9月2日

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LIGA 第1節
9月1日 21:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
AT. MADRID

2 - 2


苦い味のデビュー

92820人の大観衆で埋まったカンプノウ。前半スペクタクルな試合展開を見せたバルサは、どうしても勝たなければいけなかった。だが試合を決定づけるゴールが入らない。そして、再三のチャンスを逃し続けたバルサは、2ポイントを失うという高い代償を払うことになる。

カンプノウにおける開幕戦で、これだけのバルセロニスタによって埋め尽くされたのは何年振りのことだろうか。92820人の大観衆。期待に胸躍らすバルセロニスタが望んだものは、もちろん快調なリーグ戦のスタートだ。

相手はAt.マドリとはいえ、2部から上がってきたばかりのチーム。そしてバルサはすでにチャンピオンズの予備選を勝ち抜いてきているチーム。誰もが勝利を予想していたとしても不思議ではなかった。事実、バルサはスムーズに試合を展開し始める。試合開始4分にはルイス・エンリケのゴールで先制点を奪ったバルサ。多くのゴールチャンスを作りボールもなめらかにグランドを走る。もちろん観客席ではお祭り騒ぎだ。久しぶりに見るスペクタクルな試合展開。だがそれも試合を決定づける2点目が入らず、時間の経過と共に苛立ち感が起き始める。前半終了間際にAt.マドリのラッキーなゴールが入り、前半を終了して1−1というスコアーだ。後半も前半のコピーのような試合が展開される。バルサが押し、そして再びルイス・エンリケのゴールによりリード。だがまたしても決定打を逃しまくるバルサ。前半と同じように終了間際にAt.マドリはゴールを入れる。これで同点だ。そして反撃を狙うバルサに、もう時間は残っていない。

カンプノウで2ポイントを失ったのは痛いとはいえ、この段階ではそれほど重要なことではないだろう。まだリーグは始まったばかりだ。だが昨日の試合を見てもわかるように、そしてこれまでのプレステージの試合でもそうだったように、このバルサには「ゴールの嗅覚」を持った選手がいないということだ。チームブロックを固くし全員で攻めて守り抜く、その姿勢ははっきりと見て取れる。だが最後の仕事、つまりゴールを決めなくてはそれはすべて無駄なことに終わってしまうのも確かなことだ。

リーガの選手登録の締め切りは今日の20時となる。すでにチャンピオンズの選手登録の締め切りは終わっているが、まだバルサ首脳陣は”9番”獲得を狙って動き続けている。

■ガブリ、マンツーマン
プレステージのほとんどの試合でマンツーマンを引き受けさせられたのはプジョーだった。相手チームのもっとも危険と思われる選手の影となっての90分。だが昨日の試合でその影の役目を言いわたされたのはガブリ。彼はAt.マドリのダニに、そして後半にはホセ・マリに90分間つきまとう形となった。個人評価としては100%のマークを達成したと言える。

■リケルメ、たった10分
今シーズンの目玉獲得選手といっていいリケルメ。だが、これまでの試合と同じように彼はベンチスタートとなる。そして彼が登場したのは試合終了10分前だ。バンガールはリケルメに関して聞かれると必ずと言っていいほどの同じ答えを用意し繰り返し語る。
「リケルメはヨーロッパフットボールに慣れなければいけない。そして私のシステムに慣れなければいけない。まだまだ不十分だ。」
だがプレステージやチャンピオンズ予備選を含めて、試合の流れを見事に変えてきているリケルメの登場が急がれる。

■セルジファミリーの誇り
バルセロニスタとして生まれ、バルセロニスタとして育ち、バルサの選手として15年間クラブに在籍したセルジ。試合開始前にメガフォンを通して、この15年間にわたるクラブへの働きに対しての感謝の言葉が送られた。彼の両親であるジョアンとモンセラーはもちろん観客席の中にいた。同じ12番の背番号とはいえ、バルサ以外のユニフォームをつけている息子をみるのは初めてのことだ。もちろんセルジにしてもバルサを相手に戦うのは初めてのことでもある。これまで100年の歴史において多くのクラックが通り抜けていったバルサ。だがバルセロニスタの心には常に消えない選手たちがいる。セルジはもちろんその一人だ。スタンディングオベーションでセルジを迎える9万観衆。この試合前、マドリッドでのインタビューにこたえてセルジは語っている。
「俺はどこに行こうがバルセロニスタだ。どんなユニフォームを着ようが、心に染まった色は消すことはできない。」

■満足も半分、バンガール
ゴールチャンスがものにできない。これがバンガールの不満なところ。だが試合内容は素晴らしかった、これがバンガールが満足しているところだ。しかも懸念されているディフェンスもそれほど問題がなかったことも彼を満足させている一つの要因だ。
「非常に魅力的な戦い方をしたと思っている。多くのゴールチャンスを作り、観客席にいた人たちも喜んでくれただろう。だが残念なことに肝心なことが一つ欠けていた。それは最後の詰め。そのゴールが決められないと、このような試合結果になってしまうのは当然だ。1点目のゴールはビクトルのミス。だが幸運なゴールであったことも確かだ。ディフェンス総体を見る限り、よく機能していたと評価している。」

■不満タラタラ、ルイス・エンリケ
9番不在のバルサにとって、ルイス・エンリケの存在は非常に大きいことを再び証明した。超一級品のマルチ選手として、ルイス・エンリケは左のメディアプンタを務めた。そして後半終了間際リケルメが入ってくると、サビオラがいた右のメディアプンタを務める。
「ゴールを獲得することはそれは嬉しいことだ。だがそれがチームの勝利に結びつかないんじゃあしょうがない。悔しさでいっぱいだけれど、今日は開幕戦でもあるし、チームがうまく機能したということで我慢するしかない。それにしても、う〜ん、頭にきている。」

■不発サビオラ
決してサビオラにとって悪い試合ではなかった。新しいポジションとしてのメディアプンタとはいえ、彼はデランテロの自覚を持っているし、多くのファンもゴールを期待している。そのゴールは、ついにやって来なかった。
「必要以上に、まあ失敗に必要以上も何もないんだけれど、とにかくゴールチャンスを活かしきれなかったのは確か。もっと正確にゴールを決めないといけないよね。もしゴールチャンスの半分でもいいから決めていれば楽勝の試合だったのに。あ〜、残念。」

■デビュー合格、ビクトル
90分総体として見れば、ビクトルの活躍は素晴らしいものがあったと言える。いくつかのゴールを救い、ディフェンスを叱咤激励する若きキーパー。だがミスがあったことも認めることを忘れない。
「自分の考えでは、すべてのシュートを止めることが可能だと信じています。少なくても何らかの反応をしてゴールを防ぐことは可能だと思う。でも1点目のは自分のミスで入ったゴール。センターリングだと信じていた自分がバカだったんです。これから頑張ります。」

■心配、心配、プジョー
84分に担架に乗ってグランドをあとにしたプジョー。彼は今日の朝に精密検査を受けることになっている。試合終了後にはスペイン代表の合宿に参加することを「不可能」としてすでに報告をしているバルサだ。負傷箇所は右足の靱帯。