2008年
2009年
1月

フベニル・カデッテカテゴリー
(09/01/31)

■フベニルA(第20節)■
マジョルカーバルサ
3−1

カタルーニャ各地に異常な強風が吹きまくり、上空を見上げれば豚や羊や馬が気持ちよさそうに飛びまくっていた週末。スポーツ施設でも強風による被害が多く見られ、各地で予定されていた試合が中止となっていた。それでもマジョルカは被害が少なかったようで、この試合は何の問題もなく開催されている。

1位バルサと2位マジョルカによる、首位攻防戦と名付けてよい試合。マジョルカは地元での試合であること、ここ最近の試合ではバルサよりマジョルカの方が好調であること、などから考えてもバルサ不利であることは試合前から予想された。そして残念なことに、その予想どおりの結果となってしまった。前半にオリオル・ロメウのゴラッソで先制したバルサだが、マジョルカはすぐに追いつき追いこしてしまう。今の段階では実力的にマジョルカの方が上と、素直に認めざる終えない試合展開。最終的に3−1でマジョルカが勝利し、バルサに2ポイントの差をつけて首位にたった。

さて、この週にはスペインU18代表の選手が発表されている。それにしてもいったいいくつアンダーカテゴリーがあるのだろうか。前回ではU17代表とU19代表に招集された選手を紹介したが、ややっこしいのでU16代表から一覧表にしてみよう。

●スペインU16代表
エドゥアルド・カンパバダル“エドゥ”(カデッテA・セントラル)
パトリシオ・ガバロン“パトリ”(カデッテA・セントラル)

●スペインU17代表
アルベルト・ダルマウ(フベニルB・ラテラル)
アドリア・ブランチャー(フベニルB・セントラル)
セルジ・ゴメス(フベニルB・セントラル)
セルジ・ロベルト(フベニルB・セントロカンピスタ)
マヌエル・レイナ(フベニルB・デランテロ)

●スペインU18代表
マルティン・モントヤ(フベニルA・ラテラル)
オリオル・ロメウ(フベニルA・セントロカンピスタ)
ティアゴ・アルカンタラ(フベニルA・セントロカンピスタ)
ルベン・ロチーナ(フベニルA・デランテロ)

●スペインU19代表
マーク・バルトラ(フベニルA・セントラル)
カルラス。プラーナス(フベニルB・ラテラル)

U16代表からU19代表に至るまで、カデッテA・フベニルB・Aという3つのカテゴリーから13人のバルサ選手が選ばれている。文字通りバルサカンテラ組織がうまく機能している証拠となる数字だが、果たしてこの中から何人がエリートチームに上がってくることができるか。何年か後にしか答えは見つからないから、大胆に個人的な予想を載せておこう。外れても誰も覚えているわけがない。さて、その数は・・・4人と見た。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Pere/ Bolan~os/ Terron/ Romeu/ Jonathan( Bartra 90')/ Polaco/ J.Luis/ Rochina(Anselmo 47')/ Gerard(Ilie 71')


■フベニルB(第20節)■
Bレイダーバルサ
強風のため試合延期


■カデッテA(第16節)■
ジローナーバルサ
0−3


■カデッテB(第16節)■
バルサBーレイダ
強風のため試合延期

*順位表は「試合日程・順位」から


第22節 良い試合ながら・・・
(09/01/28)

ルーチョバルサーサン・アンドレウ
1−1

1月24日土曜日18時試合開始。この日はスペイン全国で、強烈を通り越したとんでもない強風が吹いていて、歩道に駐車してあったバイクが倒れまくり、車道に沿って植えてある何本かの木が倒れ、道路の片隅に置いてあるどでかいゴミ箱も逆さまになっていたりして大変なバルセロナ。近郊のサンボイという街にある野球場施設内にある室内練習場の屋根が落ちてきてしまい、練習していた子供たち4人も死亡してしまうという悲しいニュースもあったし、シウダ・デポルティーバで予定されていたインファンティルやカデッテカテゴリーの試合はすべて中止になっていた。それでもミニエスタディやカンプノウの試合はだいじょうぶ。

性格の良いバルセロニスタの夢が、来シーズンから誕生するエスパニョール新スタジアムで、エスパニョール対バルサアトレティコの試合をもって新スタディアムお披露目となることであるとするならば、やはり性格の良いガスパーさんの夢は、彼が会長をしているサン・アンドレウがお披露目チームとなることだという。まあ、個人的にはそれでもヨロシイ。

この日の対戦相手となるガスパーチームはリーグ戦3位につけていて、ルーチョバルサよりも上にいる。これまで何試合も続けて負けていないルーチョバルサとはいえ、ほとんどが下位にいるチームのとの対戦だったから、こういう上位チームとの対戦試合でその実力がわかるというもの。この試合にペドロとVサンチェスの二人が戻ってきてスタメン選手となっている。ペドロが途中交代となっているが、出来の方はひどい内容だった。ここのところルーチョバルサでの試合でしか彼のプレーは見られないものの、調子は決して良くない。便利屋Vサンチェスの方は、この試合には左ラテラルとして起用されていたが、まあまあの調子といったところか。

先制点はガスパーチームが決めた。それを追う形となったルーチョバルサチーム。9番マリックとペドロに決定的なゴールチャンスが有りながら、ポルテロとの一対一の勝負に負けゴールには至らない。後半途中からVバスケスが登場。ナンダカンダ言っても、このチームにおけるクラック選手は彼以外にはいない。そのクラック選手からジェフレンに最高の形でセンターリングされ、どうにかこうにかジェフレンが決めて同点。それにしてもVバスケスというのはもったいない選手だ。ペップバルサに招集される機会が多いペドロやVサンチェスなどより遙かに才能豊かな選手であるにもかかわらず、相変わらずエリート選手としてジャンプできない状態となっている。そんな余裕はないことはじゅうぶん承知ながら、ペップバルサで数試合連続起用されることがあるならば、大きく成長する選手だと思う。

