2003-2004 シーズン
7-8月

さあ、開幕だ!(03/08/31)

バルサーロルカ
0−0

久しぶりのミニエスタディ。18時30分試合開始だというのに強烈な太陽が30度以上あることを親切にも教えてくれている。まぶしくて何にも見えない感じで試合スタート。っと、その前にビックリしたこと、何とババンジーダが練習しているではないか、おっと、アッチを走っているのはサンタマリアじゃねえか、ナンダ、ナンダ、今日は同窓会試合か?

ババもサンタマリアも移籍クラブが見つからないということか。学生生活を終えて家を出て、なんかうまくいかない感じでまた家に帰ってきたような彼ら。それでも帰る家があるだけいい。もちろんいつまでもいられないバルサB家だけれど。新しいクラブが見つかるまでバルサBで頑張ってみるか。

この日の注目選手はもちろん噂のエスポシット。久しぶりの本格的なエストレーモといううたい文句でバルサに入ってきた選手だ。右にババ、左にこのエスポシットが入っている。今シーズンも正キーパーとなるだろうジョルケラは負傷中、オラゲールも負傷中、一部に“貸し出し中”のロスはいない、ダビ・サンチェスはアルバセテへレンタル、ナノはAt.マドリに移籍、トルトレーロはエルチェにレンタル、そしてトラショーラスは何とメレンゲ坊やとなってしまい、多くの見慣れた選手が不在という感じだ。

地元の試合でありながらゴールチャンスもそれほどなく、まだまだ練れていない感じのバルサBだ。エスポシットもこの試合は良いところナシ。フラン・ライカーに忘れられた感じのセルヒオも良いところナシ。でも目立った選手が一人、それは右セントラルを務めたロドリ。いざというときのためにUEFAカップ戦に出場できるように一部での背番号をもらった選手でもある。長身でヘディングがいい感じ。昨シーズンはどこにレンタルされていたか知らないマンガが今シーズン帰ってきたけれど、彼のプレーもまた楽しみ。

■FC BARCELONA
Ruben/Pen~a/Rodri/David Garcia/Peque/Manga/Arnau/ Exposit/Verdu(Santamaria 56')/Babangida/Sergio


サヨウナラ、明日の星(03/08/22)

セスク・ファブレガス選手のアーセナル移籍はもはや一つの既成事実となっており、すでにアーセナルとの6年間の契約書に親のサインが済まされている。それにしても、バルサが彼を引き止める手だてはなかったのだろうか、それをサンドロ・ルセーが説明している。
「我々が会長選挙に勝利したとき、すでにアーセナルからのファックスがクラブ事務所に送られてきていた。要するに彼らは会長選挙という、クラブ内の権力構造が空白状態の時を狙ってセスクと交渉していたということだ。したがって我々が理事会を設立した段階では何もできることがなかった。」

そう、すでにセスク・ファブレガスはかなり前から事実上アーセナルの選手となっていたようだ。だが、契約書にサインがなされている以上バルサとしてはもうまったく何もすることがない、というわけでもなさそうだ。もちろんもう彼を引き止めることはできない、だが、この手の話には常に裁判所が出現してくる。そしてバルサも裁判沙汰に持ち込もうとしているようだ。

セスクの違約金は300万ユーロと設定されているが、これは未成年者であるが故に、事実上あってないようなもの。だがクラブとしては、5年間にわたってバルサフットボールバッセに所属し、一人の少年を養育してきた“養育費”を要求することができると認識している。それはこれまで多くの裁判例があり、しかもケースごとに判決も異なる例を見る。ある時は所属していたクラブに有利な判決が下され、別の場合は移籍したクラブ側に有利な判決が下りたりする。

いずれにしてもバルサは裁判に持ち込む前にアーセナルと話し合いの場を持ち、この“養育費”の請求をおこなうことになるだろう。それぐらいの“イチャモン”をつけるしかバルサにはすることがない。


危うし、明日の星(03/08/19)

セスク・ファブレガス、1987年5月4日生まれだから現在16歳になったばかりの少年。昨シーズン彼はソンゴー・ジュニアとかメッシーなどと一緒にカデッテBカテゴリーに所属し、フットボール選手としての将来を非常に期待されている少年だ。しかもマシア伝統の“4番”を付けた選手でもある。その彼がいまフィンランドでおこなわれているアンダー17のワールドカップに呼ばれている。彼が代表に招集されたことはバルサフットボールバッセの関係者にとっては非常に嬉しいニュースだった。だが突然のようにショッキングなニュースが伝わってきた。アーセナルが彼と6年契約を結ぶ寸前というものだ。

未成年者の場合、クラブを移るのは簡単。保護者としての両親が引っ越すという理由だけで、それまで所属していたクラブに1ユーロも支払うことなく新たなクラブに移ることが可能となる。したがってセスクにも名目上付けられている移籍の際に必要な違約金300万ユーロというのもあってないようなもの。もしバルサがこの支払いを要求し、アーセナルがそれを断りFIFAの裁定に任せたとしても、バルサにはあまり勝ち目がない勝負となる。かつてナノにアタックしてきたベンゲル・アーセナルがナノの両親にロンドンでの仕事と住居を与え、移籍寸前までいったことはこのコーナーで触れた。そしてそれがいまセスクに起こってしまった。そしてセスクの代理人は当時のナノの代理人と同じ人物だ。

