9月19

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Champions League
9月18日 20:45
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
BRUJAS


3 - 2


もっともっとゴールを!

圧倒的ボール支配を見せたバルサが3点をあげブルッハスを沈めた。普通であれば、チャンピオンズリーグ開始に当たっての快調なスタートと言える。相手がいかに格下のチームとはいえ、80%近いボール支配率の試合はチャンピオンズではそうざらにあるものでもない。だがバンガールにしても、選手にしても、そしてバルセロニスタにとっても、非常に大きな不満が残る試合だったと言ったら贅沢なことだろうか。少なくても6点は入れておかなければならなかったバルサなのだ。だが試合を終了してみれば3−2というわずか1点差の試合。しかも終了間際には、不必要な苦しみさえ味わせてくれた。

バンガールが試合前に語ったように、このスタメン11人の選手で負けたことのないバルサ。それは同時にこの11人が出場しないと勝てないということでもある。後半途中、ルイス・エンリケとメンディエタが抜けたバルサに、その事実がよく確認できたのは偶然ではないだろう。ノベルダ戦、At.マドリ戦でも同じことが起きたのだから。バンガールによって選ばれた11人の選手たちは、ほぼ完璧に監督の意志のままにプレーすることを可能としている。だがその11人の中から一人でも消えるとチームそのものが消えてしまうバルサをバンガールはどうにかしないといけない。

■サビオラゴール!
ルイス・エンリケのゴールにより先制し、楽な試合展開となったバルサ。ベルギーリーグ5連勝というブルッハスとはいえ、バルサとの格の違いは明らかな試合展開となる。だが昨日のバルサはまさに典型的な今シーズンのバンガールバルサだった。多くの、数え切れないほどの多くのゴールチャンスを生み出しながら、それをものにできないバルサ。その最大の原因の一つにクルイベルをあげるのは酷だろうか。チームブロックの中での「プンタ」に位置する彼の仕事は、それこそバロン・デ・オロをとってもおかしくないほどのものだ。だが一人の選手としての「プンタ」の役割、つまりゴールを決めるということに関しては、少なくてもこれまでのところ仕事を果たしていない。そしてその役割を確実に果たした選手、それがサビオラだった。

サビオラは彼の3倍はあるかと思われるような大男たちに囲まれていた。それも一人や二人ではなく大勢に囲まれていた。だがこの日のサビオラはまさに「コネッホ」だった。一人を抜き二人めも抜く。ボールはなぜかサビオラの足下から離れない。離れそうで離れない。そして最後のディフェンスを抜いたところで左足でのゴール。それはゴールの嗅覚をもったもののみが可能とするプレーだった。まさに「信じるものは山をも動かす」というたぐいのゴールだ。

サビオラのゴールによりバルサが3点目を獲得する。試合が終わってみればブルッハスも2点を入れており、結果的には彼のゴールが勝因の一つとなった。だがそれは結果論だ。そのことはそれほど重要なことではない。重要なことはバルサが作り出した多くのゴールチャンスをさらに活かせなかったところにある。そしてもう一つ重要なこと、それは「信じる」ことの強さだ。サビオラはゴールの可能性を誰よりの強く信じている選手。その思いなくして昨日のゴールは決して生まれることはなかっただろう。

■違いを見せた選手たち
サビオラ
「内容的にも非常にいい試合だったと思う。ただいくつかの点、例えば最後の詰めをもっと厳しくしていかなければならないとかの細かい点は反省しなければならないだろう。それでも戦いの精神とか闘争心とかいうものでは我々は100%だったと思う。最後はリードしていたことで少しプレッシャーが甘くなったかも知れない。自分のゴール?うん、最高のゴールの一つかも知れない。でももっともっと決めてやるんだ。」
サビオラがゴールの嗅覚を持った選手とするならば、ルイス・エンリケは「必要な場所にいつもいること」の嗅覚を持った選手だ。もう彼のゴールはニュースとはならなくなった。バルサにとって欠かせない偉大なカピタンに成長し続けているルイス・エンリケだ。

