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2008年最終戦の話題は・・・
(08/12/20) ここ20年間のスペインリーグ優勝チームの一覧表を見てみると、バルサが8回、マドリも8回、バレンシアが2回、そしてコルーニャとアトレティコがそれぞれ1回ずつリーグ優勝を達成している。単純に総括してしまえば、5シーズンのうち4回は、バルサかマドリがリーグ優勝することになっており、他のクラブが優勝カップを手にする可能性は5年に1回しかない。別の言い方をすれば、80%の可能性でバルサあるいはマドリが優勝してきていることにる。したがって、今シーズンはマドリに12ポイントも差をつけているバルサなので、優勝カップがどうぞどうぞとばかりにすり寄ってくる可能性は大だ。もちろん、20%の可能性でバレンシアやセビージャあたりが優勝する可能性も当然ながら残っているから、8ポイントという大差ながら、2位にふんぞり返っているバレンシアにも注意を払わなければならない。セビージャやビジャレアルにも気をつけないといけない。したがって、彼らの負けを期待するのはごく普通のことで、バルセロニスタの誰もが願う常識的なこと。 そして今週末は、首位のバルサを8ポイント差で追うバレンシアと、12ポイントもの差をつけられて6位に低迷するレアル・マドリが対戦するベルナベウでのマドリ・バレンシア戦。ビジャレアルにバルサが勝利すると、図々しくも勝手気ままに予想した上での話しながら、もし2位につけているバレンシアが負けるとすれば、首位バルサとの差は11ポイントと大きく開くことになる。地元で戦う6位のチームがそのバレンシアに勝利したとしても、バルサとのポイント差は12と、天文学的な数字には変わりがないから、バルセロニスタとしては当然ながらバレンシアの負けを期待する・・・かというと、そうでもない。それは誰しもが期待する常識的なことであるにもかかわらず、そう単純に割り切れないところが、バルセロニスタの複雑怪奇さを示している。 スペイン人は議論好きで知られる国民。したがって、クラシコが終わった今でも、議論のタネがとぎれることはない。そしていま、バルセロニスタの間で最も論議の的となっているもの、それはバレンシアに勝って欲しいか、あるいはマドリに勝って欲しいか、そういう深刻にして重要なテーマだ。 マドリが負けバレンシアが勝って欲しいと思う人々の理由は二つある。一つは、現在の彼らの順位がどうであれ、やはりリーグ優勝を争う最大の敵はマドリであり、できる限りポイント差を広げておきたい、これが一つ。そしてもう一つは、今シーズンのリーグ優勝を争うライバルとなるかは別として、限りなくマドリの不幸を楽しみたいと思う人々。来シーズンのチャンピオンズ参加はおろか、UEFAにも参加できない“地に落ちたレアル・マドリ”を願うこれらの“不健康”なバルセロニスタの数は非常に多い。マドリの勝利、バレンシアの敗北を期待する人々の理由は、もちろんバルサリーグ優勝の可能性を大きくするものだからというものだ。バルサが優勝できるなら、マドリなどどうでも良いという“健康的”な人々とも言える。そしてこれを第三者的に書いている“こちらカピタン”担当者と言えば、間違いなく“不健康”な部類に入ります。これを読んでいるあなたは、果たして“不健康”組か、はたまた“健康”組か?あるいは、その二つを足して二で割った感じの“引き分けという結果が最高!”組か? と、ナンダカンダとくらだないことを言いながら年内最終戦。ここまでのペップバルサに感謝し、そして来年もこの好調が続きますよう! ※チャンピオンズ抽選会。かつての“栄光のレアル・マドリ”であったなら、オポルトとかパナティナイコスあたりとのラッキー対戦となることが多かったのに、なんとリバプールなんぞというハズレ券を引いてしまっている。するってえと、やはりグループ戦2位で終わった時はその先に進めないというジンクスは、まだ生き続けることになりそうだ。バルサはリヨンと対戦。アーセナルとの対戦を期待していたが、まあ良いでしょう。どこからでもかかってきなさい。 |
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セルヒオ・ブスケ逸話
(08/12/19) まだエリートチームにデビューして半年のセルヒオ・ブスケは、まったくの新人選手と言っていい。だが、親父が元バルサ選手ということもあるのか、ちまたに流れる逸話の多い選手でもある。ここで紹介するいくつかの彼にまつわる逸話は、すべて親父がらみ。ブスケ息子の逸話と言うよりは親父のそれとすべきかも知れない。あるいは熱血親父とその血をひく息子の逸話としたほうがいいかも知れない。 ●まず一つめ。これは8月のこのコーナーで触れたもの。 ●二つめ ●三つめ ●四つめ |
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クラシコ終了
(08/12/17)
