2008年
2009年
2月

フベニルカテゴリー
(09/02/28)

■フベニルA(第24節)■
コルネヤーバルサ
1−1

前回の試合ではルーチョバルサ組員となったカルラス・プラーナスが、今回はフベニルAの試合に出場。セントラルのボラーニョスやバルトラが負傷に倒れていることもあってか、今シーズンは左ラテラル専門選手となっていたテロンが、彼本来のポジションであるセントラルに入り、そしてプラーナスが左ラテラルでプレーすることになったようだ。テロンとプラーナスはこれまで常に同じカテゴリデーやって来た選手だけに、実に久しぶりに見るこのデフェンサコンビ。もっとも、バルトラが戻ってきたら、これまでのようにフベニルBに戻ってしまうかも知れない。

4位につけているコルネヤを訪ねての難しい試合。しかもコルネヤに先制点を入れられて追いかける試合展開となった。後半に魂の男ポラッコが根性で同点にして、そのままのスコアで試合終了。2位につけているマジョルカも引き分けたため、貴重な1ポイント獲得となった。

さて、リーグ戦残りわずか6試合となったところで、2位マジョルカに3ポイント差、3位エスパニョールに6ポイント差で首位にたっているバルサ。これから上位チームとの試合が続くし、エスパニョール戦もまだ残っている。リーグ優勝できるかどうか、これからが本番。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Pere/ Terron/ Planas/ Oriol(Marti 84')/ Jonathan/ Polaco/ Gerard(Carmona 60')/ Rochina(Etock 89')/ Ilie


■フベニルB(第24節)■
バルサBープレミア
4−1

延期試合となっていた試合(ボルデッタ対バルサB、0−2でバルサB勝利)が、週中におこなわれたこともあるし、相手がカテゴリー降格に両足突っ込んでいるプレミアということもあるし、これまでの試合とは大幅にスタメン選手を変えてスタート。ポルテロにはセルジ、ピボッテにはルセー、右インテリオールにはパラウ、右エストレーモにロペス、そしてデランテロにはジョニー。この5人の選手はこれまでほとんどがベンチスタートだったり、招集さえされないことが多かった選手。もっとも、起用したくても起用できない選手が何人かいたようだ。ここのところ好調のグスターボはポルトガルU17代表に招集されていたし、マルティはフベニルAチームに呼ばれており、イカルディに至っては前回の試合で負傷してしまい、この試合には出場できなかった。

それでも選手層は非常に厚いチーム。いつもは出場していない選手たちが登場してきていても、決して見劣りするチームとはならない。だが、やはりいつも一緒にやっているメンバーでないことから、試合が始まってしばらくはリズム感がイマイチなのはしかたがない。いつもとは少々違う感じで始まったこの試合、相手のプレミアが先制ゴールを決めてしまうというアッと驚く予想外の展開。すぐにバルサB追いついて、前半は1−1で終了。後半に入ってから前半とは比べものにならないほどの良いリズムで試合が展開されていく。9番に選ばれたジョニーが2ゴール、そしてセントロカンピスタのルセーもゴールを決めて4−1というスコアで試合終了。

延期試合を消化することができたため、試合数が他のチームに追いつき第24節が終了。残り10試合となったところで、2位エスパニョールBとの差は23ポイント。ということは、2位のチームが3連勝しようがバルサBも3連勝してしまえばリーグ優勝が決まってしまうことになる。

■FC BARCELONA
Sergi/ Dalmau/ Blanchart/ Gomez/ Baliu/ Rosell/Palau/ Roberto/ Luis(Reina 66')/ Jhony/ Ella(Ceballos 88')

*順位表は「試合日程・順位」から


第26節 スッキリせんのう!
(09/02/25)

ルーチョバルサーオサスナB
2−2

V.バスケスの長期負傷はチームにとって、そして何よりも彼にとって残念なものとなっているが、考えようによってはティアゴにとって大きなチャンスが巡ってきたことになる。ポジション的にも同じであるし、キャラクター的にも同じものを持っているし、ルーチョ監督が彼を信頼さえすれば、ティアゴにとってまたとない大チャンスだ。そして、その彼がスタメンに起用された。

