それでもダービー戦
ダービー戦、それはチーム状況に関わらず常に熱い戦いとなる。ここ20年間負け知らずのバルサにとっても、決して油断は許されない戦いだ。とは言え、バルサとエスパニョールの実力の違いは例年になくはっきりしている時点でのダービー戦であることも間違いない。まだ負けを知らないバルサに対し、まだ勝利の味を知らないエスパニョール。だが、それでもダービー戦はダービー戦だ。
■バルサ・エスパニョール
リーグ戦2試合、チャンピオンズ1試合を消化したところで2勝1分けのバルサ、一方エスパニョールはリーグ戦2敗。両クラブに共通していることは国王杯をされぞれ初戦で敗退していることだ。
■プジョー・タムード
バルサの最高のディフェンスであるプジョーとエスパニョールの強力なデランテロのタムードの対決。これまで何回か戦ってきた二人でが、プジョーはタムードが苦手な面が見られる。いずれにしてもバンガールが最も信頼する選手とホアン・デラモスが絶対の信頼を置くタムードの戦いはスペクタクルだ。
■クルイベル・ドモラウド
スペクタクルなパスを出すという意味において世界最高のデランテロの一人であるクルイベルをマークするのは元ミラン所属のドモラウド。これまでソルデビーラとコンビを組んでセントラールを守ってきたが今日はロポとコンビを組むことになる。
■サビオラ・アマヤ
今シーズン快調に飛ばしてきているサビオラをマークすることになるのはアマヤ。左ラテラルとしてプレーしているが彼の本来のポジションはセントラール。だがマーカーとしては高さにも強いし、当たりも強い選手。サビオラの早さについていけるかどうかがキーポイントとなる。
■エンリケ・ロポ
前シーズンパコ・フローレスが監督を務めていた時期は常時スタメンの一人であったがラモスが監督になってからベンチを温めている。だがソルデビーラがカード制裁で出場できない今日の試合、バルサのゴレアドールであるルイス・エンリケをマークする厳しい仕事が待っている。
■チャビ・モラーレス
チャビがインテリジェンスと頭の回転の速さで勝負するとすれば、エスパニョールの4番モラーレスは体力勝負だ。創造的な4番というよりは破壊的な仕事に専念しなければならない。対称的な二人の4番の対決が今日見られることになる。
■ナバーロ・マクシ
サビオラと共にアンダー20のチャンピオンであるマクシ。ヨーロッパでのプレーはまだ1年目にも関わらず、クラックとしての実力を出すことをエスパニョールでは要求されている。一方ナバーロは試合ごとに一部チームの選手として成長してきている選手。
■ビクトル・アルヘンソ
ビクトル、アルヘンソと共に少年時代からカタランダービーを戦ってきた。したがってその戦いの意味することを最も認識しているキーパーたちだ。約1か月前には二人ともベンチ生活となることが予想されていたのも関わらず、状況のいたずらが今日のダービー戦での対決を実現することになった。
■そして、イバン・デ・ラ・ペーニャ
リバルドを放出しロナルドの加入を断ったバンガールは、4年前にイバンの放出をおこなっている。イバンはブラジル選手とは違い、一言の悪意のある言葉を投げかけず、心の痛みをおさえてバルサを出ていった。そしてガスパー会長誕生と共にバルサに戻ってきたイバンだが、負傷やいくつかの不運に見舞われて再び出ていくことになった。ペティ、アルフォンソ、ジェラールと同じように、セラフェレール政権で獲得した補強選手はその監督のもとでは成功しなかった。そして今、エスパニョールの選手としてカンプノウに戻ってくる。いかにエスパニョールのユニフォームを着ている彼とはいえ、彼にブーイングをするバルセロニスタは一人としていないだろう。大きなスタンディングオベーションが彼を待っているのは間違いない。なぜなら今でも多くのイバン信者がバルセロニスタの中に存在するのだから。
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