90分間の試合が終了し、1−1というスコアで引き分け。ガスパーチームにとってもルーチョバルサにとっても、それなりに内容のある良い試合ながら、お互いに勝利の3ポイントを獲得することはできなかった。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Joni/ Fontas/ V.Sanchez/ Rueda(V.Vazquez 61')/ Longas/ Thiago(Abraham 75')/ Pedro(Nolito 71')/ Maric/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(09/01/22)

■フベニルA(第19節)■
ジローナーバルサ
0−3

右ラテラルのモントヤのプレースタイルを見ていると、スケールの違いさえあれペップバルサでプレーしているアルベスとダブルことが多い。非常に攻撃的なラテラル選手であり、時としてセントロカンピスタに、時として右エストレーモとしてプレーする時間が多く、そしてもちろん疲れを知らず90分間走りっぱなし。これまでこのカテゴリーでプレーする多くのラテラルカンテラ選手を見てきたが、彼ほど攻撃的な選手にお目にかかったことがなかった。“キラキラ星”コーナーには登場していない(映像を作るのが面倒くさい)が、彼も立派にキラキラ星選手の1人だ。ルーチョバルサで活躍しているコルコレスもまた良い選手ながら、将来性という点で考えれば、1試合でも早くこのモントヤを起用して欲しいと思う。このジローナ相手の試合でも、彼の攻撃的な姿勢とゴールにつながるアシストが光っていた。

そのモントヤが選ばれていない。今年に入ってからの初のスペインU19代表選手が発表されたが、その中にモントヤの名が入っていない。ミージャ代表監督更迭要求!

それでも、フベニルカテゴリーから2人の選手が選出されている。1人はフベニルAでプレーしているデフェンサのマーク・バルトラ、そしてもう1人がフベニルBでプレーしているカルラス・プラーナス。バルトラもプラーナスも良い選手だけに当然と言えば当然だが、モントヤを呼ばない理由が見つからない。ちなみに元バルサ所属のフラン・メリダやヤゴ・ファルケも呼ばれているようだ。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Pere/ Bolan~os/ Terron(Jose 83')/ Romeu/ Jonathan(Fasciana 79')/ Polaco(Sergi 83')/ J.Luis(Anselmo 76')/ Rochina/ Gerard


■フベニルB(第19節)■
バルサBーバダロナB
1−0

19試合で50ポイントを獲得したペップバルサも凄いが、このフベニルBも19試合で何と55ポイントも獲得している。つまり、これまで19試合戦ってきて、わずか1試合だけ引き分けという結果で、残りは全部勝利の試合。これは凄いの一言。

地元での試合でありながら1ゴールしか決められなかったことがこの試合のニュース。10人で必死に守るバダロナB相手に多くのゴールチャンスを作りながら、この日はゴールが入らない日となった。ちなみに、U19と同じように今年に入ってから初めてのスペインU17代表選手が発表されているが、このチームからアルベルト・ダルマウ(右ラテラル)、アドリア・ブランチャー(セントラル)、セルジ・ゴメス(セントラル)、セルジ・ロベルト(セントロカンピスタ)、そしてマヌエル・レイナ(デランテロ)の5人が選出されている。

■FC BARCELONA
Carlos/ Baliu(Dalmau 86')/ Blanchart/ Gomez/ Planas/ Gustavo/ Espinosa(Marti 90')/ Roberto/ Carmona(Reina 93')/ Etock/ Ella(Brian 61')


■カデッテA(第15節)■
メルカンティルーバルサ
2−5


■カデッテB(第15節)■
バルサBーメルカンティルB
7−0

*順位表は「試合日程・順位」から


第21節 リーグ後半戦に突入
(09/01/20)

グラマネールーチョバルサ
0−0

グラマネのスタジアムはカンプノウから東に10キロ、あるいは15キロ程行ったところにあるが、バルセロナ市内ではないからダービー戦とは呼べない。それでも、まあ、言ってみればお隣さん、ご近所同士の試合。こういう試合に、バルセロナから2000キロ離れたところにあるラス・パルマスという所からやって来た審判が笛を吹くというのは、何か変な話だ。どうでもいいことながら、何かおかしい。遠くの親戚より近くのセブンイレブンとも言うし、カタルーニャのどこからか審判を適当にみつくろって連れてくれば簡単なのにと思ってしまう、が、そういうわけにはいかないようだ。

ガイが練習中に負傷してしまい、約6週間のリハビリが必要と言うことで、とうぶんルーチョバルサの試合には出場してこないようだ。どうも今シーズンはついていないガイ。急いで戻ってくるほどのチームでもないので、ゆっくりと時間をかけて100%のリハビリを終えて顔を見せれば良し。

ペドロが2試合続けてルーチョバルサ組員となったが、その反対にロチーナがここ2試合ばかりフベニルAチーム送りとなっている。9番専門選手してはマリックという選手しかいないルーチョバルサだから、ロチーナは貴重な存在となるのかと思っていたが、ルーチョ監督のアイデアは違うようだ。後半に入って依然として0−0、そしてマリックに疲れが見えてきたとき、ルーチョ監督はマリックを下げてティアゴを投入している。こういうアイデアは、奥が深すぎてシロウトにはまったく理解できません。

このグラマネ相手のフエラの試合で引き分けとなったことにより、5試合連続フエラ引き分けとなった。良く言えば負け知らず、嫌みったらしく言えば勝ち知らず。次の試合は悪いことに絶対スタメンセントラルのボティアとベルデスがカード制裁で出場できないときている。ここはひとつ、最近好調さを取り戻しているボラーニョスとかテロンをフベニルチームから招集して欲しいものだが、これまでのルーチョコーチングスタッフのやり方を見ているとそれもなさそうだし、う〜ん、負けはしないが面白さもまったく感じられない試合がまだ続きそうだ。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes/ Botia(Abraham 88')/ Joni/ Xavi/ Longas/ V.Vazquez/ Pedro/ Maric(Thiago 63')/ Jeffren(Nolito 75')

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(09/01/16)

