10月17

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控え選手による本番試合

今週末にはリーグ戦が戻ってくる。日曜日におこなわれるバジャドリ戦はもう目の前だ。そして今日には戻ってくるすべての代表選手を待ちきれず、バンガールバルサは控え選手を中心にテストマッチを昨日おこなった。彼らにとってはまさに真剣勝負となったマタローとの試合。

テストマッチとはいえ、普段は控え選手となっているロッケンバックやガブリ、エンケなどには大事な試合だ。そして長いリハビリから戻ってきたアンデルソンとオーベルマルスにとっても「復調」をアピールする絶好の機会となっていた。バンガールは普段の練習のようにこの試合も報道陣をシャットアウトしておこなった。報道陣が彼の許しを得て仕事に就けたのは試合終了10分前から。10分間だけテストマッチの取材が許された。したがって90分の試合を見学することを許されなかった我々は各関係者のコメントを拾いながら今日の紙面作りに入らなければならない。

彼らからの情報によれば、バルサは4人ディフェンスで試合にのぞんでいる。二人のセントラル(アンデルソン、オレゲール)と二人のラテラル(ガブリ、ロッケンバック)。そして二人のピボッテ(ジェラール、イニエスタ)に三人のメディアプンタ(オーベルマルス、リケルメ、ジェオバンニ)とプンタとしてダニ。注目を浴びて登場したアンデルソンは90分にわたってプレーし、オーベルマルスは45分だけとなっている。

アンデルソン、オーベルマルス、彼らは5か月という長い期間にわたって公式試合に出場していない選手たちだ。オーベルマルスは5月5日、エスパニョール戦が最後の試合となっている。一方アンデルソンもやはり同じ月の7日におこなわれたカタルーニャカップでのテラッサ戦が最後となっている。それ以来、彼らには長くも苦しい期間が訪れる。オーベルマルスは手術を受けにオランダへ、アンデルソンはワールドカップの準備で代表の合宿へと向かうものの練習中に再び負傷しワールドカップ出場は諦めざる終えない状況を迎えた。したがって彼ら二人にとってこの試合がテストマッチであったとはいえ、大きな喜びを勝ち得たことは間違いない。

■アンデルソン
疲労が表情にでているものの、幸せそのもという雰囲気が伝わってくる。フットボール人生で最悪の1年を過ごした彼にとって、再びフットボール選手としてグランドに戻ることができた。5か月ぶりの現場復帰、しかも90分にわたってのプレーが可能だったことが何よりも嬉しそうだ。
「ボン・ディア!」
カタラン語で挨拶し、始められる記者会見。
「再び同僚に囲まれて90分間にわたって試合ができたことに最高の喜びを感じている。しかもフィジカル的には何にも問題なくプレーすることができた。最高だね。90分は長かったけれど、2−0というスコアーで試合に勝つこともできたし、今はこれ以上言うことはないよ。」

1試合90分にわたってプレーすることができたとはいえ、あくまでもテストマッチだという現実も忘れてはいないアンデルソン。肉体的に問題が再発しなかったものの、本来のリズムを取り戻すにはもちろん時間が必要だということをじゅうぶん認識している。
「少しずつ、少しずつね。焦っちゃいけないことはわかっている。自分はもう夢見るような年でもないので、現実的にものを考えていこうと思っている。少しずつ、少しずつ、プレーする時間が増えてくればいい。あとは監督が決めることだ。」

■オーベルマルス
アンデルソンが90分にわたってプレーしたのと比べ、オーベルマルスは45分だけのプレーで終わっている。バンガールにとって彼の復帰は何よりも嬉しいプレゼントに違いない。システムの多様性がでてくる可能性があるし、これまで欠けていた「リズムを変える」選手の登場となるからだ。だがオーベルマルスも慎重に、慎重に復帰を果たしたいと語る。
「45分だけだったけれど、手応えは非常によかった。5か月も実戦から遠ざかっていたんだから45分でもじゅうぶんさ。とにかく1日でも早く現場に復帰したい気持ちでいっぱいだ。それでもはやる気持ちを抑えて慎重にいこうと思う。俺は橋を叩いても渡らないオーベルマルスだからね。」

彼はこの試合で最初はルイス・エンリケが務めるメディアプンタとして、そしてその後モッタのポジションとなっているカリレーロとしてプレーした。
「どっちのポジションも楽にできた。問題はないね。あとは監督が決めること。そんなポジションの問題より、今は次の試合に呼ばれるかどうかの方が大事さ。」

■リケルメ
昨日のテストマッチの前におこなわれたマシアでの軽い練習でモッタが負傷してしまった。それはちょうどシュート練習をしている時だ。ルイス・エンリケ、サビオラ、ナバーロなどと共にゴールを守っているビクトル相手にシュート練習がおこなわれた。モッタが最初のシュートを放つ、と同時にかつて負傷した左足ふくらはぎを抱えるようにして倒れるモッタ。もちろんバルサ医師団はすぐに彼の元にかけつける。

モッタの負傷具合は今日の精密検査を待たなければならない。だが多くの関係者が予想するところによれば、日曜日のバジャドリ戦の出場は不可能ということだ。そして彼の不出場によりリケルメのスタメンが濃厚と噂されるカンプノウ周辺。だが昨日のリケルメのプレーは決して誉められたものではなかった。少なくてもマタローの選手たちが試合後に語るところによれば、やる気のかけらもみられなかったということになる。元バルサの下部組織のコーチをしていて今はマタローの監督となっているジョアン・ビーラは語る。
「彼にはモチベーションが全然なかったような感じを受けた。どこか悪いのかい?」

チャビの弟でマタローの選手であるオスカー・エルナンデスも監督と同じ意見だ。
「やる気があまりなかったようだね。ポジションを争っている選手とは思えなかった。走っているときより歩いているときの方が多かったんじゃないだろうか。」
果たしてバンガールはどのような採点をノートに付けていたのだろうか。