2008年
11月
2009年

フベニル・カデッテカテゴリー
(08/11/27)

■フベニルA(第12節)■
エスパニョールーバルサ
1−1

11節を終了した時点で、首位にたつバルサと3位のエスパニョールのポイント差は6。バルサにとってはフエラでのダービー戦とはいえ、ここで勝利してしまえば天敵エスパニョールに大打撃を与えることができる。一方のエスパニョールはこの地元でのダービー戦は是が非でも勝利して、今後のリーグ戦に望みを持たせたいところ。と言うわけで、お互いのチームにとって大事なダービー戦となりました。これは見に行かなければなりませぬ。都合の良いことに、エスパニョールの二部スタジアムはバルサのジョアン・ガンペル・スタディアムより近いときている。久しぶりのフエラの試合観戦。

隣の隣にセバージョスが座って観戦していたが、体の細さは変わらないものの、身長はすでに160センチを越えている感じ。今シーズンからエスパニョールに移籍したクリスティアン・テージョもまた観客席にいた。そんなこんなで、大勢のバルサファミリーとエスパニョールファミリーがゴチャゴチャとなっている観客席。だが、もちろんバルサの応援組には肩身の狭いフエラの試合。

今シーズン見たフベニルAチームの最悪の出来の試合と言って良い。ボールは走らず、ボール支配もままならず、ラインとラインの間が大きく開いてまとまりがない。前半の半ばにエスパニョールが先制点を獲得し、バルサが追いかける立場となったが、とても点が入るような気配が感じられないまま前半終了。後半も同じような風景が続くものの、9番のアンセルモに代わって、セントロカンピスタのイリエが入ってきてから少しずつ良くなってくる。ちなみに、ロチーナがルーチョ組員となってから、9番にはアンセルモという選手しかいない。もともとセントロカンピスタがゴールを決めることが多いチームだから、問題ないと言えばないのだろうが、9番が1人しかいないというのは寂しい話だ。アンセルモが抜けてから、9番のポジションには魂の男ポラッコが入っている。元々インテリオールの選手ながら、ラテラルをやらされたりデランテロをやらされたり、非常に忙しい男だ。

そのポラッコが試合終了間際に魂のゴールを決めてしまう。エスパニョールにとって痛々しい引き分けという結果になったが、バルサもそれほど喜んでいる立場ではなくなってきた。2位につけていたマジョルカがフエラで勝利し、1位バルサとのポイント差はわずか1となっている。

■FC BARCELONA
Martinez/ Montoya/ Bartra(Pere 74')/ Bolan~os/ Terron/ Romeu/ Jonathan(Fasciana 86')/ Polaco/ J.Luis/ Anselmo(Ilie 58')/ Gerard(Carmona 46')


■フベニルB(第12節)■
バルサBーテラッサ
2−2

開幕戦以来11連勝という快進撃を続けているバルサだが、47ゴールという、一試合平均4ゴール以上という圧倒的な攻撃力と共に、わずか3失点という固い守備をも兼ね備えているチームだ。右ラテラル選手アルベルト・ダルマウ、右セントラル選手アドリア・ブランチャー、左セントラル選手セルジ・ゴメス、これらのスペインU17代表選手に加え、左ラテラルにはスペインU19代表のカルラス・プラーナスがいる。この年代層ではスペイン国内での最高の選手を集めたデフェンサ陣と言って良いだろう。

前半に先制点を入れたバルサながら、いつもと違いどうもスムーズな展開が見られない感じ。そうは言っても、相手のテラッサに攻められるという感じでもなく、なにやら淡々と時間が過ぎていく感じの試合となった。そして後半30分頃に追加点を決め、これはもう12連勝は間違いないだろうという雰囲気となった。それはそうだ、これまで11試合で3点しか入れられていないチームなのだから当然だろう。だが、そうとはならないこの試合。追加点を決めてから5分後、ピボッテ選手のバリウが自陣PK内でハンドというファールを犯し、赤紙一発退場。テラッサのPKが決まり、残り10分というところでバルサ2−1と勝利しているものの人数的にはハンディ戦となった。

そして試合終了5分前、こんどはポルテロのカルロスのファールで再び相手のPK。このPKも決めてスコアは2−2のタイとなってしまう。フエラの試合、しかもバルサ相手の試合であり、引き分けでも良しとするテラッサと、10人になってしまったから引き分けでもしょうがないかというバルサ、最終的に両者の望みが叶い、2−2のまま引き分けとう結果で試合終了。

■FC BARCELONA
Carlos/ Dalmau/ Blanchart/ Gomez/ Planas/ Baliu/ Marti/ Palau(Gustavo 73')/ Espinosa(Brian 69')/ Roberto(Rosell 82')/ Jhony(Reina 69')