オサスナBは兄貴チームと同じように激しいあたりをモットーとし、そしてどちらかと言えば守備的なチームで、守備をしっかりと固めカウンタアタックを狙ってくる。ボールを支配し、攻撃に走るルーチョバルサながら、この試合初めてのシュートが前半35分という、お互いにゴールチャンスがまったくない前半。ティアゴにもなかなかボールが回ってこず、どうもチームがうまく機能しない。そして後半、ルーチョ監督は左ラテラルのジョニーに代えてセントロカンピスタのロンガスを投入。ルーチョが監督になって初めての3−4−3システムの誕生。

だが、バルサのゴールはコーナーキックから生まれた。後半2分、ボティアのヘッドが決まって先制。もし、うまく機能しているチームなら、あるいは波に乗っているチームなら、地元での試合でもあるし、先制したのだからドドーッといくものながら、残念ながらルーチョバルサはそうならない。このゴールから5分後、3人デフェンサの弱点とも言うべき真ん中をうまく抜かれてオサスナBが同点ゴール。そしてバルサPK内でファールを取られてペナルティーとなり、気がついてみれば1−2というハンディー戦となってしまった。ここらへんが、どうもスッキリしないルーチョバルサチームです。それでも、ベンジャに代わって入ってきたマリックが試合終了間際に同点ゴールを決めて、かろうじて敗北は免れている。もっとも、このゴールは明らかなマリックのポルテロへのファールにより生まれたもの。相変わらずルーチョバルサの選手1人が退場となっているが、ついていた試合。

ペップバルサから招集外となり、ルーチョバルサでプレーしたV.サンチェスとペドロだが、まったくもって良いところなし。ジェフレンもいつものように消えていたし、新加入のベンジャにも存在感は感じられない試合。そして期待して見ていたティアゴも、V.バスケスと比較してしまうと明らかに遠く及びません。でも、残り試合を継続して出させてもらえば、それなりの結果はだすだろうと予測。そして早いところの、ガイ復帰が待たれる。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles(Abraham 62')/ Botia/ Fontas/ Joni(Longas 46')/ Xavi/ V.Sanchez/ Thiago/ Pedro/ Benja(Maric 79')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(09/02/20)

■フベニルA(第23節)■
バルサーシウダデラ
4−1

この試合で注目を浴びることになったのは、後半途中から出場してきたエトック選手。エトー財団から3年ほど前にバルサに入団してきた若干15歳のデランテロ。昨シーズンはカデッテBカテゴリーでスタートし、シーズン途中からカデッテAに昇進。そして今シーズンはフベニルB在籍でスタートしている。その彼がフベニルAカテゴリーでデビューを飾る試合となった。と言うわけで、試合翌日にはバルサ公式やメディアの間で大いなる賞賛を浴びることになったエトック選手。だが、個人的にはそれほど大騒ぎする気にはなれない。

15歳ながらアフリカ人特有のフィジカル面の強さをすでに持っており、18歳や19歳の選手たちと一緒にプレーしていても劣る感じはしない。身長はそれほどあるわけではないが、頑丈な体をしており、相手選手のあたりに負けることはあまりない。インファンティルカテゴリーからスタートし、そのフィジカルの強さを最大の武器として、デランテロを務めてきているが、ゴール数が驚くほど多い選手ではなく、シュートミスも非常に目立つ試合が多い。インファンティルにしろカデッテにしろ、彼の記録してきたゴール数は、かつてボージャンやガイがこのカテゴリーでプレーしていたときよりも圧倒的に少ない。そして何よりも、彼らに比べてフットボールセンスが欠如している印象を受けている。

もちろん、15歳という年齢でこのカテゴリーに上がってきたことは、評価の対象とするべきなのだろう。それでもメディアが持ち上げるほどの将来性があるかと聞かれれば、それは限りなく疑問符が付く。フィジカルの強さを持って勝負しているアフリカ系の選手の将来を予想するのは非常に難しい。

