10月31

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ルン♪ルン♪ル〜ン♪
 トッポジージョ

ロマンにとってすべてが順調に思える今週。ブルッハス戦ではスタメンで出場を果たし勝利につながるゴールを決めた。アルゼンチンではリーベルとボカのクラシコがおこなわれ、念願通り彼の「クラブ」ボカが勝利を飾った。しかもゴールを決めたのは彼の親友であるマルセロ”チェロ”デルガードだ。そして、さらにあと10日もすれば待ちに待った家族がバルセロナにやって来る。

ロマンの身体はバルセロナにあるものの、心は常にアルゼンチンに向いている。多くの友人がいるブエノス・アイレス。そして彼の人生の中でもっとも大事なもの、それはフットボール以上に大事なもの、奥さんのアナベラ、娘のフロッピー、そして息子のアグスティンで構成される愛する家族。その彼らがまだアルゼンチンに残っているのだからそれは当然だろう。だがあと10日もすれば、そう、わずか10日もすれば、ロマンの心もやっとバルセロナという、彼が初めて知ったアルゼンチン以外の素晴らしい土地に落ち着くことになる。なぜならやっと家族がバルセロナにやって来るからだ。住む家はすでに決めた。地中海に接する庭を持つ一軒家をすでに手に入れてある。そこにあと10日もすれば「ロマン一家」がすべて揃うことになる。彼にとってその喜びに比べればブルッハス戦でのゴールなんぞは小さい小さいものだ。

ロマンはこの「新居」を一時的な「住居」としてではなく、できるだけ長い年月にわたって住み続けるものとしようと思っている。だからこの「新居」は多くの外国人選手がするように「賃貸し」の一時的なものとしてではなく「買って」しまった。彼にとってバルセロナの生活は一時的なものではないのだ。
「この街にやって来て、そしてバルサというクラブに入ることができて非常に幸せだ。これを可能にしてくれたすべての人々に感謝し続けている。そしてバルセロナという街がとても気に入っている。これまでボカの遠征で色々な町を訪れたけれど、地中海に面しているこの町は最高だね。そしてそれ以上に感激しているのがここの人々のクラブに対する”熱さ”だ。自分に対しても信じられないほどの暖かさを示してくれるここの人々に感謝すると共に、フットボール選手として何らかのお返しをしたいといつも思っている。自分が気に入った町とクラブなんだから、家族も間違いなく気に入ると思うよ。」

ボカの勝利というビッグニュースで大喜びのロマン。その喜びはブルッハス戦でのスタメン出場につながる。しかもこの試合では勝利に導く決勝点までいれているのだから満足していないわけがない。
「何よりもバルサが勝ったことが嬉しい。しかも、普段と違って完全に自由に動けるポジションでプレーしたことが個人的には嬉しいことだった。まるでボカでプレーしているみたいだからね。クラブそのものにとってはそれほど大事な試合ではなかったかも知れない。もうグループ首位が決まっている段階での試合だったからね。でもオレ達11人の選手にしてみれば非常に大事な試合だった。ノベルダ戦の悲劇を繰り返してはいけないという意識があったからね。」

ルイス・エンリケの再負傷というアクシデントがあったため、次の日曜日におこなわれるラーシング戦では再びスタメン出場となる可能性がでてきたロマン。チャンピオンズリーグの試合が終了したばかりだが心はすでにリーグ戦へと走っている。
「これまでオレ達は必要以上にポイントを失いすぎている。もうそういう贅沢は許されないんだから、アウエーの試合だろうと勝ちにいかないとね。ラーシング戦にスタメンで出られれば自分なりに一生懸命やるだけ。でも誰がでようとバルサが勝てばいい。もちろん自分のゴールで勝負が決まるようなことがあれば最高。何回もトッポジージョが登場すればバルサも好調ということだし。それにしてもイニエスタというのは良い選手だね。初めて一緒にプレーしたのに違和感が全然なかった。」