フアンデラモス新監督の任務は二つ。最大の任務にしてこればっかりは譲れないもの、それはなにが何でもリーグ戦4位以内に入ることだ。来シーズンのチャンピオンズ決勝戦(つまり2010年5月)はベルナベウで開催されることがすでに発表されている。地元ベルナベウで決勝戦がおこなわれるこの大会に参加できないとしたら、それこそ笑い話のタネとなることは間違いなし。是が非でも4位以内に入り参加権を獲得しなければならない。それが一つ。そしてもう一つは、今シーズンのチャンピオンズの戦いにできる限り残り続けること。すでに国王杯の大会にはギブアップ宣言してしまっているし、リーグ優勝も絶望となっている残り半年間、メレンゲ族共の怒りを最小限に留めるにはチャンピオンズに残り続けること。試合内容がダメ、リーグ戦奪取も可能性ゼロという状況のシーズンには、チャンピオンズもダメというバルサとは違い、彼らはそれを可能とする歴史を持っている。リーグ戦7位というみっともない成績でシーズンを終了しようが、チャンピオンズを制覇することを可能としたクラブだ。クラシコでの“健闘”をもって、“リーグ後半戦での怒濤のような反撃”を歌うマドリメディアながら、彼らも決してバカではない。レアル・マドリの今シーズンの目標はこの二つに絞られている。 国王杯ではすでにバルサとは無関係なチームであり、リーグ戦でもほぼバルサと無関係な対象となったいま、再び彼らと遭遇する可能性があるとすれば、それはチャンピオンズしかない。これまでグループ戦2位という結果で終わった場合、常に次のラウンドでスッテンコロリンしてしまう歴史を持つ彼らだから、バルサと遭遇する前に早期辞退の可能性も大きい。してみると、もうレアル・マドリのことをからかうことができなくなる可能性もあるわけで、それはそれで寂しいことになる。これからの彼らの話題と言えば、冬のメルカードで誰を獲得するかというくだらないものとなるだろうが、突っ込みどころの多いクラブだから、何か触れたくなるようなことが発生することを期待してしまう、余裕しゃくしゃくのこちらカピタン。 さて、これまで自分の目で見てきたペナルティー担当者の中で、最も優秀な資質を持つ選手はクーマンだと思っている。何シーズンにわたって彼がペナルティーを担当してきたか知らないが、クーマンがそれを外した覚えがあるのはせいぜい2回ぐらいだろうか。したがって、彼が現役選手でいる間は、バルサにとって、ペナルティーはゴールの合い言葉だった。そして、まだ担当する回数が少ないながらも、メッシーにクーマンと似たような資質を感じている。ボールを見ずにポルテロを見ながら蹴るあの姿勢はまさにそっくりだ。ゴールネットに向かうボールのスピードも似ている。決して目を見張るような超特急のスピードではなく、ポルテロのいないところを狙っての、まるでアンリのバックパスシュートのようなゆっくりとしたスピード。 誰がペナルティーを誘ったのか自分のところからはまったく判断できなかったが、審判の笛が吹かれペナルティーとなり、エトーがボールを持った瞬間、周りから“ノー!ノー!ポルファボール!”という大きな独り言が流れる。誰もがエトーのペナルティーの才能は二流だということぐらいわかっているのだ。超一流選手がクーマンとロナルディーニョ、メッシーだとすれば、一流はロマリオ、リバルド、チャビ、少し譲ってウリスト、そして二流がコドロ、フィーゴ、クルービといったところであり、エトーがこの領域に入ることぐらい誰もが知っている。だから、ため息もでるというものだ。なにゆえ、担当者をメッシーと決めてしまわないのか。そこが理解できない。グランド内、グランド外を問わず、こまかいすべてのことに執拗にチクチクとやっているペップ監督であるというのに、なにゆえこんな大事なことを放っておくのか。シーズン開始当初ゴタゴタしたこともあり、エトーに遠慮しているという可能性もあるのだろうか。いや〜、よくわかりません。 年内カンプノウ観戦終了。それも“大雨の中のずぶ濡れ観戦クラシコ”という、なかなか特徴ある試合となった。相手チームのとった戦術だけを見れば、カテゴリー降格を避けようとするヌマンシアとかレクレとかいうチームと戦っているような感じだったが、選手の1人1人の名前や着ているユニフォームを見れば、やはりレアル・マドリだった。クラシコの勝負としては5−0の試合に次いで、あるいは同じように忘れられないものとなりそう。 ※監督同士の問題発言もなければ、選手たちのそれもなかったクラシコ退屈週間。それはグランドの中でも感じられた。マドリの選手が1人ずつ交代にメッシーの左踵を襲いかかったというのに、それらの選手に対して詰め寄る1人の“ウリスト”もいなければ、1人の“ガッツ・エンリケ”もいなかった。遠くから見た印象ではトゥレ・ヤヤのみが詰め寄ろうとしていたようだが、それも我らが“カピタン”に止められていたようだった。紳士的と言えば聞こえは良いが、売られた喧嘩は買うべしと教わった江戸っ子には何とも歯がゆいのう。 |
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FC BARCELONA 2 - 0 REAL MADRID 1-0(83M) ETO'O [出場選手] |
