1月6日

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LIGA 第16
1月5日 17:00
CAMP NOU 45,719人
FC BARCELONA
vs
RECREATIVO

 

3 - 0


グラシアス!
クリスマスプレゼント!

1月5日、この日は東方の三賢者であるメルチョー、バルタサール、ガスパーがやって来る日。子供たちが心待ちにしているにクリスマスプレゼントが到着する日だ。三賢者の一人であるガスパーは会長席に座っているが、バルセロニスタには何のプレゼントを用意していない。だが南からやって来たレクレアティーボはたくさんのプレゼントを用意してカンプノウを訪ねてくれた。昨日、少なくても昨日は、バルセロニスタにとって安心して見ていられる試合となった。

90分の試合が終了しバルサが勝利した瞬間、“古くて新しい”論議が再び展開されることになる。ゴールの嗅覚を持った“9番”の獲得を最優先すべきか、あるいは必要ないとするか、今シーズンが始まる前から続く、まるで終わりを見ないかのような論議が再び展開されることになりそうだ。少なくても一ダース以上はあったゴールチャンスを1回もいかせなかったデランテロたち。クルイベル、オーベルマルスの再三にわたるシュートミスが見られたこの試合。もし彼らがそのチャンスの半分でもゴールを決めることができていたなら、スキャンダラスな試合結果となった昨日の試合だった。

だがゴールチャンスをいかせなかったのはデランテロだけではないことも事実だ。チャビやモッタなどの中盤の選手も相手キーパーのファインプレーやゴールポストに邪魔されてゴールをあげることができなかった。贅沢な論議、そう、3−0で勝利しながら“9番”が必要かどうかというのは贅沢な論議かも知れない。だがバルサは毎試合サンタクロースチーム・レクレと対戦するわけではない。これからマラガ、バレンシア、そしてセルタという強敵を相手に戦わなければならないのだ。

試合直前になってガブリとクリスタンバールが負傷してしまった。このアクシデントがジェラールのセントラルでのスタメン起用という、バンガールがかつてから暖めていたアイデアを実現させることになる。右のプジョー、セントラルにジェラール、デ・ボエル、そして左にカピタンとなっているコクーが入る。そして中盤の4人のロンボはピボッテにチャビ、右インテリオールにロッケンバック、左インテリオールにモッタ、そしてメディアプンタにイニエスタ。前の二人はクルイベルとオーベルマルスというオランダコンビだ。今シーズン獲得したメンディエタ、リケルメ、エンケはすべてベンチに、そして2年目のサビオラもベンチスタートだ。

■ロッケンバック・ゴール
ファビオ・ロッケンバック、これまで控え選手としてベンチを温めていた彼にとって最高の年明けとなった。試合開始8分、彼の右足から放たれた強烈なロングショートがこの日のバルサの先制点となる。昨シーズンのリバプール戦で決めたゴールと似たようなロッケンバック・ゴールだった。
「個人的には最高のスタートとなった。もちろんチームとしても、新しい年に入っての好調なスタートを切ることができたんだから最高さ。もっとたくさんの得点ができればなお良かったんだけれど、まあ勝ったんだから良しとしなければ。あのゴールはロッケンバックスタイルゴールっていうんだ。」
ゴールを決めたあと親友のジェオバンニのもとに走っていったロッケンバック。ベンフィカにレンタルされることが時間の問題となっているジェオに対しての心遣いだ。

■イニエスタ・カンプノウデビュー
前半に限って言えば、イニエスタがバルサ11人の中で最も光る選手だった。マジョルカ戦に続いて再びスタメン登場となったアンデレス・イニエスタ。彼がなぜこれまで“明日の星”と騒がれて来た選手なのかを証明した試合でもあった。前半45分はイニエスタのリサイタルのような試合展開だったと言っても大げさではない。インテリジェンスと奥行きのあるパスが彼の持ち味。それが遺憾なく披露された45分だ。
「後半は少し疲れて思った通りのプレーができなかったけれど、前半に関しては非常に満足している。念願のカンプノウでのデビューというのも果たすことができたし、そのデビュー戦でも勝利することができた。緊張感というのは感じなかったけれど、それにしてもクルイベルみたいな素晴らしい選手が周りにいると本当にシンプルにプレーができる。それが一部チームと二部との違いだね。」
マジョルカ戦と同じように昨日もメディアプンタとしてプレーしたイニエスタだが、そのことにより常に“リケルメ問題”が顔をだすことも承知している。グランド内でのプレーと同じようにインテリジェンスのある答えを出すイニエスタ。
「リケルメはリケルメであり、イニエスタはイニエスタ。試合中にリケルメがベンチに座っているなんて考えもしなかった。世界でも屈指の選手をベンチに追いやってイニエスタがプレーしていたのではなく、今日はたまたまボクの日だったんだ。」

