4月29日




    

二人のルーキー・バルセロニスタ

NBAでヨーロッパ出身選手としては初めての新人王を獲得したバルサカンテラのガソール。そして今年アルゼンチンからバルセロナにやって来たサビオラ。お互い新天地ではルーキーであり同時にバルセロニスタだ。

サビオラ「アイドルはジョーダンとオルテガ」
ガソール「アイドルはジョーダンとグアルディオーラ」


チャンピオンズ参加権をめぐる争い

土曜日にはビジャレアル相手に3ポイントを稼ぎ、チャンピオンズ参加の可能性を深めたバルサ。だが昨日の日曜日にはセルタ、ベティスも勝利し、依然としてチャンピオンズ参加権をめぐる争いは壮絶さを極めている。

2001−2002シーズン残り2試合となったところで、壮絶な来季チャンピオンズ参加権をめぐる戦いが続いている。バルサ、セルタ、ベティスが勝利したことにより、4位、5位、6位の順位はそのままとなった。そしてデポールとマドリが敗北したことにより、彼らもまたいまだにその権利が得られない状況となっている。唯一来シーズンのチャンピオンズ参加権を得たのは結局バレンシアのみとなった。

週末の試合で一つだけ状況が異なったことがある。それはデポールの敗北によりリーグ優勝の望みがなくなったと同時に、セルタとバルサに対して2ポイントの優位差しかなくなったことだ。ここに来てバルサがチャンピオンズの参加権を得るために争うチームはセルタからデポールへと変わってきている。セルタには直接対決の得失点差で負けているものの、デポールとはその逆の関係にあること、そしてデポールは来週セビージャへ行ってのベティス戦という厳しい戦いが待っている。

リーグ優勝というタイトルの獲得は別として、バルサには多くの可能性が残されている。それは良い意味でも悪い意味でもだ。レアル・マドリを抜いて2位になる可能性も残っていれば、6位になってUEHAカップ戦で我慢しなければならないという可能性まである。いずれにしても良い可能性の方に残るためにはエスパニョール、サラゴサ相手の2試合に勝ち続けなければならない。バルサに限らず、最後の最後まで見通しのつかないリーグ戦となっている。


ローラーホッケー、
  ヨーロッパチャンピオンに!

バルサにある4つのプロセクション、フットボール、バスケットボール、ハンドボール、そしてローラーホッケー。そのローラーホッケー部門が昨年に続きヨーロッパチャンピオンズカップを制覇した。これで3年連続ヨーロッパチャンピオンという輝かしい成績を手中にしたバルサだ。

ポルトガルのギマラーレスでおこなわれていたヨーロッパチャンピオンカップのプレイオフ。一昨日の準決勝ではベンフィカ相手にに4−2と勝利をおさめ、昨日の決勝戦に進んでいたバルサ。決勝の相手はやはり地元のバルセロスだった。この試合にはクラブ副会長のフェルナンデスやクラブ総合ディレクターのファルゲールも観戦。バルサとしては14回目、3年連続ヨーロッパチャンピオンをかけての大事な試合だった。

世界的なスターを集めているバルサはテクニック的にも、チーム総体の力としてもはるかに相手チームを上回っている。地元での戦いでありながら、ポルトガルのチームがどのくらい善戦するかが大方の予想だった。だがさすがに決勝戦ともなると簡単にはいかない。お互いに守りを固めての慎重な試合が展開されていく。以外にもバルセロスが先制得点をあげる。だがすぐ追いついたバルサ、延長戦にもつれ込みながらも残り30秒というところで2点目をあげ、優勝を決めた。ヨーロッパチャンピオンということは世界チャンピオンと同じ意味を示すローラーホッケー。バルサはこれで3年連続世界チャンピオンということになる。


ハンドボール、決勝で敗れる!

5年連続ヨーロッパチャンピオンという輝かしい歴史を閉じたのが昨年。6年連続優勝を狙ったバルサが昨年決勝戦で敗れたのは記憶に新しい。一つのサイクルが終わり、今年は新しいメンバーを多く加入させ再びヨーロッパの中に輝く歴史を作り始めようとしているバルサ。昨日のEHFカップ(フットボールでいうとUEFAカップに相当)の決勝戦でバルサは惜しくも敗れた。

ホームアンドアウエー方式でおこなわれる決勝戦。1週間前にはドイツのキエルの地元で戦い7点差で敗れていたバルサ。昨日、地元パラウ・ブラウグラーナは超満員のバルセロニスタで埋められ、これまで何回か繰り返してきた逆転劇を期待していた。試合1時間前にはすでの6800人という超満員のバルセロニスタによフィエスタが始まる。相手はナショナルチームとしては何回も世界一を獲得しているスエーデン人などで構成されているドイツのクラブチーム。一方バルサはカンテラなどの若手を中心として立て直しを図っている最中のクラブ。7点差をひっくり返すのは容易なことではない。

だがバルサは試合開始から総攻撃体制でドイツのチームを襲う。前半15分で10−2とリードをとるバルサに、多くのバルセロニスタがこれまで何回も経験してきた奇跡を夢見る。前半7点差で終了し、総合得点では引き分け状態で後半に入った。だがスエーデン人のベテラン選手を核とするドイツのチームの反撃が後半開始直後からおこなわれた。経験の浅い若手選手の多いバルサは必死になって戦うものの、試合終了時には4点差で勝利しているだけだった。だが貴賓席にキエルの会長と同席していたガスパーは、最後までこの試合を観戦できたようだ。