4月9日



FC.BARCELONA-PANATHINAIKOS

20:45 CAMP NOU



この試合、もらったぁ!

バルセロニスタにとって大きな夢であるグラスゴーの決勝戦に向けて、今日その第一歩が踏みだされる。セミファイナルに進むには2点の得点差が必要な今日のバルサ。バルセロニスタで埋まったカンプノウで、攻撃の嵐をおこさなければならない。

■誇りと権威をかけて
今日の試合に関してだけは、いかなるバルセロニスタといえども試合内容などは問わないだろう。今日の目的はただ一つ、セミファイナルへのチケットを手に入れることだけだ。戦略がどうであろうと、戦術がどうであろうと、個人マークを付けようが付けまいがそんなことはどうでもいい。その100年の歴史から見ても、年間予算から見ても、そしてなによりもクラブの権威から見ても、バルサはパナシナイコスの10倍は大きいクラブだ。誇りと自尊心にかけても勝利しなければならない。

アテネでの結果は非常に嘘っぽいものであり、同時に危険なものでもある。なぜなら試合内容から見ても、決してバルサを上まわってはいなかったにも関わらず審判のプレゼントでパナシナイコスは勝利したからだ。そして1−0という結果は非常に危険な結果でもある。なぜならパナシナイコスが何かの拍子で得点をあげたら、我々は3点を獲得しなければならない。相手がパナシナイコスとはいえ、バルサの選手はその「質」の高さと「心意気」の強さをグランドで示さなければならない。彼らに走り負けてはならない。彼らの「やる気」に負けてはならない。だが急ぐこともないだろう。時間は90分あるのだ。

■普通に戦おう
アテネでの試合を繰り返してはならないのはいうまでもないことだろう。「保守的」で「守備的」な仮面を付けて戦ったバルサ。だが今日の試合は我々が持っている自然な素顔で戦わなければならない。バルサの素顔、それは攻撃をモットーとする戦い。バルサの素顔、それは相手の戦術に関わらず自分の戦いをするバルサ。つまり試合の主導権を試合開始1分からにぎり、ボール支配に専念し、ひたすら攻撃していく戦い。それらはそれぞれの選手が、知っていることをそのまますればいいだけの話しだ。

今日の試合に誰がスタメンで出場するかということは大した問題ではない。問題は出場した選手の戦いの姿勢にある。リバルドが出るのなら、彼を自由にプレーさせよう。サビオラが出場するなら、ゴールの嗅覚を呼び起こす場所でプレーさせよう。オーベルマルスが出るのなら、ひたすらウイングからの突破攻撃に専念させよう。そしてクライハートが出場するなら、彼のマジックに期待しよう。そしてこれらの選手の誰が出場することになっても、バルサは圧倒的にパナシナイコスを上まわっているのだ。彼らはひたすらゴール前にポジションを置くだろう。だがバルサの攻撃的な選手の実力からすれば、それはうち破れることは確かだ。普通に、普通に戦えばバルサの勝利は間違いない。

■カンプノウを埋め尽くせ
クラブ首脳陣や、選手や、そして我々メディアが要求するまでもなく、バルセロニスタは間違いなく今日の試合にかけつける。それがバルサというクラブの歴史であり、バルセロニスタの歴史でもあるのだから。多くのバルセロニスタは今日の試合が今シーズンもっとも重要な試合であることをじゅうぶん認識している。そして彼らの力が必要であるということももちろん認識している。この試合における彼らの役目、それは12番目の選手としてバルサのスター軍団と共に戦うこと。パナシナイコスの大部分の選手は、カンプノウのような大きなスタジアムで戦った経験のない選手たち。10万観衆のプレッシャーで彼らをつぶしてしまおう。今日の試合、もらった!