■カデッテA(第9節)■
ダムーバルサ
2−2


■カデッテB(第9節)■
バルサBープラッツ
2−0

*順位表は「試合日程・順位」から


第14節 まるで亀のように・・・
(08/11/25)

バレンシアールーチョバルサ
0−0

この試合まで4試合負けなしと言えば聞こえは良いものの、ここ2試合に限って言えば、フエラでの引き分けに続き先週は地元でもゴールなしの引き分け試合。とてもとても、ルーチョバルサここにあり!と、両手を上げて喜ぶ状態ではない。

リハビリ常連組となっているソラーノやジェフレン、そしてエスパサンディンは今のところ計算できない状態だし、前回の試合でカードをもらったことにより、デフェンサのベルデスとセントロカンピスタのチャビがカード制裁でこの試合に出場できない。それに加え、ペップバルサ組員メッシーが金曜日の練習で負傷したことにより、ルーチョバルサチームでスタメン間違いなしだったペドロが、急きょペップバルサに呼び戻されてしまった。彼らの不在を補うためにフベニルAから招集したい選手がいたものの、彼らはエスパニョールとの大事なダービー戦が待っているため、フベニルAからは誰も招集されていない。唯一の明るい材料と言えば、ティアゴが戻ってきたことだろう。9月20日にミニエスタディでおこなわれた試合以来というから、実に2か月ぶりのルーチョバルサ復帰試合となった。と言ってもスタメンで起用されたわけではない。理由はわからないものの、彼が登場してきたのは試合終了10分前。もちろん、この短い時間ではたいしたことはできなかった。

まだ、リーグ戦前半も終了していない時点ながら、試合内容や結果とは別に、これまでのルーチョバルサで少し気になることがある。それは、若手選手に成長が見られないことだ。バルサフィリアルチームにとって最も大事な“若手選手の成長”という傾向が見られないというのは、これは非常に困ったことだ。

昨シーズンのペップバルサではペドロとブスケ、あるいはガイなどという選手たちが大いに成長を見せてくれた。それまでフベニルカテゴリーやバルサCでプレーしていた選手が、バルサBに昇格してきて期待通りの活躍を見せている。だが、残念なことに、ガイは昨シーズンより低調と言って良い。ほとんど90分間起用されることなく試合途中交代、あるいは途中からの起用となっているが、これまでの彼を見る限り、昨シーズンの彼の調子とはほど遠いものがあるような気がする。ロチーナも最近やっと起用されるようになったが、彼もまた本調子でないというか、彼らしいプレーを披露してくれない。フォンタスにいたってはほとんどがベンチ生活だから、コメントのしようもない。唯一の例外と言えるのがポルテロのミーニョの大成長だろう。開幕戦以来、スタメン起用され続けている彼は、これまで以上の活躍を見せてくれている。

ルーチョ監督就任記者会見の席上で“カテゴリー昇格”を目標にしたいと語っていたが、ここのところ“カテゴリー維持”とトーンが下がってきている。だが、そんなことより大事なことは、いつの日かバルサAチーム出場を可能とするような若手選手の成長を促進することにある。チャビやプジョーは別として、バルデスやイニエスタ、あるいはメッシーやボージャンたちは二部Aカテゴリーなどでは一度もプレー経験を持たず、二部Bカテゴリーを経てバルサAチームで活躍し始めた。ブスケやペドロにいたっては、その二部Bカテゴリーさえ経験せず、三部リーグを戦って現在にいたっている。プレーするカテゴリーなどあまり関係なく、バルサフィリアルチームでいかなる成長を遂げさせるか、それが最も大事な目標となるべきだろう。その意味で、試合内容や試合結果が冴えないこともさることながら、ガイやロチーナの成長が見られないのはヒジョ〜にまずいことだ。

両チームともゴールが決まらず、90分間戦って0−0というスコアで引き分け試合。楽観的に表現すれば5試合連続不敗、現実的に言えば3試合連続未勝利。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Fontas/ Botia/ Joni/ Rueda/ V.Vazquez (Thiago 81')/ Longas/ Gai(Rayo 66')/ Rochina(Maric 59')/ Nolito

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(08/11/19)

■フベニルA(第11節)■
バルサーサンフランシスコ
1−0

相手チームは7人、あるいは8人がかりでしっかりと守り続け、スキあらばカウンター攻撃を狙ってくるという、バルサの地元では見慣れた風景の試合展開。右サイドからはラテラルのモントーヤが、左サイドからはラテラルのテロンがそれぞれ上がり攻撃に参加。つまるところセントラルの2人を残しての全員攻撃という感じだが、それでも点が入らないときは入らない。