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「まるで大量得点でマドリに勝たなければならない雰囲気となっているように感じられるが、そういう浮ついた気持ちでこのクラシコを迎えてはならない。個人的にはベルナベウでのパシージョのことも、4−1で敗北した時の屈辱感もすでに忘れてしまっている。あの日のことはすべて脳裏の中から消えてしまっている。したがって、今回のクラシコを復讐戦などと思ったことは一度もない。お互いライバルらしく、正々堂々とした勝負をし、勝利に相応しいチームが栄光を手にすることを願っている。ビスカ!カタルーニャ!」 「我々の目標はこの試合に勝利すること、それだけだ。それが唯一の目標であり、是が非でも実現しなければいけないこと。大量得点で勝利しようが1ゴールで勝利しようが、勝ちポイントは同じ3。しかも、この試合に勝利すればマドリに12ポイントもの差がつけられる。自分の希望は勝利すること、ひたすらこの試合には勝利すること、それ以外にない。ビバ!エスパーニャ!」 だが、それでもだ、彼らの言葉を良しとしながらも、まさか“あの日”の屈辱を忘れたわけではないと思いたい。胸のエスクードが泣いた“あの日”、今からちょうど7か月前の“あの日”の屈辱感を忘れているわけではないだろう。伝統あるクラブの会長に相応しいかどうかは別として、パルコ席で多くのマドリディスタに囲まれながら90分間も屈辱に耐えたラポルタだから、悔し涙の一つも流しただろう。カピタンの1人として屈辱的な敗北感を味わったであろうチャビにしても、決してあの風景が脳裏から消えているわけではないだろう。 優勝チームを祝うパシージョは仕方がない。彼らの優勝を許したバルサの監督、そして選手たちが悪いのだから、それは仕方がない。テレビ画面で見ている方としても、パシージョを構成した彼ら選手と同じような屈辱感を抱きながらも、その風景は許すことはできた。だが、許せないのは、このパシージョから逃げた何人かの選手たちと、そして試合での戦う姿勢だ。4−1という結果以上に、どこまでも情けなかった彼ら選手たちのプレー姿勢だ。まさに敗北者の見本と言っていい姿が、バルサの伝統あるユニを着こんでベルナベウに恥をさらしてくれた。ラウルの1点目、ロベンの2点目、イグアインの3点目、バンザマンの4点目、バルデスの苦々しい表情、そしてベンチに座るエウセビオとライカーの“無表情”な表情を忘れない。今回の復讐戦がハリウッド映画のようにハッピーエンドで終わり、地獄の思いに決別がつく明後日の日曜日の朝まで忘れることはない。 クラシコの週だというのに、お互いに挑発的な発言もなければ、メディアを騒がすような事柄もなかった。紳士があまりにも増えてしまって、カフェインのないコーヒーというか、炭酸の抜けたコーラのようというか、あまり刺激のないクラシコ前。ウゴ・サンチェスもいなければ肘鉄イエロもおらず、おしゃべりカルロスもいない。もちろんバルサにも、ウリスト・ストイチコフはいない。もし彼がまだフラウグラーナのユニを着こんでいたとしたら、“復讐だ!復讐だ!復讐戦なのだ!”と叫んでくれたかも知れない。そう、このクラシコは復讐戦。誰が何と言おうと復讐戦。この期に及んでの監督交代劇などという、まるでマジシャンの放つ白い煙幕みたいなものに欺されることはない。勝利はあくまでも最低限の義務であり、“あの日”の屈辱感から解放させてくれる、マドリディスタにとって屈辱満載な勝ち方をしなければならない。彼らのエスクードを泣かしてしまえ。次のクラシコまで彼らの脳裏から消えないような、屈辱的な勝利をすべし。目には目を、歯には歯を、屈辱には屈辱を、4−1には4−1を、いざ、復讐の炎を燃やしちまえ〜い! バルセロニスタであることは最高のことだ!と歌う、 バモス!バルサ! |
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レアル・マドリのオフィシャルページに掲載されている一部チーム登録選手リストによると合計数22人。この中からクラシコ出場可能・不可能選手をリストアップしてみると次のようになる。 ●出場不可能選手(8人、実に8人!) ●非常に微妙なところ ●出場可能選手(ポルテロ3人!を含めて15人) 新監督フアンデラモスは試合前日土曜日の午後に招集選手を発表。そして、クラシコ惨敗を喫することになるマドリ様御一行は夜に入ってからバルセロナへと飛んでいる。マドリッド→バルセロナへのシャトル便に乗った19人の選手は次のとおり。面子オーバーなのでこの中から1人が二抜けとなり、ベンチから外れることになる。最初の11人がスタメン予想選手。誰がスタメンで出場してこようが大した変化はないが、もし、これまで1回も合同練習に参加できなかったエスナイデルが出場してくるようなことがあったら、それは彼らの危機状態を、それも想像以上の危機状態を表していることになる。 カシージャス してみるとナンだ、このメンバーでは4−4−2も5−4−1も可能だが、恥も外聞もなくガチガチに守ってやるぞぉ5−4−1システムになると予想! |
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今回のクラシコはここ何年かのそれに比べても、特別と言っていいほどバルセロニスタには観戦希望の強いものとなっている。絶対的な優位をもった戦いとなることは誰もが予想することだし、久しぶりのクラシコ勝利が大いに期待できるものだからだ。したがって、ここ2、3年のクラシコと比べても、入場チケットを手に入れるのは難しいと考える人が多い。手に入れる方法は、現地に行ってダフ屋と交渉するか、あるいはダフ屋以上にとてつもない値段をふっかけてくるチケット屋で前もって買って現地を訪れるか、その二つと考えてしまう。だが、実際はもっと経済的にチケットを“正式に”購入することができるんだなぁ。 今週の初め頃から、ランブラス通りに面した外国人宿泊客の多いホテルなどでは、カウンターなどで少々値段の張るチケットを用意してくれている。