1月22

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キケ・コスタスを推す副会長たち

副会長たちにより多くのプレッシャーをかけられているガスパー会長。もはやバンガールを信頼する副会長はすでに一人もおらず、セルタ戦の結果に関わらず監督を更迭すべきだとの意見が過半数であり、ガスパーのみがバンガール続投をうたっている人物となっている。しかも彼らのガスパーに対するプレッシャーは日増しに強くなっており、彼らの推すキケ・コスタスの監督就任が現実化しつつあるようだ。

バルサBの指揮をとるキケ・コスタ監督。バンガールが更迭あるいは辞任した場合には彼が最大の交代監督候補として急上昇している。副会長たちによる“バンガール更迭”要求はもちろんこれが初めてではない。一番最初はセビージャ戦が終了した段階で試合後におこなわれた緊急会議ですでに当時の副会長たちがガスパーに要求している。そしてそれが受け入れられなかった段階で、次に要求したことはマジョルカ戦の結果がどうであれバンガールの更迭であった。事実、副会長のクロッサはすでにビアンチとの接触を図り彼の同意まで得ている。契約書も作成されファックスでビアンチのもとに送られている。あとは彼がマドリ経由でかあるいはパリ経由でバルセロナに入りかという“エアーチケット問題”だけとなっていたのはすでに周知のことだ。

だがマジョルカ戦でのスキャンダルな勝利がガスパーの強力な味方となってしまった。しかもあの試合後には2週間以上のクリスマス休暇が控えていた。時間稼ぎとしては十分な時間である。そして年明けにバルサが戦う相手は地元カンプノウでの最下位を走るレクレアティーボ戦、そしてアウエーでのマラガ戦。監督交代という急激な変化をさせずとも、バンガールバルサが立ち直ることを期待したとしても不思議ではないスケジュールだった。すべてがガスパーに味方している状況ではあった。

だが物事はえてしてシナリオ通りには運ばないものだ。レクレアティーボには勝利したものの、マラガ戦では引き分け、そしてカンプノウでのバレンシア戦では再び観客席に白い花が咲いてしまった。

バレンシア戦後におこなわれた二つの会議。つまりガスパーやバンガール、選手などによる選手控え室での会議、そして別の場でおこなわれた副会長が集まっての会議。前者の会議ではバンガール続投を決め、後者の会議ではバンガール更迭を選ぶことになる。そしてその翌日おこなわれたガスパーと副会長たちとの会合では再びガスパーの“お願い”がまかり通ることになる。だが状況はセビージャ戦・マジョルカ戦の時とはまったく違うものとなっている。なぜなら副会長たちのパワーがここのところ非常に大きくなっているからだ。彼らが日曜日のガスパーとの会合で彼に最後に要求したこと、それはセルタ戦に結果がどうであれバンガールの更迭であった。

ここに来て多くの監督候補の名前がメディアを騒がせることになっているが、彼らの、つまり副会長たちの考える最良の監督候補はバルサBのキケ・コスタでまとまっている。バルサカンテラ選手としてクライフと同じ時代にカンプノウで活躍した選手であり、長いあいだカンテラの面倒を見ている監督でもある。プジョーを育て、チャビ、ガブリ、モッタ、ビクトル、イニエスタたちにとっては父親のような存在でもある。

ガスパーは昨日もクラブ首脳陣と密接な会議をおこなっている。参加者は統合ディレクターのファルゲールと3人の信頼する副会長たち、つまりカンブラ、レイナ、そしてクロッサの3人だ。そして彼は週末にはセルタ戦をビーゴにまでかけつけて観戦することを決意した。アウエーでの試合にはいっさい同行しないガスパーが“バンガール最後の試合”に同行することになった。


“真夜中のパーティー”裁判

2002年1月19日、ラージョ戦の前にマドリッドメディアによって大々的に流され、一時は大騒ぎとなったバルサ選手5人による“真夜中のパーティー”事件。その5人の選手が噂を流した二つのメディアを相手に裁判闘争をおこなっている。そしてその裁判が昨日バルセロナでおこなわれた。

“真夜中のパーティー”の噂を流した二つのメディア。マドリッド地方局のテレマドリ、そしてもう一つがウエッブページのミカノア・コム。前者のテレマドリはこのスキャンダルな騒ぎの“犯人”はスペイン人選手3人、オランダ人選手2人として実名こそ出していないものの、かなり具体的にニュースを流していた。またミカノア・コムはダニ、ガブリ、ジェラール、コクー、クルイベルという実名をウエッブページに出し、このスキャンダルを公表していた。

この5人の選手の訴えで始まったこの裁判。テレマドリからはスポーツ・ディレクターのシロ(白)・ロペスが出席。彼は自他共に認めるマドリディスタでもある。またミカノア・コムからは当時のディレクターであるアントニオ・フェルナンデス、そして現ディレクターであるフェルナンド・ファウレギが被告人として出席。ちなみにミカノア・コムの当時のディレクターであるアントニオはバルサの選手が裁判沙汰にすると報道された時点でこの会社から辞職している。またミカノア・コム自体も名前の変更を現在申請中でもある。

昨日の裁判でテレマドリのシロ・ロペスは、この“真夜中のパーティー”に関する情報源は商売上いっさい公表しないとして、かつて彼が公の場で約束したいっさいの具体的な証拠は持参してきていない。つまりこのスキャンダルが実際に起きていたという具体的な証拠はいっさい提示されなかったのだ。パーティーの参加したというプロ女性、つまり証人も具体的に示されず、クルイベルが支払いに使ったというクレジットカードの領収書も示されることもなかった。また実名を公表したミカノア・コムの責任者は、事実経過がいっさい不明という、まったく話しにもならない発言をおこなっている。

バルサの5人の選手たちは損害賠償、名誉毀損罪で二つのメディアに対し500万ユーロの弁償金を要求している。この金額に関し、ミカノ・コムは「支払い能力がない」として裁判長に訴えていた。この裁判の最終判決は20日以内におこなわれるものとなりそう。