”クラック”への最初の通告
バンガールのシステムに誤りはない。ロコモティフ戦でチームが機能しなかった原因、それは3人のクラック選手(サビオラ、クルイベル、リケルメ)がバンガールシステムの特徴の一つであるエストレーモをうまく利用しなかったからだという。メンディエタとナバーロの二人のエストレーモがいながら、彼らをうまく機能させなかったクラック選手へ、最初の通告が与えられた。
チャンピオンズリーグからリーグ戦へ。選手たちは休む暇もない。今日はカンプノウにアラベスを迎えてのリーグ戦の試合となる。バンガールが考えるアラベスというチーム。
「チャンピオンズリーグでのブルッハスやロコモティフよりかなり難しいチームと対戦することになる。」
そしてそのような難しいチームとの対戦にあたって、ロコモティフ戦での誤りを繰り返してはならないと語るバンガール。
「まず最初に我々が心がけなければいけないことは、ボールを持って走りすぎないようにすることだ。ロコモティフ戦を正しく総括すればそのような結論になる。あの試合でクルイベル、サビオラ、そしてリケルメたちはサイドにエストレーモが広がっているのに彼らを利用しなかった。何回もメンディエタやナバーロが上がりながらも彼らにボールを分配することなく、個人プレーで得点をあげようとしていた。アラベス戦ではそれを決して繰り返してはならない。」
■ルイス・エンリケの復帰
このバンガールの3人のクラック選手に対する批判。今日の試合で、少なくてもその批判から逃れることになる選手はリケルメだろう。なぜならルイス・エンリケの復帰はリケルメのベンチスタートを意味するからだ。ロコモティフ戦前にバンガールがリケルメスタメンを予告した時、その理由となったのはルイス・エンリケの不在と「客寄せ」であるとはっきりコメントしている。
「リケルメ+10人の選手がスタメン出場」
だがこれは今日の試合には当てはまらない。ロコモティフ戦で唯一違いを見せようとした選手であるリケルメに対する外からの評価がいかに高かろうが、バンガールにとっては関係のないことだ。彼には絶対の信頼関係を持っている「Aチーム」がすでに用意されているのだから。
「プジョー+10人の選手がスタメン出場」
これが昨日発表したバンガールの予告スタメンだった。
■ビクトル株の下降
正確に言えば「プジョー+ボナノ+9人」これが正しい。なぜならここ何年か繰り返されているシーズン中の正キーパーの変更が今シーズンも再びおこなわれるからだ。
「ビクトルのスタートは素晴らしいものだった。だがここに来て少し落ち込んできている。それに比べボナノはスタートこそ悪かったものの、調子が上がり気味となっている。彼のベテランの強みを利用したい。」
理由がどのようなものであれ、いずれにしてもビクトルの冒険はこれで終了と理解していいだろう。わずか2か月という短い冒険。だが彼の将来は、少なくても今シーズンに限って言えば、第二キーパーとしてベンチを温めるか、あるいはバルサBに戻り正キーパーとしてプレーするかどちらかとなる。どちらにしてもビクトルの才能に関しては疑いを持たないと語るバンガール。
「彼は多分、ボナノやエンケよりも才能にあふれている選手だと思っている。だがビクトルはまだ若い。この2か月で人生最大のプレッシャーを受けていたことは間違いないだろう。精神的にも疲労のピークに来ているのだと思う。」
■そして今日の試合
話題はやっと今日の対戦相手となるアラベスへと向かう。アベラルドやドゥトゥエル、そしてジョルディなどの元バルサ選手がいるアラベス。彼らにとっては普通の試合以上にモチベーションが高い試合となる可能性がある。だがそんなことは恐れないバンガール。
「それはエスパニョール戦でも同じことがいえた。あのチームにも元バルサの選手が何人かいたが我々は勝利することができた。だがもちろん彼らのモチベーションが高いことも確かだろう。」
相手チームのことよりバルサそのものを心配するバンガール。特にロコモティフ戦で勝利しながら、しかもチャンピオンズリーグでの試合で4連勝を決めた試合であるにも関わらず、バルセロニスタやメディアからの大きな批判を浴びたことが理解できないバンガールだ。
「あの日の試合後の記者会見場の何と暗かったことか。試合に勝利しグループ首位を決めた試合なのに、なぜガッカリしている人々が多いのか私には理解できない。理解できないことはそれだけではない。デ・ボエルに対する理由のないブーイングもその一つだ。彼はよくやっている。精神的に強い選手だし心配はしていない。だがそれでもブーイングはよくない。アラベス戦では、頼むからああいうことをやめて欲しい。この試合にかけつけてくれるソシオに頼みたい。ブーイングはやめてくれ。」
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