この試合のチケットはカンプノウチケット窓口では販売していないから、企業向け招待チケットやソシオアボノカードをどこからか手に入れてのものとなる。今回の例で言えば、試合2日前の相場がだいたい300ユーロ前後となっているらしい。カンプノウ周辺でもダフ屋が毎日のようにでているが、その彼らが売っているチケットの値段も300ユーロから400ユーロとなっている。それでも日本の丸儲けチケット屋が売っているものよりも、現地のダフ屋のそれの方が安いのではないだろうか。 だが、ダフ屋に良い思いをさせず、丸儲けチケット屋の懐を暖かくすることもなく、もっと安く手に入れる方法がある。それは、正式にチケットを購入する方法だ。 バルサ公式サイトをのぞいてみると、チケット販売に関するセクションがあり、今回のクラシコで言えば、木曜日からソシオ専門にネットでの売り出しを始めた。朝の10時に売り出されたのが3千枚チョット。シエント・リブレ方式を利用して、この試合に行かないことを決めたソシオアボノ(年間指定席所有者)の席だ。24時間だけソシオ専用に売り出し、金曜日の午前10時からは一般向け販売というシステムをとっている。すでにソシオになっていた日本からやって来た友人は、木曜日の夜にラクラクとそのバルサ公式サイトを通じてチケットを購入。販売を開始してから10時間以上たつというのに、チケットはかなりあまっている。そして金曜日、今度はソシオでも何でもない友人がやはりこのネット購入にチャレンジ。朝の10時にアタックをかけたところ、無事にチケット購入。ここ何年かでカンプノウでの試合で最も手に入れるのが難しいと予想された今回のクラシコにしてこうなんだから、普通の試合となるともっと簡単に、しかも経済的に手に入れることができるのだ。 そしてそのクラシコまで24時間。クラシコ前日の合同練習にイニエスタがついに参加してきたという嬉しいニュースは別として、もし、ライカーバルサであれば、この時間当たりから選手たちは集合を命じられ、試合前日の夜はホテルでの缶詰状態となっていた。だが、ペップバルサは少々違うシステムをとっている。試合前日の練習が終わり次第、すべての選手は自宅に戻って土曜日の朝を待つことになる。試合当日土曜日午前10時30分カンプノウに集合し、当日の練習が始まる。練習時間は約1時間。そして1時過ぎに全員で昼食をとり、その後は再び解散し、それぞれ自宅でリラックスタイムをとることが義務づけられている。 13日土曜日22時試合開始。すべての選手はカンプノウに20時15分集合となった。試合開始1時間45分前の集合だ。世界的な注目を浴びるであろうこのクラシコの戦いを前にしても、ペップバルサは普段の習慣通り試合にのぞむことになる。よそいきの準備をすることもなく、特別のスケジュールを組むこともなく、コルチョネロに6−1で勝利した日のように、アルメリア相手に5−0で勝利した日のように、バジャドリを迎えて6−0で勝利した日のように、そしてバレンシアを4−0でブッ叩いた日のように、普段着のままでレアル・マドリを迎えるペップバルサ。果たして何点差で勝利するのでありましょうか。 |
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「シュステルのマドリに関してはすでに研究しつくしていたが、フアンデが監督になったことで新たな研究が必要となった。彼が監督をしていたセビージャ時代のビデオや、マドリ監督デビュー戦となるチャンピオンズの試合を見て、これから分析していこうと思う。」 ●ペップバルサ ●ラウルマドリ 4−4−2にしてみっかな?
5−4−1にしてみっかな?
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マドリのカンテラに関して、マルカ紙のサンティアゴ・セグロラというジャーナリストがコラムを書いている。マルカ紙を単純に批判してはいけない。ジャーナリストの質から言えば、エスポーツ紙やアス紙などを遙かに超える良質のジャーナリストがいる。このサンティアゴ・セグロラ氏は現在のスポーツジャーナリストの中で最も優れた人だと、個人的にはそう思っている。 レアル・マドリのカンテラ組織は、ここ20年間にわたって多くの議論を、それも批判的な議論を生み出してきている。カンテラ組織そのものはスペイン国内だけではなく、ヨーロッパ全体として見ても素晴らしい組織作りがなされているにもかかわらず、カンテラ選手のレアル・マドリ一部チームへの定着という、カンテラ組織にとって最大の目標が実現されていないからだ。その原因がカンテラ選手にあるのか、あるいはクラブそのものにあるのか、そう聞かれたとしたら答えは簡単だ。それは間違いなくクラブにある。 カンテラチームにとって、一部チームは鏡のような存在となる。一部チームの戦いのフィロソフィー、つまりクラブにとってのフィロソフィーを鏡として、彼らは練習に、試合にのぞむことになる。それではレアル・マドリというクラブのフィロソフィーはいかなるものか、少なくともここ20年のフィロソフィーはいかなるものか、その答えを明確に表現できる人を見つけるのは容易なことではないだろう。ブトラゲーニョ、サンチス、マルティン・バスケス、あるいはミッチェルなどが構成した“キンタ・デ・ブイトレ”以降(注・奇しくも“キンタ・デ・ブイトレ”がこの世にデビューしてきてから、この12月で25周年となる)、レアル・マドリというチームに一貫したフィロソフィーは存在しない。