11月17日

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LIGA 第10節
11月16日 21:30
RIAZOR
DEPORTIVO
vs
FC BARCELONA

2 - 0


引き分け狙いの結末

バルサにとって縁起の悪いスタディアムであることは確かだったし、バンガールが一度も勝利したことのないリアソールでの試合ではあった。それを差し引いて考えたとしても、引き分け狙いにいくバルサの結末は誰もが知っていることだ。その結末は、そう、敗北というリアソールでの試合では珍しくも何ともない結果。そして試合後、バンガールは語る。
「我々は勝利するために全力を尽くした。」
このコメントを何人のバルセロニスタが信用するというのだろうか。

バルサにとっては今シーズンに入ってから初の強敵を前にしての試合。しかも1週間後にクラシコを控えているバルサにとってはどうしても好調の波を維持し続けていきたいところでの試合だった。だが試合そのものは非常に退屈なものとなる。一つは、地元の試合でありながらデポルティーボはミラン戦の疲れが残っているのか動きが非常に悪かったこと。もともと守備的なチームがさらに守備面を固めての作戦となっていた。一方バルサといえば特に後半は試合の主導権を握るものの、攻撃面に冴えが見られない試合となった。危険を犯してまで攻めようという雰囲気はいっさい伝わってこない「試合コントロール」目的の戦いとなる。それは明らかに、誰もが思うように引き分け狙いという感じの試合運びだ。

試合後のバンガールの意見を聞くのは非常に興味深いことでもある。まして昨日のような試合のあとはなおさらだ。そして期待通りこの記者会見は、それこそ試合そのものよりもスペクタクルなものとなった。30人集まったジャーナリストのほとんどが引き分け狙いの試合と判断、少なくとも引き分けでもいいというプランニングのもとに戦われた試合と理解していたのに対し、それは違うと反論するバンガール。
「引き分け狙い?君はいったいどの試合を見ていたのだ。我々は負けることは負けたが、決してそのような結果に値する試合内容ではなかったことがわからないのか?いいか、彼らは2度しかゴールチャンスがなかった。もし私の記憶に間違いがなければ、たった2度のゴールチャンスだ。我々には何回のゴールチャンスがあったと思う?たくさんの、非常にたくさんのゴールチャンスがあったのだよ。もちろん我々の目的はたった一つ、それは勝利することだった。わかるかな?」

相手チームによってシステムを変える傾向が見られるが、と質問されたバンガールは再び驚きの表情と共にジャーナリストを睨みつけて答え始める。
「システムの変更とはいかに?それは4人ディフェンスのことをいっているのだとすれば、我々はこれまで90%の試合を4人ディフェンスで戦ってきている。したがって今日のシステムもいつも通りのものだ。ただ各ポジションの選手が違うということだけだ。これまで右ラテラルでプレーしてきたメンディエタの代わりにレイジゲルが入り、クルイベルのポジションにサビオラを置いただけの違いだ。デポルティーボは守備ラインを上げて戦ってくるという予想のもとに、開いたスペースをより有効に使えるサビオラを一番前に置いた。メンディエタはビクトルの個人マークとしてあのポジションに置いたんだが、ビクトルがスタメンで出てこなかったのは意外だった。」

11人のスタメン選びにも途中選手交代にも、そして戦術面にもいっさいの誤りはなかったと強調するバンガール。それではなぜ勝利することができなかったのだろうか。
「リアソールは縁起の悪いスタディアムだからだ。勝利に値するチームは彼らではなくて我々だったのにこういう結果となったのことが再びそれを証明している。リアソールはとにかく我々に縁起の悪いスタディアムなんだ。わずか1分の集中力の欠如がこういう悪運を生むことになった。だが、運がないところで勝てないのはフットボールの世界ではよくあることだ。」

バンガールが必死になって己のアイデアの正しさを主張しようと、リアソールで起きたことがここ何年かのバルサには不思議でも何でもないことだったように、彼の語ることもまた不思議でも何でもないいつもの内容だった。
「我々は勝利に向かって走り続けた」
「我々は試合の主導権を握っていた」
「集中力の欠如が敗因となった」
「つまるところ我々には運がなかった」
敗北した試合の後にいつも聞かされることになる「試合分析」といえば聞こえは良いが、言い訳とも言えるいつもの内容。すべてのバルセロニスタが疑いを持たないとしても、攻撃フットボールがバルサそのものと信じるバルセロニスタには少なくとも信じることのできない内容である。特に昨日のように、唯一のシュートを放ったのがモッタとレイジンゲルという試合では。

この試合のことはバンガールがどのように「分析」しようが、もう過去のことにしなければならない。今週はクラシコの戦いが待っている。バルサはまだ何も勝っていないことは確かなことだが、何も失っていないことも確かなことだ。しかもクラシコは、お互いのチームの調子とは別の世界の話しとなる勝負。19年間カンプノウで敗北を喫していないバルサにとって、再び好調の波に乗る絶好のチャンスの試合でもある。これまでのすべての悪しきことを忘れてクラシコを戦い抜かなければならない。