11月29日

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これがバルセロニスタノート

レバクーセン戦翌日、多くのプレスがバンガールノートを批判している。あまりにも保守的で守備的な前半のバルサがもちろん攻撃対象となっている。なぜサビオラやリケルメを最初から使わなかったのか、そういう疑問と共に、明らかな引き分け狙いの作戦そのものが批判されている。そこで元バルサ選手、バルサソシオ、ジャーナリストなどによるアイデアの「あるべき姿のバルサ」ノートを作成してみた。

バルサがバルサとしてバルサらしく戦うにはどういう道を選ぶべきか。それの絶好の見本となったのがレバクーセン戦での試合だった。引き分け狙いで組み立てられた前半のバルサ、そして攻撃に重点をおかれた後半のバルサ。もちろん多くの人々は、後半のバルサの姿を「バルセロニスタノート」の中に書きとどめることになる。理由を説明することは簡単なことだ。バルサが引き分け狙いでおこなった試合では、勝利はおろか目的の引き分けという結果さえ得ることがほとんどないことを誰もが知っている。そしてさらにそのような姿勢で戦うバルサは、すでにバルサでないということも知っているからだ。

バルセロニスタが望む「11人の選ばれた選手たち」、それは当然のことながら攻撃的なセンスを持った11人の選手たちとなる。この11人のなかで絶対外してはいけない選手として5人の名前があがっている。その5人とはチャビ、リケルメ、サビオラ、クルイベル、そして我らがスーパープジョーだ。

ラモン・アルフォンセーダ(元バルサ・デランテロ)は語る。
「たった一人のデランテロで戦うというのは非常に危険なことだ。それは選手たちに与える精神的影響を見てみればわかることだと思う。そういう戦いを試みる監督に対して「弱気」を感じてしまうのが選手というもの。そういうことは試合中のプレーでもあらわれてきてしまう。もっと危険を犯してでも攻撃的に行くのがバルサというもの。しかもバルサにはそういうように教育を受けている才能にあふれる選手が何人もいるではないか」

ルイス・プジョー(元バルサ・ディフェンス)も同じ考えの一人。
「レバクーセンの前半のバルサは45分で1点もとれないだけではなく、25年間戦い続けても1点もとれなかっただろう。引き分け狙いというのがミエミエの布陣での試合だったが、元バルサの選手として情けなく思う。もし私が監督であれば、クルイベル、リケルメ、サビオラ、あるいはオーベルマルスなどは常にスタメンで一緒にプレーさせたいと思うね。だってオレ達はバルサだろ?」

フリオ・サリーナス(元バルサ・デランテロ)は次のように説明する。
「バルサというチームは絶対といっていいぐらい相手チームに合わせて戦ってはいけないと思う。ベースとなる選手、つまりリケルメとかクルイベル、サビオラ、オーベルマルス、チャビ、ルイス・エンリケ、プジョー、彼らがベースとなって一つの決まったチームを形成していくべきだ。才能ある選手をベンチに置いておくことほどバカげたことはない。」

バケーロ(元バルサ・カピタン)はバルサがバルサとして機能してきた原点に戻るべきだと語る。
「バルサがバルサとして評価されているところは、どこのクラブにも劣らないその攻撃的なスタイルにあるはずだ。レバクーセンの前半にバルサがおこなったことは、いわゆるバルサがおこなってはならないこと。相手がどんなチームであれゴールの可能性を追求し攻撃的にプログラムされるのがバルサではなかったか。バルサの原点に戻るという意味では、あの試合の後半のような戦いを続けなければならないことだと思う。」

マリア・ゴンサロ(元バルサ監督)はバルサ史に残る「シンコ・コパス」時代を経験した一人。
「バルサの特徴はもう何十年も前からその創造的なスタイルにあることは私が証明できる。創造的で攻撃的なチーム、それがバルサの特徴であったはずだ。したがってサビオラとかリケルメとかいう才能あふれる選手は絶対と言っていいほどスタメンで出場させるべきだ。保守的で守備的なチーム作りは臆病で卑怯者がすること。一人デランテロなんて、あたしゃ恥ずかしいよ。」


中央からの攻撃に対し反撃を準備

中央メディアはもとより、政治家まで発言をしだした今回の「カンプノウ事件」。制裁をすべきかどうかを決めることになる競技委員会には、背後から多くのプレッシャーがかかる事件となった。だがバルサは常識的な反論、申し立てを持ってこれらのプレッシャーと戦うことになる。そしてその常識的な申し立て項目は実に20以上にものぼるものとなった。

カンプノウで起きた事件に対し、処罰を加えるべきか否か。それは次のようなスケジュールをもって進められることになる。
■11月29日(金曜日)
つまり今日、29日の12時までにバルサは「申し立て」書類を競技委員会に送ることを義務づけられている。もしこの義務を放棄した場合は、競技委員会で好きなように処分をお願いしますという意味となる。もちろんバルサ側は総力をあげてこの「申し立て」書類を作成し、今日の昼までにファックスで送ることになる。
■12月3日(火曜日)
3人のメンバー(二人は元マドリソシオ、一人は現在もマドリソシオでありコルーニャのソシオでもある)によって構成される競技委員会は週末を利用してバルサの提出した「申し立て」書類を検討し、来週の火曜日に再び会議を開いて結論をだすことになる。結論がどのようなものであれ、バルサ側は控訴する権利を有し、再び「申し立て」書類の作成が必要となる可能性もある。いずれにしてもこの日には最終的な結論には達しない。

すでに昨日のうちに用意されている「申し立て」書類は、3人のバルサ弁護士の手によって作成された。そのリーダーとなったのはジョセップ・マリア・コローナス。クラブ理事会の一人でありクラブスポークスマンでもある彼の専門は弁護士だ。リバルドがビルバオ戦で相手ディフェンスに暴力をふるったとされた事件で、彼に対しマドリッドを中心としたメディアがリバルド制裁を叫んだときにそれを回避させた主役でもある。彼らが今回の事件で用意した「申し立て」書類は実に20項目以上にものぼる「無罪理由」によって構成されている。

警備に当たった警察組織が試合前にバルサ側に提示した「安全性のための注意項目」をすべてカバーしただけではなく、彼らの要求した警備人数より50%も多い警備をバルサ側が準備したこと。その結果、グランド内への侵入という事実もなかったし、観客席内での暴力事件も存在しなかったこと。10万観衆が集まりながら「禁止物質」の発見はガラス製の瓶(ウイスキー瓶)1本しかなかったこと。そして特に次の4つの項目が重要として「申し立て」ている。

1.負傷者が一人もでなかったこと
2.組織されたものではなくて自然発生的なものであったこと
3.警備のノルマは完全に果たされていること
4.歴史的にカンプノウでの「前科」がないこと

これらの事とは別に、過去にカンプノウ以外のスタディアムで起こった「事件」の凡例をバルサ側は用意している。その中にはベルナベウでおこなわれた試合でのレイナに対する暴力事件ももちろん含まれている。先日のカンプノウでの騒ぎ以上に重大な出来事があったにも関わらずいっさいの制裁を加えられなかった過去の判例を示すことにより、少なくてもカンプノウ閉鎖処置という事態を回避したいバルサだ。