それはなぜだろうか。ここ15年間、レアル・マドリは常に“緊急”の問題として監督交代をしてきたことが原因の一つだろう。フィロソフィーのまったく異なる監督たちが、ここ15年間にわたってマドリベンチを温めてきている。 ベニート・フローロ、ホルヘ・バルダーノ、アルセニオ・イグレシアス、ファビオ・カペーロ、ジュップ・ヘインケス、グス・ヒディング、ジョン・トシャック、デル・ボスケ、アントニオ・カマッチョ、ガルシア・レモンちゃん、ワンデルレイ・ルクセンブルゴ、ロペス・カロ、ファビオ・カペーロ、そしてベルナルド・シュステル。 そう、多くの優秀なカンテラ選手が登場してきているにもかかわらず、マドリの一部チームに定着することは不可能と思える。かつてのカミネロを例にとるまでもなく、クラブから出て行って他のクラブで活躍することにより、スペイン代表選手となった選手は数多くいる。それにもかかわらず、彼らの誰1人、レアル・マドリで活躍することが不可能だった。ある時は、ブラジル人選手優先政策がとられたり、ある時はガラクティコス政策の犠牲となったり、そしてある時はカンテラ組織にまったく無関心だったりすることによって、若くて優秀なカンテラ選手は、他のクラブに移ることを余儀なくさせられた。つまりここ20年間、レアル・マドリのカンテラ組織は、他のクラブを充実化させるために存在しているようなものだった。彼らにとってライバルとなるチームに“自家製”の優秀な選手を送り込んでいることになる。 今から9年前にカシージャスが一部デビューを飾って以来、マドリカンテラ組織から常時スタメンとなるような選手は登場してきていない。9年間、それは優秀なカンテラ組織を持つクラブとしては長すぎる期間だ。そして、近い将来にも、登場してくる気配は感じられない。 このコラムが発表されてから間もなく、ヨハン・クライフがペリオディコ紙に似たような内容のコラムを代筆者の手によって発表させているが、これは紹介しない。あまりにも自己讃辞にあふれたもので、嫌らしいったらありゃしないからだ。ここまでバルサのカンテラ組織が充実してきたのは、まるで彼1人の功績であるかのような自慢話に過ぎない。事実は、もう何年も前からカンテラ組織を担当している現場スタッフのおかげであるにもかかわらずだ。そしてこのコラムに追加しなければならないことがでてきてしまった。フアンデラモス新監督の誕生により、15年間で15人の監督という、キリのいい数字となったことだ。 |
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●ペップバルサ クラシコまであと3日と迫った10日水曜日、前日の試合に出場したクラシコ控え選手たちは疲労回復のための軽いランニング。フレブはバルセロナの寒さに倒れ風邪気味だそうで、ロナルディーニョのいないジムで軽い調整。その他のクラシコ出場可能濃厚の選手たちは、普段どおりの練習となった、たいしたニュースとならない1日。そう、クラシコ前だというのに、ペップバルサにはニュースとなるようなことが何にもないのだ。これは、良いニュースとしておこう。 ●ラウルマドリ それにしても、フアンデラモスのなんと嬉しそうなことか。監督就任が発表されてから、三つのインタビュー番組を見たが、もう笑顔がとまらない感じ。トッテンハムからは莫大な契約解除金をもらったうえに、マドリからも半年分の給料が出てくるのだし、しかも、棚からぼた餅という感じのレアル・マドリ監督就任だ。 彼らの場合もバルサと同じように、ほぼ消化試合といえるチャンピオンズ・グループ最終戦。それでも選手の絶対数が足りないから、クラシコに出場するであろう多くの選手をださなければならない。休みをもらったのはカシージャスだけで、クラシコスタメン間違いなしの、サルガド、ラモス、カンナバロ、ガゴ、グッティ、バンデルバル、イグアイン、ラウルというところが出場。後半に入ってメッゼルデルが右ラテラル、サルガドが左ラテラルという、クラシコに向けてのテストなのか何なのかよくわからないことをしている。メッシーを止める左ラテラルが誰になるのか、それは非常に興味あるところだが、候補者はラモス、ドレンテ、あるいはサルガドとなるのか。 3−0で勝利した試合だが、内容はこれまでの試合とまったく変わったところは見られない。そもそも、監督就任2日目で変わるわけがないが、クラシコまで3日。監督交代劇が演じられても、バルサには何の影響も与えないと確信。 |
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ラウル・ゴンサレス、ミッチェル・サルガド、グッティ・マリコン、そしてかつてカピタンを務めたフェルナンド・イエロ、この4人がレアル・マドリの影の権力者だと言われ続けてすでに10年近くたっている。ロレンソ・サンス会長時代、シーズンごとに交代する監督とは別にこの4人がチーム内を仕切り、チームに危機が訪れるたびに彼ら自らがスタメン選手やシステムを決めてきた、と少々信じられないことまで囁かれたこともあった。彼らの傘下に入ることを最後まで拒否したアネルカが、クラブ裏口から去っていくことを余儀なくされたのは当時有名な話だった。 ロレンソ・サンスからフロレンティーノ・ペレスへと会長が代わり、彼らの持っていたチーム内の権力が衰えた時期がある。