8日木曜日の午前10時、レオ・メッシーはエル・プラット空港に到着している。両親のホルヘや何人かの家族も一緒だ。行き先はドイツ。ワールドカップ抽選会前夜祭の主役の一人として招待されていた彼は、ワールドカップのスポンサー会社であるマクドナルドが用意した専用ジェットに家族と共に乗り込み約2時間の空の旅を楽しむ。機内食はもちろん特別ハンバーガーだ。
アルゼンチンで流されるマクドナルドのCM(メッシーが主役)キャンペーンも兼ねているものの、あくまでも抽選会前夜祭に招待された主役の一人であるレオに世界各国から押し寄せたジャーナリストから質問が次々と飛ぶ。約2時間にわたってジャーナリストのお相手をしたレオ・メッシー、すでに抽選会場に集まってきている多くの“元クラック選手’たちを準主役にしてしまった。そしてその夜、金曜日の午前中の練習に参加するために再び家族たちと専用ジェットに乗り込みバルセロナに戻ってきた。だが抽選会場では多くの“元クラック選手’たちが彼に関する話で盛り上がっていたという。
例えば、ドイツのオラゲール、フラン・ベッケンバウアーは彼に関して次のように語っている。
「現在のバルサのように11人だけではなく、多くの素晴らしい選手がいるチームの中でポジションとりに成功しているというのは凄いことだ。私は他のクラブで経験を積んでバルサにやって来た25歳とか27歳の選手のことを言っているわけではない。まだ18歳になったばかりの若者のことに関して言っているのだ。しかも今回のワールドカップで大活躍する印象を与えてくれている。本当に楽しみな選手だと思う。」
そして女性問題ではクルービーにも負けないくらい話題を提供してくれるマタウスも、男レオ・メッシーには無関心ではいられない。
「マドリ対バルサというクラシコな試合を見るチャンスがあったが、彼が繰り広げたプレーは尋常なものではなかったよ。クチカル選手を相手にあれだけのことができる選手は世界中見渡してもなかなか見つかるもんではないさ。あのリズムの変化やボール扱いのテクニックはまるで20年間もこの世界で生きている選手のようだった。気に入ったね、あの若者。ところで、彼にはお姉さんいる?」
マルセロ・リッピーはガンペル杯で初めて生メッシーを見た一人であり、そして彼に惚れてしまった一人でもある。
「名前だけは聞いていたが、あの試合で初めて見たメッシーには本当にビックリした。彼の相手をしたのはどこにでもいるデフェンサというわけではなかった。あの経験豊かなユーベのデフェンサ連中がああまでからかわれるのは見たことがない。あの年齢の若者には不可能なことを再三にわたって見せてくれたからね。もちろん驚いたのは私だけではなく、イタリアのすべてのメディアがそうだったようで、あの日以来、どこのクラブがメッシー獲得を狙っているかとか、そういう話題で三日間ぐらい騒がしかった。」
ジュリーがバルサに在籍しているからか、プラティニはもうかなり前からメッシーの才能を高く評価している一人だ。
「バルセロニスタという特にスペクタクルを要求するファンがいることも考慮にいれなければならないが、もう少しスタンドプレーを押さえればもっと良い選手になると思う。だが、それでも彼の才能の素晴らしさを認めないわけにはいかないだろう。スピードの強弱の付け方、ボールを持ってのリズムの変化の付け方、持っているボールを相手デフェンサから守ることの才能、すべてが超一流と言える。とにかく素晴らしい選手だ。」
いやあ、照れちゃいますな、ハッハッハッ。もっと、褒めてやってください。
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