ベンゲル・アーセナルはセスクの両親にロンドンでの仕事と住居を提供し、すでに引っ越しの準備をさせている。バルサとしてはフットボールバッセの責任者であるジョセップ・コロメルが週末までに両親と話し合い、どうにか引き留め工作を展開しないといけない。もしこの説得が失敗に終わった場合、両親たちは来週にでもロンドンに引っ越し、彼らの息子はアーセナルと6年契約を結ぶことになる。


三つの可能性(03/08/10)

来シーズンからの構想に入っていない何人かの選手がとらなければならない道は次の三つのうちの一つとなる。一つはレンタル移籍、二つめは買い戻しオプション付きの完全移籍、そして三つめは自由契約の身となり無料で他のクラブに移っていく方法だ。そしてそのような状況に置かれているのが次の選手たちだ。ダニ・トルトレーロ、ロベルト・トラショーラス、ハルナ・ババンジーダ、ホルヘ・ペローナ、そしてセルヒオ・サンタマリア

バルサBの選手たちはすでにプレステージを開始し、ムンターニャというところで合宿をしている。だが構想外となっているこれらの選手たちはバルセロナに残り自主トレーニングを義務づけられ毎日で、マシアかミニエスタディで汗を流している。この状況からなるべく早く逃れることになりそうなのはトラショーラス、トルトレーロ、そしてババンジーダになりそうだ。クラブにはいくつかのオファー、それは一部チームからのであったり二部チームからのものが来ている。

だが問題なのはシネマチキート(021・ペローナのハットトリック)で登場したホルヘ・ペローナやこれまでレンタル移籍していて出戻りとなっているサンタマリアの働き場所だ。今のところ彼らへのオファーはほとんどない状況となっている。昨シーズンそれなりの活躍を見せた若きペローナが何で構想外となってしまったのか、今のところそのことに触れられている記事はない。なんでだろう?


残るは二人(03/08/07)

At.マドリへ無料で移籍していったナノに続く選手、それはダニ・トルトレーロとロベルト・トラショーラスということになる。

ダニ・トルトレーロは昨年の12月にバルサとの契約更新をしたばかりだからまだ何年もの契約期間が残っている。セントラルの不足という状況もあったからアメリカ遠征に参加する可能性はじゅうぶあったものの、ライカー・ルセー・チキトリオによって居残り組という状況に置かれてしまった。当初はサラゴサからのオファーがあったが、チキなどの反対で移籍話しは進展をみなかった。そして、サラゴサはすでにミリートを獲得したことにより彼に対する興味は以前ほどではないだろう。残るはマジョルカ、あるいは彼に興味を示している二部カテゴリーのチームとなる。いずれにしても彼の場合は完全移籍という形ではなくレンタル移籍となりそうだ。

ロベルト・トラショーラスは残り1年しか契約期間が残っていないことと、高額な年俸がネックとなっていることにより完全移籍という形で放出されることになる。だがその場合にしてもナノと同じように自由契約となってのものとなるだろう。つまり彼もまたタダ組の一人となる可能性が強い。

アメリカ遠征参加という豪華な賞品を手に入れたラモン・ロスは数少ない非放出宣言選手の一人。アメリカ遠征での試合ではそれほど出場機会が与えられなかったが、フラン・ライカーは彼のキャラクターを非常に高く買っているようだ。守備的なピボッテが彼本来のポジションとなるが、そのポジションを務める選手が少ないことも彼に味方している。しかもオスカー・ロペスと同じように“便利屋”さんでもあることから、非常事態の左右ラテラルも務める才覚を持つ。彼はまだバルサB所属年俸であることから、年俸6千ユーロというお小遣い程度のものだ。シーズンが開始される前に新たな契約が結ばれるものと思われる。


ブエナ・スエルテ、ナノ!(03/08/06)

フェルナンド・マセード・デ・シルバ・ロディージャ、これが多くの人からナノと呼ばれている彼の本名だ。1999年8月15日、わずか17歳にしてバルサ一部チームでデビューをかざったナノ。当時の監督はバンガール。カンプノウでおこなわれた彼にとって記念に残る試合はバレンシアとのスーペルコパだ。リバルドをベンチに追いやり、バルサの歴史においてもっとも若い年齢でデビューをかざる記念すべき試合だった。あれから4年、彼はついにバルサ一部選手として成功することが実現しないまま、At.マドリへと移籍をしていくことが決まった。まだ1年バルサとの契約が残っているものの、ラポルタチームの今シーズンの特色の一つと言っていい“移籍料タダ”路線どおり、彼もまた無料でAt.マドリに移っていった。

アーセナルの監督をしていたベンゲルがナノに注目するきっかけとなったのはパリでおこなわれていたアンダー15の世界大会での試合だ。1998年、アーセナルはナノに対して年俸60万ユーロで4年契約、そして彼の父にはロンドンでの仕事を提供するという美味しい話を持っていく。ナノはまだ未成年者であり、したがって両親が引っ越しをすれば自動的にそれまで所属しているクラブとの契約が切れることになり、移籍料などというものは存在しない。両親が仕事関係でロンドンに引っ越しすることにより、彼もまた新たなクラブに自由に移籍可能となる状況だった。

