我々は4試合の公式戦を戦い2勝1分け1敗ではないか。すべて同じシステムを起用してこの結果を生みだしてきているのだ。」

フィロソフィーやシステムに誤りはなかったと判断する理由として、遙か昔の統計は別としてリーグ初戦とノベルダ戦を例に出し、多くのゴールチャンスを生み出していた事実をあげる。
「At.マドリ戦にしてもノベルダ戦にしても我々は多くのゴールチャンスを作り出した。最後の詰めが決められなかったのは選手の責任でもあり、運の問題でもある。システムそのものには誤りはない。しかも相手が作り出したゴールチャンスはわずかな回数しかなかった。2試合で5点入れられた?そう、我々は確かに2試合で5点入れられた。だがすべてのゴールをよく検討したことがあなたにはあるのか?ほとんどが個人ミスからの得点ではなかったか?」

多くのバルセロニスタが疑問に思うこと、それは2年続けて二部Bのクラブに初戦で負けるということだ。なぜこんなことが可能なのか、それはバルセロニスタでなくともすべての人々が疑問に思うことだろう。だがバンガールにとってはそれほど不思議なことでもない。
「フットボールにミスはつきものだ。それは相手が格下であろうがなんであろうが同じこと。戦うシステムがどのようなものであれ、選手一人一人のミスまでは監督はどうしようもない。繰り返すがシステムは完璧だった。あれだけのゴールチャンスを作り出したのだから。だがそれでも試合に必ず勝てるという保証にはならない。一人の選手のミスにより得点されてしまう場合があるのだから。」

システム、システム、システム、システム、そしてシステム。再びバンガールノートから生み出されるシステムに話しが及ぶ。
「他のシステム、そう、例えばディフェンスをしっかり固めての危険の少ないシステム、それは我々のシステムではない。魅力的なフットボールはそのようなシステムからは生まれないからだ。カンプノウに集まってくるソシオの望むもの、それはどこのクラブよりも魅力的なフットボール。私は彼らの期待に応える必要性がある。したがって問題としなければならないのは、いわゆるバランスをどうとるかということだろう。魅力的でありながら、できるだけ危険を少なくしていくシステム。だが理想を実現するのは難しいことでもある。」

デ・ボエルの暴言、エンケのミス、そしてベンチ入りしながら出番のなかったダニ、今回の召集に外れたクリスタンバールに関する質問が飛ぶ。
「私は個人的にそれぞれの選手と話し合った。デ・ボエルの発言はメディアによって誤解されているようだ。決して彼はエンケに罪をなすりつけたのではなく、エンケを含めてすべての選手がもう少し何とかもっとうまくやれたのではないか、そういう発言だった。エンケも納得している。確かに彼にはミスがあったが、それでも私は彼を信頼している。だから彼も自信を失わないようにと思ってビルバオ戦にも召集した。クリスタンバールはプレステージへの参加が遅れたことにより、私のシステムにまだ馴染んでいないので今回の召集から外れた。またダニを呼ばなかったのは彼は負傷しているからだ。2週間後に戻ってきたら彼にチャンスが生まれるだろう。」