■フベニルA(第18節)■
バルサーエウロッパ
4−0

試合日が重ならない時にはほぼ必ずと言っていいほど、ペップ監督の姿がミニエスタディで見られるように、ルーチョ監督もスケジュール的に可能な時はいつも、フベニルAの試合に来ている。シュステル前監督などは一度足りとしてマドリのフィリアルの試合を見に行ったことはなかったと言うし、ライカーの姿がミニエスタディで見られるのは1年に1回あるかないかだったような気がする。それは彼らの自由であるし批判されることでもないが、クラブが抱えている選手たちの成長ぶりを常に知っておこうというペップやルーチョたちの姿勢は、とても素晴らしいと思えるのであります。

90分間立ちっぱなしで試合観戦していたルーチョ監督に、特別のアピールをしたのがジョナタン、ポラコ、そしてホセ・ルイスの三人。彼ら全員がゴールを決めたということもあるが、それ以上に各自それぞれの持ち味を生かして、冴えたプレー内容を見せていた。最近なにやらかつてのデコに似てきた感のあるジョナタンは、相手デフェンサやセントロカンピスタにプレッシャーを与え続け多くのボールを奪い、そして的確にそのボールを配球している。運動量も非常に多いが、彼に輪をかけて運動量の多いポラコ。相手ゴール前にいたかと思うと、いつの間にか自陣ゴール前でデフェンサの助っ人となっている。ホセ・ルイスはエストレーモだが、この試合では一対一の勝負にキレを見せていた。アシストだけではなくゴールまで決めていたが、この試合だけを見れば、ジェフレンと比較しても決して劣る感じはしない。

風邪気味にもかかわらずこの試合を観戦に来ていたルイス・エンリケだが、これがたたってか翌日は高熱が出てしまいベッドの中で死んでいたようで、肝心のルーチョバルサの試合にはベンチ入りしていない。お大事に、ルーチョ監督!

■FC BARCELONA
Diego/ Bartra/ Pere/ Bolan~os/ Terron(Jose 78')/ Sergi(Fasciana 77')/ Jonathan(Ilie 65')/ Polaco/ J.Luis(Anselmo 57')/ Rochina/ Gerard


■フベニルB(第18節)■
エウロッパBーバルサB
2−4

フベニルAと同じように、この試合からリーグ戦後半に入った。エウロッパB相手に2−4で勝利し、これで18戦17勝1分け無敗、失ったポイントはわずか2ポイントという恐ろしい成績を残している。しかも奪ったゴールが68、失点がわずか9、つまり2試合につき1ゴールしか許していないことになる。2位のエスパニョールBに15ポイント差をつけて堂々たる首位を走っている。

■FC BARCELONA
Sergi/ Baliu/ Blanchart(Gustavo 63')/ Gomez/ Planas/ Rosell/ Espinosa(Dalmau 63')/ Roberto/ Reina(Brian 80')/ Etock(Ella 76')/ Jhony


■カデッテA(第14節)■
バルサーバダロナ
延期


■カデッテB(第14節)■
ガバーバルサB
0−1

*順位表は「試合日程・順位」から


第20節 リーグ後半戦に突入
(09/01/13)

ルーチョバルサーサンタ・エウラリア
3−2

リーグ折り返し地点を曲がった最初の試合にして、先週に続いて再びミニエスタディでの試合。ここ1週間の寒波による寒さが嘘のような暖かい快晴の日曜日昼12時試合開始。観客席から見えるティビダボには昨日まで積もっていた雪の影もなく、あ〜、なんと暖かいのでありましょう神様仏様、というポカポカ陽気の中での試合観戦。

それにしても芝の状態が最悪。陽が当たらない日が続きすぎたのか、ペップバルサの連中が練習に使いすぎたのか、いずれにしてもボコボコ状態のグランド。天気はそろそろ良くなってくるようだし、ペップバルサの連中も練習はそのうち他のところですることになるので、1か月ぐらいすれば少しは良くなるかも知れない。そしてもう一つ気がついたことは、普段は2、3人しかいない警察官がこの試合では数多く見られたこと。これはイスラエル人選手ガイの警備ということなのだろう。この試合の前日には3万人近い人々による“イスラエルは戦争をやめろ!”という街頭デモがあったし、勘違いしたアホさんはどこにでも転がっている。ガイがプレーしているときにグランドの中に入ってくるアホさんもいるかも知れない。それを防ぐための警備ということだろう。だが、そんな心配はよけいなことだったようだ。ガイはスタメンでは出場してこなかった。途中からでてきたが、それもロスタイムに入ってからだった。

ティアゴが蹴ったフリーキックのボールをボティアが受け、それがなぜかポルテロと一対一の勝負となり、ボティアはフリー状態となっていたマリックにパスし、がら空きのゴールにボールを押し出して、フレブでも入るゴールで先制点。そしてバスケスの強烈なロングシュートがゴールポストにあたり、そのボールが運良くペドロの前にコロコロとやって来て、これまた軽く押し出してのアビダルでも入るゴール。こうしてマリックとペドロに訪れたラッキーゴールに加え、ルーチョバルサの試合内容もこれまでになく良い感じ。もっとも、相手は最下位地点をウロウロしているチームだし、地元ミニエスタディでの試合でもあるから、当然と言えば当然の試合展開。後半戦が始まって間もなくペドロが3点目を決めて、こりゃあ、楽勝かと思われた試合。だが、そうはならなかった。

後半中頃にセントラル選手ベルデスの大チョンボによる失点。そしてそれから2分後に再びゴールを決められ3−2というスコアになってしまった。テクニック的には両チームの間に大きな差があるのだから、ルーチョバルサは余裕をもってボールを回せるはずなのに、なぜか焦ってしまっている雰囲気。それでも“緊迫の20分間’をどうにかこうにか乗り切り、やっとこさの勝利。試合観戦の収穫は、ビクトル・バスケスの華麗なプレーが見られたことと、なんともたまらないポカポカ陽気でした。

■FC BARCELONA
Min~o/ Abraham/ Verdes/ Botia/ Joni/ Rueda/ Thiago(Longas 82')/ V.Vazquez/ Pedro/ Maric(Nolito 73')/ Jeffren(Gai 91')

*順位表は「試合日程・順位」から


前半戦フベニルA選手総括(3)
(09/01/12)

