1月14日


    

これは違うバルサだ!

カンプノウに希望が戻ってきた。2002年に入り、2試合続けてカンプノウでの試合を快調に飛ばすバルサの将来は明るい。すでにリーグ戦で4位につけたバルサは、どのような11人のメンバーでスタートし、どのようにプレーするかが明確となってきている。まるで突然のごとくチームに「魂」が入り込み、生き生きと躍動しているかのようだ。週に1回の試合ペースとなり、しかも毎日午前と午後の練習によって体力的に充実性を増してきているのが素人目にも明らかになってきている。それが早いリズムを生み、自信となって選手に躍動感を与えているのかも知れない。
今シーズン初めて同じスタメンでスタートしたバルサ。今シーズン初めて逆転劇を演じたバルサ。そして今シーズン初めて、リバルドがリバルドとして活躍した試合であった。このバルサが本物かどうか、次のアウエーの試合で試されることになる。


レシャック節

昨日のバルサはスペクタクルなフットボールを展開して勝利しただけに、これまで批判が多かったレシャックが胸を張って将来の抱負をどのように語るか注目された試合後の記者会見だ。だが、レシャックはいつものレシャックだった。常に冷静さを失わないレシャックの姿が会見場に現れ、相変わらずのジョークと彼独特のフットボール観を語る。
「我々は2試合続けて良い試合をしたことは確かだ。だが、冷静になって考えればわかることだが、我々はまだ何も勝ち取っているわけではない。地元カンプノウで2試合続けて勝ったという事実はあるものの、これからが我々の正念場となるだろう。次の試合であるラージョ戦でも、つまりアウエーの試合でも同じように勝利できるかどうかが今後のバルサのキーポイントになるだろう。個人的には常にそうであるように、今も楽観的に見ている。単に個人的な性格から楽観視しているわけじゃあないよ。各選手の体力的問題が良くなってきているし、同じメンバーで戦える条件が揃ってきたということもあるし、負傷者も徐々に戻ってきている。それはこの1週間の練習を毎日見続けてきた私が言うんだから間違いない。いずれにしてもリーグ戦は長いんだ。我々としては、良い条件の下で今やっとリーガが始まったというところかな」


カパーロス、バルサに降参

セビージャの監督であるカパーロスは試合後、バルサの圧倒的な優位さを認めた。
「特に後半のバルサは素晴らしかったと思う。試合内容を見れば、バルサの2点目が入るのは時間の問題だったと言ってもいいだろう。我々の試合展開の特徴は、絶え間なくかけるプレッシャーと集中力であるにも関わらずこの試合ではそれがうまくいかなかった。決して闘争心が欠けていたとは思わないが、バルサのようなチームを相手にする場合もっとアグレッシブに戦っていかないと話しにならない。特に世界最高選手の1人であるリバルド相手の試合なんだからね」


6人のカンテラ

会長選挙がおこなわれるたびに聞かれる会長候補の言葉はいつも決まって次のようなものだ。「我々の理想的なバルサは何人かのカンテラを基盤にした、クラックと呼ばれる外国人選手とミックスされたチームだ」

先週のサラゴサ戦に続き、昨日のセビージャ戦はまさに「理想的なバルサ」による構成メンバーだった。レイナ、ガブリ、セルジ、チャビ、そしてプジョーがスタメン出場し、途中交代でジェラールが加わり試合終了時点では6人のカンテラ育ちの若者がグランドに立っていた。そしてもちろんキャプテンはセルジだ。
セルジはかつてのセルジの戻った。プジョーは相変わらず闘志あふれるオールランドプレーヤーに日々成長しつつある。ガブリは自分の持っている体力の限界まで使い果たし、ディフェンスのカバーと攻撃への参加を見せている。チャビはすでにボールを奪うだけではなく、クライハートとの見事なハーモニーを奏でるようになった。


●プジョー
「どのような理由で変化が起きたかわからないけれど、とにかくすべての選手がボールを要求している感じ。1人1人が自分のしなければいけないことをしているにすぎないのにね」

●デブー
「一番重要なことは本来のバルサらしいプレーに戻ってきていることだな。ボールの支配率も高いしスピードもある。そしてほとんどがワンタッチでボールが回っている」

●ガブリ
「自分のゴールは難しくなかったよ。要はボールが来たところにいるかいないかという問題だよね」

●レイナ
「試合ごとにチームの状態が良くなってきている。だがまだまだ、本来我々がいなくてはいけない場所には到達していないことも明らか。まだ4位でしょ、早く1位にならなくっちゃ」


スキャンダル、マドリーバレンシア

この試合の笛を吹いたのは、今年1部リーグに初めて上がってきたペレス・ペレス。もし彼がバレンシアの1点目を無効にしていなかったら、試合展開はまったく違うものになっていただろう。そしてイエローの暴力的なプレーを再三見逃しさえしなければ、早い時間から10人になっていたマドリである。

バレンシアの会長であるハイメ・オルティは抑えられない怒りの表情で語る。
「かつての歴史の繰り返しだ。1位はもうすでに決まっているようなもんだから、我々は2位争いに向けての戦いになるだろう。マドリは大事な試合となると常に審判を味方に付けた12人の戦いをしてきているんだ、歴史的にね。今年もその1年にすぎないということだ」

だが監督のベニテスはマドリのカンテラ育ちであるし、いまだにメレンゲの一員ということを隠しはしない人物だ。会長のようにきついことは言わない。
「審判に関してしゃべるのは好きではない。だがこの試合に関していえば、審判の判断による勝ち負けの影響はかなりあったと思う」