3月4日


     

FC.BARCELONA - MALAGA

5 - 1

ゴールが帰ってきた!

バレンシア、ローマ戦で5点をとられたバルサが、マラガ相手に5点を入れた。再びハットトリックを決めたクライハートと共に、今シーズン最高の試合の一つとなったサビオラの活躍が光った試合。優勝争いはまだまだ続く。

■自信を与える勝利
色々なことが起きたこの1週間。キーパー論争に始まり、監督候補の名前が再び各メディアに登場した。それらの噂や議論を一掃するためにもどうしても勝利が必要だったマラガ戦。そして、バルサとしては最高の形で新しい週を迎えることが可能になった。苦しみながらの勝利ではなく、スッキリした展開によるこの勝利は、3ポイント以上のものをチームに、そして選手に与えたことになる。それは、レシャック、各選手たち、そしてバルセロニスタに与える信頼感。
だがもちろん昨日の相手はマラガだったということを忘れてはいけない。バレンシアでもなくローマでもなかった。これから激烈な戦いとなるベティス戦をスタートとしてのリバプール、そしてマドリ戦。これらの試合で昨日のような試合展開を追求し、結果を出して初めて我々に本当の自信がやってくる。

■サビオラの活躍
バサビオラは、そうクライハートと並んで、昨日の試合に主役となった。サビオラは再びゴールの同義語だということを示したし、相手チームにとっては危険の固まりだということを証明した。昨日の彼はゴールを決めただけではなく、2つのペナルティーを誘った。インテリジェンス、スピード、ゴールの嗅覚、すべてを備えている若きアルゼンチン人。
カンプノウだけではなく、あらゆるグランドでスタメン出場が要求される選手である。彼をベンチに置くことは、相手ディフェンスに対する恐怖を一つ除くことを意味する。しかも今やクライハートやリバルドとの理解度は試合ごとに強くなってきている。我々の知っているサビオラはすでに、レシャックの「保護策」を必要としていない。すべての試合に出場すべきであろう。

■30ポイントをめぐって
来週のベティス戦から、リーグ最終戦となるサラゴサ戦までの10試合。バルサにとってこれらのすべての試合が「決勝戦」となった。10試合、30ポイント獲得の可能性は、バルサにもまだまだ優勝チャンスがじゅうぶんに残っていることを意味する。3ポイント差でバルサをリードしているレアル・マドリは問題ないだろう。16日の「決勝戦」で勝利すれば、そしてここ10年以上カンプノウでの敗戦はないことを考えれば、マドリの上をいくことは難しいことではない。一番のライバルがバレンシアであろう。4ポイント差ということに付け加え、直接対決による「得失点差」でも彼らがリードしているからだ。だがそれも決して不可能なことではない。
これまで多くのプレゼントをしてきてしまったバルサだから現在のハンディー戦はしょうがない。すべてはこれから10試合の「決勝戦」次第である。


レシャックのコメント

レシャックの朝の目覚めは良かったようだ。バルセロナの空は雲一つない晴天だった。

「フットボール日和だ

恒例の朝の散歩につき合う記者連中にこう声をかけるレシャック。40年もの間バルサに所属し、嵐の日も好天の日々も経験しているレシャックにとって、マラガ戦が彼の将来を決める一つの試合であることはもちろん覚悟している。だがそんなことはおくびにもださない。
「今日の勝利はチーム全体に冷静さを取り戻す結果になっただろう。もし負けていれば、首位争いから引き離されるという大事な試合だったからね。簡単な試合ではなかったけれど、これまでの試合に比べればやさしい試合だと言ってもいいかも知れない。コクーが決めた1点目が早かったから、久しぶりに落ちついてプレーできたことが大きい。試合の流れからいって、さらに5点入っていてもおかしくはなかっただろう。」

試合後の記者会見では必ずといっていいほど話題のタネとなるサビオラ問題とキーパー問題だ。この日も決して例外とはならなかった。
「サビオラがプレーすべきかどうかという議論はもうウンザリだよ。いったい彼が出場しなかった試合が何試合あると思っているんだ。彼は誰よりも出場時間数が多い選手の一人だろう。私は彼の可能性を信じているし、彼も期待に応えている。だが忘れてはならないことは、彼は多くのバルサ選手の一人であるということだよ。レイナにしても同じ。そしてボナノにしても同じ。みんな良い選手なんだ、」

なぜ、クライハートがPKを?

誰しもが驚いただろう。それは貴賓席に陣取った人々の中でもざわめきが聞かれたし、そして誰よりも驚いたのはレシャックだったようだ。
「PKを蹴る選手に関しては基本的な決まりがある。第一にリバルド、彼がいないときには状況によって決めることになっている。今日の試合では彼ら同士で話しあって決めたんだ。リバルドは得点王からは遠のいているのでクライハートに譲る形になった。PKの問題はね、誰が蹴るにしても自信がある選手が担当すればいいと思う。今回の選択にしても、私個人としては何の問題もない。」
確かにリバルドは7ゴールしか決めておらず、現在の最高ゴールを決めているモリエンテスの16ゴールに遠く及ばない。クライハートはこの日の3ゴールにより、15ゴールとなりモリエンテスに1ゴール差と迫っている。

アベラルドの復帰

それはまるでデビュー戦のような興奮状態だったようだ。アベラルドの練習風景を見た観客席から早くも拍手が送られる。そしてついに彼の出番がやってくる。観客席はスタンディングオベーションで彼を迎えた。
「もう何年前だったかも忘れたけれど、スポルティング・ヒホンでデビューしたとき以来の興奮だった。観客席から大きな拍手が聞こえてきたときには鳥肌がたってしまった。この日のことは一生忘れないだろう。そして何よりも嬉しかったのは、恐れずにボールの奪い合いに参加できたことだ。負傷を恐れずに足を突っ込めたことが何よりも嬉しい。」