彼らこそがチーム内の癌だと判断したフロレンティーノは、まずイエロを切ることになる。さらにラウルまで放出しようとしたフシがあるようだが、これはもちろん成功していない。イエロの代わりにフィーゴというキャラクター豊かな人物がこのラウル傘下に入り、目立たないながらもクラブに対して強い影響力を維持していく。そして、フロレンティーノが去り、ラモン・カルデロンが会長に就任してきた。ラウルを筆頭とする派閥のパワーが徐々に徐々に復活してくる。かつてバティスタが、そして今回ロビーニョがクラブを去って言ったとき、彼らが口にしたことは同じだ。 今から約2週間前、ラウルとフアンデラモスがレストランで食事している風景をジャーナリストが目撃していると、エル・ムンド(エル・ムンド・デポルティーボとは無関係)というマドリッド新聞が伝えている。ビクトル・フェルナンデスとの食事風景も目撃されているラウルだが、そんなこともあって、今回のフアンデラモスへの監督交代劇は、ラウルが一枚かんでいるのではないか、とするマドリッドメディア。奇しくも、ラウルとフアンデラモスの代理人は同じ人物ときている。噂話としては何とも面白いものだが、まあ、それはどうでも良い。そのエル・ムンドが先週の日曜日、フアンデラモスとのインタビューをおこない月曜日の紙面に載せている。まだ彼がレアル・マドリの監督に正式に就任することになる2日前だが、マドリ関係だけのインタビューを拾ってみると、次のような内容だ。 あなたがレアル・マドリの指揮をとるとして、どのような選手を起用し、どのようなシステムが最適だと思うか? まず一番最初にしなければならないことは、誰と誰が出場可能な選手であるかということを知ることだ。負傷しているのかしていないのか、メンタル的にどのような状態にあるのか、それを知ることからスタートすることになるだろう。システムとしては4−4−2が最良だと思うが、それも起用可能な選手次第ということになる。 今の状態のマドリを引き受ける用意はあるのか? 私の職業はフットボールチームの監督であり、いつでもオファーを検討する準備はできている。しかもレアル・マドリはヨーロッパのビッグクラブ。そういうクラブから来たオファーを断る監督はいないだろう。 今のレアル・マドリの選手内容で、タイトル奪取が可能だと思うか? 負傷している選手も含めれば、現在抱えている選手たちでもそれは可能だろう。だが、それはあくまでもすべての選手が起用可能だとしての話で、現実的には多くの選手が負傷している状況となっている。特にディアラとバン・ニーステルロイの負傷は大きなハンディになっていると思う。徐々に負傷選手が戻ってくると共に、昨シーズンタイトルをとったようなチームになってくることを期待するしかない。 週末のクラシコはどのような試合になると思うか?6−1ぐらいのスコアーでバルサが圧勝し、そして翌日あなたが監督に就任するというようなストーリーも考えられるが・・・。 今の段階で言うならば、バルサの調子はマドリのそれを大きく上回っているだろう。ゲーム内容においても結果においても、バルサは大きくマドリに差をつけている。したがって、マドリにはとてつもなく厳しい試合となることはじゅうぶん予想できる。だが、同時に、こういう苦しい状況で、マドリというクラブは常に底知れぬエネルギーと大いなる誇りを示して戦ってきた歴史を持っている。そういう意味ではバルセロニスタが考えているような、簡単に勝利できる試合とはならないだろうとも思う。 ちなみに、マドリッドのラジオ局コペでは、11月7日の放送でレアル・マドリがフアンデラモスにオファーを出していると伝えている。それ以来、つまりこの1か月、フアンデラモスはこれまでのマドリの試合をすべて見直し検討していると言われている。日曜日のセビージャ戦ではラウルと彼の代理人であるジネス・カラバハル氏と共に試合観戦し、そして2日後の火曜日、彼は正式にレアル・マドリ監督に就任することになった。 |
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「ペップ・グアルディオラが率いるバルサは、すべての意味でほぼ完璧と言っていい状態だ。試合内容はどこのチームより素晴らしいし、最も重要な結果もついてきている。今の段階で、彼らを相手にカンプノウで勝利することはほぼ不可能と言えるだろう。」 もちろん、ペップ監督はそのような発言内容は信憑性のないものだと語る。シュステルがそう語ったのであれば、それはクラシコを前にしての戦術的な発言だろうと理解している。相手を油断させ(こんな発言で油断するヤツの顔が見たいというものだが・・・)、同時にマドリ選手たちに奮起を促すという、戦術的な発言と理解するペップ監督。それはそうだろう、まさかシュステルのその言葉どおりだとは、例えそう思っていても言えるものではない。したがって、政治的に正しい解釈となる。そしてラウルやカシージャスなどが、シュステル監督が我々に奮起を促すための発言であり、我々はじゅうぶんカンプノウで勝利できる可能性を持っていると語るのも当然のことだろう。彼らもまた、バルサには勝てない、例えそう思っていたとしても、そうは語れない。そんな悔しいことは口が曲がっても言えるわけがない。 だが、このシュステルの発言を違う角度から理解している人物がいた。それは、クラブ会長ラモン・カルデロン、その人だ。 