だがバルサはそれからしばらくして思い切った手段にでる。当時まだジュニアカテゴリーに所属していたアルテッタ、レイナと共に、ナノもバルサBカテゴリーに昇格させ、そしてナノにはアーセナルが出してきたオファーとほぼ同じ金額を提出することになるのだ。つまり年俸60万ユーロという、当時の何人かの一部スタメン選手よりも高い年俸をとることになるナノだ。

185cm、80kgの恵まれた体を持つ彼は、バルサ下部組織から久しぶりに生まれた本格的なエストレーモとして注目を浴びることになる。だが17歳で一部チームデビューという“夢を実現した”ことに満足し、年俸60万ユーロのお小遣いの中からメルセデスベンツを購入し、バルサBの練習に真っ赤な車に乗ってやって来る彼は、彼が望もうと望むまいと目立ちすぎる存在となりつつあった。当時のフットボール・バッセの責任者であったセラ・フェレールは、彼に対して練習への参加にメルセデスを使用することを禁じる。

17歳でデビューを飾り、しかも年俸は一部選手並みに跳ね上がったナノだが、プロ選手としての成長はコーチ陣が望むようなものとはならない。負傷という不運にみまわれたのもさることながら、負傷から回復してからも一部への道は遠いものとなっていた。一部デビューしてから3年間、彼はバルサBの“ベテラン選手”としてプレーすることになるが、今シーズンが彼にとって勝負の年であろうと言われていた。バルサ一部に上がるか、他のクラブに移っていくか、いずれにしてもバルサBには戻らないつもりだった。フラン・ライカーは彼を最初のプレステージには招集するものの、アメリカ遠征には呼ぶことをしなかった。それは「好きなチームを探しなさい」というのと同義語だ。そしてナノは今、At.マドリに移っていく。待望の一部クラブへの移籍だ。

ブエナ・スエルテ、ナノ!


バルサBに“クラック”選手加入(03/08/03)

カタルーニャフットボール界で密かに話題になっている“クラック”選手、その名前をマネル・エスポシットという。見たこともない選手だからして何ともいい加減な話しだけれど、久々に登場した本格的エストレーモらしい。まだ特集記事がでていないので年齢も何もわからないけれど、どうやら非常にスピードのある選手らしい。知らない選手は謎めいていて楽しい。

サンタンデリューというバルセロナの街の一角にある地域のチームに属していたという。サンタンデリューと言えば、なんですよ、昔からガスパーが副会長だかなんかをしているクラブじゃないですか。まあ、それはともかくこのクラブの在籍した彼をフィゲーラス、エスパニョール、そしてバルサが競い合って最終的にバルサが勝利したようだ。

エスポシット、あだ名はチノ、バルセロナからフィゲーラス方面に40キロ行ったところにあるビックという街の出身。何年前からバルセロナに来ているようだ。もっともっと詳しいことがわかるような注目を浴びる選手になることを期待しましょう。


ジョルケラの夢がかなった日 その1(03/08/01)

ボナノ、エンケが抜けるバルサのポルテロだが、ルストゥ、ビクトルに続いて第三のポルテロとしてジョルケラが彼らの後ろに付くことになる。第三のポルテロであるからして誰かが負傷しない限りベンチ入りはできないため、普段はバルサBでプレーすることになるジョルケラだが、それでも彼の夢が実現することが可能となった。一部のチームでプレーすることだ。しかもその試合はヨーロッパ現チャンピオンのミランとの対戦で実現した。

ジローナという街で24年前に生まれたアルベルト・ジョルケラ。後半に入ってから出場し、セルジーニョ、シェブチェンコ、レドンドなどの強烈なシュートをくい止めたヒーローは試合後に次のように興奮しながら語る。
「早く家に帰ってビデオでシュートシーンを見てみたいもんだ。シェブチェンコとは一対一になって運良くボールが足に当たってくれた。シルビーニョのシュートは距離があったので的確に反応できたと思う。一番難しかったのはレドンドのシュートかな。あれは自分でもよく反応できたと思っている。」

プレステージの試合であるから出場機会が可能となっていると冷静に現状分析しているジョルケラ。だがそれでももし出場の継続性が与えられればそれにじゅうぶん応えられる自信はあるという。
「最終的には自分のプレー場所はバルサBだということはわかっているつもりだ。それでもせっかくやってきたチャンスをものにできれば最高だね。毎日の練習は120%の意欲でやっている。バルサカンテラとして一部チームでプレーするのはやはり夢、それもドデカイ夢だからね。自分がその夢をかなえらたことは、個人的な喜びもさることながら後輩たちの夢の一部にもなるんだ。そういう意味も含めてこのデビューは本当に嬉しかった。」


4人の将来(03/07/31)