シウダデラ相手のこの試合に何の問題もなく勝利し、2位のマジョルカに相変わらず3ポイントの差をつけて首位のバルサ。次の試合はフエラでコルネヤとの非常に難しい試合。セントラルの要となっているバルトラが負傷してしまったが、果たしてこの試合に間に合うのかどうか。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Bartra(Polaco 39')/ Bolan~os/ Terron/ Sergi/ Fasciana/ Jonathan/ Ilie(Gerard 54')/ Rochina(Etock 63')/ Carmona(J.Luis 79')


■フベニルB(第23節)■
バルサBーメルカンティル
3−0

前回の試合に続いてセバージョスがスタメンで出場し90分間プレー。1週間前より大きくなった感じはないが、どこも負傷していないようで元気にプレーしていた。個人的にはまったくもって嬉しいニュース。このまま試合に出場し続け、継続性を与えられれば、かつてのような華麗なプレーが見られるかも知れない。

アルゼンチン人選手イカルディが久しぶりにスタメン出場。メッシー二世などと言うおおげさな前評判でバルサに入団してきた選手ながら、これまでの活躍度を見る限り、メッシー七世あたりというところか。特に凄い選手というイメージは伝わってこないが、まだバルサでのプレーに慣れていないのかも知れない。

シーズントータル34節のうち、すでに23節目(と言っても、バルサは他のチームより試合数が一試合少なく、実際は22試合目)となったメルカンティル相手の試合。この試合に勝利したことにより、これまでの成績は次のようになる。
22戦21勝無敗1分け64ポイント獲得、ゴール数79,失点12という恐ろしい記録を作っている。2位のエスパニョールも一試合少なく、彼らの獲得したポイント数は44。つまり2位に20ポイントもの差をつけていることになる。早ければあと数試合でリーグ優勝を決めてしまうかも知れない。

■FC BARCELONA
Carlos/ Dalmau/ Blanchart/ Gomez/ Baliu(Rosell 69')/ Gustavo/ Marti(Palau 76')/ Roberto/ Ella(Brian 80')/ Icardi(Jhony 60')/ Ceballos


■カデッテA(第19節)■
レイダーバルサ
0−1


■カデッテB(第19節)■
バルサBーコルネヤB
3−0

*順位表は「試合日程・順位」から


第25節 V.バスケスに捧げる・・・エンパテ
(09/02/18)

デニアールールーチョバルサ
0−0

今から5年程前に、このラ・マシアHP上で“黄金のインファンティル”と個人的に勝手に命名したチームがあった。将来を大いに感じさせてくれる素晴らしい選手が集まって構成されたチームであり、インファンティルカテゴリーではほぼ敵なしと言って良い状態だった。いま振り返ってみると次のような選手がいたチームとなる。ポルテロにアレックス(現フベニルB・A),デフェンサにモントヤ(現フベニルA)、バルトラ(現フベニルA)、テロン(現フベニルA)、プラーナス(現フベニルB)、セントロカンピスタにロメウ(現フベニルA)、マルティ(現フベニルB)、そしてデランテロにガイ(ルーチョバルサ)、パチェコ(リバプール)、ロチーナ(フベニルA)といった面々だ。今年18歳となる1991年世代であり、ほぼすべての選手がスペイン、あるいは自国のアンダーカテゴリー代表に選ばれている。1つのチームを構成していた選手たちが、これほどまでに足並みをそろえて順調に成長することは珍しい。

ガイはすでに昨シーズンからバルサBでプレーしている。この“黄金のインファンティル”時代の翌年に、カデッテBチームに合流してきたティアゴもまた、今シーズンからルーチョバルサ組員となっている。ロチーナもすでに何回かルーチョ監督に招集されている。そして今回の試合で、オリオル・ロメウ(今シーズンすでに1回だけルーチョバルサチームでプレーしている)とカルラス・プラーナスの二人が招集されることになった。