4週間近くリハビリ生活を続けていたルーチョバルサ選手ティアゴがこの試合にスタメン出場。ほぼ90分間プレーしているから、フィジカル的には問題がないようだ。ただ、当然ながら試合カンみたいなものが戻ってきていないだろうから、かつての彼らしいプレーが見られるようになるには、時間が必要かも知れない。どうにもこうにもスッキリしないルーチョバルサだが、彼が復帰することによって少しは方向性をもったチームとなるかも知れない。

押しまくった前半ながら無得点に終わり、後半10分程度でポラコが登場。左エストレーモのジェラールと交代したので、そのポジションを務めるのかと思ったら、なんとデランテロセントロの場所でプレー。普段はセントロカンピスタ、たまに上のカテゴリーに上げられるとラテラルなどをやらされ、そしてこの試合では9番選手。実に使い道の多い選手だ。だが、ゴールを決めたのは彼ではなく、セントロカンピスタのオリオル・ロメウ。ゴールを決めたから言うわけではないが、早いところこの選手をルーチョバルサの一員にしてくれないもんだろうか。もうフベニルカテゴリーは容れ物が小さくなっていると思う。

■FC BARCELONA
Martinez/ Montoya/ Bartra/ Bolan~os/ Terron/ Romeu/ Jonathan(Fasciana 86')/ Thiago(Pere 89')/ J.Luis/ Anselmo(Carmona 70')/ Gerard(Polaco 55')


■フベニルB(第11節)■
ダムBーバルサB
0−4


■カデッテA(第8節)■
バルサーエスパニョール
2−1

このカデッテAチームには多くのカメルーン出身選手がいる。そのほとんどがエトー財団で育ち、そして2、3年前からラ・マシアに入ってきた選手だ。例えばこの試合、ポルテロのヤニック、セントラルのバコヨク、セントロカンピスタのバカリ、そしてデランテロのエトックとエラ。実に5人ものカメルーン出身選手がスタメンで出場している。いやぁ、時代が変わればカンテラ組織の内容も変わってくるものであります。彼らの台頭が影響してなのか、あるいは他の事情によるものなのか、このダービー戦でエスパニョールのユニを着てプレーしている選手の中に、つい2年前までバルサのユニを着ていた2人の選手がいる。デランテロセントロのジェラール・ムニョス、左ラテラルのビクトル・アルバレスの2人。2年前のバルサインファンティルAチームの中では、最も光り輝いていた2人だが、突然のようにエスパニョールに移籍していった。多くのカメルーン出身選手が優先的に起用される傾向があるのに嫌気がさしたとか、カメルーン選手とベンチ生活がうまくいかなかったとか、当時いろいろ噂されたものだが、もちろん真実はわからない。

大事なダービー戦ということもあり、これまでフベニルBチームに招集されることが多かったエトックとエラが呼び戻され、そして下のカテゴリーからバコヨクが呼ばれている。このダービー戦に勝利したバルサは再び首位となった。

■FC BARCELONA
Yannick/ Carmona(Joshua 75')/ Edu/ Bakoyock/ Ayala/ Patri/ Roger/ Rafa(Adria 70')/ Bacary(Ernesto 52')/ Etock/ Ella

第7節 マタローバルサ  1−2
第6節 バルサーマンレサ 1−1
第5節 コルネヤーバルサ 1−1
第4節 バルサーレイダ  4−1


■カデッテB(第8節)■
ビラフランカーバルサB
1−4

第7節 バルサBーテラッサB 7−0
第6節 タラゴナB−バルサB 0−1
第5節 バルサBーオスピタレ 3−1
第4節 コルネヤB−バルサB 0−3

*順位表は「試合日程・順位」から


第13節 2ポイント失う
(08/11/17)

ルーチョバルサーガバ
0−0

ミニエスタディ土曜日18時試合開始。夏であれば試合が終わってもまだ明るい時間帯だというのに、11月ともなると試合が始まる頃にはすでに暗くなっている。バルサAチームの試合が青空の下でやられることは1年に一度あるかないかだが、せめてBチームだけでもそういう環境のもとでやって欲しいものだ。どうせ500人とか千人ぐらいしか人はやって来ないのだから、昼の12時ぐらいに試合開始というのがベストです。それにしても、ウリスト・ストイチコフさんはお暇なのでしょうか。ルーチョバルサの試合ともなると、ここのところいつもお顔をお見かけいたします。お元気なようでなによりです。

この試合の前日に、ジェフレンとビクトル・バスケスの契約見直し交渉終了が発表されている。この2人の契約期間が切れるのは2010年となっていたが、その期間に変更はないようで、単に年俸の引き上げと違約金の上昇という交渉だったらしい。もっとも、契約の見直し=バルサ居残り、という公式とはならないのがこの世界であることは、これまで多くの例が示している。冬のメルカードでどこかのクラブにジェフレンあたりがレンタルされたとしても不思議ではないだろう。いや、むしろ、その可能性が強まったような気がするが、果たしてどうなりますやら。