フラン・ライカーの判断によってアメリカ遠征から外された4人のバルサBの選手たち、つまりロベルト・トラショーラス、ダニ・トルトレロ、ナノ、セルヒオ・ガルシアたちに二部Aや一部からの誘いが来ている。バルサとしてはセルヒオに関してはまだバルサBに残ってプレーして欲しいという意見で、彼の場合に限っては余程のオファーが来ない限りバルサBを離れることはないだろう。だがその他の3人の選手たちは今シーズンから違う道を歩むことになりそうだ。

トラショーラスには多くのオファーが来ている。マラガ、サラゴサ、サンタンデール、テネリフェ、ラージョ、そしてAt.マドリ。マジョルカのイバガサ獲得に失敗したAt.マドリにとってメディアプンタとしてトラショーラスにかける期待は大きい。バルサとしても昨シーズンのルイス・ガルシアの例もあることから、At.マドリへのレンタルなり完全移籍は興味がわくオファーとなっている。

ダニ・トルトレーロにはもう昨シーズンが終了した段階でサラゴサからのオファーが来ていた。だがバルサ新監督が新チーム構成のなかに含める可能性もあったためサラゴサとの話し合いは中断されていた。そしてフラン・ライカーがトルトレーロをアメリカ遠征に参加させなかったことにより、再びサラゴサとの移籍交渉が煮つまってくる可能性が強い。

ナノに関しては話が少しややっこしい。彼とバルサとの契約は残り1年しかない。したがってもしオファーがあるのであればレンタルではなく完全移籍としたいところ。だが彼の問題はその高い年俸を支払うクラブがあるかどうかということになる。

セルヒオ・ガルシアは基本的には放出選手ではない。だがセルタやバジャドリ、サンタンデール、サラゴサ、アルバセテなどからお伺いが来ていることも確かだ。彼の個人的な意志としては今シーズンもバルサBに残ることには何の問題もないとし、一部チームでの出場チャンスを狙いたいとしている。だがそれもクラブの意向次第。もし一部での出場チャンスが難しいとフラン・ライカーが判断した場合、他の一部チームへのレンタルの可能性も残されている。


バルサBも今日から練習開始(03/07/28)

キケ・コスタに代わって今シーズンからペレ・グラタコスが新たにバルサBの監督に就任。彼は昨シーズンまでフィゲーラスの監督をしていた人だ。
「我々の今シーズンの目標はもちろん二部Aカテゴリーに昇格すること。だが個人的には3、4人のカンテラ選手がシーズン中か来シーズンにでも一部に上がってくれればそれでじゅうぶんだと思っている。もともと二部Aカテゴリーに昇格することの意味は、我々の選手のレベルが強敵との戦いを通してより高くなりやすいということ。二部Bカテゴリーでもそれが可能となるのであればそれはそれで大歓迎としなければならない。」

フラン・ライカーやチキの判断によりアメリカ遠征に不参加となった4人のバルサBの選手はもちろん今日の練習に参加してくる。トラショーラス、ナノ、トルトレーロ、そしてセルヒオ。最後のセルヒオをのぞいた3人の選手はこの練習中に移籍先を探すことになりそうだ。トルトレーロは今シーズンから一部チームに上がるものと思われていたが、どうやらフラン・ライカーは今のところ彼をそれほど買っていないようだ。それは同じくトラショーラスやナノに関しても言えること。それぞれサラゴサやテネリフェから興味を示すニュースが伝わってきているが、近いうちに彼らの将来が決まることになる。

■今日の練習に招集されている選手。
ホセ
ハビ・ルイス
ルーベン
ペケ
ダニ・フェルナンデス
ロドリ
ダビ・ガルシア
オラゲール
フラン
ペーニャ
アルナウ
アルベルト・マンガ
モイセス
ベルドゥ
アルフィ
フェリッペ
アロンソ
セルヒオ・ガルシア
トラショーラス
ナノ
トルトレーロ
クリスティアン
エスポシト


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/23)

7月17日から始まるプレステージにバルサBから8人の選手が招集されている。アルベルト・ジョルケラ、ダニ・トルトレーロ、オスカー・ロペス、ラモン・ロス、ダビ・サンチェス、ロベルト・トラショーラス、ナノ、セルヒオ・ガルシアがその8人だ。約1週間にわたりバルセロナで練習をしたあと、彼らの何人かはアメリカ遠征にも参加することになる。少なくても4人、多ければ8人全員が遠征に参加できる可能性もあると言われており、彼ら8人の若者のモチベーションは非常に高いものになっている。

■セルヒオ・ガルシア

・1983年6月9日
・バルセロナ出身
・174cm、70kg
・1993年バルサ入団
・デランテロ

彼のアイドルはロマリオ。そして彼の仕事はゴールを決めること。バルサBの選手として昨シーズンデビューした彼はキッチリとその仕事をこなした。チーム最高の21ゴールを決めたのだ。

カデッテカテゴリーでダムというクラブに2年間レンタルされた期間も含め、彼はバルサでこれまで8シーズンを過ごしている。昨シーズンを終了した段階で彼が決めたゴール数は231ゴール。約30ゴールが彼の年間平均ゴール数。だが残念なことにまだ一部選手としてはゴールを決めたことがない。昨シーズンは幸運にも一部の選手としてデビューを果たすことが実現したものの、ゴールを決めるまでには至らなかった。だが、それも時間の問題だと彼は思っている。アメリカ遠征でできる限りアピールをし、ライカーに認めてもらうこと、もしそれができなかったなら、バルサBに戻り2年目のシーズンを戦う用意もある。
「自分の夢はバルサで成功すること、一部選手としてなるべく早く活躍すること、それだけさ。そしてそれは時間が解決してくれると信じている。」

オッレーイ、セルヒオ!
ゴールを決めまくれいいっ!