前回の荒れた試合で、デフェンサ・セントラルのベルデスとボティア、そしてセントロカンピスタのアブランがそれぞれ退場となっているので、この試合には出場できない。また、退場とはならなかったものの、ジョニーも5枚目のカードをもらってしまったのでお休みというルーチョバルサ非常事態。こういう時にこそ下のカテゴリーで活躍している選手の登場となるが、ルーチョ監督はフベニルAからオリオル・ロメウ、フベニルBからカルラス・プラーナスを招集し、二人ともスタメンで出場している。

だが、ルーチョバルサの抱える問題は、真ん中から後ろの方ではなく、真ん中から前の方だ。特に、真ん中から攻撃の起点となるV.バスケスが抜けてしまうと、どうにもこうにも機能しなくなってしまう。その彼はつい先日手術をおこなって、復帰可能となるのは来シーズンが始まってから。そのV.バスケスの変わりに活躍しなければならないティアゴは不思議なことにベンチに座っていた。ここら辺がどうも理解できないルーチョバルサ。

試合内容といえばひどいの一言で、お互いにエンパテ狙いという雰囲気が伝わってくるものだった。あえて危険を犯さずに自陣を固め、相手ミスを待っての攻撃。ペップバルサとルーチョバルサでは戦いのフィロソフィーも違うようだ。唯一の収穫は、緊急事態ということで招集されたロメウとプラーナスの二人が、合格点をあげられる立派な活躍をしたことぐらいだろう。

二部Bカテゴリーでプレーしているとはいえ、そしてバルサのフィリアルチームであるとはいえ、良い試合結果をだすのがルーチョ監督の役目の一つ。そしてこのバルサフィリアルチームの監督にはもう一つの大事な役目があることを忘れてはいけない。将来ある若手の選手の成長を助けること。この点に関しては、これまでのところ残念ながら“結果”をだしていない。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Romeu/ Fontas/ Planas/ Xavi/ V.Sanchez/ Rueda(Thiago 41')/ Pedro/ Benja / Jeffren(Rayo 70')

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(09/02/12)

■フベニルA(第22節)■
ラ・サージェーバルサ
0−1


■フベニルB(第22節)■
バルサBーカステルデフェルス
5−2

久しぶりに見るセバージョスは、体の線が細いのは前と変わっていないが、以前見たときより身長が伸びている。ひょっとしたら170センチ近くありそうな感じ。まだ体に肉が付いていないとはいえ、フィジカル的にはこのカテゴリーの選手として合格印をあげられる。そのセバージョスがスタメンで出場し、なんと90分間プレーしたというのがこの試合のビッグニュース。たぶん、今シーズン初のことだろう。そのセバージョスが先制点を決めている。彼のポジションはもちろん左エストレーモ。

もっとも、セバージョスの魅力はゴールの嗅覚というよりは、ラストパスの素晴らしさとそのセンスの良さにあると思っている。ここ最近、エトー財団から多くの選手が加入し活躍しているが、それはフィジカルの強さを持ってのもの。そういう傾向にあるバルサインフェリオールカテゴリーの中にあって、フットボールセンスで勝負する少年のプレーは見ていて楽しい。この試合で90分間プレーしたことで、少しでも自信が戻ってくればみっけもんだ。

ここ何試合かグスタボという、今シーズンでバルサ3年目を迎えるポルトガル人選手が活躍している。これまで控え選手となっていることが多かったグスタボだが、ようやくスタートから出場してくるようになり、ゲームメーカーとしての才能を発揮しつつあるようだ。身長はそれほどないが体がガッシリしており、相手選手の強いあたりにも負けないセントロカンピスタ。ティアゴ、彼の弟のラファ、ジョバニの弟のジョナタン、そしてこのグスタボと、ブラジル・ポルトガル系の面白いセントロカンピスタの選手が多い。

■FC BARCELONA
Sergi/ Dalmau/ Blanchart/ Baliu/ Planas/ Gustavo/ Marti(Rosell 59')/ Roberto/ Carmona(Reina 66')/ Etock(Icardi 59')/ Ceballos