■ジェラール・セントラール
バンガールが要請した3か所の補強ポジション、つまりセントラル、左ラテラル、そしてデランテロ。だが昨日の試合では少なくともセントラルに関しては一人の強力なセントラル候補が登場した。ガブリとクリスタンバールの負傷という思わぬアクシデントが生み出した苦肉の策と言ってもおかしくないジェラールの器用。相手がレクレということを差し引いてもじゅうぶんな仕事をやってのけた。彼の活躍に満足しているバンガールが語る。
「ジェラールはセントラルに必要ないくつかの重要なキャラクターを持っている。スピード、相手の先を読むインテリジェンス、高いボールに強いこと、そしてボールを前に出す能力。彼にとってこの日が新たな出発の日となるかも知れない。」
試合当日の朝にバンガールによってセントラルのポジションでのスタメンを告げられたジェラール。同僚の負傷という誰しもが望まない原因で試合出場となるジェラールだが、それでも自分にやって来たチャンスは何としてもものにしなければならない。それがチームへの貢献となり試合の勝利につながる。
「今日の試合で最も大事なことは勝利できたこと。貴重な3ポイントが獲得できて少しながらもバルセロニスタに冷静さが戻ってきたこと。そして個人的には新しいポジション、もっとも先日のカタルーニャ代表での試合では務めたこともあるポジションだけれど、バルサの選手として新たなポジションで問題なく90分プレーできたこと、そのことに満足している。そしてどこのポジションであろうと継続性が与えられることを期待したい。」


■ボナノ(7)
彼にとって今シーズンもっとも仕事のない試合。レクレの唯一の攻撃はデ・ボエルの放った危険なバックパスのみ。味方の反乱を見事にセーブ。
オーレー!

■プジョー(7)
ディフェンス面の仕事がないもんだから大好きな攻撃面に参加できた幸せな90分。
オーレー!

■デ・ボエル(6)
仕事がなかったにも関わらず仕事を自ら作り出してブーイングを浴びた人気者。年が明けても人はそうそう変わらない。

■ジェラール(7)
第二のベッケンバウアーが誕生した記念の日となるか、単なるアルバイト的な1日で終わるか、それは次のマラガ戦を見てみないとわからない。
オーレー!

■ロッケンバック(7)
後半に入って消えてしまったロッケンバックだが、先制点を獲得したところを評価しなければならない。もう少しブラジル人になれば8点。
オーレー!

■チャビ(6)
ペナルティーは蹴るものだけが失敗する権利をもつ。だがそれは別として全般的に消極的なプレーが多かった。イニエスタに負けるな!

■コクー(7)
普段は目立たない仕事を淡々とこなしているコクーがゴールを決めて久しぶりに脚光を浴びることができた試合。おめでとう!
オーレー!

■モッタ(6)
それなりの仕事をこなしたモッタだがシュートミスが目立った試合となった。彼にはもう少しイタリア人の血が必要。

■イニエスタ(8)
髪の毛を伸ばしたデ・ラ・ペーニャのようなキラーパスを再三見せたイニエスタ。顔も渋いがプレーも渋い。これで18歳。
オオオオオッレー! アンドレス!

■オーベルマルス(6)
足が速ければいいというものでもない。一対一に勝ってもセンターリングをあげられなくては。シュートはできるだけやめよう。

■クルイベル(6)
天才クルイベルならではの試合。簡単なゴールチャンスなんか相手にできるか。もっと難しいパスをくれえ!