このガバとの試合にスタメン出場したビクトル・バスケス。彼ならではの素晴らしい活躍をする試合となったが、残念ながら試合終了間際に負傷してしまう。これだけの才能を持った選手がイマイチ伸び悩んでしまうのは、負傷という不運のために、継続性のあるプレー期間が得られないからだと思っている。毎シーズンのように、調子が上がってくると負傷に倒れてしまうビクトル・バスケス。これは非常にまずい傾向です。どんなに才能があろうと、こういう選手は爆発できません。いや、残念。

この日おこなわれたガバ戦は、これまでミニエスタディでおこなわれたルーチョバルサの最高の試合内容、と言ってもおおげさではない。左右のラテラルが一度も攻撃参加してこないのが不満といえば不満だが、それでも中盤と前の方の連係プレーはなかなかのものだった。ビクトル・バスケスがセントロカンピスタとして入り、前試合に続いてペドロがエストレーモに入っているが、やはりこのコンビは素晴らしい。ガイがベンチに置かれ、彼の位置にノリートが入っているのが気に入らないが、それは個人の趣味の問題だから、ルーチョ監督を責めるわけにはいかない。それでも、やはり、ガイはスタメンで出場させるべきじゃないでしょうか、と、ひとりブツブツ。

圧倒的なボール支配を見せながらも、多くのゴールチャンスが訪れようとも、ミーニョがしっかりと守り続けていようとも、いかんせん肝心のゴールが決まらないのでは勝てません。もし、フットボールの試合に判定勝ちというのがあったら、間違いないルーチョバルサの勝利に終わっている試合。後半途中からマリックに代わってロチーナが入ってきたが、これまで一度たりともルーチョバルサで活躍を見せてくれていない。プレー時間不足もさることながら、自信不足という印象。カテゴリーの違いに戸惑っているという感じが伝わってくるが、そういう意味ではバルサBに上がってきたときのボージャンは凄かった。ゴールがどうしても必要、勝利がどうしても必要という、大いなるプレッシャーがかかる試合が続きながら、そんなものをフ〜ン!という感じで吹き飛ばし、ゴールを決めまくっていた。やはり器の違いでしょうか。

90分間の試合が終わってみれば、両チームゴールなしの0−0のスコアで引き分け。ここ最近4試合負けなしと言えば格好いいが、2試合連続の引き分けで2ポイントしか獲得できていない。しかもここ3試合で2ゴールしか奪っていない。ルーチョバルサ、まだまだです。そう言い続けながらシーズンが終わったとしても、なんだか不思議ではないチームに思えてきたぞ。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes/ Botia/ Joni/ Xavi/ V.Vazquez(Abraham 81')/ Longas/ Pedro/ Maric(Rochina 62')/ Nolito(Gai 72')


フベニルB
(08/11/14)

バルサカンテラ組織に10年以上在籍したアドルフ・ボレルという名監督が、フベニルBの監督を務めた昨シーズンを最後としてクラブから去っている。新監督にはカデッテAチームを昨シーズン指揮していたガルシア・ピミエンタが選ばれた。

アレックス・サンチェスという期待のポルテロが、昨シーズンと同じカテゴリーを繰り返すことになった。フベニルAチームでプレーしているディエゴやマルティネスに決して劣ることなく、逆に彼らより才能あるポルテロという気がするが、フィジカル面での成長が見られないのはポルテロというポジションでは致命的。それでもシーズンが始まってみると、フベニルAチームに招集されていたりしている。このチームにはアレックスの他にカルロスという下のカテゴリーから上がってきた選手と新加入してきたセルジという選手がいる。

フベニルAと同じように、ここにもで大きな期待がかかる素晴らしいデフェンサ選手が何人もいる。2008−09シーズンのスペインU17代表選手として選出されているセントラルのアドリア・ブランチャー、同じくセントラルのセルジ・ゴメス、右ラテラルのアルベルト・ダルマウ、そしてスペインU19代表の左ラテラル選手カルラス・プラーナス。ブランチャーは負傷が多いながら、今シーズンはフベニルBに上がってきて、今のところ故障なしに期待通りの活躍を見せている。右ラテラルでは絶対スタメン選手となっているダルマウ。そして御存知プラーナス。彼はバルサから選出されている唯一のスペインU19代表選手。ゴメスは容赦ない当たりを平気でする選手であり、ヘディングでのゴール数も多い。セントラルはブランチャーとセルジのコンビがベストとなるだろう。