■カデッテA(第18節)■
バルサーナスティック
2−1

ポル・ラポルタ、前回の試合では右エストレーモ選手としてスタメン出場し、今回の試合では右インテリオールのポジションでやはりスタメン出場している。カデッテカテゴリーの選手としてはとても体が小さく、いかにも華車な感じのする選手。だが、同じセントロカンピスタとしてプレーしていたチャビやイニエスタにしても体の小さい選手だったから、バルサインフェリオールカテゴリーに所属する選手にはありがちなことだ。だが、このポル選手と、これまでカンテラ組織でプレーしてきた多くの“小さい選手”と明らかに違うことは、残念ながらポル君にはフットボールの才能が見られないことだ。

この試合を見ていても、なんだか可哀想になるくらい、他の選手たちとレベルが違う。とてつもなく違う。それでもこのクラブの会長をしているお父さんが応援に来ているから、コーチとしては前半だけでも少年を起用せざる終えない。それは常にスタメンに相応しい選手を起用することが義務づけられているコーチとしては失格と言っていいが、まあ、何となく理解できることでもある。こういう根性なしコーチを認めるかどうか、コーチとして失格かどうか、という議論は別として、このぐらいのカテゴリーであるなら“コネスタメン”もあり得る世界なのかも知れない。

それにしても、この少年にとっても、自分の実力に相応しいところでプレーした方が楽しいだろうし、つまるところ彼のためでもあると思う。実力がありスタメンに相応しい他の少年やその両親のことを考えれば、彼らも可哀想だ。ことが微妙な問題なだけにメディアも取りあげることは今のところない。だが、いずれ時間が解決してくれるだろう。間違ってもフベニルカテゴリーでプレーできる実力はないし、根性なしコーチばかりいるわけでもない。

■FC BARCELONA
Yannick/ Carmona(Sanmartin 64')/ Edu/ Vuchu(Adria 49')/ Joshua/ Bacary/ Laporta(Patri 41')/ Rafa(Roger 49')/ Ernesto(Ateba 65')/ Pablo/ Gerard(Marc 53')


■カデッテB(第18節)■
ジュニオルーバルサB
2−2

*順位表は「試合日程・順位」から


第24節 バルサ8人での勝利!
(09/02/10)

ルーチョバルサービジャレアルB
3−2

この試合にティアゴは出場できない。カナリア諸島で開催されている“Torneo Internacional Juvenil Copa del Atlantico(国際ジュニアアトランティックカップ)”にスペインU18代表の1人として参加しているからだ。バルサからは彼以外にもフベニルAのロチーナ、モントヤ、バルトラなども招集されており、彼らもまた週末の試合には参加できなかった。A代表だとかU21代表だと、自国のリーグ戦に合わせたスケジュールで国際試合がおこなわれるが、このカテゴリーあたりとなるとその辺はいい加減だ。したがって、招集選手の多いバルサは非常に損をすることになる。プンプンプン。

日曜日の16時30分試合開始。19時からはお隣のカンプノウでヒホン戦が始まるから、それに合わせた試合開始時間。したがって、後半戦あたりからチョイとのぞいてみようかという野次馬ソシオが多く見られた。相手は首位を突っ走るビジャレアルBの強豪チーム。現在のルーチョバルサでは、いかにミニエスタディでの試合とはいえ、とてもとても勝ち目はありません、という試合開始前の個人的な予想。そして、予想はいつものように外れた。

前半戦半ばでロンガスの先制点。これはいいぞと思いきや、すぐさまV.バスケスが左足だったか右足だったかを踏まれ、担架で退場。たいした怪我ではないといいと思っていたが、どうやら今シーズン終了してしまったようだ。ルーチョバルサにとって痛々しい負傷だが、何よりも当人のバスケスにとって不幸な長期負傷。まったくもって、ツキがない選手です。そして前半終了間際、バルサPKエリア内でボティアがハンドをしたという、主審のみが見たファールによりPKをとられ同点。バスケスの足を踏んだ野郎にはカードも出ず、有りもしないボティアのハンドにカード。何やら雰囲気の悪い後半戦になりそうな予感。そして、この予感は的中、エッヘン。

