3月19日


GALATASARAY - FC.BARCELONA

20:45 ALI SAMI YEN


     

失敗するな、バルサ!

栄光か挫折か、ヨーロッパに生き残るかトルコに死すか、二つに一つであり、その中間は存在しない今日のバルサ。今シーズンをかけての試合に今度こそ失敗は許されない。

■反撃か、革命か
バルサにとって、まさにその存在をかけた真剣勝負の日がやって来た。もしこれまでの否定的な結果を乗り越え反撃にでるか、もしそれが不可能であるならば新たなシーズンに向けて革命をおこなうしかない。ここまで勝たなければいけない重要な試合を引き分けという結果で終わり、今日のイスタンブールでおこなわれる1試合にすべてをかけなければならなくなったバルサ。アンフィールドでの勝利により、カンプノウでの試合に勝利すれば何の問題もなかったバルサ。もし一試合でも勝利していれば、今日のトルコ滞在は絨毯などを探し求める買い物ツアーになっていたであろう。だが今日のバルサにそれは許されない。90分の苦しい戦いがこれまでの悪い結果の代償として待っている。

これまで5試合を戦ってきて負けを知らないガラタサライ。だが同時に勝利の味もまだかみしめていない。しかしこの地元での試合に関して言えば、そして彼らの歴史を見てみれば、明らかに今日の試合の有利さはガラタサライ側にあるだろう。地元での試合に3年間にもわたって敗北を喫していないガラタサライに対し、バルサはここ4試合の重要な試合に1勝もしていないのだから。個人個人の選手を比較してみればはっきりと優っているバルサだが、チーム総体として考えた場合ガラタサライに軍配があがる。

■11人の男たち
今日の試合に関して言えば、誰がスタメンで出場しようが、どのような戦術で戦おうが、そのことは大した問題ではない。最も重要なこと、それはスタメンで出場した11人のバルサの選手が「クラブに対する誇り」と「逃げ隠れしない」精神的な強さをもっているかだ。勝負に対して真剣勝負で向かうプロの選手たちの必要性。引き分けでもいいという気持ちが少しでもあればそれは卑怯者であり、その結果は間違いなく敗北への道へとつながる。いかなるプレッシャーにも負けない精神的強さと冷静さ、そして肉体的にじゅうぶん武装した11人の選手たち。「地獄」での戦いは、このような選手が要求される。

今日と同じトルコのチームであるベシクタスとの試合を思いだすことも必要だ。まさに臆病な試合をしたバルサだが、あの試合のような気持ちで今日の戦いにのぞんだとしたらそれは自殺行為に等しい。「11人の男」たちは今日1日だけでも億万長者であることを忘れ、それぞれ一人一人がすべての持っている力を出し切る「労働者」とならなければならない。今日こそ選手が主役となる試合としよう。不調の理由をバルセロニスタやメディア、さらに言えばクラブ首脳陣やコーチ陣の無能さのせいにしてはならない。ゴールを決めるのはグランドに立つ選手なのだから。


●メンバー予想(エスポーツ&ムンド)


●レシャック
レシャックはこの場に臨んでもユーモアを忘れていない。もし今日の試合に敗北すれば、可能性は少ないものの、彼にとって最後の試合となることもあり得る状況だ。合同記者会見(スペインメディア・トルコメディア)の中でスペインから来た記者がその可能性について質問したのに対し、トルコ人通訳に向かって「ああ、これは訳す必要はないよ。トルコの人たちにとって、俺がクビになるかどうかなんて話しは興味ないだろうからね」と答えたレシャック。だがジョークを絶やさないレシャックにとって個人的にも重要な試合であることの認識はもちろんあるだろう。
「今日の試合はチャンピオンズでの戦いで、生か死かをかけた試合。だが状況を冷静に分析してみれば、それは我々だけの問題ではない。団子状態になっているこのグループは、すべてのチームに可能性が残っているということだ。そして我々は勝利すればグループ1位の可能性も残されている。栄光と挫折の差は紙一重ということだな。」