カカやロナルドあるいはセスク獲得約束など、まったくもってアドバルーンにしか過ぎなかったカルデロンのもう一つの重要な公約は、シーズンごとに監督をコロコロと交代することなしに、長期にわたっての維持体制を確保することだった。多くのマドリディスタが、ここ15年間で14回もの監督交代劇が続いていることを、不満に思っていることを知っていたからだ。だが、カルデロン体制の1年目に監督に就任したカペロは、それまでの慣習通りに1年のみでクラブを去っている。したがって、現在の監督だけは長続きするものでなければならなかった。そのシュステルの発言は、シュステルを知る彼だからこそ余計に、クラブを去ることを前提にしての“意識的な”発言だと理解していた。誰よりもゼニに“敏感”なシュステルが自ら監督の職を辞めることは考えられなかった。「辞めます」と「クビです」という状況では、受け取れるゼニの額は天と地の差ほどある。まだ1年半もの契約期間が残っているシュステルが辞任することは考えられないが、クラブからの更迭を狙っている可能性はあり得る。このスキャンダラスな発言は、まさにその狙いだとカルデロンは受け止めていた。 カッコつけている場合ではなかった。自らの足下に火がついている状態だというのに、そこにガソリンをまこうとしているヤツがいるのだ。カルデロンは消防士となることを決意した。 ロレンソ・サンスという人物が会長を務めていた時代、ジョン・ベンジャミン・トシャックが監督となったシーズンがあった。チームは不振状態を続け、トシャックはある日、選手批判をメディアの前でおこなった。どんな内容だったか覚えていないが、いわゆるクラック選手に対する批判だったと記憶している。そしてそれを聞いたロレンソ・サンスが発言撤回を求めた。それに応えるトシャック。 新たに監督に任命されたのはフアンデラモス。かつてのセビージャの監督と言うよりは、個人的には、二部AカテゴリーでプレーしていたバルサBを二部Bに落っことしてくれたあの監督が、レアル・マドリの緊急監督としてやって来た。マドリお家芸スペクタクルはまだ終わりを見ない。 |
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12月7日日曜日午前10時、レアル・マドリソシオ審議会が開催された。前日にはバルサが4−0というスキャンダラスなスコアでバレンシアを打ち負かし、6日後にはカンプノウでのクラシコを控えている時期だった。そしてこの日の夜におこなわれるセビージャ戦に敗北するような悲劇が生じれば、9ポイント差でのぞむクラシコだった。 このソシオ審議会が開催される2日前、すでにアンチ・カルデロン派が記者会見を招集して、予算案に対して否決の投票をするようにソシオに訴えている。“プラタフォルマ・ブランカ”という名称を持つこのアンチ・カルデロン派の親分は、すでに26年間のソシオ歴を持ちながらも、まだ39歳というマルティネス・ブラボという若き人物。この“プラタフォルマ・ブランカ”には約千人のマドリソシオが加入しているという。 10時に開催される前の最初の衝突。このソシオ審議会には、出席可能な2100人のソシオ代表者が前もって抽選で選ばれている。この会場にやって来たカルデロン会長は、そのソシオ代表者だけではなく、一般のソシオの入場をも認めるという驚くべき処置をとっている。ソシオ審議会はあくまでも公明正大でオープンでなければいけない、それが理由だという。すでに会場にはソシオ代表者以外の人が座る席が用意されていたが、そのスペースを埋めた“一般ソシオ”とはウルトラ・スルの連中だった。日本の株式総会で企業側に雇われた一株主ヤクザ共を会場に散らして、株式総会がスムーズに運ぶようにした風景と同じだ。カルデロン会長支持の彼らは“プレジデンテ!プレジデンテ!プレジデンテ!”のシュプレヒコール係だった。 まずラモン・カルデロン会長の挨拶から始まり、次に副会長のナントカというオヤジによる昨シーズンの収支決算が発表される。この1時間の間、ウルトラ・スルの連中の“プレジデンテ!プレジデンテ!プレジデンテ!”というシュプレヒコールと、ソシオ代表席からの“ディミッション!ディミッション!ディミッション!”という怒声が交差する会場。おう、何と楽しそうな風景なのだろう、と思いながら見ていたレアル・マドリTVが突然放映をストップし、他の番組を流し始めた。クラブ側からの要請なのか、あるいは独自の判断で“これはヤバイ!”と思ったのか、いずれにしてもTV中継はストップしてしまった。コーニョ!そこで仕方なく、マルカのやっているネット文字放送?(試合中継などでよくやっている例の同時文字コメント)を追跡。ふむふむ、会場ではレアル・マドリの今シーズン最大のスペクタクルなシーンが展開されているようだ。 外野席に陣取るウルトラ・スルの連中による“プレジデンテ!プレジデンテ!プレジデンテ!”というシュプレヒコールがとぎれず展開される中、昨年度の収支決算と今年度の予算案に関する承認・非承認投票がなされた。と言っても、投票用紙でなされるわけではなく、右手に白い紙を持てば承認、赤い紙を持ち上げれば非承認というもので、クラブ職員がメモ用紙にその数を書いていくという、19世紀的なやり方だ。まず、昨年度の収支決算には承認603人、非承認442人、どっちでもない数が52人となり、多数決で承認。そして今年度の予算案に関しては、564人が承認するぞ、517人が承認しないぞ、32人がどっちでもないぞという結果になり、これまた小差ながら承認されている。