後半半ばにジェフレンがゴールを決め、そしてすぐにルエダまでがゴラッソを決めてしまう。これで3−1。いいぞいいぞという、ミニエスタディ久しぶりの盛り上がり状況。その良い雰囲気に水を差すように、ビジャレアルBがゴールを決め3−2。そしていよいよこの日の主役、ナントカ・カントカ主審が試合終了15分前あたりから、待ってましたとばかり登場。まずボティアが2枚目のイエローカードをもらい退場。しばらくしてベルデスにも2枚目のカードが示されて退場。そうこうしているうちに、ルーチョバルサの2回にわたるゴールをオフサイドとして無効にされ、もうヤカンが沸騰状態となっているような雰囲気のミニエスタディ。もっとももっと主役になりたい審判は、見ているものには理由もわからずアブランに赤い紙を示して一発退場。なかなかやりますこの審判。そして残り10分ぐらいの間、ルーチョバルサは8人で戦うことになってしまう。だが、ルーチョ監督ご自慢の根性でどうにかこうにか逃げ切り、首位のビジャレアルBをブッ倒した。

次の試合には今シーズンが終了したバスケスはもちろん、カード制裁を喰らっているボティア、ベルデスという2人のセントラルとアブランが出場できない困った状況。だが、得てしてこういうファイティングな試合をきっかけとしてチームがまとまってくることがある。そういう意味で、ルーチョバルサ上昇カーブを描きそうな予感。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes/ Botia/ Joni/ Xavi/ Longas/ V.Vazquez(Abraham 14')/ Rueda/ Maric(Benja 61')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(09/02/06)

■フベニルA(第21節)■
バルサーフェリオレンセ
3−2

先週末は多くの地方で強風が吹きまくったと思ったら、今週末はとんでもない大雨が降り続ける土日となってしまった。この試合がおこなわれた日も、バルセロナは朝から大雨。それでも相手が遠くから来ているチームということもあり、試合決行。そんなわけで、いつ中止となってもおかしくない90分間の戦いとなりました。こういう試合はテレビ観戦がラクチンです。

スタメンを見てみると、モントヤとテロン、そしてオリオル・ロメウという、これまでの絶対スタメン選手が不在となっている。試合後の監督のコメントを聞くと、どうやらテロンとモントヤは試合出場数が多かったため疲労気味と言うことで、前者はは招集さえされず、後者はベンチスタートということになったようだ。そしてオリオル・ロメウは負傷中により欠場。テロンの代わりにフベニルBでプレーしているカルラス・プラーナスが入っている。プラーナスにとってフベニルA初招集初出場となった。そして何の問題もなく90分間活躍している。かつての左ラテラル選手セルジ・バルジュアンがバルサを去ってから、カタルーニャ出身の左ラテラル選手は育ってきていないが、現在のところプラーナスが唯一カタラン人で左ラテラルを務めている。まあ、出身がどこであれ、カンテラ中のカンテラ選手だけに今後の成長を大いに期待。

この試合前に、ルーチョバルサにデランテロ選手が新加入してきたというニュースが流れていたから、ロチーナにとっては、複雑な気分で迎えた試合となっただろう。マリックと新加入選手の二人のデランテロがルーチョバルサにいるということは、彼の招集の可能性は、これまで以上に少なくなったことを示す。そして、この試合でバルサ2点目となるゴールを決めていた。大雨の中を見に来ていたルーチョ監督の目の前で決めたゴールだった。

1点目のゴールを決めたのはデフェンサのバルトラ、2点目がロチーナ、そして3点目はやはりデフェンサのモントヤ。と言っても、この試合では後半途中から右エストレーモのホセ・ルイスに代わって入ってきて、そのままエストレーモのようなところでプレーさせられている。彼の母親が突然死を遂げてからすでに4か月近くたっているが、それ以来の初ゴールということもあってか、ポルテロを含めたすべての選手が寄ってきて大祝福。大雨が降る中、空から見守り続けている母親に両手を差しのべているシーンは、なかなか感動もんです。

先週末の試合でマジョルカに敗れて首位の座を彼らに譲ったバルサだが、今週末の試合ではマジョルカが引き分けという結果に終わったため、フェリオレンセ戦に勝利したバルサが再び首位に返り咲いている。