●二つの疑念
守備メンバーに変更はなさそうなバルサ。だがもしあるとすれば、プジョーがクリスタンバールの代わりに入り、プジョーの場所にレイジンハーが入ることも予想される。だがクリスタンバールを信頼しきっているレシャックが、この変更をする可能性は非常に少ないと見る。一方リバルドが抜けた穴を誰が埋めるか。ルイス・エンリケを前にやりサビオラを再び起用するか、あるいはオーベルを使うか。

●サビオラ
大事な一戦であることはじゅうぶんに承知しているサビオラ。彼のフットボール人生の中でも重要な試合の一つになるだろうと予測する。
「この重要な試合を前にして、僕たちはみんな責任感をもって戦う用意がある。いかなる試合でもそうだろうけれど、特に今日のような試合では個人が勝つのではなく、チーム総体が勝利するものにならなければね。僕が勝ったり負けたりするわけではない。」
そしてガラタサライのグランドでの恐怖感について聞かれたサビオラ。
「僕はアルゼンチンリーグの出身だ。あっちでは重要な試合だけではなく、すべての試合が大騒ぎの観衆の下におこなわれる。ここでは死人やけが人はでないと聞いている。だが僕がやってきたグランドでは、何試合か死人まででている環境でやってきている。客席からのプレッシャーなんて関係ない。ゴールを決めるのは選手なんだからね。」

●チャビ
マドリ戦で復調したチャビは、今日の試合で期待される選手の一人だ。カンテラ上がりの彼はこの試合がバルサにとってどのように重要な試合かを最も認識している選手でもある。
「個人的に言わせてもらえば、今日の試合は我々のシーズンすべてをかけた試合だ。我々はガラタサライよりも明らかに優れたチーム。だがそれを証明しなければいけないのはグランド内であり、歴史や経験や言葉上ではない。」
さらに、そしてと続けるチャビ。
「そして3ポイントを獲得という重要さと同じぐらいに、バルサというクラブの誇りをかけた試合という意味でも重要なものだ。」

●トラッショーラス
バルサBに所属し、久しぶりに一部のチームに召集されたトラッショーラス。彼がプレーする可能性はスタメン出場はあり得ないとしても、後半の何分間にわたってのプレーはあり得る。彼にとってこれで3回目の経験となるヨーロッパ大会での試合。
「まさか呼ばれるとは思っていなかった。それだけに今回の召集は嬉しい。レシャックが僕を呼んだということは、少なくても何分かの試合出場が可能かも知れない。今日のような重要な試合でも、プレッシャーに負けることは絶対ないと思う。こういう観衆の中でプレーする時は、根性で戦うんだ。根性、根性、それだけだ。」

●リバルド
リバルドは悲観に暮れている。これまでどんな試合でも負傷箇所をごまかしごまかしプレーしてきた彼だが、今回はそれさえ不可能だからだ。しかもバルサの将来をかけた大事な一戦。プロ選手として、そして何よりプレーすることが生き甲斐のリバルドにとって、こんな悲しいことはない。
「僕はバルセロナに残るけれど、気持ちは持っていってもらった。勝利をひたすら信じて、僕らが決勝リーグに進めることを祈るしかない。」
彼の左足の痛みは、痛み止めを打ってもとれないほどのものだという。マドリ戦の最中に痛みを感じたものの、交代を告げられるまで最後まで我慢してプレーを続けた。
「今は歩くことさえできない状態。痛み止めを打っても痛みがとれないんだ。こんな状態ではもちろんボールも蹴れないし、とてもじゃないけれど試合に出る状態じゃない。とにかくみんなに頑張ってもらいたい。我々は最初の1分から勝利するための試合展開をしなければならにと思うよ。心の片隅に引き分けでもいいなんて感情が少しでもあったらダメだ。とにかく勝利すること。僕は彼らを信じている。」