●デランテロ
ホセ・ルイス
たびたび負傷に倒れる前半戦となっているため、絶対のエストレーモ・スタメン選手とはなっていない。そのため、シーズン開始当初に個人的に予想したルーチョバルサ入りも実現せずに2008年が終わってしまった。後半戦に望むこと、それは負傷なしに継続した試合出場が可能となること。それなしに、来シーズンからのミニエスタディでのプレーは可能とならない。

アドリア・カルモナ
右でも左でもプレーできるエストレーモ選手ながら、これまでのプレー時間は予想以上に少ない。ホセ・ルイスが負傷に倒れている間は右エストレーモとして起用されているが、彼が戻ってくるとベンチスタートとなることが多い。同じくエストレーモ選手のジェラールよりは遙かに才能ある選手だと思うが、なぜかジェラールが優先されている。イングランドのクラブからのオファーがメディアを賑わせた時期があったが、その時期を前後として出場チャンスが急に少なくなってきた雰囲気がある。外部からは知ることのできない、当事者同士のみが知る問題があるのかも知れない。ドーバー海峡を越えたところから送られてくる騒音を気にすることなく、鼻が高くならないでしっかりと足を地につけ、フットボール選手としての成長のみを考えて練習に打ち込むことができれば、将来が楽しみな選手。素材的にはこのカテゴリーの中で最高のものを持ったデランテロ選手だろう。

ジェラール・サンブディオ
シーズン開幕前に、個人的に予想した以上の出番が多い前半戦を過ごしている。エストレーモ選手で右サイドが自然なポジションといったところだが、左サイドでも起用されることがある。彼の武器となっているのはスピードとテクニックだろうが、両方ともずば抜けたものとは言えないし、特に気になるのは体の線が細いこと。前半戦を見た限り、ゴール能力もあるとは思えず、センターリング命となるエストレーモ選手だが、アシストの数も決して多くない。それでも監督からの信頼度は高いようだから、シロウトにはわからない何か良いところがあるのだろう。それを認めて上でも、とてもミニエスタディまで足が届く選手とは思えない。

アンセルモ・エイゲ
すでにギニア代表としてプレーしている選手らしいが、このバルサフベニルAチーム選手として合格印が与えられるかというと、大いなる疑問符が付く。黒人特有のフィジカルに恵まれた選手であり、同時に運動量も非常に多いことは前半戦だけを見ただけでもわかる。だが、9番の選手として最も重要なゴールの嗅覚が優れているかというとそうでもない。ルーチョバルサに昇格したロチーナとは比較しては可哀想だが、これまでこのカテゴリーで活躍してきたバルサの9番選手よりは、明らかに才能的に恵まれていない気がする。


前半戦フベニルA選手総括(2)
(09/01/11)

●セントロカンピスタ
ダビ・アルバレス“ポラコ”
セントロカンピスタでありながら、これまで多くのゴールを決めてきている。それも追加点となるゴールではなく、勝利を決める貴重なゴールを決める立役者となっている。テクニック的に特別優れているわけではなく、フィジカル的に特に恵まれている選手ではない。だが、体の中に熱い血が流れている選手であり、セントロカンピスタにはうってつけの選手と言える。今シーズン限りでフベニルカテゴリー卒業となる選手だが、前半戦のような活躍が続くとすれば来シーズンはミニエスタディだ。

ジョナタン・ドス・サントス
開幕戦からの好調を維持し、大活躍といっていい前半戦を戦っている。兄のジョバニがフベニルカテゴリーあたりから少々鼻が高くなってしまったのに比べ、この弟のジョナタンは地に足をしっかりとつけ、地道にプレーしているように見える。バルサに入団してきてすでに7シーズン目、他のクラブからのオファーに目がくらまなければ、来シーズンからはミニエスタディでのプレーが見られるかも知れない。

オリオル・ロメウ
フィジカル的にもデカイが、存在そのものは更にデカイ。守備的なピボッテ選手としては、このチームにあって絶対のスタメン選手であり、今年の春頃からルーチョバルサでのプレーが期待される。ルーチョバルサのチャビやフォンタスたちとは比較できないスケールを持った選手であるし、リーダーシップもじゅうぶんある。ミニエスタディからカンプノウへ、その道を歩むであろう数少ない選手の1人だ。

イリエ・サンチェス
バルサに入団してきて2年目であり、今シーズンは勝負となると思っていたが、前半戦を見る限り期待したほどの活躍を見せていない。もっとも、ジョナタンとポラコという絶対のスタメン選手がいることから、彼の出番がなかなかやって来ないのが現状だ。1990年代の選手であるから、彼もまたこのカテゴリーでは最後のシーズンとなるが、果たしてバルサ・アトレティコに上がってバルサに残ることができるのかどうか、非常に難しい感じ。

フランコ・ファスシアーナ
ベネズエラ出身のこの選手は、たぶんバルサがヨーロッパ内での初のクラブだろうから、フットボールスタイルの違いに慣れるのに時間がかかることは予想できた。そして前半戦に限っていえば、出場時間は非常に少ないものとなっている。年齢的にフベニルカテゴリーは今シーズンで終わりだから、ひょっとしたら慣れないままバルサを去ることになるのだろう。それにしても1990年代の選手をなにゆえ獲得したのか、その理由がよくわからん。

セルジ・マエストレ
まったくと言っていいほど出番がなし。この加入選手もまた、今シーズンが初のバルサ生活となるが、同時に最後のものとなりそう。


前半戦フベニルA選手総括(1)
(09/01/10)

●ポルテロ
ディエゴ・ゴメス
「負傷のないシーズンをおくること、それが彼の課題だ。」
と、シーズン始めに書いたが、開幕戦と第2戦をスタメンで出場したあと、再び負傷に倒れている。カテゴリーが上がってくるのにしたがい、負傷する回数も増えてきている運のない選手。年内最終戦となった第16節マタロ戦に復帰してきて、新年最初の試合にもスタメン起用されている。つまり、負傷さえしていなければスタメン候補とされる選手なのだろう。