■FC BARCELONA
Diego/ Bolan~os/ Pere/ Bartra/ Planas/ Sergi/ Ilie(Fasciana 73')/ Jonathan(Polaco 61')/ J.Luis(Montoya 67')/ Rochina(Anselmo 73')/ Gerard


■フベニルB(第21節)■
プラッツーバルサ
1−2


■カデッテA(第17節)■
バルサーフィゲーラス
5−0


■カデッテB(第17節)■
サンタクラウスーバルサB
1−0

*順位表は「試合日程・順位」から


第23節 惨敗
(09/02/03)

バレアーレスールーチョバルサ
3−2

プレステージの試合がすでに始まっていた去年の8月頃、ルーチョバルサに新しいデランテロ選手が加入してきている。だが、その選手は練習試合に1回も出場すらせずに、どこかのクラブにレンタルされてしまった。そしてそれから半年たった今年の1月、その選手がルーチョバルサチームに再び加入してきた、というか戻ってきた。

1987年8月23日、チャビと同じようにテラッサ生まれのベンジャミン・マルティネス、通称ベンジャと呼ばれる21歳になるデランテロがその人。カタルーニャ州内のいろいろなクラブを転々としていたようだが、昨シーズンはエウロッパというチームに所属していて、ペップバルサと試合するためにミニエスタディに来ている。そして昨年の夏にバルサと契約し、その後すぐにレウスという、三部リーグでプレーしているチームにレンタルされていた。もしゴーラン・マリックが期待通りの活躍をしていれば、もしロチーナがルーチョ監督のお気に入り選手となっていれば、この選手のこの時期における加入はなかっただろう。デランテロ不足という悩みを持つルーチョバルサだけに、入団が発表されてから2日後のこの試合にさっそく招集されている。

ガイが負傷中であることをのぞけば、ペドロやVサンチェスが加わり、ジェフレンやノリート、マリック、新加入選手などもいるルーチョバルサだから、ほぼベストメンバーでのぞめた試合。いかにフエラの試合とはいえ、相手は最下位をうろつきまくっているチームだけに、ここは勝たなければいけない。だが、勝てない。これまでのように引き分けにすることもできずに、来シーズンは三部リーグに降格するであろうチーム相手に情けない敗戦。まったくもってみっともないったらありゃしない。ポルテロのミーニョが2回もPKを止めたというのに、それでもこの結果というのは情けない。
「すべての選手が最後までよく頑張っていたと思う。」
コーチの誰かさんが試合後にこう語っていたが、それは小さいチームのコーチの言葉。どんなに頑張っても勝てないエスパニョールの監督ポチェティーノに似合う言葉ながら、最下位相手の試合に負けたバルサのコーチが言う言葉じゃない。

10月26日第10節のフエラの試合で勝利して以来、13試合続けて負け知らずでやって来たルーチョバルサがついに負けた。もっとも、フエラの試合で勝ったのはこの最初の試合のみで、残りの5試合はすべて引き分け。13試合無敗と言っても6勝7分けという成績だったから、勝ちより引き分け数の方が多かった。

将来が楽しみな選手たちの成長が見られないうちにリーグ後半戦に突入し、チームそのものも決してうまく機能はしていない。まあ、チーム総体がうまく機能しないというのは、監督としては大いに問題となることだろうが、個人的にはそれは良しとしよう。ただ、若手の成長が見られないというのは大いに困ったことだ。ジェフレン、ペドロ、Vサンチェス、ティアゴ,ガイ、これらの選手の中で昨シーズンより“明らかに成長”したという選手を見つけるのに苦労する。リーグ戦が始まってからすでに半年たつというのに、ポルテロのミーニョの活躍だけが印象に残るものとなっているというのは、いやはや困ったチームだ。

■FC BARCELONA
Min~o/ Corcoles/ Verdes/ Fontas/ Joni/ Xavi(Longas 76')/ V.Vazquez(Nolito 85')/ Thiago/ Pedro/ V.Sanchez(Maric 82')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から