Victor Valdes Arribas
バルデス


ビクトル・バルデス
(04/04/28)

セラ・フェレールが監督をしている時代にレイナという、ポルテロとしてはとても若いカンテラ育ちの選手が一部デビューをした。デビュー当時の若さからしても、もし順調に成長していけば今後10年間にわたってバルサの守護神となり得る逸材。1年間にわたってミニエスタディで見続けてきた選手だからして、カンプノウデビューしたレイナを大応援。それでも、レイナの代わりにミニエスタディに登場してきた、これまた若きポルテロも魅力的だった。たぶん一番若いバルサBの選手であっただろうけれど、人一倍大きな声を出して各選手に指示を出し、そして何言っているの理解できない言葉を90分間叫びまくっている選手、それが彼から受けたミニエスタディでの印象。あれは2000年か2001年ぐらいの時期だ。

スビサレッタがいなくなって以来、多くのポルテロがバルサにやって来ている。それでもほんの一時期のヘスプをのぞいてみんな失格。スビサレッタのすぐ後のブスケはフットテクニックは一流ながらポジショニングの悪さや、ポルテロとしての基本的な資質に欠けている選手だったし、ログローニェスで大活躍しスペイン代表では第二ポルテロとなっていたロペテギやポルトガルの色男バイアは度重なる負傷とプレッシャーに押しつぶされた。アンゴイは親族家系のコネ以外何ものでもないポルテロだったし、ボナノは・・・あくまでもボナノだった。

キャラクターの強さと右足だけとは言えフットテクニックのうまさ、この2点がビクトル・バルデスの売り物。ミスキックや思わぬチョンボが登場するが、それは誰にもあることであり、もちろんあのカシージャスだって完璧ではない。

2002年の11月のこのコーナーで、バンバンによって虐められふてくされた彼のことに触れている。あれから2、3か月再びミニエスタディで見ることになるバルデスだが、もう過去に同じスタディアムでプレーしていた彼とは明らかに違っていた。一部チームでデビューしたことからくる自信なのか、あるいは一皮むける時期だったのか、とにかく一回り大きく成長してミニエスタディに戻ってきた。もうこの時点で今後10年のバルサ守護神となる選手は決まっていた。

マドリ戦での彼は決して100点のできではなかったと思う。もちろん彼にとって今シーズン最高の試合でもなかったし、見た目に派手なプレーが多かったことは確かだけれど、同時にいくつかのミスも気になる試合だった。それでも、これまでのように試合を救ってきたという意味ではシーズンを通してのメ普通モのバルデスだった。もし彼の何回かの派手なセーブシーンを見てバルデスが成長したなんぞと思う人がいたとしたら、それはこれまでの彼のプレーを見ていない証拠だ。あくまでも、1人の選手の資質を評価する場合、決して一試合や二試合のメ点モを見てするのではなく、シーズンを通してのメ線モで評価しなければならないと思う。

「カンテラ 明日のキラキラ星」より