デフェンサの選手の内容に比べて、セントロカンピスタの選手たちのそれは少々劣ることになるかも知れない。5年前にドイツから鳴り物入りで入団してきたデニス・クロールはシーズンごとに控え選手となることが多くなってしまっている。テクニックではなくフィジカルの強さを武器にしてプレーしていた選手が、カテゴリーが上がってくると同時にフィジカル的な優位さがなくなり、大きな壁にぶつかってしまうことが見られるが、彼もまたその1人だ。しかも負傷に泣くシーズンが多かったのも成長をストップさせてしまっている要因となっている。ベンジャミンからスタートしている生粋のカンテラ選手マルティ・リベロラもまた、昨シーズンは負傷に泣いてしまった選手の1人。素晴らしい資質を持っている選手だけに、今シーズンは頑張って欲しいと思っていたが、ここまで好調なシーズンをおくっている。スペインU17代表に招集されたりされなかたりという状況が続いているイバン・バリウという選手はなかなか面白い存在だ。ダルマウが不在の時は右ラテラルを務めたりしているが、本来のポジションはピボッテ4番選手。セバージョスのように小さい選手だったが、ここのところ背が伸びてきている。また、テクニック的には非常に優れている選手でもある。ポルトガルU17代表のグスタボ・ドス・サントスや、非常に攻撃的なインテリオール選手ハビエル・エスピノサなども注目に値する選手だと思うが、個人的にはセルジ・ロベルトという選手に期待している。時々スペインU17代表に招集されたりしているが、非常にゴール数の多いセントロカンピスタだ。フィジカル的にもテクニック的にも恵まれた選手。

デランテロにはエトー財団を通じて入団し、今シーズンで3年目のバルサ選手生活をおくっている2人の選手がいる。エストレーモのアルマンド・エラとデランテロ・セントロのガエル・エトック。2人とも昨シーズンはカデッテBカテゴリーをスタートとし、シーズン途中でカデッテAに上がり、今シーズンはいきなりフベニルカテゴリー在籍となった。この2人に共通するのは、アフリカ系選手に典型的なフィジカル面の強さ。カデッテカテゴリー当たりまではそれを武器として活躍できることが多いが、このカテゴリーにやって来て初めて真価を問われることになる。なぜなら相手選手にも同じようなフィジカル面の強さを持っている選手が登場し始めるからだ。身長がグイ〜と伸び始めたクリスティアン・セバージョスが、彼ならではのテクニックを駆使して、再び注目を浴びる選手となることを期待する今シーズン。そしてスペインU17代表に選出されているマヌエル・レイナと、今シーズン鳴り物入りで入団してきたマウロ・イカルディにも、大いなる注目が集まることになるだろう。


フベニルカテゴリー
(08/11/12)

■フベニルA(第10節)■
ダムーバルサ
3−1

前回の試合とまったく同じ11人のスタメン選手。この試合で先制点をぶち込んだバルサの選手も、左インテリオール選手のイリエとなり、これも前回の試合と同じ。だが、試合結果は前回のものと同じとはならず、今シーズン初の敗戦となっている。これまで9戦9勝という素晴らしい試合結果をだし、圧倒的な首位を保っていていたフベニルAチーム。だが、1回だけでも負けてしまうと、気がつくと2位マジョルカとの差はわずか3ポイント。そして3位には4ポイント差でエスパニョールがくっついてきている。

■FC BARCELONA
Martinez/ Montoya/ Bartra/ Bolan~os/ Terron(Cristian 82')/ Romeu/ Jonathan(Fasciana 78')/ Ilie/ J.Luis/ Amselmo(Carmona 60')/ Gerard(Polaco 50')


■フベニルB(第10節)■
バルサBーコルネヤB
6−1

少しばかり身長が伸びたセバージョスは負傷でもしてしまったのか、先週の試合に続いてこの試合にも招集されていない。グラウンドに彼の姿が見られないのは、セバージョスファンには残念なことだが、このチームは彼抜きで開幕戦以来勝ち続けているチームだから、彼の不在は何の問題ともならない。そして、期待のアルゼンチン人デランテロであるマウロ・イカルディはこの試合でもスタメン出場。非常に運動力が多く、しかもチームにだんだん馴染んできて良い感じになってきているようだ。しかし、前回見たときにも感じたことながら、この少年はどうも雰囲気が暗い。ゴールを決めてもやたらと暗い。暗い家庭で育ってしまったのだろうかと、どうでもいい余計な詮索。

