10月7日

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

LIGA 第5節
10月6日 19:00
CAMP NOU 80,687人
FC BARCELONA
vs
OSASUNA


2 - 2


このバルサに未来はない!

バンガールが試合の前日に語ったこと、それは「カンプノウは要塞と化さなければならない。」ということだった。ホームでの勝利、アウエーでの引き分けでタイトルを獲得しようとする「イギリス方式」を目指しているバンガールにとって、それは当然のことだった。そして彼の発言から一夜明けた昨日、リーグ初戦と同じように再び2ポイントを失う結果となった。カンプノウでおこなわれたこれまでの3試合、9ポイントを獲得しなければならなかったにも関わらず、すでにもう4ポイントを失ったバルサ。このバルサに未来はない。

好むとと好まざるとに関わらず、ここまでのバルサが向かおうとしている方向に道は開けていない。圧倒的にバルサを上まわっていたベティス戦に敗北したのは仕方ないとしなければならないだろう。今のところ、アウエーでの強敵との試合に勝てるほどのバルサではないのだから。だがホームでの試合、しかも8万人以上のバルセロニスタが大きな期待に胸を膨らましてかけつけているカンプノウでの敗北に等しい引き分けは許されない。しかも相手はオサスナ、これまで1ポイントしか獲得したことのないチームとの引き分け。

バンガールはもう一度「バンガールノート」を再検討しなければならない。ノートに誤りがないか、真剣に検討し直さなければならない。そしてそのノートに登場してくる”Aチーム”選手たちも、自らのプレーを再検討しなければならない。「攻撃的」なチームとバンガールが呼ぶバルサはここ2試合のリーグ戦で2得点しかあげていない。そのうち半分に当たる得点、つまり1点は「攻撃的」なバルサが得意とするセットプレーからのものだ。そして奪われた得点は何と5点。攻撃が機能しなければ守りも機能しない。デ・ボエルは周りの選手を神経質にさせていることに気がついているのだろうか。奪われた得点がすべて彼の責任でないことは明らかだ。それでも守備のリーダーとしての、それもインターナショナル選手として長い経験を積んだデ・ボエルの存在が、プジョーやナバーロに必要以上の負担をかけていることも確かだ。

オサスナを指揮するメキシコ人のハビエル・アギーレ。彼は完全にバンガールシステムを研究し尽くし、その対抗策を綿密に組み立て戦いに挑んでいた。試合前からバンガールはすでに読まれていたことになる。しかしそれはアギーレが初めての人物ということでもない。リーガ初戦となったAt.マドリ戦でもルイス・アラゴネスはバルサの弱点を指摘していた。それも試合前に指摘していた。両翼からの攻撃に対する守りに弱点があると指摘したルイス・アラゴネス。彼は試合途中からウイング攻撃を強化して貴重な1ポイントを稼いでいた。ちなみに、そのウイング攻撃に対しバンガールはいまだ何ら対応策を示していない。

前半で2−2となったこの試合。後半に入りバンガールはリケルメを投入する。誰に代わってリケルメが入ってきたのか?それはチャビだ。すべての試合を途中交代されているチャビに代わってのリケルメ投入だった。いずれにしてもバルサは点を入れなければならない後半。そして次に抜ける選手はサビオラだ。サビオラ?そうサビオラだ。ジェラールが彼に代わって入ってくる。両サイドからの攻撃(左サイドからナバーロ、右サイドからメンディエタ)の攻撃が不可能と見たバンガールが、それならと考えたことはジェラールの投入で明らかとなった。それはイギリス方式とでも呼べばいいのか、つまりロングパス一本で勝負を決めようということだった。結果は見えていた。もちろんこの作戦は誰もが予想したように失敗に終わった。

●「不運」だった?
オサスナが試合開始2分であげた得点を「不運」と呼ぶのもいつものことだ。だが厳密に検討してみれば、多くのバルサの選手がミスしていることがわかるだろう。オフサイドトラップをかけようとしてのミス、右に走り込んだオサスナ選手に簡単にセンターリングを許したミス、そのセンターリングを処理できなかったミス、はじかれたボールを拾ったオサスナ選手に一人のマークもついていなかったことのミス。

●デ・ボエル、チャビへのマーク
バンガールは試合展開予想を読むのに才を見せる監督。このオサスナ戦を前にしてもチャビとデ・ボエルに対してのオサスナ選手によるプレーシャーが強いだろうということを語っていた。そして試合展開はその通りになる。バンガールが予想する通りの展開となり彼がしたことはなんだったか。チャビを引っ込めることだった。

●リズムを変えられなかったリケルメ
チャビやコクーからボールが出ることが難しい状況となり、後半にはその仕事が可能と思われたリケルメが登場。だがエスパニョール戦の後半の時のようなリズム変化は獲得できなかった。理由は簡単だ。あの試合では彼の登場で左右に広がりを見せた展開を始めることにより攻撃がスムーズにいくことになったのだが、昨日の試合では疲れ切ったルイス・エンリケは左ウイングに広がれず、ナバーロ、メンディエタにしてもサイド攻撃に加わることができなかったからだ。


■ビクトル(5)
オサスナがぶち込んだ2本のゴールにビクトルに罪はないとは言え、その他のプレーでいくつかの基本的な誤りを犯している。若い、若い、ビクトル。

■プジョー(5)
いつもの彼らしい輝きは見られず。個人的なミスはなかったものの、ディフェンス総体の誤りまではカバーできず。

■デ・ボエル(5)
ブーイングが起こったことを責めることはできない前半のひどいプレー。だが後半に入り、少しは仕事をこなす。
「我々の今日の試合は決していいもんじゃなかったのは認めよう。でもオサスナのゴールは不運のせいもあったと思う。体力的にはみんな大丈夫だと思うが、精神的にいつも100%でいるのは難しいことだ。自分にあったブーイングはぜんぜん気にしないが、もちろんそんなものない方が良いに決まっている。俺だって人間なんだからたまにはミスもするさ。」

■ナバーロ(5)
ディフェンス面ではいくつかの危うい場面もあり、攻撃面に関してもいつもの冴えが見られなかった。

■メンディエタ(5)
相変わらずのタフな肉体を披露したものの、攻撃に加わった時のセンターリングに失敗。それもすべてのセンターリングを失敗。

■チャビ(5)
イバン・ロサードに完全にマークされて自由に動くことができなかったチャビ。いつも問題とされる4番封じ作戦。
「ロサードのプレッシャーがきつかったので、いつもより上のポジションに移動した。コクーができるだけスペースをとれるようにするためだ。メディアプンタとしてのポジションでプレーしたわけだけれど、本来の自分の場所ではない。だから監督が交代を命じたのもしょうがないだろう。」

■コクー(5)
この試合はどこで何をしていたか非常にわかりにくいコクーの仕事。ひたすら裏役としてプレー。

■モッタ(6)
試合開始当初はまずいプレーが続いたものの、時間の経過と共に本来の彼に。ゴールを決めますます冴えてきたモッタだが不運にも負傷退場。
「我々は全力を出しきって戦い続けたけれど結果がついてこなかった。できるだけ改良するところは早く改良し、カンプノウでの勝利を確実なものにしないといけないと思う。」

■ルイス・エンリケ(5)
いつもながらのガッツの固まりを見せ、攻撃面で執拗にアタックを試みるが幸運の女神は一緒ではなかった。

■サビオラ(5)
リケルメらしいパスからのゴールチャンスが一度あっただけで、普段の試合に比べ目立たないプレーを展開。途中交代させられた。

■クルイベル(5)
同点のゴールを決めたとは言え、全般的には攻撃の軸としての役目を達成できず。