12月21日

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LIGA 第15節
12月21日 21:30
SON MOIX
MALLORCA
vs
FC BARCELONA

 

●召集選手(スタメン予想選手
ボナノ、デ・ボエル、クリスタンバール、コクー、チャビ、イニエスタ、メンディエタ、モッタ、ガブリ、オーベルマルス、クルイベル、エンケ、オレゲール、ジェラール、ロッケンバック、ジェオバンニ、サビオラ、プジョー、ダニ

●負傷中
アンデルソン、ルイス・エンリケ、レイジゲル、ナバーロ、リケルメ


バンガールバルサの終焉?

これまでバンガールを支持し続けてきたムンド・デポルティーボ紙。彼らは今日の試合にバルサが勝利さえすればバンガール更迭はあり得ないだろうと予想する。だがその他の多くのカタルーニャ地方紙のほとんどは、今日の試合結果にかかわらずバンガール更迭の可能性を伝えている。勝とうが負けようがあるいは引き分けようが、バンガールに対する判決は下っていると考える多くのカタルーニャメディアだ。

バルセロニスタに多くの疑問を投げかけながらガスパーの一任で決定したバンガール監督就任。そして4か月しかたっていない今、バンガールはバルサ監督として最後の時を迎えている。今日のマジョルカ戦にどうしても勝利が必要なバルサであるが、もちろんバンガール個人にとっても今シーズンもっとも重要な試合となってしまった。だがそれでも余程の奇跡がおこらない限り、その奇跡とはガスパーの“奇跡的な心境の変化”を指すが、例えマジョルカに勝利したとしてもバンガールにとって最後の試合となることは彼自身も覚悟している。
「私バンガールにとってこの試合が最後のものだとは思っていない。」
マジョルカに飛ぶ前にカンプノウでおこなわれた記者会見でこう語るバンガール。だがそれは彼自身も納得して語っているわけではないことは明らかだ。むしろ、この言葉と180度違う心境にあると言える。

マジョルカに到着してから、バンガールはオランダのカナル・プルステレビ局とのインタビューに応じている。そこで語られたことはやはり「私バンガールはバルサの監督であり続ける」という内容のものだった。だがインタビューが終わりオフレコでの会話が始まる。その席でバンガールは次のようにオランダ人記者に語っている。
「どうやら最後の瞬間が近づいているようだ。」
カンプノウでの記者会見やテレビインタビューとの発言とはまったく違うバンガールの言葉がここにある。彼が自然に己が抱いている心境をこのように語る裏にはいったい何があるのだろうか。

それはこういうことだろう。バンガール第一次政権の時のクラブ会長はヌニェスだった。多くのバルセロニスタがバンガールの辞任を要求する中、彼だけがバンガールを守ってきた人物だ。そしてそれは今のガスパーとしても同じこと。多くの副会長が反対する状況でガスパーの一任で決定された監督なのだからそれは当然だろう。だがヌニェスとガスパーの決定的に違うところ。それはヌニェスは最後までバンガールを信じたが、ガスパーはすでにバンガールに対して疑問を抱き始めているということだろう。ヌニェスは多くのバルセロニスタの白ハンカチに動じなかった、というよりはソシオの思いを理解しなかった。だがガスパーはソシオそのもの会長だ。彼は決してソシオの声を無視することはできない。そして同時にガスパー個人に辞任を求めるソシオに対しても、時間さえあれば彼らを納得させることができると信じている。その第一歩がバンガールの更迭だ。

ガスパーのバンガールに対する信頼が壊れたのは最近のことだ。バンガールは「選手が足りない」ことをチームの不振の一つの原因と語っている。シーズン開始当初に彼が要求したデランテロ、セントラル、左ラテラルが不足していると不満をぶつけるバンガール。だがガスパーにしてみれば納得いかない。なぜなら彼はロナルドを提供されたにも関わらず「戦力外選手」としてはねつけた。アベラルド、セルジ、ココを放出したのはクラブ理事会ではなくバンガールだ。さらにバンガールは理事会の決定そのものに口出ししている。
「もしこの時点で私バンガールを更迭するようなことあれば、それはクラブ理事会のインテリジェンスの欠如を意味するだろう。なぜなら私バンガールがバルサにとって最適な人物だからだ。」
ガスパーを怒らせたのはこの発言だけではない。彼らの信頼関係を壊した最大の瞬間がやって来るのはセビージャ戦の試合終了後だった。多くの白ハンカチが振られたあの試合。バンガールはガスパーのオフィスで次のように語ったという。
「会長、もう私バンガールがどうのこうのじゃなくて、あなたの首もヤバイよ」

多くのカタルーニャメディアが予想するバンガール更迭の可能性。それはマジョルカ戦の結果に関わらず、試合に勝利しようがなにしようが、バンガールの更迭だ。それはガスパーのバンガールに対する信頼関係が壊れたことの他に、さらに次の理由によるところが多い。マジョルカ戦に勝利したとしてもカンプノウでの次の試合、つまり1月5日に予定されているレクレとの試合では、もしバンガールがベンチに居続けているならソシオの反応はセビージャ戦でのそれの繰り返しとなる可能性が大だからだ。それはどうしても避けなければならないガスパーだ。したがって余程の奇跡が起きない限り、ガスパーの意思の変化はあり得ないことを意味する。

2002年最後の試合であり、しかも奇跡をかけた今日の戦い。この試合にバンガールは“彼の11人”を選んだ。彼が現段階で最も信頼する“彼の11人”の選手たち。リケルメは突然の負傷によりマジョルカに来ていないものの、負傷する前から彼のスタメン出場はあり得ないものと考えられていた。サビオラもバンガールのお気に入り11人には選ばれていない。プジョーはもちろん選ばれた11人の中に入っているが負傷しているためこの試合での出場はほぼ不可能。だがプジョーは「チームを助けるためにマジョルカに行く」とチームに同行している。

バンガールの選んだ11人のスタメンは次のようなものだ。ボナノ、クリスタンバール、デ・ボエル、コクー、メンディエタ、チャビ、イニエスタ、モッタ、ガブリ、クルイベル、オーベルマルス。ここで注目されるのはイニエスタの抜擢だ。バンガールにとって生死をかけた試合となったバジャドリ戦でのチャビの役目を申しつかることになったイニエスタ。彼の持つ才能を疑う者はいない。だが多くの関係者がこの大事な試合に、必要以上のプレッシャーがかかるこの試合に、彼の才能がつぶされることがないことを祈っている。リーグ戦デビュー試合が監督の将来がかかった試合となったイニエスタ。
スエルテ! ムーチャ・スエルテ! イニエスタ!

●エスポーツ●
●ムンド・デポルティーボ●