1月24日

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バンガール、最後の手段を用意

敗戦のたびに危機に陥り、危機に陥るたびに反撃を誓い合ってきた監督と選手たち。ほぼすべての選手がこれまでの責任は監督ではなく選手そのものにあるとしながらも、それぞれがある種の変化を求める発言を繰り返してきている。デ・ボエルは「もっと攻撃的にいくべきだ」と訴え、チャビは「サビオラはスタメンで出場すべきだ」と語り、クルイベルも昨日同じような発言をおこなっていた。そして彼らはそれらの個人的な意見をすでに監督に伝えてあると語る。

困ったときには人の意見を聞いてみよう。果たしてそのようなアイデアがバンガールに存在するのかどうか疑わしいが、今週の彼の行動は普段のそれとだいぶ違ってきている。ボールを使っての戦術を主体とした合同練習そのもよりも、一人一人の選手との対話に時間をさいているバンガール。そして昨日の秘密練習でかいま見えたもの、それはこれまでのシステムや選手起用と異なった風景だった。

バンガールはどうやらビーゴで一つの“革命”を試みようとしているようだ。多くの関係者が想像するバンガールの最後の試合となるセルタ戦では、これまでに見られなかった“超攻撃的”なシステムで戦おうとしている。つまり、ここのところ彼が起用してきた4−4−2という守備的なシステムをやめ、かつてアヤックスやクライフバルサでおこなわれてきた3−4−3システムを試そうとしているバンガール。3人のディフェンス、4人の中盤選手、そして3人のデランテロという攻撃的なシステムでセルタ戦にのぞむと見られる。

チャビ、そしてクルイベルらが認めているように、今週のバンガールは一人一人の選手と意見を交わしている。その会話の中で、多くの選手がもっと攻撃的なシステムの採用を彼に要請したようだ。それはチャビが語っているように「シーズン開始当時のシステムに戻すべきべきではないか」という発言や、クルイベルが語るように「監督とはもう話しが済んだ。自分の考えを言っておいたよ。もちろん点をもっととりに行くべきだという内容のことをね。」という発言に見て取れる。

シーズン開始当初のバルサは9番に二人のメディアプンタが控えてのシステムだった。オーベルマルスはまだ負傷中で出場できない状態。したがってバンガールはエストレーモなしの二人のメディアプンタを選んだ。確かにシーズン開始当初のバルサは決して悪くない成績を残している。リーグ戦2連勝、チャンピオンズ2連勝、合計4連勝を飾ったバルサ。そのバルサのシステムはこのような9番+二人メディアプンタというシステムだった。形こそ微妙に違うものの、シーズン開始当初のバンガールバルサの基本に戻っての戦いを挑む。

昨日の練習風景を見る限り、バンガールはスタメン選手の大幅な変更をおこなおうとしているようだ。これまで見慣れてきた選手たちとは大幅に違うものになりそうだ。なぜならベンチスタートをほぼ毎試合のように義務づけられてきたサビオラ、リケルメ、そしてメンディエタなどの選手が試合開始からグランドに立ちそうな雰囲気だ。多くの関係者が予想するスタメン選手、それはクルイベルをプンタとし、左にオーベルマルス、右にサビオラ、メディアプンタにイニエスタ、左インテリオールにリケルメ、右にメンディエタ、ピボッテとしてチャビを配置、そしてプジョー、デ・ボエル、コクーによって守備が固められる。もちろんガブリなどが入ってのいくつかのバリエーションも考えられるだろう。

いずれにしても、バンガールはビーゴで一つの“革命”をおこなおうとしているようだ。セルタ戦での敗戦ではもちろん、引き分けあるいは勝利という結果でも監督としての彼の続投は保証されていない。最後の手段、それはこれまでバルセロニスタが訴えてきたクラック選手の起用。サビオラやリケルメなどのスタメン起用を持って、最後になるかも知れない試合にのぞもうとするバンガールだ。
スエルテ! ミスター!


ソリン、獲得に近づく

ラ・バンガルディア紙とムンド・デポルティーボ紙が伝えるところによれば、アルゼンチン代表選手のソリンとの最終的合意に達し、バルサへの入団が“ほぼ”決定したという。これまでバルサ統合ディレクターのファルゲールとソリンの代理人によっておこなわれてきた交渉が、昨日の午前中に“合意”を持って終了している、ということだ。

フアン・パブロ・ソリン、彼のバルサへの入団が可能となるためにはもちろんいくつかの条件が必要となる。彼との個人的な“合意”に達するのに成功したという事実だけではソリンはバルサには入団できない。彼はいまのところラッチオに所属している選手だということを忘れてはいけない。そして彼との個人的な“合意”が正式な入団契約書として実現するための最大の条件、それは彼がこの1月をもってラッチオ所属の選手ではなく、自由の身の選手となることだ。

だがソリンの問題は少々複雑だ。彼はラッチオに所属しながらもラッチオの選手ではないからだ。ブラジルのクルゼイロから完全移籍という形でラッチオが獲得したものの、クラブの経営危機で移籍の際の違約金を支払っていないラッチオは最終的にレンタル移籍という形でソリンを獲得。そして今月の31日までに約束した移籍料を支払わないと、彼はラッチオでのレンタル選手でもなくなるいう複雑な事情がある。そしてさらに複雑なことに、ソリンは完全移籍としてラッチオに来た際には契約書にサインしているものの、レンタル移籍と変更になった時には正式書類には彼のサインがなされていないという事情もある。しかもそれはクルゼイロとラッチオ間における無効な契約ということで、ソリン側は裁判所に訴えているという、まことにもって複雑な事情も存在する。

これらの複雑な問題は別として、バルサ首脳陣はバンガールの意思とはまったく別のところでソリンの獲得を狙っている。これまで何回もバンガールが語ってきたように彼にとって最大の補強箇所は9番ということだった。だがバルサ首脳陣はすでにハッセルバインの獲得はないものと発表。ソリンは、バンガールにとってはそれほど必要と見られない左サイドバックの選手だが、明後日のセルタ戦の結果に関わらずバルサは彼の獲得方向で動くことになりそうだ。