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12月22日
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さあ、さあ、さあ、どうする?
マジョルカのノボが、エトーが、そして主審のイトゥラルデ・ゴンサレスが、線審のラファ・ゲレーロが、彼らすべてが“すでに投げられたサイ”を拾い返したかのようだ。バルセロナ空港からマジョルカへ飛んだバルサ副会長たち、彼らを率いるのはガスパーの腹心であるフランチェスク・クロッサ副会長。彼の使命は試合結果に関わらずマジョルカ戦終了後に個人的にバンガールに更迭の報告をすることだった。かつてセラ・フェレール更迭の際にそうしたように、同じ使命を抱えてチームに同行したクロッサ。だが試合終了と共にガスパーから携帯電話にかかってき内容は「少し待て!」ということだった。アウエーでの0−4での勝利、これは“余程のこと”が起きたということになるのだろうか。バンガールにとって“奇跡の逆転”となったのだろうか。ガスパーの決断は今日なされることになる。 今シーズンのバルサを救う唯一の道、それは好むと好まざるに関わらずバルサの“アルゼンチン化”と誰もが予想していたマジョルカ戦前。バンガールを更迭し、アルゼンチンからビアンチを呼ぶことによりリケルメとサビオラを中心にしたチーム作りが少しは明るい将来を見させてくれる。それが多くのバルセロニスタの望みであると共に、自らの延命を図るガスパーのアイデアでもあった。したがってガスパーの最も信頼する人物であり同時に親戚にもあたるクロッサをマジョルカに同行させ、試合後にバンガール更迭という記者会見がおこなわれるはずだった。それが“投げられたサイ”だった。だが“サイコロ”は転がっている最中に誰かに拾われてしまったのか、今のところどの数字をだして止まったのか確認されずにいる。ソン・モイでの思わぬ勝利、それも結果だけを見ればスペクタクルな0−4という勝利がガスパーのシナリオを変更させるのだろうか。 バンガールは“アルゼンチン化”に反撃の狼煙をあげるかのように、彼のオランダ人と彼のカンテラをもってマジョルカ戦を戦うことを決意していた。クルイベル、デ・ボエル、オーベルマルス、コクーという彼の4人のオランダ人、そしてチャビ、ガブリ、モッタ、イニエスタという彼のカンテラ。キーパーのボナノとディフェンスのクリスタンバールは彼らしか出場できる選手がいない。そしてバンガールの要求した今シーズン唯一の補強選手であるメンディエタを加えてのバンガール11人選手。思わぬ負傷というアクシデントがあったリケルメはそれ以前に計算に入れておらず、サビオラは健康そのものであるにも関わらず再度ベンチスタート。 試合内容そのものは歴史に残るものでもなんでもなかった。少なくともマジョルカの選手であるノボがモッタに対して暴力行為をはたらくまでは。それまでの11人対11人の試合は、どちらが先に点を入れてもおかしくないようなバランスのとれた試合展開。だがノボの退場がそのバランスを崩す。退場から2分後、モッタからのセンタリングをマジョルカディフェンスが弾いたところにクルイベルの頭があらわれる。バルサの先制点だ。そしてその壊れていたバランスをさらに壊すことになるのがエトーの退場という出来事だった。勝利しているバルサが11人、負けているマジョルカが9人となった試合。前半終了間際、オーベルマルスの放ったシュートをディフェンスが方向を変え、意表をつかれたキーパーの脇に突き刺さるラッキーなゴールで0−2。勝負は明らかに決まった。あとはバルサが多くのゴールを決めてスキャンダルな試合となるかどうかいう興味に移る試合となる。 90分が過ぎて見れば0−4というスペクタクルな勝利となるバルサ。だが年内最後の試合となったマジョルカ戦のこの結果で、これまで問題とされてきたことがすべて丸く収まるきっかけとなるかというと決してそうではない。バルサの11人の選手がこれまでの悪い試合内容を忘れさせるようなプレーを見せてくれたかというとノーだ。この試合の勝利によりバルサの反撃が期待できるかといわれたらノーだ。この試合で勝ち取った3ポイントが貴重なものかと言われればイエスとなるが、それでも我々はここ6試合で1勝4敗1分けという悲惨な結果を忘れることができるかと聞かれれば明らかにノーだ。バルサの状態は少しも変わってはいない。 もしバンガールに意地があるのなら、昨日の試合後の記者会見で自ら“辞任”声明をおこなうべきだっただろう。彼の監督としてのカテゴリーを疑った人々に対して、彼の履歴書を古くてくたびれたものと思った人々に対して、彼のシステムは時代遅れで現代では使い物にならないと信じている人々に対して、選手の持っている能力を出し切れない二流監督だと指摘した人々に対して、それらの人々に対して0−4という結果を置きみやげにドラマチックなサヨナラができたチャンスだった。だがそれをしなかったバンガールは、彼が望むと望むまいとすべての注目をガスパーの決断へと向けることに成功した。前会長であるヌニェスは彼に対して100%の信頼感を置いたが故に彼と共にクラブを去っていった。果たしてガスパーはどうでるのか。 ■バンガール現監督 確かにバンガールに対して何らかの決断がされない限り、彼はいまだにバルサの監督として年明けもバルサに残ることになる。それは彼の第一次政権2年目の危機と似ている状況ではある。バジャドリ戦に敗れるようなことがあれば更迭間違いなしとささやかれたあの状況に。 ■ガスパー現会長 昨日の試合後にあったガスパー唯一の動きは、副会長クロッサに対する「少し待て!」という判断のみだ。マジョルカ戦の結果がかつてのシナリオを変更した。一時的な変更となるのか、あるいは最終的な変更となるのか、その結論がでるのは今日だ。 |
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■ボナノ(6) 9人相手の試合。ほとんど仕事はなし。 ■ガブリ(6) ■デ・ボエル(6) ■クリスタンバール(6) ■メンディエタ(6) ■チャビ(6) ■コクー(6) ■モッタ(6) ■イニエスタ(8) ■クルイベル(8) ■オーベルマルス(7) |
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