12月2日

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LIGA 第12節
12月1日 19:00
ANOETA
REAL SOCIEDAD
vs
FC BARCELONA

 

2 - 1


どこへ行く、バルサ !?

シーズンの三分の一が終わろうとしている今、バルサは首位に10ポイントの差をつけられ10位に甘んじている。これまでアウエーで6試合戦い1勝4敗1分け、つまり18ポイント獲得の可能性がありながらわずか4ポイントしか勝ち取っていないことになる。いかに楽観主義者であろうと、このバルサから明るい材料を見つけだすのは至難の業だ。楽観的要素が何も見つからないバルサ、果たしてこのバンガールバルサはどこへ行こうとしているのだろうか。

連勝街道を突っ走る、この言葉は今シーズンのバルサには無関係なものとなっている。わずか3回続けて勝利することのできないバルサ。もはや3人のデランテロを起用しようと、1人にしようとあまり関係のないことのような印象を受ける。バンガールの保守的な精神が選手たちに乗り移ってしまったのか、あるいは選手たちに自信がないのか、いずれにしても攻撃をおこなう人数の問題ではなく精神的な問題となっているからだ。昨日までの3試合を見てみよう。コルーニャ、マドリ、そしてソシエダ相手の試合でバルサはわずかに地元での1ポイントを獲得、そしてあげたゴールは昨日の冗談のようなゴールしかない。バルサが攻撃的なチームと呼ばれたのはいつのことだっただろうか。

昨日のバンガールが準備したスタメン選手を見る限り、少なくても彼には攻撃しようという意思があったことは確かなようだ。多くのメディアの予想を裏切り、リケルメ、サビオラ、クルイベルというトリデンテを用意したバンガール。だがデランテロを何人も用意することと、彼らにボールが渡って攻撃態勢に入れることになるかどうかはまた別のことでもある。90分間にわたって彼らに攻めの体制に入れる形でボールがわたったことが何回あっただろうか。皆無だ。そしてこの試合を象徴しているのはキーパーのボナノがバルサの中で最高の活躍を見せた選手であるということであろう。

バンガールの準備したスタメン選手が驚きであったように、彼が意図したいつものマンマークシステムの内容もまた驚きであった。毎週毎週、相手次第で代わるこのマンツーマンシステム。昨日はレバクーセンでの試合とはまた違うものとなった。レイジゲル、プジョー、ナバーロ、ガブリを基本的なディフェンス選手としてボナノの前に並べ、それぞれのマーク選手をあてがった。デ・ボエルが出場しているときのようなリブレの選手が一人もいない、すべてマンツーマン選手だ。しかもレバクーゼン戦でデ・ボエルの代わりをじゅうぶんこなしたコクーはピボッテとしてプレーさせられた。この度重なるポジション変化に、そしてマンツーマンシステムの変化に、選手たちが方向性を失ってしまったとしても不思議ではない。

ビッグチームとして知られるバルサ。、多くのタイトル獲得数から見ても、10万というソシオ数から見ても、クラブ予算からしても、そして何よりもその輝かしい100年の歴史からしてバルサはビッグチームでなければならない。だが今までの歴史の中に「自らの戦い方」を持たないチームが存在しただろうか。クラブ予算が少ない弱小チームであるならば、抱える選手たちの限界性を考えた上での相手のシステムに合わせた戦い方を強いられることがある。だがバルサはその膨大な資金を持って獲得した優秀な選手を抱え、何億という年俸をとっている世界一の監督を有するクラブではなかったか。そのクラブが「自らの戦い方」を持っておらず、試合ごとに戦い方を変えるチームとなっていることは誰も否定できない事実だ。相手の長所を抹殺する戦い、それは同時に自分たちの長所を放棄する戦いになることを我が監督は気がつかない。

■バンガールの言い訳
バンガールにも現実を直視することは避けられない状況となってきた。これまで敗戦という苦い結果を迎えるごとに「運が悪かった」せいであり「集中力の欠如」であり「まぬけなゴール」をいれられたせいであったとしてきたバンガール。だがこの試合でのクルイベルのゴールを見る限り、少なくても不運に関しては触れることはできない。
「こうして何回も同じような原因で負けるということは、選手自体の質の問題としても不思議ではない」
そう、基本的には選手の問題であると総括するバンガール。同じようなミスを犯す選手自体に問題があると考えるバンガールだ。
「彼らがあげた1点目はセットプレーからのもの。信じられないようなマークのミスが我々にあった。そして2点目はナバーロがじゅうぶんボールに追いつける位置にありながら、相手にボールをわたしてしまったミスによるもの。こんなミスは私バンガールには信じられない。」

この試合に関しては「不運」には触れなかったバンガールだが「集中力の欠如」に関してはいつも通りだ。
「個人マークをしなくていいリベロなしでのディフェンスシステムが危険に満ちていることは承知している。だがそれも各選手の集中力でカバーできる問題だ。だがこれだけの危険を犯す代わりに我々は中盤での人数的優位を勝ち取ることができた。チャビ、コクー、リケルメなどの選手によりボールが自由に出なくてはならない試合だった。前半の20分間こそ予定通りいかなかったものの、その後はうまくいったと思う。したがって私バンガールのプランには間違いはなかったと確信している。」

■孤立するクルイベル
リケルメ、サビオラが攻撃陣に加わっての戦いとなったものの、彼らは彼らなりのディフェンスシステムの課題を持っての試合だった。後ろからボールがでないリケルメは中盤のしたまで下がりボールをとりにいかなければならなかった。サビオラはアランサバールやデ・ペドロを追いかけていかなければならない。ボールを持って相手ゴールに向かう時にはすでに疲れ切っている状態となっていたサビオラ。いずれにしても前線に一人取り残されるいつものクルイベルのパターンがこの日も見られることになる。
「ボールの後ろにばっかり選手がいる状態になってしまっている。だからほとんどの時間、90分間すべてとはいわないけれど、ほとんどの時間は俺が一人で前にいるパターンとなってしまってるんだ。もう何試合も前から抱えているこの状況を早急に変えないといけないのはもちろんだ。でもそれは俺の仕事じゃなくて監督の仕事。もうこれ以上アウエーであろうとポイントと捨てられる状況じゃないからね。どうにかしなくっちゃ。」

■プジョー、空港から病院へ直行
試合中に頭を打ったプジョーは選手交代をバンガールに申し出ていた。だがバルサのベンチにはディフェンスの選手が誰もいないこともあり、プジョーに試合を続行するように命令するバンガール。プジョーはもちろん文句を言わない。吐き気がしたり視力がおかしいまま彼は90分間試合を続行することになる。試合が終了しても吐き気は収まらなかったようだ。グランドに飛び出したドクター・プルーナは選手控え室に一緒に入ってから空港に向かうバスの中、バルセロナに向かう飛行機の中、常にプジョーについて離れない。彼の目眩や吐き気が収まらない状態がバルセロナのエル・プラット空港まで続く。そして彼らはそこからタクシーを拾い、サンクガットにある病院へ直行することになる。もうすでに夜中の3時となったプジョーの精密検査。その結果では、異常なしとでたようだが、大事をとって今日は入院となっている。