10月4日

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LIGA 第5節
10月6日 19:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
OSASUNA


ペップに何が起きたのか?

バルセロナには彼の望むすべてのものがあった。バルセロニスタのアイドルとして、バルセロニズムのシンボルとして存在していた彼が望めば、人生最高の再延長契約まで可能だったはずだ。もちろんガスパーにしてみれば大喜びで彼の望みを可能にしただろう。だがペップの選んだ道は、具体的な行き先が決まらないままの新たな人生だった。彼に近いある人は、たぶんペップは後悔しているだろうという。そしてある人は、決して後悔などしていないだろうという。いずれにしてもそれは当人のみ知ることである。だが一つだけ誰の目からも明らかなこと、それはバルサを離れてからの彼には、今のところ何も良いことが起きていない、ということだろう。
チームを見つけるのに4か月かかったうえ、入団してからドーピング問題に巻き込まれたグアルディオラ。その結果、最後のチャンスとなったワールドカップ参加も不可能となった。そして今シーズン、ローマへの入団によってフットボール選手として再生が期待された彼は、これまでのところわずか83分のプレーチャンスしか与えられていない。一試合分にも満たない時間だ。いったいローマにいるペップに何が起きているのだろうか。

グアルディオラを獲得するにあたってローマの監督ファビオ・カペーロが語ったこと。
「グアルディオラは今シーズンの核となる選手」
そのカペーロは彼を83分しか起用していない。すべての試合をベンチスタート、途中交代でプレーした時間が合計83分。いったいカペーロは何を望んで彼を獲得したのだろうか。

ペップにとって1年目のカルッチオ体験がほぼドーピング問題で終わったとすれば、2年目の今シーズンは少なくともベンチの中には入れることになった。だがもちろんそんなことを望んでローマに入団したわけではない。これまでリーグ戦とチャンピオンズでそれぞれ1試合ずつ途中出場してプレーしている。もちろんこの事実はシーズン開始当初からのローマというチームの不振とは無関係ではないだろう。3試合連続敗戦という屈辱的な結果を残してしまったカペーロ・ローマにとって、どんなことをしても勝利にむけた試合をおこなわなければならなかったローマ。この否定的な状況がさらにペップの問題を深刻にしている。

彼にとっては何の問題もない発言だったに違いない。少なくともバルサの選手としてプレーしているペップであれば、誰もが疑問を抱かない発言だった。
「試合に勝利するためにはいい試合をしなければならない。今のローマにはそれが欠けている。」
だが彼がプレーしているところはバルサではなく、カルッチオのローマだった。彼の発言はマシア出身の発言であり、カルッチオでは理解されない発言である。
「勝利のための一番の近道はいい試合をすること。」
これはバルセロニスタにとっては常識的な発言として受け止められるだろうが、ロマニスタにとっては納得いかない発言なのだ。なぜなら彼らにとって、そしてもちろんカペーロにとって、「いい試合」をすることなど二の次で、とにかく試合内容に関わらず勝利することが第一番の目的なのだから。したがってペップの言葉は決して理解されない。同じ「勝利のために」ということを語っているのにだ。

イタリアメディアが伝えること、それは冬のマーケットでブレッシアに戻ること、あるいはスペインリーグに戻ること、この二つが噂として上がっている。スペインリーグに関しては具体的なチーム名まであげている。それによればベティスかコルーニャ。だがこの可能性は100%あり得ない。当のグアルディオラが全面的に否定しているし、何よりもローマでのの成功を信じている彼だからだ。

ローマでの生活に完全にとけ込み始めているグアルディオラファミリー。その証拠に彼らはホテル住まいをやめ、一軒家に引っ越すことがすでに決まっている。代表選のために休みとなる来週にも、彼はバルセロナに戻ってくる気はない。
「いまの自分にとって唯一の願望、それはローマでプレーしてローマで成功すること、これだけだ。これまでの試合でスタメンで出場できなかったことに不満を言うつもりもないし、カペーロに対して不満を持っているわけでもない。そんなことで不満を言うほど若くもない。あることないこと書いているイタリアメディアに不満を言う気もない。そんなことはどうでもいいんだ。自分がしなくてはならないこと、それは1日も早く監督の信頼を勝ち取ること、これまでバルサでもやってきたことと同じことさ。そうすればそのうちチャンスがやって来る。今は我慢の時だと思っている。」


プジョーに何が起きたのか?