マーク・マルティネス
同僚のディエゴが長期負傷していたことから、今シーズンの前半はほぼ彼がスタメンポルテロとして活躍している。何試合か見た限り、全体的にバランスのとれたポルテロという感じだが、特にどこか優れているのかはよくわからない。このマルティネスにしてもディエゴにしても、年齢的に今シーズン限りでフベニルカテゴリーは卒業となるが、果たして来シーズンからミニエスタディでプレーすることができるのかどうか、それは大いなる疑問符が付きそう。

●デフェンサ
アレックス・ボラーニョス
負傷に悩まされるシーズンとなっている。本来であるなら、やはり長期負傷中のムニエッサと共に、このチームを引っ張っていく存在となるにもかかわらず、ここ何シーズンかで最悪の時期を過ごしている感じだ。2、3年前には大いに将来を期待された選手だが、負傷を別として、どうやら大きな壁にぶつかってしまっている感じがする。1990年代の彼もまた、今シーズン限りでこのカテゴリーを終了することになる。負傷に倒れることなくコンスタントに試合に出場し自信を取り戻すことができれば、来シーズンからミニエスタディでのプレーが見られる可能性もあると思う。

クリスティアン・バージェ
まったく出番のないシーズンをおくっている。このチームの絶対左ラテラルはカルロス・テロンであり、余程のことがない限りクリスティアンには出番が回ってきていない。彼もまた2、3年前には将来を期待された選手でありながら、シーズンごとに影を薄くしてきている。ボラーニョスと同じように今シーズン終了をもってフベニルカテゴリーともサヨナラしなければならない身分であり、同時にバルサ選手としての最後のシーズンともなりそう。

マルティン・モントヤ
右ラテラルの絶対スタメン選手。このモントヤの後輩にはフベニルBでプレーしているダルマウという優れた右ラテラル選手がいるし、バルサにとって将来的にもこのポジションは楽しみなものとなっている。2009年がスタートした今、ルーチョ監督が一試合でも早くミニエスタディに招待してくれることを期待。そして将来的にはカンプノウでの登場だ。

カルロス・テロン
ムニエッサの長期負傷が原因か、あるいはバルサフィリアルチームに左ラテラル選手が不足しているからか、もともとセントラルの選手だった彼が、今シーズンからは左ラテラルに回されている。個人的にはセントラルでプレーしているテロンの方が気にっているが、シーズン前半を見た限り、左ラテラルも決して悪くない。年齢的に来シーズンも再びこのカテゴリーでのプレーが可能となる選手だが、やはりミニエスタディで走り回っているテロンを見てみたい。一つだけ気になることは、フィジカル的な成長が見られないこと。

マーク・バルトラ
“持ち物”の多い選手だ。まだ体の線は細いとは言え、180センチ以上あり、テクニック的にも面白いものを持ち、セントラル選手として必要な強いあたりも負傷を恐れずおこなう。これまでの前半戦ではセントラルの絶対スタメン選手。イメージとしてはルーチョバルサでプレーしているセントラルのボティアによく似ている。この選手もまた、来シーズンからミニエスタディでの活躍が期待できると思う。成長次第によってはカンプノウも決して遠くない。

ペレ・セガラ
ボラーニョスが負傷している間のセントラル選手であり、決して優先的にスタメンで起用される傾向はないようだ。そもそも、素質的にこのカテゴリーが限界ではないかと思っていた選手だけに、ミニエスタディにまでは手が届きそうもない。年齢的に今シーズン限りでフベニルカテゴリー卒業となるので、彼もまたバルサ選手としては、今シーズンが最後のものとなりそう。

マーク・ムニエッサ
昨シーズンの負傷がたたって、今シーズンはまだ一試合も出場していない。今年の2月頃にはリハビリが終了するのではないかと思われていたが、その予想より遅れて戻ってきそうだ。1992年世代の若い選手、焦ることはない。左ラテラルが専門ながらセントラルをやらせても面白い選手。いつかはミニエスタディで、そしてさらにいつかはカンプノウで、このムニエッサの走り回る姿が見られると良い。


フベニルカテゴリー
(09/01/08)

■フベニルA(第17節)■
バダロナーバルサ
0−1

このグループは18チームで構成されているから、年明け最初の試合となった第17節バダロナ戦をもって前半戦が終了したことになる。リーグ戦前半最終となったこの試合に勝利したことにより、39ポイントで、2位につけているマジョルカに1ポイント差をつけ首位を維持している。17試合13勝3敗1分けと素晴らしい結果をだして前半戦を終了していることになるが、厳しいものとなるであろう後半戦が待っている。

リーグ前半戦の最初の頃は、それこそ恐ろしい勢いで勝ち続けていたチームながら、デランテロの核となるロチーナがルーチョバルサに持っていかれてから、デランテロ不足に泣いている。デランテロ選手のゴール不足を補ってきたのがセントロカンピスタのポラコやジョナタン。だが、もちろん彼らはゴレアドールではなく、いつそのゴール運がとぎれてしまうかわからない。ロチーナの代わりに9番となったアンセルモという選手は、前半戦を見る限りまだバルサのプレースタイルに馴染んでいないようで、決して良い結果をだしているとは言えない。左右エストレーモのジェラール、ホセ・ルイス、そしてカルモナも、これまでのところまったくゴール運に恵まれておらず、もしこのままの状態が続くとしたら厳しい後半戦となりそうだ。

このバダロナ相手の試合を前にして、フベニルAのアレックス・ガルシア監督はロチーナの起用をルーチョ監督に依頼したという。フエラの難しい試合であり、しかもバケーション明けの最初の試合ということもあり、万全の体制でこの試合にのぞみたかったのだろう。結果的にルーチョ監督からの許可がおり、ロチーナはこの試合に90分間プレーすることができたが、バルサ唯一のゴールにしてこの試合の唯一のゴールはロチーナの左足から生まれている。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Pere/ Bartra/ Terron/ Romeu/ Jonathan/ Polaco(Fasciana 85')/ Gerard(Ilie 74')/ Rochina/ Carmona(Anselmo 58')


■フベニルB(第17節)■
ナスティックーバルサB
0−2

*順位表は「試合日程・順位」から


第19節 相変わらず渋い、渋い、渋い
(09/01/06)

