9月9日

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国王杯 1/32
9月11日 19:30
LA MAGDALENA
NOVELDA
vs
FC BARCELONA


バルサ再び起動開始

いよいよ9月の幕開け。わずか18日間で6試合の重要な試合が控えているバルサにとって、それはまさに激動の9月と言っていいだろう。明後日11日の国王杯を皮切りに、リーグ戦3試合、チャンピオンズ2試合を9月に戦う。今後のバルサを占う重要な月の始まりだ。

リーグが始まってすぐに代表の試合で中途半端な感じのスタートとなった2002−03シーズン。だが文句は言っていられない。昨日それぞれ代表から戻ってきた選手たちは午後には軽い練習を始めた。そして今日は完全休養日となる。したがって明日1日だけの合同練習をおこなって明後日の国王杯戦にに望むことになるバルサだ。二部リーグのBカテゴリーに所属するノベルダとはいえ、昨シーズンのフィゲーラスに敗退した苦い経験はまだ記憶に新しい。

昨日の午後の練習は1時間ほどの軽いもので、代表の試合に参加していた選手の疲労をとるようなもの。コクー、レイジンゲル、デ・ボエル、クルイベル、クリスタンバール、チャビ、メンディエタ、ナバーロ、ビクトルたちが代表から戻ってきて練習に合流。先週の練習にはこれらの選手の不参加だけではなく、ルイス・エンリケやプジョー、アンデルソン、オーベルマルスなどの負傷組も練習に参加していないので、本当にわずかな選手だけでおこなわれていた。したがってすべての選手が参加しておこなわれる練習は明日のみということになる。

チャンピオンズ予備戦でのバルソビアとの戦いが「決勝戦」であったように、明後日のノベルダとの戦いもバンガールにとっては「決勝戦」だ。可能な限り万全の体制でこの戦いに望みたいバンガールは、これまでの多くのスタメンをそのまま起用する考え。だがプジョーやルイス・エンリケは負傷上がりで期待できない。彼らのポジションだけは「控え選手」が埋めることになるだろう。

■メンディエタ「これは決勝戦」
メンディエタは昨年のこの時期にはラッチオにいてバルサにはいない。だがもちろん彼にも、二部Bのフィゲーラス相手にバルサが国王杯一回戦で敗退したことは伝わっている。
「今度の試合が決勝戦だという理由はいくつかある。まずバルサは今シーズンどうしてもタイトルが必要なこと、そしてこの試合は一回きりで勝負をつける試合であること。もし負けでもしたら取り返しのつかない勝負なんだ。だから我々はまるで決勝戦を戦うような気持ちで試合にのぞまないとヤバイ。」

■デ・ボエル「う〜む、難しい試合だなあ」
彼のようなベテラン選手にとって、このような二部相手の試合は難しいものとなる。集中力、ひたすら集中力が必要な試合だからだ。多くの修羅場を戦ってきた選手にとっては意識しようとしまいと、どうしても真剣になれない試合でもある。だがデ・ボエルは昨年の大惨事を経験している選手でもある。
「精神的な問題が重要となる試合だ。いかに相手が二部Bのクラブとはいえ、グランドでの90分の戦いという意味では同じこと。相手のカテゴリーを忘れて、100%の集中力を持って戦わないと痛い目にあう。頭の中のチップを変えて戦わないといけないだろう。俺たちはプロなんだから、相手がどうであれ真剣にいきたいと思う。」


バンガールがバンガールになってきた

バンガールは自分のフィロソフィーに絶対の自信を持っている。その彼の持つフィロソフィーからはどのような選手も自由ではいられない。いや、選手だけではなく、クラブ首脳陣とはいえ自由とはならない。バンガールは自ら築き上げてきた「履歴書」を高々と掲げ、己のフィロソフィーに沿ってこれからのバルサを作り上げていこうとしている。

バンガールが考える「クラック」あるいは「スター選手」というのは、メディアが言うものとは多少違っているようだ。彼にとってそのような選手はグランドの中でひときわ目立つ選手ではなく、また個人技で7人抜きのスーパーゴールを決める選手でもない。ひたすらチームのために働く選手を言うようだ。
「かつてのアヤックスでいえばダニー・ブラインとかフランク・ライカーみたいな選手がクラックと呼べるだろう。現在のバルサの中ではプジョーとかメンディエタがスター選手。私にとってはリケルメは決してクラックでもスター選手でもない。彼が素晴らしい成績を持っているからと言ったって、私だって輝かしい履歴書を持っている。ボカでは10人の選手が彼のために働いていたが、バルサではそんなことは許されない。彼がバルサにとけ込まなくてはいけないのであって、バルサが彼にとけ込むということじゃあない。」

バンガールはリケルメのどこが気にくわないのか。それは単純にして明快な理由による。
「近代のフットボールにおいて大事なことは、相手にボールがわたっている間は我々すべての選手が守りに入らなければならないということだ。一人の選手がそれを怠れば11人対10人の戦いになってしまう。リケルメはそのことを理解しなければならない。彼が守りに関して弱い側面を持っているのは彼だけの責任ではないと思う。アルゼンチンフットボールやメディアも決して無関係とは言えない。例えば、彼の所属していたボカというチームは常にカウンターアタックで戦っている。ボール支配というアイデアとはまったく関係ないところで彼はプレーしていた。8人の選手が下がりリケルメはメディアプンタ、そして彼の前に二人のデランテロがいるシステムだ。これはまったく我々のやろうとしているシステムとは無関係なもの。しかもアルゼンチンではゾーンディフェンス、我々はマンツーマンシステム。まったく新しい世界に来た選手だということを彼はもちろん、すべての人々が理解しなければならない。」

クラックではないしスター選手ではないとするものの、リケルメの可能性まで否定するバンガールではない。
「彼は偉大な選手であることは間違いない。だから私の多くの要求に彼はいつかは応えてくれるだろうと期待している。他のどの選手よりも早く期待に応えてくれるだろうと思う。だから彼をメディアプンタの一人として非常に期待している。やはりアルゼンチンから来たサビオラと彼を、プレッシャーのより少ないメディアプンタにおいて、できるだけ早く私のシステムに慣れてもらえればいい。」

リケルメのテーマを離れブラジル選手問題に移るバンガール。リバルドを放出し、ロナルドを断ったバンガールだ。
「最終的な決断はもちろんクラブがおこなったこと。だが私の決断がそれに大きく影響していることは確かだ。リバルドやロナルド問題はもう過ぎたことだからコメントは避けたい。唯一言えること、それはリバルドは私が監督を務めた1年目に始めてスター選手となったこと。バンガールなくして彼はバロン・デ・オロをとれなかったことを忘れてはいけない。」