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/22)

■フェルナンド・ナノ

・1982年4月20日
・ラ・コルーニャ出身
・187cm、80kg
・1997年バルサ入団
・デランテロ

4年前からバルサBに在籍するナノにとって、今年は勝負の年としなければならない。5年間もバルサBでプレーすることはクラブとしても、そして何よりも彼にとって許されないことだ。バルサ一部選手としてここで大きく一歩を踏み出すか、あるいはレンタルなり完全移籍でもいいから他の一部チームでプレーしなければならない、少なくてもそう考えるナノだ。

4年前の1999年、アーセナルが彼に興味を示したことで彼の人生が変わってしまう。移籍を恐れたヌニェス会長は、年俸50万ユーロ・移籍料3600万ユーロという新しい契約をこの17歳の少年と結んでしまう。そしてそれからバンガールの手によってデビューするものの、一部での壁は厚かった。フィーゴ、ゼンデン、シマオ、リバルド、オーベルマルス、というエストレーモの選手がいる一部にはなかなか登ることができず、また負傷の多いシーズンを過ごすことにもなる。周りのクラブ関係者の見る目も決して良いものではなかった。17〜8歳のフットボール・バッセの少年が高級車にのって練習に参加してくる光景は、関係者にとってあまりいい風景ではなかったのだ。

昨シーズン大きく成長したかどうか、それは意見の分かれるところだ。だがいずれにしても昨シーズンは彼にとってバルサBでの最後のシーズンとしなければならない。
「もう、どこでもいい、とにかく一部のチームでプレーしたい。もちろんそれがバルサだったら最高のことだ。アメリカ遠征メンバーになったら、可能な限りの自分の力を発揮してライカーにアピールできればいいと思っている。とにかくこのシーズンは自分にとって勝負の年だと思っている。」


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/21)

■ロベルト・トラショーラス

・1981年2月28日
・ルーゴ出身
・179cm、73kg
・1996年バルサ入団
・セントロ・カンピスタ

彼もまたナノと同じようにバルサBでのベテラン選手となってしまった。一部チームでデビューを飾ったのはすでに2年前のチャンピオンズでの試合だ。それ以来、彼には再びチャンスが訪れるということがない。だから、彼にとっても今シーズンは勝負の年だ。だがロベルトの性格はのんびりとしたことで知られている。
「もし今シーズンバルサの一部でプレーするのが無理だったら、どこかの二部Aのチームでも良いからプレーしてみたい。もちろん一部チームに越したことはないけれど、まあ、急ぐこともないでしょ。」

ロベルトはスペイン国内のクラブよりも、外国のクラブからの評価が高い選手。これまでグラスゴー・レンジャースやボカなどの関係者が何回もミニエスタディを訪れている。グラスゴーへの移籍オファーはバンガールの一言でなくなるものの、そのあと一部に招集されることもなくシーズンを終了している。来シーズンに備え、彼の獲得に注目しているのは一部に昇進したサラゴサと二部のテネリフェだ。だが彼の意図はバルサに残ること。バルサ一部チームに残ること、それが可能かどうか少なくても明らかになりそうなのがアメリカ遠征だ。

「ライカーがどういう監督かということは全然知らない。それでも自分がアメリカ遠征メンバーの一人となる可能性もあるようだし、少しは期待されているのかも知れないね。まあ、監督の注目を浴びるように頑張ってみっか。」


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/20)

■ダビ・サンチェス

・1982年7月25日
・セビージャ出身
・188cm、78kg
・2000年バルサ入団
・セントロ・カンピスタ

17歳になってから故郷のセビージャを離れマシアに入寮してきたダビ・サンチェス。彼は最初の年をフベニールカテゴリーで、2年目をバルサCとバルサBで、そして3年目となる昨年はシーズンを通してバルサBでプレーした。今ではマシア寮を離れ、友人と一緒にアパートを借りてバルセロナ市内に住んでいる。

昨シーズンを通してもっとも成長した選手の一人と言っていいだろう。モッタがカンプノウへとプレー場所を移動したことにより、同じようなポジションを得意とする彼に一シーズン通じて出場するチャンスがやってきた。そしてダビ・サンチェスは見事にそのチャンスをものにしてしまう。セルヒオやトルトレーロと同じようにチャンピオンズの試合で一部選手としてデビューを飾ることもできた。だが彼も他の選手と同じように目的は一つ、それはバルサ一部チームに常時収集されてプレーすることだ。

「アメリカ遠征に呼ばれるかもしれないという、自分には思いもかけないチャンスがやって来たという感じ。こういうチャンスをうまくいかしていかなくちゃね。自分の目標は他のカンテラ選手と同じようにバルサ一部チームでプレーすること。でももし今シーズンそれが不可能ならレンタルでも何でもいいから他のクラブの一部チームで経験を積んでみたい。バルサの一部チームでプレーするという夢を捨てるわけがないけれど、他のチームに行くという遠回りが近道ということもあるかも知れないし。」