それにしても強いチームだ。これまでの試合展開を見ていると、ペップバルサと同じように前半で勝負をつけてしまうことが多い。カサでもフエラでも同じように前半にゴールを奪い、そして後半は当然ながらラクチンな展開となることが特徴。この試合もそのような典型的な試合展開となった。そして個人的には嬉しいことに、右インテリオールのポジションに入ったマルティが2度のゴラッソを決めている。一昨シーズンは素晴らしい活躍をしたにもかかわらず、昨シーズンは負傷に倒れてしまったため、同じカテゴリを繰り返すことになった選手だが、実力的にはとっくのとうにフベニルAの選手だ。その彼が久しぶりに良いところを見せてくれた。

この選手がプレーしているのを見るたびに、かつてバルサインフェリオールカテゴリーでプレーしていたセラーデスを思い出す。ポジション的にも同じ、可愛い顔をして厳しいファールを平気でするところも同じ、状況判断やテクニックの素晴らしさも同じ、ピボッテもこなせればインテリオールもこなす才能も同じ。更なる努力と幸運の女神が舞い降りれば、マルティもまたセラーデスのような活躍を見せてくれる選手となるかも知れない。

10試合目にして3点目の失点を喰らったというのがニュースとなる試合。スコアは6−1という大差がついたものとなり、これで開幕戦以来10連勝。2位のエスパニョールBに11ポイントもの差をつけての堂々たる首位街道を突っ走り中。

■FC BARCELONA
Carlos/ Dalmau/ Blanchart/ Gomez(Rosell 46')/ Planas/ Baliu(Palau 46')/ Marti/ Roberto(Brian 59')/ Espinosa/ Icardi/ Jhony(Reina 63')

*順位表は「試合日程・順位」から


第12節 1ポイント獲得ということで・・・
(08/11/09)

テラッサールーチョバルサ
1−1

先週の試合に続いて土曜日昼12時半からの試合。先週との違いは、地元ではなくフエラの試合となったことだが、幸いにもテレビ中継があった。というわけで、再びテレビを前にしてのラクチン観戦。

シーズンが始まってから3か月目にも入ると、負傷やカード制裁で出場できない選手がチラホラと出てくる。ソラーノとかジェフレンは早くから負傷しているが、ティアゴやエスパサンディンもなかなかリハビリから戻ってこない。それに加え、ノリートという元気だけが売り物のエストレーモ選手や、高給取りのロンガスはカード制裁でこの試合には出場できないときている。そこでルーチョ監督、フベニルからジョナタンを招集してみました。彼は、すべてのバルサインフェリオールカテゴリーでプレーする選手の中で、最も好調さを保っている選手と言えるだけに、当然と言えば当然な招集。そして負傷から戻ってきたビクトル・バスケスに加え、ペップバルサからペドロが呼び戻されている。長かった負傷後の調整も兼ねてということだろう。

相手はテラッサというチーム。このチームには元バルサ選手がゴチャゴチャといる。まず監督がセルヒオ・ロベラ。2004−05シーズンの“黄金のインファンティルチーム”の監督をしていた人物だが、このチームにはマルティン・モントーヤ(現フベニルA)、カルロス・テロン(現フベニルA)、マーク・バルトラ(現フベニルA)、オリオル・ロメウ(現フベニルA)、デニス・クロール(現フベニルB)、ルベン・ロチーナ(現ルーチョバルサ)、ガイ・アスリン(現ルーチョバルサ)、ダニエル・パチェコ(現リバプール)などという蒼々たる選手がプレーしていた。このあとセルヒオ・ロベラはフベニルBの監督をしたあと、2年ほど前にテラッサに仕事場を変えている。

バルサカンテラ組織に13年間在籍していたペケというラテラル選手が現在このチームでプレーしているが、デランテロのマルティネスという選手も昔バルサにいた選手だ。最近ではポルテロのパウやファリ、あるいはフリオ・デ・ディオス、ブラス、カロッサとかいう選手がこのチームに移籍している。そして今シーズンからトリビオというセントロカンピスタがレンタル移籍しており、この試合にはスタメンで出場している。数えてみれば、11人のスタメン選手の内、なんと9人がブラウグラーナの過去を持つ選手だ。

フエラでの初勝利に続いて久しぶりの地元での勝利により2連勝と、それだけを見れば好調の波に乗りかけてきたのではないかと思わせるルーチョバルサ。だが、フエラでの試合でも地元での試合でも、アップアップの勝利であったことを考えれば、このテラッサ相手の試合でどのような戦いぶりを見せるかが、現状のルーチョバルサの実態をつかむキーポイントとなる。そういう意味では非常に興味深い試合となった。