ルーチョバルサーベニドルム
1−0

2009年1月4日日曜日17時ミニエスタディでのベニドルム戦。新年の最初の試合にして、リーグ前半戦の最終試合ともなっている。ラ・マシアでの練習指揮を終えたペップ監督の顔がパルコに見られる他、カード制裁でこの試合に出場できないビクトル・バスケスやコルコレスも正面スタンドに。さすがにマラドーナは姿をあらわしていない、って当然か・・・。

ベニドルムと言えば、ペップバルサが国王杯で対戦したチームであり、このカテゴリーではルーチョバルサと同ポイントながら順位的には一つ上にいる。国王杯でもそうだったが、経験豊かな選手というか超ベテラン選手というか、とにかく年齢の高い選手によって構成されているチームだ。

ここ何試合か絶対スタメン選手となっていたロチーナは、なぜかフベニルAチームに送られ、ベテラン選手マリックが9番に入っている。前半だけながら彼に2回、あるいは3回程度のゴールチャンスがありながら、すべて外しまくっていたが、前半終了間際にゴラッソを決めてくれた。どうやらこの選手はサリーナスやクルービータイプのようで、簡単なゴールより難しいゴールを決めるのが得意のようだ。最終的にこの1点が決勝点となり、1−0でルーチョバルサが勝利することになる。見ていて面白い試合かどうか、あるいは興味ある試合かどうかと問われれば、はっきり言ってノー。負けないことと、試合内容が退屈なことは昨年から変わっていない。負けないのは重要なことというのは当然のことながら、そしてその目的を達成していながら、見ていて面白くないと感じるのはファンの自由というものだ。前半に点を取って後半にはしっかり守ってしまう、それも悪いことではないのは当然のことながら、そういう姿勢に興味を感じないというのもファンの自由というものだ。

個人的にはあまり魅力を感じないルーチョバルサチームながら、デフェンサ陣の素晴らしさは評価に値すると思う。本来はセントラルの選手ながら左ラテラルというポジションをまかされているジョニーは、試合ごとに自信をつけているように見える。ボティアとベルデスという2人のセントラル選手も、試合ごとに理解度を深め、しっかりと守りきっている。この試合ではピボッテに入ったチャビは、第三のセントラルとして守備にしっかりと貢献している。そして彼らの後ろにはミーニョが着実なプレーでゴールポストを守っている。その彼らのおかげで、気がついてみればリーグ順位は6位にまで上昇し、プレーオフ参加権を得られる4位にまで3ポイント差と迫ってきた。

■FC BARCELONA
Min~o/ Abraham/ Botia/ Verdes/ Joni/ Xavi/ Thiag/ Longas/ Jeffren(Rayo 91')/ Maric(Nolito 81')/ Gai(Rueda 65')

*順位表は「試合日程・順位」から


ルーチョバルサ選手とりあえず総括(3)
(09/01/05)

●デランテロ
ビクトル・バスケス
負傷のため出場できなかった第1節と第2節の試合以外、その他のすべての試合に出場している。ペップバルサの時と同じように、ルーチョバルサにあっても最も中心となっている選手であり、このチームの中ではずば抜けた存在と言って良い。だが、なぜか、数少ないながらバルサエリートチームでプレーすると、なにか遠慮してしまっているような感じを受ける。ビクトル・サンチェスにしても同じことが言えるが、どうも萎縮してしまってのびのびとしたプレーができず、彼らの良さが伝わってこない。“本番”に強いセルヒオ・ブスケと比較しても決して才能的には劣らないバスケスだが、大きな違いはそこにあるような気がする。この世界、才能だけでは成功しない。

ジェフレン・スアレス
シーズン開始早々負傷に倒れ、12月に入ってやっと戻ってきている。復帰後の最初の試合で2ゴールも決めているが、彼はゴレアドールではない。一対一の勝負に強いエストレーモでもない。どちらかといえばスピードが持ち味と言えるから、相手デフェンサの裏を抜くプレーが得意な選手。バルサのエリートチームに上がれないのなら、今シーズンは他のクラブに移籍するのではないかと思われたが、負傷がそういうすべてのアイデアを不可能としてしまった。ルーチョバルサでは貴重なエストレーモとなるだろうが、彼が成長できるのかどうか、それははなはだ疑問だ。人ごとながら、彼のためにも早いところレンタル先を見つけた方が良いと思う。それも早ければ早いほど良い。決してカンプノウでプレーするほどの資質はないような気がするが、小さいクラブであればそれなりの活躍を見せることができるだろうと思う。

ガイ・アスリン
イスラエル代表招集やイスラエル兵役免除手続きなどのために、ルーチョバルサの選手としては出足が遅れてしまったガイ・アスリン。そういうマイナス面がありながらも、徐々にスタメンを勝ち取ってきている。だが、ルーチョ監督の絶対の信頼を勝ち取っているという感じでもないし、彼自身も昨シーズンのようなキレの良いプレーを取り戻してはいないようだ。途中交代の多さや、アシストやゴール数の少なさがそれを示している。だが、それでもバルサインフェリオールカテゴリーに在籍する選手の中では、最もカンプノウに近い位置にいる選手。アホなメディアは“メッシー2号”と持ち上げるが、もちろんそんなことはない。メッシーとは比べられないものの、この年代では飛び抜けた存在ということで十分だ。後半戦での活躍を大いに期待。

ルベン・ラージョ
プレステージでの試合を見た限り、スピードもあるしゴールも決めていたし、面白い存在のエストレーモ選手という感じだった。だが、シーズンが始まってみると、プレステージでの活躍の面影はまったく消えてしまい、試合を消化していくに従いベンチスタート、そして試合によっては招集されずという待遇となっている。本来であるならばヤゴ・ファルケとスタメンを争うことになっていた選手だろうが、才能的にはヤゴとは比較することもできないだろう。今さらながら、なにゆえこの選手が加入してきて、なにゆえヤゴが出て行かなければならなかったのか、まったくもって理解できない。

