3月9日


     

R.BETIS - FC.BARCELONA

20:30 RUIS DE LOPERA

走れ!走れ!トリデンテ!

今シーズン3回目のカンプノウから離れたところでのトリデンテスタメン。リバルド、クライハート、そしてサビオラに攻撃のすべてを託すバルサ。今日のベティス戦を皮切りに始まる「生か死」かの3連戦は、バルサにとってすべてをかけた戦いになる。

リバルド(7ゴール)
度重なる負傷とセレソンへの召集が、シーズン7ゴールというリバルドにとっては淋しい結果を余儀なくさせている。彼はこれまでリーグ戦だけでも12試合欠場しているし、最近でもローマ戦は負傷をおしての出場。だが、マラガ戦では70%近くまで体調が戻ってきていたようだ。あれから1週間近くたった今日の試合、すでに100%の完璧な体調でのベティス戦。今日こそクラックの本領を見せなければならない。

レシャック「リバルドは何で自分にブーイングが起きるのかわかっていないようだ。ブーイングする一部の人たちは彼の最高のプレーを期待しているから彼には厳しくなるんだ。それはクラックと呼ばれる選手の宿命だと理解しなければいけない。だが彼はいつもここぞという場面では常にそのチカラを示してきた選手。昨シーズンでは例えばマドリ戦、ミラン戦、バレンシア戦を見れば明らかだし、今シーズンにしてもポーランドのクラブを相手にも違いを見せた。今日からの3連戦でもそれを期待している。」

クライハート(15ゴール)
最近の6試合で8ゴールを決め絶好調の波に乗るクライハート。先週のマラガ戦ではペナルティーを含めてハットトリックまでとっている。これまでのリーグ戦で2試合しか欠場してないことを見ても明らかなように、レシャックに最も信頼されている選手の一人だ。別の言い方をすれば28試合消化したところで26試合にスタメン出場を果たしているクライハート。ここのところ懸念されていたゴールへの執念も見られる彼の出番だ。

レシャック「クライハートは我々にとってとても重要な選手。このところ調子も良くなってきているし、今日の試合でもそれを継続してくれることを期待している。」

サビオラ(11ゴル)
もしサビオラが今日のベティス戦でスタメン出場をすると、カンプノウ以外のスタディアムでは6回目のものとなる。これまでの11ゴールという得点はバルサの中で2番目のもの。だが残念なことにカンプノウ以外ではまだゴールの味をかみしめていない。果たして今日の試合でついにその悪運とサヨナラすることができるかどうか。この大事な試合にレシャックは強気にサビオラのスタメンをさせることは間違いないだろう。

レシャック「彼がカンプノウ以外のところでまだゴールを決めていないということを大げさに考える必要はないさ。入るときは入るし、ダメなときはダメ。だが突然のようにハットトリックを決めちゃう可能性だってあるんだ。それが今日のベティス戦だったら最高。」


●メンバー予想(左-エスポーツ 右-ムンド)

   


カペーロの真実

ファビオ・カペーロは来シーズンのバルサの監督になる可能性が非常に強い人物だ。バルサ首脳陣、その中でも特にガスパー会長が強く希望している人物だと言われている。だがバルサが彼に興味を抱いたのは今が初めてではない。

■なぜ、今シーズンに来なかったのか?
前シーズンの後半では、今シーズンからカペーロがバルサに来る可能性はじゅうぶんにあったと言っていいだろう。すでにガスパーとカペーロとの間では経済的条件では合意に達していたのは事実であるからだ。だがそこにはカペーロの受け入れられない一つの条件が現れた。それはもしセラフェレールが一つでもタイトルをとったら、その話しはご破算というものだった。セラフェレールバルサは、シーズン後半にまずUEFAカップでリバプール戦に敗れ、パンプローナで3−1と敗北したためリーグ優勝の可能性もほぼなくなった。その結果レシャックに急きょバトンタッチがなされる。そしてその時点ではカペーロは交渉を終わりにしていたのだ。そこまでは待てないというのが彼の理由であった。そしてカペーロはローマとの延長契約にサインを済ます。

■なぜ、再び候補に上がっているのか?
カペーロはローマとの延長契約を2年と延ばした。したがって彼の契約切れは2003年の6月となっている。だがその契約条項の中に、彼がリストアップしたいくつかのクラブがオファーをだした場合、それが優先になるというものがあった。そのいくつかのクラブの中にバルサの名前があげられている。バルサ首脳陣、特にガスパーにとってカペーロは唯一と言っていいほどの「権威」を持った監督だ。それは彼が会長に就任した時点から隠すことなく語っていることである。しかも今シーズンがどうなるか別として、バルサはこれまで2年続けてタイトルなしにシーズンを終了している。ガスパーにとってカペーロはタイトル獲得と同義語でもあるようだ。

■なぜ、彼はバルサに来たがっているのか?
カペーロがあげたリストの中になぜバルサの名前があがっていたのだろうか。カペーロにとってカルッチオはすでに過去のものとなりつつあるようだ。ミランでの成功を皮切りに、昨年はローマでもチャンピオンとなったカペーロにとってイタリアですることはなくなった。たった1年だけだったとはいえ、レアル・マドリの監督経験によりスペインでの生活ぶりが気に入っていると事あるごとに語るカペーロは、スペインリーグに戻りたがっていることも確かなようだ。だがレアル・マドリにはもう戻れない。彼に残された唯一の権威あるビッグチームはバルサしか残っていないのが現状だ。あと3年で現役生活を終えたいというカペーロにとって、バルサで指揮をとることは彼に残された最後の栄光ある仕事となる。