前半30分頃にゴーラン・マリックがフリーキックからゴール。ゴラッソというよりは、ポルテロのミスの部分の方が多い感じのゴール。だが後半開始早々テラッサに同点ゴールを決められ、振り出しに戻ってしまう。ビクトル・バスケスは負傷上がりながら彼らしい良いプレーをしていたが、フィジカル的に45分しか持たず、後半からルエダが登場。やはり負傷上がりのペドロは、あまり良いところなし。そして、どちらもゴールチャンスがないまま後半45分がやって来て、1−1というスコアで引き分け。2連勝という結果が快進撃の出発点となるかと思われたが、ルーチョバルサはまだまだです。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes(Fontas 56')/ Botia/ Joni/ Xavi/ V.Vazquez(Rueda 46')/ Abraham/ Pedro/ Maric(Rochina 62')/ Gai


フベニルカテゴリー
(08/11/05)

■フベニルA(第9節)■
バルサーコルネヤ
5−1

日曜日の昼12時、大雨の中でおこなわれた試合。よく途中で中止にならず、最後までやり通することができたことが不思議なくらいな大量の雨が降り続く中での90分間。この試合がおこなわれたシウダ・エスポルティーバにはいくつかのグラウンドがあるが、唯一客席が屋根付きのところは、ペップバルサの練習場として将来使うため現在工事中。したがって、屋根も何にもないこんなグラウンドに、こういう状況で試合を見に行く選手の家族・親戚・お隣さん・友人・暇人たちは大変だ。

ロメウの素晴らしさにかんしては何回も触れているが、やはりジョナタンの素晴らしさにも触れておかないと片手落ちになる。兄のジョバニは、カデッテカテゴリー時代での活躍以来、フベニル、バルサBとカテゴリーを上げて行くにしたがって、まるで成長が止まってしまったかのような印象があったが、実は弟のジョナタンにかんしても同じような感じがしていた。今から2年前にフベニルカテゴリーに上がってきた彼だが、1年目のフベニルB、2年目のフベニルAと、フィジカル的な成長を見せたものの、フットボール選手としての成長度はチョビチョビという感じだった。いや、これでは兄が通ってきた道を弟も同じように歩んでしまうのかと、そう思っていたところ、今シーズンの彼は実に素晴らしい活躍と成長を見せている。このまま成長すればとっても楽しみな選手と、最近印象が変わってきている。

フベニルBチームと同じように、このチームも開幕以来9連勝中。2位のエスパニョールに早くも5ポイント差をつけてダントツ首位。

■FC BARCELONA
Martinez/ Montoya/ Bartra/ Bolan~os/ Terron/ Romeu/ Jonathan(Fasciana 79')/ Ilie(Pere 65')/ J.Luis(Sergi 83')/ Amselmo/ Gerard(Carmona 46')

■フベニルA(第8節)■
シウダデラーバルサ
1−4

■フベニルA(第7節)■
バルサーラ・サージェ
4−0


■フベニルB(第9節)■
サンアンドレウーバルサB
0−2

この試合の1週間前におこなわれた第8節ベルビッチェ戦には、ダルマウ、ブランチャー、レイナ、カルモナといったところの選手がスペインU17代表戦に出場していたため欠場となっていた。そして、スペインU17代表からようやく開放されてこの試合には全員戻ってきている。ところが今度は、エトックとエラという選手たちがカメルーンU17代表に招集されていてこの試合には欠場。各国アンダーカテゴリーの試合が多いこの時期にはなかなか全員集合というわけにはいかないバルサフベニルチーム。

それでも開幕戦以来9連勝してしまうところが凄い。満足にベストメンバーが組めない試合があるにもかかわらず、そこは層の厚さでしのいでしまう。奪ったゴールが37、失点はわずか2というのも尋常ではない数字だ。まだ9節終了したばかりだというのに2位のダムに9ポイント差も付けてラクラク首位にたっている。

ちなみに、この前の試合くらいから、ゴレアドールとして前評判の高かったアルゼンチン人選手イカルディがスタメンで起用され始めている。もっと長身の選手かと思ったらそうでもない。どこの位置からでもバンバンとシュートを打つ選手かと思っていたら、それもそういうことはない。わずか2試合だけの印象ながら、気がつくとスルスルとゴール前に上がってきて、なんとなくゴールを決めてしまうタイプ、つまりかつてのサリーナスのような選手に思えてきた。でも、やはり一シーズン見てみないとどんな選手かは判断できないとして、今後のプレー内容に注目。もっともイカルディという選手がどうのこうのより、第8節の試合で見たセバージョスのフィジカルの成長にビックリ。あと3年ぐらいすると、ひょっとすると同じカンテラ育ちのパウ・ガソールぐらいなっちまうかも知れない。

■FC BARCELONA
Carlos/ Dalmau/ Blanchart/ Gomez/ Planas/ Baliu/ Marti(Palau)/ Roberto/ Reina(Gustavo)/ Icardi(Jhony)/ Espinosa(Rosell)