マヌエル・ノリート
とにかく元気の良い坊やだ。ルーチョバルサでは左エストレーモとして起用されているが、運動量はなかなかのもの。攻撃に参加してくる相手ラテラル選手をどこまでも追いかけていく姿がよく見られるし、気がつくととんでもないところで守備をしていたりする。その運動量の多さは別として、彼の魅力は一対一の勝負に強いこと。だが、これまでの彼のプレーを見る限り、その勝負に勝利したあとの判断がイマイチ。自らシュートするのか、空いているスペースにいる選手にパスを出すのか、その判断の誤りも大いに目立ってしまう選手でもある。彼もまた、ヤゴの足下にも及ばない選手であり、もちろんガイとも比較できる対象でもない。12月に入ってからというもの、一度もスタメン出場していないが、残りのシーズン頑張ってみよう。

ゴーラン・マリック
経験豊かなゴレアドールという歌い文句と共に入団してきたが、これまでのところまったくもって期待通りの仕事をしてくれていない。まだ24歳という選手だが、グラウンドで見かける彼の動きやプレースタイルからは、すでに引退間近の選手のような雰囲気が伝わってくる。これはという大事な試合には、彼の経験が生きる場面が登場してくるのかも知れないが、長いリーグ戦の普通の試合に彼の存在は必要ないのではないか、と思わせてくれる“ベテラン”デランテロ。幸いなことに、ロチーナの登場と共に、次第と出番が少なくなってきている。

ルベン・ロチーナ
11月に入ってからフベニルカテゴリーを卒業し、ルーチョバルサ組の一員となっている。第11節アルコヤノ戦でスタメンデビューを飾ったあと、翌試合にもスタメン出場。それ以降3試合続けて途中出場となっていたが、第14節バレンシア戦で再びスタメンを勝ち取り、年内最終戦までスタメンが続いている。個人的にもっていた期待を満たしてくれているかというと、残念ながらそうは言えない。ボージャンがこのカテゴリーにやって来て、下のカテゴリーと同じようにゴールを決めていたのに比べ、ロチーナはいきなり壁にぶつかってしまったかのようだ。これまで見てきた彼とは別人のようだし、どう見ても納得いくプレーはできていないようだ。メッシーと同じようにボージャンも別格、したがって時間をかけてこのカテゴリーに慣れていくしかないのかも知れない。いずれにしても、マリックよりはマシだ。


ルーチョバルサ選手とりあえず総括(2)
(09/01/04)

●セントロカンピスタ
マヌエル・ルエダ
今シーズンの残留は難しいのではないかと思われたが、シーズンが始まってみると、非常に起用度の高い選手となっている。ある時はピボッテ選手、ある時はインテリオール選手として起用されている。だが、これまでになく活躍したシーズンとなっているかというとそうでもない。すべての点で平均点をつけられる選手ながら、これといった特徴が見られなくなってきている。彼の持ち味の一つであるロングシュートや、フットボールセンスの良さもそれほど伝わってこなくなってきた。やはり、このカテゴリーあたりが彼の頂点といったところかも知れない。そんなこととは関係なく、個人的には非常に気に入っている選手だけに、後半戦に良いところを見せて欲しい。

チャビ・トーレス
昨シーズンは守備的なピボッテとして多くの試合にスタメン出場したチャビだが、今シーズンは軽いものではあるが、負傷が続いたこともあってか、ルエダにそのポジションをとられる試合が多いようだ。肉弾戦には欠かせないフィジカルの強さをいかしたプレースタイルを持った選手ながら、フットボール選手としての限界も多く持っている選手。幸運に恵まれれば、二部カテゴリーあたりで活躍が期待できるかも知れない。いずれにしても、昨シーズンほどの活躍はこれまでまったく見せていない

アブラン・ゴンサレス
ビクトル・バスケスがセントロカンピスタとして起用される傾向が増えてくると共に、このアブランの出番が徐々に少なくなってきている。インテリオール選手として攻撃面だけではなく、守備面にもそれなりにいいところを見せていた選手だが、やはりビクトル・バスケスと比べることはできない。12月に入ってからはベンチはおろか、試合そのものにも招集されないことが多かった。

ティアゴ・アルカンタラ
ガイ・アスリンと共に、このティアゴ・アルカンタラの成長が大いに期待された今シーズン。だが、これまでのところ、その期待はまったくの空振り状態となっている。その理由は二つあると思う。一つは、彼には珍しく2か月前後ののリハビリ期間が必要な負傷を負ってしまったこと。もう一つは、ルーチョ監督の強い希望で加入してきたロンガスという選手が、ティアゴと同じポジションであること。したがって、負傷する前だけではなく、負傷から戻ってきても彼の起用度はとてつもなく低い状態だ。果たしてリーグ後半戦に入ってからこの状況が変化するのかどうか、それはルーチョ監督のみ知るところ。このチームのセントロカンピスタの中で明日を感じさせてくれる唯一の選手であるだけに、状況が変化することを期待するしかない。

アンドレウ・フォンタス
フベニルカテゴリーから上がって来た数少ない選手の1人だが、試合に招集されれば良い方で、多くの試合にはこれまで招集さえされていない。ピボッテを自然なポジションとする選手だが、経験という観点から言えば、ルエダとかチャビの方が優っているし、才能という面でみれば、フベニルAでプレーしているオリオルの方が優っていると思う。と言うわけで、中途半端な形でルーチョバルサ在籍となっている選手だが、今シーズンはこのカテゴリーでの“お勉強”ということかも知れない。

アントニオ・ロンガス
ボールタッチの柔らかさやセンスの良いパスなどを見ただけで、才能ある選手だということがわかる。17歳前後でミニエスタディでプレーしていたセラーデスやイニエスタなどに似た雰囲気を感じさせてくれる選手だが、ロンガスはすでに24歳。しかも彼らに比べると非常に線が細い感じがする。試合中の彼から、ボールさばきはうまいなぁという印象があっても強烈なインパクトは伝わってこないし、それほど存在感も感じない。今シーズン加入してきた選手の中では最も光るものを見せている選手ながら、将来性を考えるならティアゴを優先すべきだろう。