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/19)

■ラモン・ロス

・1981年2月2日
・バルセロナ出身
・174cm、70kg
・2001年バルサ入団
・セントロ・カンピスタ

ラウドゥルップとグアルディオーラがアイドルというラモン・ロスは、バルサに入団してまだ2年目の選手だ。だが一昨年はバルサCの選手として、そして昨シーズンはバルサBの選手として確実に成長を見せている。そしてライカーが監督を務める今シーズンは、早くも一部チームでデビューを飾るのではないか、という有望株選手でもある。

バルサCではセントラルのポジションを任せられたが、彼の本来のポジションは守備的なピボッテの位置だ。昨シーズンバルサBでの活躍は彼の好きなそのポジションでプレーできたことと無関係ではないだろう。ライカーが彼に期待をするのは、まさにその守備的なピボッテとしてのものだということも彼は理解している。コクーやモッタが何らかの理由で出場できない場合に備えて、いつでも出場準備はできているというロス。

彼のおじいちゃんがそうであったように、そして彼のお父さんもそうであったように、ラモン・ロスもまたいつかバルサの選手になることを夢みて少年時代を過ごしてきた。そしてそれが実現したのが何と19歳になってからだ。
「子供の時は試合があればカンプノウに来ていた。おじいちゃんと来ることもあったし、お父さんと来ることもあった。彼らが実現できなかった夢をボクが可能としたわけだけれど、やはりカンプノウでプレーすることでその夢を完成させなければね。そう、おじいちゃんやお父さん、そしてボクのこれからの夢は、彼らの血を受け継いだラモン・ロスがカンプノウでプレーすることさ。」


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/18)

■オスカー・ロペス

・1980年5月11日
・セルダニョーラ出身
・178cm、70kg
・1992年バルサ入団(すべてのカテゴリーを通過)
・デフェンサ、セントロ・カンピスタ

オスカー・ロペスはバルサのフットボール・バッセに12年間在籍している。そして驚くことにすべてのカテゴリーを通過してきている選手だ。アレビンB・A、インファンティルB・A、カデッテB・A、フベニールB・A、バルサC、バルサB、そして夢のバルサ一部チーム出場は昨シーズン実現した。

ラウドゥルップのような選手になることを夢みてきたこの若者は、12年前にアレビンカテゴリーでデビューを飾った時はエストレーモ選手だった。いちおう右足が利き足となるものの両足を器用に使い分ける彼は左右エストレーモとしてデビューした。そしてそれから12年後、左ラテラルのポジションでバルサ一部チームでデビューを果たし、試合によっては右ラテラルを務めていたりする器用な選手だ。

昨シーズン最後の頃には一部チームの選手としてプレーしたものの、オスカー・ロペスにとって今シーズンはまたゼロからの出発だという認識がある。したがってもしアメリカ遠征のメンバーに選ばれたら、それは一部チームの試合にデビューしたときと同じように嬉しいだろうと語る。
「一部の選手と一緒に練習ができるというのが嬉しい。プジョーやクルイベルや、そしてライカーも一緒だからね。彼らからは多くのことを学べるといいと思っている、」


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/17)

■ダニ・トルトレーロ

・1981年9月6日
・バルセロナ出身
・184cm、80kg
・1992年バルサ入団
・デフェンサ

オスカー・ロペスと同じように、すでにバルサには10年以上在籍してきている超ベテラン選手だ。彼の来シーズンにかける夢はマルケスと共にセントラルを守ること。そしてそれを可能とするために、アメリカ遠征に何がなんでも参加してライカーに自分の存在を示すという。
「マルケス以外にもセントラルの選手が加入してくるかも知れない。でもそんな選手は必要ないことを証明することができればいい。バルサBには自分とオラゲールという二人のセントラルがいる。彼は負傷が完治していないから招集されなかったんだろうが、彼の分まで頑張りたい。」

バルサBのカピタンであるトルトレーロは一部選手としてリーグ戦にはまだデビューしていないものの、チャンピオンズの試合ではすでに2試合出場している。ブルッハス戦ではスタメン出場で90分間フルにプレーし、ガラタサライ戦では30分近くプレーする機会を得た。来シーズンは一部選手としてリーグ戦にデビューを飾りたいトルトレーロには、現在二つのクラブからオファーが来ている。サラゴサとテネリフェだ。

もしライカーにとってそれほど必要ない選手という判断がくだされるならオファーを検討することになるだろう。もし、ライカーが興味をしめすことになれば、念願の一部チーム残留だ。クラブとの契約は2007年までで違約金は1200万ユーロとなっている。だが一部での試合で10試合出場を果たすと自動的に一部選手の契約内容に変更され、違約金も倍の2400万ユーロとなる。


ライカーに招集された8人のバルサB選手たち(03/07/16)