メンディエタ「試合自体には満足している。ただ欲を言えば、最後にあんなに苦しむ必要は何にもなかったということかな。ああいう試合展開になっていたんだから、楽勝という感じで試合を終わらせるべきだった。確かに最後の詰めが甘いという批判があるけれど、個人的に心配しているのは不必要なゴールを決められすぎるということ。気のゆるみが出たのがまずかったかな。」
目立つ存在のメディアプンタたちとは別に、目立たないながらも彼らの仕事なくしてチームが機能しないという選手たちがいる。その目立たない選手の代表がコクーだろう。ひたすら影となっての戦術的な仕事を任され、期待を裏切ることなく仕事を完璧にこなしているプロの姿がそこにある。カンプノウに駆けつけるソシオの目は肥えている。彼らにとってこういう影の仕事をする選手にも暖かい拍手がおくられていたのがその証拠だ。そしてコクーと同じように仕事をまっとうしたモッタとメンディエタにも触れておかなければならない。コクーのすぐ脇かその前に位置し、常にチャビやコクーの仕事を楽にさせるために動きまわるモッタ。彼もまた完璧に仕事をやってのけた。メンディエタに関してはいまさら特別扱いする必要もない。右サイドの「主」として上へ下へ走り回ることを要求される彼の仕事はハードだ。だがそれでもほとんどミスなくこなしている。

ビクトル
「ペナルティー?俺は神に誓って触らなかったよ。確かに状況的にはよくペナルティーと吹かれるシーンではあったけどね。でも俺は相手の選手には絶対触らなかった。彼女に誓ってもいい。いずれにしてもチームの勝利に満足している。ゴールを決められたことには非常に不愉快だけれど。」
バルサのキーパーに要求されるもの、例えキーパーが外国人選手であろうとカンテラ育ちであろうと要求されるもの、それはひとえに「安定さと冷静さ」と言える。残念ながら昨日のビクトルは若さからくる経験不足を露呈するプレーをしてしまった。ゴールの決定的チャンスとはいえない場面での飛び出しによるペナルティーを与えたミスは大きい。しかも相手選手にはしっかり影となりプジョーがくっついていた場面だった。そして高いボールに対する反応の悪さも目立った昨日の試合。ラッキーにもそれらのミスが「敗因」とならずに済んだのが救いだ。

■ビクトル(5)
相手選手に触ってはいなかったとはいえ、不要なプレーだった。2点目の得点はプジョーの身体に触って入った不運なゴール。

■プジョー(6)
不幸にもブルッハスがあげた2点すべての主役となったプジョー。だがそれ以外は相変わらずファイト満々の90分。

■デ・ボエル(6)
前半は何の問題もなくプレー。だが後半は二度ほどヒヤッとさせるプレーを見せた。だが失点につながるまでには至らず。

■ナバーロ(6)
左サイド守備にも攻撃にも鋭さを見せたナバーロ。試合ごとに経験を積み、安定感が増してきている。

■メンディエタ(7)
右サイドを支配したメンディエタ。普段よりは攻撃的な上がりが多く見られ、フリーキックではその才を発揮。

■チャビ(7)
すべてのボールがチャビに集められ、すべてののボールが彼から分配されていく。4番として合格。

■コクー(7)
ブルッハスがボールを持った時に、中盤での防御を完璧にこなしたコクー。攻撃面でも多くのチャンスの貢献。

■モッタ(6)
コクーと同じような働きを見せたモッタ。中盤でのつぶし役としても攻撃での補助的な役割もおこなった。

■サビオラ(8)
テクニックとパワー、そしてゴラッソ。90分間にわたって疲れを知らずに動き回る。彼にとって最高の試合に一つ。

■ルイス・エンリケ(7)
ゴールの女神が相変わらず彼に微笑み続けている。ゴールを決めただけではなく、チームの機動力として貢献。

■クルイベル(6)
トップに位置するピボッテとしては最高の活躍、9番としてはゴールを拒否され続けている。最も難しいシュートはゴールポストに、やさしいゴールは観客席に。