ルーチョバルサ選手とりあえず総括(1)
(09/01/03)

昨シーズン、バルサBの監督に就任してきたペップは、カテゴリー昇格という困難な目的を持ちながら、ガイやティアゴという超若手を抜擢し、そしてペドロやブスケ、V.サンチェスやV.バスケスなどの急成長を実現することに成功している。そして今シーズンのルーチョバルサに若手の成長が見られるかどうかと問われれば、それは今のところ、限りなくノーという答えになってしまう。

今週末のベニドルム戦を最後にリーグ前半戦が終了する。若手の成長株であるポルテロのミーニョをのぞくと、これまで昨シーズンより成長が見られる若手選手は見つからない。特にガイやティアゴにかんしては、昨シーズンより窮屈さを感じるプレーを見ることが多い。ロチーナはまだ登場してきたばかりだから、判断するのは早すぎるだろう。もうすぐ始まるリーグ後半戦では、試合結果はもちろん。これらの若手選手の成長が見られることを期待したい。ここでは、前半戦で見てきたルーチョバルサ各選手の個人的で独断的総括をしてみよう。

●ポルテロ
オイエル・オラサバル
ペップバルサB誕生と共に、バスク地方にあるイルンというクラブから昨シーズン入団してきた期待のポルテロだった。だが、シーズンを通じてスタメン起用されながら、その良さが伝わってこないままシーズンを終了している。控えポルテロのパウ(今シーズンはテラッサに移籍し、やはり控えポルテロとなっている)よりは少々マシという感じだったが、誰が見ても期待通りの活躍はしていないどころか、バルサ入団の理由となったその将来性も感じさせてくれなかった。ルーチョバルサになった今シーズン、これまで彼の出番は一度しかやって来ていない。第4節ビジャレアルB戦にスタメン出場したが、それ以来、一度たりとも試合出場していない。

ルベン・ミーニョ
オイエルを控えに追いやったポルテロがこのルベン・ミーニョ。ルーチョバルサ誕生して以来、年内の試合では一度ベンチ生活をおくっただけで、他のすべての試合にスタメン出場している。近代フットボールのポルテロには欠かせない足のテクニックを備えており、一対一の勝負強さも持っている。これまでの何試合かは、彼のスーパーセーブでポイントを稼いできているし、ルーチョ監督の期待通りの活躍を見せていると評価できる。また、ペナルティーのスペシャリストとしても知られている。年内の試合が終了した時点でのルーチョ監督の功績を上げるとすれば、それはミーニョの抜擢ということかも知れない。来シーズンもこのカテゴリーでプレーし、同時にペップバルサの第三ポルテロとなるべし。

●デフェンサ
アルベルト・ボティア
負傷に倒れないことがボティアの使命だったとすれば、今シーズンはこれまでにないほどのまとまなシーズンをおくっていると言えるだろう。シーズン開始当初こそ負傷していたものの、第3節からスタメン出場を果たし、それ以降も多くの試合に出場してきている。身長もあることからセットプレーでのゴールシーンもよく見られる。もちろんセントラル選手としての才能はピカイチだ。ルーチョバルサのデフェンサ選手の中では、将来カンプノウへの道を歩む可能性を秘めた唯一の選手だと思う。後半戦も負傷に倒れることなく、守備の要として頑張ってみよう。

ダビ・コルコレス
昨シーズン後半の活躍は予想以上に目を見張るものがあった。右ラテラル選手として絶対スタメンとなり、ペップバルサBのカテゴリー昇格には大いに貢献した1人だと言える。それだからこそ、今シーズンペップ監督はエリートチームのプレステージに彼を同行させたのだろう。だが、これまでのところ、昨シーズンほどの活躍は見せていない。ルーチョバルサには貴重な選手となるのだろうが、カンプノウでプレーするほどの資質はないだろう。それでも、どんな試合であれ100%の集中力を保持している選手だから、二部カテゴリーやカテゴリー維持を目指すような一部チームでの活躍は期待できると思う。

ビクトル・エスパサディン
コルコレスが守備的なラテラル選手だとすれば、このエスパサディンは攻撃的なラテラル選手と言える。守備的には大いに問題があった選手ながら、左サイドをスルスルと上がってきた彼からのセンターリングで、いくつかのゴールシーンが見られた昨シーズン。だが、彼の長期負傷がルーチョバルサにマイナス面となってしまっている。負傷のため、これまでのところエスパサディンはほとんど試合に出場していない。シーズン後半に入ってからの復帰が予想されているようだが、もちろんこの選手もカンプノウへの道は限りなく閉ざされている。よほどのことがない限り今シーズンをもってクラブを離れることになるだろう。

ロペス・ロドリゲス“ジョニー”
なにゆえバルサフィリアルチームに“レンタル移籍”という選手が必要なのか、いまだに理解できないが、このジョニー選手は1年限りのレンタル契約でやって来ている。もともとセントラルの選手という紹介だったが、エスパサンディンの負傷が原因で、このジョニーが左ラテラルを務めていることが多い。このポジションをやったことあがるのか、あるいは急造選手なのか知るよしもないが、これまでのところ地味に仕事をこなしてきている。だが、いかんせん攻撃参加というところまでは望めない。確実に守ってナンボの選手であり、それ以上のことを要求しては可哀想だ。

アントニオ・ソラーノ
プレステージでは何試合かプレーしているところを見る機会があったが、シーズンが開始されてからは一度も拝見していない。最初は2か月のリハビリが必要と診断され、10月後半に練習に参加してきたようだが再び負傷に倒れている。

エクトル・ベルデス
カード制裁や負傷に倒れていない限り、ボティアと並んでセントラルの絶対スタメン選手となっている。最初の頃はバリエンテに似たエレガントなプレースタイルを持つ選手という印象だったが、どうやら彼の持ち味は“ここは絶対に通さない”とばかりの、強烈なあたりをするところにあるらしい。これまで何枚のカードをもらっているか知らないが、2回ぐらいはすでに退場になっているのではないだろうか。カンプノウでプレーするほどの才能には恵まれていないだろうが、このカテゴリーではそれなりの活躍を見せてくれそうな選手。