■フベニルB(第8節)■
バルサBーベルビッチェ
6−0

■フベニルB(第7節)■
プレミアーバルサB
0−3

*順位表は「試合日程・順位」から


第11節 ミーニョ!ミーニョ!ミーニョ!
(08/11/03)

ルーチョバルサーバダロナ
1−0

土曜日昼の12時半からの試合。観戦にはもってこいの試合開始時間ながら、朝から雨が降り続いている午前中。珍しくもテレビ中継があるようで、それならとテレビ観戦を決め込んだところ、12時頃から良い天気になってきた。でも、無精な私は一度テレビ観戦を決め込んだら動きませぬ。というわけで、テレビを前にしてのラクチン観戦。

今シーズン加入してきた何人かの選手の中で、ルーチョ監督が“この選手たちだけはどうしても必要だ!”とした3人の選手がいる。ルーチョ監督地元ヒホンからやって来たデフェンサのジョニー、セルタBのゴレアドールだったゴーラン・マリック、そしてサラゴサのセントロカンピスタだったアントニオ・ロンガスという3人。さすがに監督の強い要望で加入してきた選手たちだけあって、これまでの試合にはかなりの割合で出場している。このバダロナ戦でも3人ともスタメンで起用されていた。だが、今までのところ、ルーチョさんがどうしてもと欲しがるような選手には見えない。

ゴーランとロンガス、共に24歳の選手。バルサAチーム出場を期待しての将来的な投資、という雰囲気は当然ながらない。あくまでも二部Aカテゴリー昇格を狙っての補強と考えるのが普通だろう。しかも彼ら2人とも年俸が18万ユーロだという。ブスケやサンチェスのそれより6倍もする年俸だ。それはそれでかまわないが、それだったらそれなりの活躍をしてくれないと困る。まだ10節を過ぎたばかりの時期であり、そしてチーム事情がイマイチという状況を考えれば、新加入選手の批判をすることはオフサイドとなるかも知れない。だが、いずれにしても、これまでのところ年俸分の仕事はもちろん、期待通りの活躍を見せてくれていない。前回の試合で勝利につながるゴールを決めたロンガス(ちなみに初ゴール)、そして今回の試合で唯一のゴールを決めたゴーラン(ちなみに2ゴール目)とはいえ、90分のプレーぶりを見る限りもう少し頑張っても良いのではないか、と再びオフサイド批判。

地元ミニエスタディでの試合で2連敗したあと、フエラの試合で奇跡的に勝利し一息ついたルーチョバルサチーム。だが、ホッと一息ついたあと、バダロナという好調を保っているチームを地元に迎えての試合となっている。6勝1敗3分け21ポイント獲得し、リーグ戦2位に付けているチームだ。それを受けるルーチョバルサは地元では2連敗という結果をだしている。

前半の中頃にコーナーキックからゴーランがゴール。誰かがシュートしたボールをデフェンサの選手がはじき、それがゴーランの前に来てのごちそうさんゴール。結果的にこのゴールが決勝点となるが、このあとの戦い方がいただけない。弱小チームによくあるように、あるいは不振な時期を迎えているチームによく見られるように、更なる追加点を狙うのではなく守りに入ってしまうルーチョバルサ。後半に入ると圧倒的なバダロナのボール支配が続き攻め続けられる風景が続く。そして30分頃にバルサPKエリア内でのファール。PKを蹴るバダロナの選手は、実況解説者によればPKのスペシャリストであり、今シーズン1回も失敗していないという。だが、待てよ、ミーニョだってPKを止めるスペシャリストだぞ。

このPK、ミーニョの勝利。だが、ホッと一息をつく間もなく、数分後に再びPK。2回は無理だろうと思っていたところ、これも止めてしまうミーニョ。ポルテロの活躍が、いや単なる活躍なんてものではなく大大大活躍が、3ポイントを稼ぐ原動力となった試合でした。この勝利で、選手や監督に少し自信が回復することを期待。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes/ Botia/ Joni/ Xavi/ Abraham/ Longas/ Nolito(Rayo 88')/ Maric(Rochina 68')/ Gai(Rueda 65')


第10節 フエラでの初勝利

イビサールーチョバルサ
2−3

■FC BARCELONA
Min~o/ Joni/ Verdes/ Botia/ Espasandin(Fontas 90')/ Xavi/ Longas/ Abraham/ Nolito/ Rochina(Maric 46')/ Gai(Rueda 83')


第9節 地元2連敗

ルーチョバルサーアルコヤノ
0−2

■FC BARCELONA
Min~o/ Botia/ Verdes/ Xavi(Longas 63')/ Corcoles/ Rueda/ V.Vazquez/ Abraham/ Nolito/ Rochina(Maric 63')/ Gai(Rayo 69')

*順位表は「試合日程・順位」から