●メンバー予想



ストイチコフ様のお言葉

俺の体はアメーリカにあるけれど、心はいつも地中海。ルルーン、ルルーン、ルルーン。そして考えることはいつもバルサのこと。ルルーン、ルルーン、ルルーン。今日は勝つのだぁ〜。

今日の試合はだな、誰がスタメンで出ようが間違いなくバルサが勝つんだ。それは間違いない。オレの言葉は信じなくてもいいけれど、バルサは信じなければいけないよ。もちろん油断は大敵と言うくらいだから、パナシナントカとはいえ甘く見ちゃあいけない。肝心なのは「勝利の信念」だ。勝利に向けた飽くなき信念。これさえあれば、試合前の選手が通る通路でもう試合が決まっちゃうんだ。ヤツらにはカンプノウでは何もできないということを通路で知らせてやろう。グランドに出る前にもう観念させちゃおう。これでまず1−0だ。試合前にもう1−0だ。

試合開始の笛がなったら、最初っから思い切って行ってしまおう。ヤツらに息をすることの困難さを教えてやるんだ。10万バルセロニスタのプレッシャーと、走りまくるバルサの選手のプレッシャーで、相手を窒息させてしまおう。

オレはこれまでの人生で「戦術」だとか「戦略」なんてことをしゃべったことがないんだ。今日の試合だってそんなもん必要ないぐらい簡単なものさ。ヤツらより2点多く入れれば良いだけの話しだからな。そのためには選手たちはなぜバルサという栄光あるユニを着ているのか、なぜカンプノウでプレーしているのか、それをヤツらに示してやるだけでいい。それだけの実力の違いがあるということを示すだけでいいんだ。

オレの住むアメーリカにまで伝わってくる「バルサストーリー」は残念でしょうがないぜ。なんでもクラブ首脳陣同士でお互いのコメントを否定したり、次の監督候補の名前が50人も100人も出てきたり、放出選手や補強選手のリストがすっぱ抜かれたり、まあ、バルサらしいっちゃあバルサらしいが、オレはこういうのは好きじゃないねえ。オレ達は今日、グラスゴーに通じる道を歩いているんだし、リーグ戦だってまだ5試合も残っているっていうじゃねえか。まったく、ウワサばっかしで嫌になっちゃうよね。オレは選手時代、こんなウワサはぜ〜んぜん気にしなかったけれど、今の若い選手はナイーブだからな。気にしちゃうお坊ちゃんもいるかもしれないっちゅうの。おっと、今日は大事な試合だけのことを話そうと思ってたんだ。こんなくだらないことはどうでもいいか。

レシャックはオレの元親分のヨハンと同じで、試合が始まってみないとどういうふうにスタメンを組むかわからないところがある。今日もはっきり言ってわかんないけれど、オレが思うにオーベルは後半から出すといいんじゃないかな。前の方にはクルービー、リーボマン、そしてサビオラ。中盤はチャビ、ガッツ、コクー、そしてモッタあたりでいいだろう。相手の攻撃力を考えればディフェンスなんか一人もいなくてもいいと思うのはシロウト。オレだったら3人ぐらい立たせておけばいいと思う。アベラルドを真ん中に、プジョーとクリちゃんあたりでどうだ。まあこれでも多すぎるかも知れないけどな。

所詮トルコだとかギリシャやエゲレスのチームっていうのは、地元では120%の力をだすヤツらだけれど、外では内気なクラブなんだ。これまで多くの試合を経験してきたオレがいうんだから間違いない。地元では「地獄」と呼ばれる、実際はな〜んてことはないスタジアムで少し良い試合をしたかと思うと、外に行くと4点も5点も入れられて負けるパターンが多いんだ。つまりパーソナリティーっちゅうのがないんだな、やつらには。

だからいっぱいになったカンプノウでの試合では、もう引きつっちゃてるヤツらの顔が浮かんでくるよ。そう、今日はカンプノウがいっぱいにならなくちゃいけないよ。そうすればもう勝ったも同然だ。さてそろそろグラスゴーへ行くチケットでも知り合いに頼んでみるか。


●メンバー予想