●将来の”4番”イニエスタ
過去の”4番”ペップ・グアルディオーラがバルサを去るとき語った言葉を覚えているだろうか。
「将来のバルサの”4番”はアンドレスだ。」
アンドレス・イニエスタ、まだ16歳の時だ。しかもまだバルサBにも上がってきていないこの少年をペップは見逃さなかった。そのイニエスタはもう18歳となっている。そして夢の一つであった一部デビューを果たした。
「デビューを果たし、90分試合に出場し、そして勝利した。これ以上のことは望めないよ。しかも神経質になることが一度もなかったぐらい楽にプレーできた。それは簡単な理由さ。これだけ素晴らしい選手がまわりにいるんだから、楽にプレーできても何の不思議もないと思うよ。」
彼を語るとき、これまでのマシアから育ってきたかつての”4番”選手との比較が必ずされることになる。ミージャ、アモール、グアルディオラ、ジェラール、アルテッタ、そしてチャビ。だが彼はその比較をよしとしない。なぜなら彼はアンドレス・イニエスタだからだ。
「誰とも比較して欲しくない。それぞれがそれぞれの特徴を持った偉大な選手であるし、自分は自分なりの特徴を持った選手になりたいと思う。もちろん同じポジションということもあるから、自分が鏡として見続けていきたい選手はペップとチャビ。彼らの良いところを自分の良いところに付け加えていければいいと思う。」

●ヨーロッパで情報収集中のビエルサ
アルゼンチン代表監督のマルセロ・ビエルサは先週の土曜日にはパリにいた。PSGで活躍するアルゼンチン選手の様子を見るためだ。そしてその翌日にはイタリアにわたっている。具体的にはローマだ。ラッチオ対ローマのダービー戦を観戦するのが目的。バティ、ピオッホ、サムエルの情報収集。ビエルサは近いうちにバルセロナにもやって来る。元監督として就任していたエスパニョールに挨拶に来るわけではない。サビオラを見に来るのだ。11月20日に日本でおこなわれる日本代表とアルゼンチン代表の試合にビエルサはサビオラを連れて行くかどうか、それが最終的に決定するのは11月の5日。だが彼はその前に各クラブの監督とも話しをする意向を持っている。したがってもしサビオラを選出する場合は、バンガールとも話し合わなければならない。3日後に控えたバルサ・マドリ戦の重要な試合があるだけに、ビエルサも慎重に選手選びをしようとしている。もしバンガールがノーと言えばどうなるのか。いずれにしても11月5日の正式発表を待たないとわからない。

●アンデルソン、退院
月曜日に手術をしたアンデルソンは昨日の水曜日に退院している。これから長くも苦しいリハビリに入らなければならない。手術をする前日に担当医師であるボレールが約2か月のリハビリと語っているものの、個人的には期限を定めたくないと言うアンデルソン。目標は2003年のできる限り早い時期に復帰を果たすことだ。
「一時は精神的にも落ち込んでいて、引退の可能性もチラッと考えたけれど、この手術によって負傷箇所の根本的な問題が解決できたようだ。これまでの経験が焦ってはいけないと自分に言っている。具体的な復帰時期は考えていない。できるだけ早く、できるだけ早く、それだけだ。来年の早い時期に復帰することが今の目標。」

●ア〜イヤヤヤァ〜、ロナルドちゃん!
今シーズン初めて「世紀のスター選手」が集合した「世界最強のクラブ」メレンゲ白色軍団。ロベルト・カルロス、ジダーン、ラウル、ペセテロ、そしてロナルド。相手はガチガチカルッチオの代表チームであるローマとはいえ、彼らスター軍団には何の問題もない・・・はずだった。だがフタを開けてみれば何のことはない、ガチガチローマに攻め続けられる天下のレアル・マドリ。ミーハー好み選手トッティに点を許してからは攻めの姿勢をとるものの、決定的なチャンスが訪れないマドリ。ボールを奪われることのみで目立つ試合となったペセテロには雨のベルナベウに集まったマドリディスタからささやかなブーイングが聞こえ始める。ロナルドがボールをとれば、バルサ時代のコンポステーラ戦やバレンシア戦を夢見るマドリディスタ。だがベルナベウのグランドをかっ歩するロナルドはワールドカップでのモチベーションも体力もないし、ましてバルサ時代のロナルドとは別人だ。こうしてひたすらゴール前に突っ立っているロナルドは、「グッティ、グッティ、グッティを出せ!」コールと共にベンチに下がることになる。ア〜イヤヤヤァ〜、ロナルドちゃん!