■アルベルト・ジョルケラ

・1979年3月3日
・ベスカノ出身
・183cm、78kg
・1994年バルサ入団
・ポルテロ

ここわずか3、4年の間でマシア育ちのポルテロが3人も一部デビューを果たしている。アルナウ、レイナ、そしてビクトル。そして彼らを追うのがバルサBでポルテロをしているアルベルト・ジョルケラだ。彼はルストゥ、ビクトルに続いて3番目のポルテロとして練習は一部チームと一緒に、試合はバルサBでというスケジュールになっている。

14歳でマシアに入寮した彼はガブリと大の仲良し。18歳になって寮を出ることになり、彼はガブリと一緒に市内にアパートを借りて住んでいる。この“怪しい”関係の二人は、いまだに一緒に住んでいる。

これまで常にレイナとビクトルの影となっていた彼にチャンスがやって来る。レイナはバルサを離れ、ビクトルは一部チームに招集されるようになり、バルサBのスタメンポルテロとして活躍の場を確保できるようになったのが昨シーズン。多くのプレッシャーがかかりながらもジョルケルはビクトルの抜けた穴を見事に埋める。その彼に、今シーズンは第三ポルテロとしてチャンスが与えられようとしている。
「まさかアメリカ遠征に呼ばれるなんて思いもしなかった。自分としてはルストゥやビクトルの控えだろうがなんだろうが全然気にしない。どんな形であれチャンスがやってきたんだ。これをものにしなくては。」


フットボール・バッセ(下部組織)の変革(03/07/12)

多くのソシオによって“バルサに変革”をと期待されて誕生したラポルタ政権は、クラブ理事会組織の変革だけではなく色々なセクションでの変革も試みようとしている。その一つにバルサ・フットボール・バッセの変革も当然ながら含まれることになる。これまでフットボール・バッセの最高責任者であったジョアキン・リフェに代わり33歳という若きディレクター、ジョセップ・コロメールが最高責任者となった。そして近々完成するバルサ・スポーツ都市(シウダー・デポルティーバ)とマシア寮の最高責任者としてかつてのバルサ選手ギジェルモ・アモールが就任している。

20年以上の歴史を誇るマシア寮から最初に誕生したスター選手がギジェルモ・アモールだった。彼のデビュー以来、多くの少年たちが“ギジェルモを目指せ!”を合い言葉として育っていくことになる。もちろんグアルディオーラやプジョーたちもそのような少年時代をおくった選手だ。12歳でマシア寮に入り家族と離れ離れの生活を余儀なくされたギジェルモ・アモールは、誰よりもマシア寮に住む少年たちを理解できる人材でもある。
「自分のこれからの仕事は、子供たちと会話をしたり、彼らの両親がバルセロナに訪ねてきたときに世話をすることも含まれるだろう。子供たちが何か悩みを持っていたり問題を抱えていないか、彼らには相談する両親が側にいないわけだから彼らを理解できる誰かが世話をしてあげないとならない。特に自宅から何百キロも離れて生活している子供たちを理解するのは、そういう経験を持った自分には適任の仕事だと思う。」

彼をマシア寮の最高責任者としたチキ・ベギリスタインは「800人のギジェルモが生まれてくることを期待している」と語っている。“ギジェルモ”という名前に象徴されるものは一体何なのだろうか。
「どういう意味でチキがそう言ったのか具体的にはわからないけれど、いずれにしても嬉しい言葉だ。自分がマシアから一部チームでプレーするまでに成長した過程を振り返ってみれば、クラブカラーに対するひたむきな愛情がそれを可能にしたんだと思っている。フットボールの世界はここ何年間で大きく変わってしまったけれど、いかにコマーシャリズムが蔓延の世界になろうとも決して忘れてはいけないことがある。それはクラブへの愛情の精神だろう。12歳や13歳の子供がお金のことを考えるようではとてつもなく大きな問題だと思う。彼らの心に染みこませていかなければならないもの、それはクラブカラーへの愛情であり、彼らがつけているユニフォームに対する尊敬心であり、そのユニフォームに縫いつけてあるエンブレムが何を意味するかということを身をもって知ることだ。」

子供の両親が訪ねてきたときに、彼らを安心して帰路につかせるのも彼の仕事だ。勉強とフットボールが共有できる環境を見せることで、彼らはマシアに子供たちを預けたことを後悔しないだろう。
「マシアの精神にもあるように、勉学とフットボールは共有していかなければならない。そして個人的には寮に住む子供が将来一流のフットボール選手と呼ばれるよりも、一人の人間として立派に成長してくれれば良いと思っている。その両方が勝ち取れればそれにこしたことはないけれど、誰もがスター選手になれるわけではないことは明らかだ。したがってマシアで育った子供たちは、最低でも立派な社会人として通用するような教育をされていかなければならない。それがマシアの精神としてもっとも大事なことだと理解している。」

そうはいってもマシアは超エリートの子供たちが集まるフットボール寮だ。世界各地からスカウトの目に留まった子供たちがやって来る。フットボール選手としての彼らの最大の夢はカンプノウでプレーすることであることは明らかだ。
「一部チームのすべての選手がカンテラから上がってきた選手、それは夢にまで見るぐらいの素晴らしいこと。もちろん非常に難しいことだというにはわかっている。でもそれを実現させようとするのが自分の仕事の一つでもあるのさ。具体的にはすべての少年カテゴリーで一部チームと同じシステムでプレーすること。各ポジションのスペシャリストを養成するのが目的さ。それでも最近のガブリみたいな選手をみていると、とても嬉しくなる。マシアから育ったオールマイティー選手だからね彼は。どんな監督であれ彼みたいな選手が欲しくなるだろう思う。ペップやチャビみたいなキャラクターの選手、そしてプジョーみたいな素晴らしい精神を持った選手、そしてガブリみたいなとてつもなく器用な選手が将来誕生し続けることになれば、それはもう素晴らしいことだと思う。」


