2月3日


    

CD.TENERIFE - FC.BARCELONA

0 - 6

1998年12月20日、4連敗を記録し奈落の底に落ちていたバンガール・バルサはバジャドリ戦を迎えていた。バルサ会長のヌニェスはガスパーにこの試合への同行を命じる。そして彼のミッションはもしバルサが敗北するようなことがあれば、即座にバンガールへの辞職勧告をすることであった。
昨日のテネリフェ戦で同じ役目を任されたのは、当時のガスパーとおなじようにやはり副会長のクロッサだった。だがバンガールのクビをカンテラのチャビが救ったように、昨日の試合もやはりカンテラ育ちのプジョーが救うことになる。

カンテラと若き戦士

将来を担う若者たちとカンテラ育ちの選手たちによる昨日の試合。レシャックの信頼を得てこの大事な試合に出場した彼らがレシャックを救う。自分の将来をもかけたこの試合にレシャックは「最も若いバルサ」の11人をスタメンとして起用した。それは危険な賭でもあった。ベテラン選手の経験が何よりも必要とされる昨日の難しい試合での若手の起用は、非常にスリリングでサスペンスな賭であっただろう。だが幸運の女神は、常に楽観主義を忘れないレシャックの元に下りてきた。

キーパーには試合前の予想を裏切って、経験豊富なボナノではなく若きレイナをそのまま起用する。さらにレイナに加えてプジョー、ガブリ、セルジ、チャビ、モッタとカンテラ育ちの選手をディフェンスと中盤に配置した。すべての選手がレシャックの期待に応えたと言っていいだろう。だがその中でもプジョーとモッタを特筆しなければならない。プジョーはいつものことながら、あふれる闘争心と恵まれた体力を惜しみなく披露し、しかも先制のゴールまで決める。そしてモッタはまるで10年もプレーしているベテラン選手のような落ち着きを見せ、すでに一部のプレーヤーであることを証明した。

しかも、スタメンの7人の選手はアンダー23の選手であった。セルジをのぞいた5人のカンテラ選手とクリスタンバールにロッケンバック。彼らは皆アンダー23の選手だ。しかも試合展開が進むにつれてさらに若き選手が投入される。ジェオバンニとサビオラが入ってくる。

■プジョーの活躍
カルラス・プジョーの今シーズンの活躍については今さら述べることもないであろう。それでも昨日の試合での彼の活躍はスペクタクルであった。かつてチャビのゴールががバンガールを救ったように、彼のオーバーヘッドキックのゴールがレシャックのクビを救った。

■セルジの活躍
レシャックはまずプジョーを左ウイングに起用することですべてのバルセロニスタを驚かす。そしてさらにセルジを中盤に起用し、彼のスピードを利用しての左ウイングへの参加を試みる。その結果、セルジの働きはオーベルのそれをはるかに上まわるものとなった。

■今年最初のアウエー勝利
カンプノウから離れたスタジアムでの最後の勝利はビジャレアル戦だった。そして昨日、今年に入って初のアウエーでの勝利となる。しかも6点を奪っての大勝利となった。

■9番、クライハート
クライハートはバルサの11人の選手の中で、相手ゴールに一番近い位置でプレーした。ここが彼のポジションであることを証明した昨日の試合だった。彼は少しの幸運さえあえば、ゴールを決める重要な選手である。決して4ゴールを獲得したのは偶然ではない。

■マドリに近づくチャンス
昨日のテネリフェ戦での勝利は、今日のマドリ対エスパニョール戦の結果次第でマドリに4ポイントと差を縮める結果となった。来月カンプノウでのマドリとの試合が待っているバルサにとって、4ポイントは大した差ではない。


レシャックのコメント

この勝利は我々にとって非常に大きい。だが1勝しただけであるということも忘れてはならないだろう。大げさな評価は避けなければならないが、信頼感を取り戻したという意味ではメリットのある勝利だった。個人的にももちろんホッとしているが、もし敗北していたとしても私の監督生命が危機になることはなかっただろうとは思っている。結果だけを見れば非常に簡単な試合だと思うかも知れないが、決してそうではなかった。次のソシエダー戦もやはり難しい試合となるだろう。だが我々は勝利できることを信じている。

ペペ・メルのコメント

普通の負け方ではない。我々のする事なす事すべてが裏目に出てしまった感じだ。間違いなく私の人生の中で最悪の日となった。今日は多分一睡もできないだろうと思う。我々はバルサという名前に負けてしまったように思う。普段であればもっともっとプレッシャーを相手にかける選手たちが何か萎縮してしまったような印象だった。自分たちの力の半分も出せないまま終わってしまった試合だ。もちろんそのメリットがバルサ側にあったというもとも認めなければならないことだが。