と言ってもプジョーには大したことは起きていない。起きることといえば来週にはバルサの選手としてデビューしてから、3周年を迎えるぐらいのことだ。これから長い間バルサの、そしてカンテラのシンボルとして活躍していくであろう彼にとって、3周年というのはほんの通過地点にしか過ぎない。


デビューして3年目を迎えますが。

この3年間に起きたことはほとんどが肯定的なことだったように思う。まずバルサ一部でデビューし、アンダー21でヨーロッパの3位になったこと、そしてシドニーの大会。そしてこの年にはスペイン代表にも選ばれた。時間の経過がこれほど早く感じたこともなかったように思う。自分は恵まれすぎているし、そのことに誰に感謝していいのか。

そうは言っても、ここまで来るのに平らな道ばかりではなかったですね。

もちろん、すべての人が自分を信頼してくれたわけではない。一部チームでデビューするまでには本当に辛い時期もあったし、それから再びバルサBに戻らないための努力も必要だった。今シーズンが自分にとってシーズン開始当初からスタメンで出られる最初のシーズンなんだ。それまでは常に控え選手としてベンチからのスタートだった。

何が変わったのか?

プジョー個人は何も変わっていない。友達もこれまでと同じ友達だし、親友にも変わりがない。ただフットボール選手としてのプジョーは少しだけ成長したと自分でも言うことができると思う。それはすべてバルサというクラブに所属していたおかげだ。一部チームには偉大な選手がたくさんいて、彼らから多くのことを学ぶことができた。こういうことが大きなクラブにいることの強みだと思う。それでも自分はテクニシャンと呼ばれる選手にはなれないことも知っている。テクニック的には一部チームでの最低ラインまで上昇すること。これは周りの選手に影響されてどうにかこうにかたどり着いた感じ。彼らの教えなくして現在の自分はあり得ない。

マシアをシンボルとするバルサは、若い人にとって同時に人生での教育機関とも言われてますが。

もちろん。それはマシアに限ったことではなくて一部チームに所属していても同じことが言える。自分がここまで人間的に成長できたのはルイス・エンリケに負うところが多いと思っている。彼はこれまで多くの助言をくれたし、今では兄弟だと、そう、彼がどう思っているかどうかは別として、自分には兄のような感じだ。彼以外にも多くの人々が自分の成長を助けてくれたことも忘れてはいない。例えば、デラ・ペーニャ、アルナウ、チャビ、数え上げたらきりがないけどね。

ベティス戦で印象的だったシーンがありました。ホアキンがペナルティーエリア内で倒れたときに、あなたは血相を変えて彼を非難していましたね。

サーカスのピエロみたいなことをされるのが一番嫌いだ。特に自分のプレーでそういうことを相手選手にされると我慢できなくなってしまう。審判をごまかそうとするプレーには本当に嫌気がさすんだ。ホアキンがまさに自分が一番嫌悪することをしたから怒っただけだ。

今シーズンのバルサに関して。

ここまでの試合は、ノベルダ、ベティス戦を除いての話だけれど、すごくうまくいっていると思う。非常に「プロ的」なチームに仕上がっていると感じる。もちろんシーズンは長いし、まだまだ始まったばかりだけれど、非常に楽観的なイメージを持っている。もうそろそろタイトルを獲得する季節だからね。しかも長いシーズンには、バルサに所属するすべての選手が一体化して戦わなければと思う。何やら「Aチーム」とこれまでのチームを呼んでいるようだけれど、それは時間の経過と共に変化してくると思うよ。すべての選手の力が必要なんだ。

最後に、これまで苦手とした選手、好きなグランド、嫌いなグランド、どこのグランドでプレーしてみたいか。

オランダ代表と当たった時のオーベルマルス。1−0で負けた試合だけれど、彼が肉体的に問題ないときは誰にも止めようがない選手だと思った。スペインリーグではレビボが印象的だ。ビーゴでやった時の試合だけれど、風のように自分の脇を抜けていったのをよく覚えている。好きなグランドはもちろんカンプノウ。サン・マメスもいいな。ベルナベウも特別。嫌いなグランドはない。そしてプレーしてみたいグランドは、何と言ってもオールド・トラッフォードさ。