アメリカ遠征に参加するバルサBの選手(03/07/06)

7月25日にアメリカ遠征に向かうバルサだが、バルサB所属の若手の選手も何人か同行することになる。今のところ具体的に発表されていないものの、多くの選手が候補に上がっている。

ダビ・サンチェス、セルヒオ・ガルシア、ラモン・ロス、ジョアン・ベルドゥ、オスカー・ロペス、ダニ・フェルナンデス、ダニ・トルトレーロ、ロベルト・トラショーラス、ナノなどがその候補選手だ。この中でダビ・サンチェスセルヒオ、そしてロスはほぼ確定と見られている。

ダビ・サンチェス、今シーズンに入り著しい成長を見せ、二部A昇進をかけたプレーオフでの試合でもチームリーダーとしての役割を果たした。中盤左が自然なポジションとなる彼は、テクニック的にはすでにバルサB時代のモッタを越えている。

セルヒオ・ガルシア、バルサBに久しぶりに登場したデランテロだ。バンバンやアンティックに少しだけチャンスをもらって一部デビューだけは果たし、来シーズンには更なるチャンスをものにして成長することを期待されている。

ラモン・ロス、昨シーズンバルサBにデビューを果たした22歳の若者。彼もまたシーズンを通してもっとも成長した選手の一人だ。守備的ピボッテを自然なポジションにする彼は、来シーズンには一部に上がってくる可能性が大きい。

この3人以外にもかなりの可能性で遠征に参加する選手、それはオスカー・ロペスだろう。アンティックの手によってすでにシーズン終了間際には何試合か一部でプレーしている。彼の持ち味は第二のガブリと言えるほど、多くのポジションを自然にこなすことに加え、どちらの足でも蹴れる強烈なフリーキック。

またバルサBのカピタンであるダニ・トルトレーロも、サラゴサへの移籍話を断ったチキの期待を受ける選手。彼もまた参加する可能性がかなりある。


バルサB、健闘むなしく(03/07/01)

地元でバルサBが勝利し、アウエーでの戦いとなっているカディスが負ければバルサBの念願の二部Aへの復帰が実現する最終戦。バルサBは1万人のバルセロニスタで埋められたミニエスタディで3−1とログローニェスに勝利するものの、カディスもウニベルシダー相手に踏ん張り1−1という引き分けを勝ち取り、二部Aへの進出を決めることになった。ああ、残念無念バルサB。

わずか1ポイント足らず、バルサBは来シーズンも二部Bでプレーすることになった。実力的には他のどのチームよりも遙かに上まわっていたものの、ベテラン選手を擁するカディスの老獪さが若い選手で構成されているバルサBの経験不足の弱点をついた感じ。

それにしてもと思うのは、やはり第5節のログローニェス戦だ。試合終了間際に同点に追いついたバルサBが、ロスタイムにペナルティーを与えてしまったあのログローニェス戦。キーパーが抜かれ、ゴール前にはトルトレーロ一人となり、右手でゴールを防いだトルトレーロ。それはしょうがないとして、やっと同点に追いついた2分後にあのシーンが訪れるということは、やはりバルサBチームは若い。もし、この試合を引き分けに終わっていれば、最終戦は勝ちに行くしかなかったカディスはかなりの苦戦を強いられたと思う。でもこの痛恨のペナルティーによりバルサBが負け、引き分けでもいいという、カディスにとっては比較的楽な最終戦となってしまった。

6試合を通じての収穫。攻撃的には二人の選手の成長だろう。トラショーラスとダビ・サンチェス、この二人の働きは6試合を通じてかなりのものがあったと思う。中盤ではロス、オスカー・ロペスがそれなりの仕事をしていた。シーズン開始当初には大活躍をしていたベルドゥがシーズン終了間際に調子を落としてきたのが残念。体力的にまだまだの選手という感じ。守備面ではトルトレーロが安定した働きをしていた。彼にも上でのチャンスをあげなければ。

第1節 バルサB・ウニベルシダー    1−1
    ログローニェス・カディス    1−2
第2節 カディス・バルサB       2−0 
    ウニベルシダー・ログローニェス 2−0
第3節 バルサB・カディス       3−1
    ログローニェス・ウニベルシダー 1−0
第4節 ウニベルシダー・バルサB    1−3
    カディス・ログローニェス    2−1
第5節 ログローニェス・バルサB    4−3
    カディス・ウニベルシダー    0−0
第6節 バルサB・ログローニェス    3−1
    ウニベルシダー・カディス    1−1

1位 カディス・・・・・11p
2位 バルサB・・・・・10p
3位 ウニベルシダー・・・6p
4位 ログローニェス・・・6p