それにしても、二つの投票でそれぞれ合計数が違うというのが、あらあら、なにか腐った臭いがしてくるのであります。 投票用紙の数え方がおかしいのではないか、と疑問を投げつけるソシオ代表からの罵声が飛ぶ中、ホッと一息つくカルデロン会長。だが、彼にとってこの日の地獄タイムが終わったわけではない。この日の夜、ベルナベウではセビージャ相手の厳しい試合が待っているのだよ〜ん。 ハーフタイムとなって1−3でセビージャがリードしている。観客席からは“ディミッション!ディミッション!ディミッション!”というカルデロンの更迭を要求する嵐のような叫び声がベルナベウを包んでいた。そして、最終的に敗北が決まることになる60分後、これらの叫びはハーフタイム時の倍となってカルデロンが居座るパルコに襲いかかる。ベルナベウにようやくスペクタクルが戻ってきた。 さらにスペクタクルは続く。シュステルのスペクタクルな発言に端を発し、クラシコ4日前に監督交代劇まで見せてくれるレアル・マドリだった。 |
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クラシコに向けた最後のスパーリングとなったバレンシア戦を、文字通り成功裏に終えた我らがペップバルサは9日火曜日、60万ユーロという懸賞金付きのチャンピオンズの試合にのぞむことになる。この試合がいかに消化試合とはいえ、ペップバルサは“勝利するためのベストメンバー”を用意して戦うことになる。この試合のベストメンバー、それは、すでに頭の中もモチベーションも4日後に向かってしまっている選手を排除し、120%の力を発揮することに命をかけようとしている“ベストメンバー”が選ばれている。例えば、バルデス、アルベス、プジョー、マルケス、ヤヤ、チャビ、メッシーといったセビージャ戦に出場した選手とエトーを含めた合計8人の選手たちは、クラシコに向けたイメージトレーニング期間となったため、この60万ユーロ懸賞金試合では排除されている。 試合前日の8日月曜日。エトーをのぞいたこれらの7人の選手たちは自宅でのイメージトレーニングが命じられ、カンプノウでの練習には参加してきていない。この日11時から始まった練習には、翌日の試合に招集される可能性がある選手のみが呼ばれているが、そのメンバーは次のようなものだ。 ピント、ジョルケラ、アビダル、シルビーニョ、ピケ、カセレス、ボティア、V.サンチェス、チャビ・トーレス、アブラン、V.バスケス、ブスケ、ケイタ、グジョンセン、フレブ、ペドロ、ボージャン、アンリといった18人の選手。 ルーチョバルサ組からV.バスケス、ボティア、チャビ・トーレス、アブランという4人の選手が招集されている。チャンピオンズの試合は火曜日だから、週末におこなわれるルーチョバルサチームの試合にはまったく響かないので、ペップ監督は最も必要と思われる最適の選手を選んだのだろう。だが、そうだとすれば、個人的に理解に苦しむアブランの招集。なぜなら、彼はここ2試合にわたって、戦術的問題としてルーチョ監督に招集されていないからだ。つまり、ルーチョバルサ組招集メンバーから外れてしまっている選手ということになる。ルーチョ監督は、ペップバルサから解放されてチームに戻ってきたブスケをスタメンで起用せず、ベンチに置きっぱなしにした試合が2試合ほどあったが、なにか、ルーチョ監督とペップ監督はスムーズにいっていない可能性もあるように思えてきた。 一方、レアル・マドリの方はまたまた暗いニュースで覆われている。10月のマリ代表戦で負傷していたディアラがこの日に膝の手術をし、復帰までには9か月かかると発表されている。そして試合の途中からよく出て来るドレンテという選手も、この日の練習で違和感を覚えたらしく、途中でシャワー室に消えている。セビージャ戦でカードをもらったマルセロとロベンはクラシコには出場不可能となったし、ぺぺ、バンザマン、トーレス、デラレは事実上出場不可能であり、さらに出場が危ぶまれているエスナイデル、エインセを加えると9人の選手がフィエスタに参加できないことになる。 |
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13日土曜日のクラシコまではまだたっぷりと時間があるし、あいにくというか何というか、クラシコの前に両チームともチャンピオンズの試合が控えている。いきなり煮詰めていっても疲れるだけなので、とりあえず、クラシコのライバルチームであるレアル・マドリがどのような状況を迎えてこの試合にのぞんでくるのか、そこらあたりからスタートしてみよう。 何時間もかけてレアル・マドリ近辺の情報網を探ってみると、そこで見られるものは2年連続リーグ優勝したチームとは思えないほどの混沌とした状況となる。クラブ会長ラモン・カルデロンとアンチ・カルデロン派の陰湿な戦い、シュステル監督とマドリメディアの衝突、マドリインフェリオールカテゴリー総責任者だったミッチェルの、突然の辞任と彼のカルデロン批判発言、そして7日におこなわれたソシオ審議会、エトセトラ、エトセトラ。総体的に見るならば、ラモン・カルデロンとミヤトビッチコンビによるエリートチームのプランニングの悪さが基本的な批判対象となっているようだ。まあ、確かに、大見得を張ってカカやロナルド、セスクなどの獲得を約束しながら、誰1人として来ることはなかったのだから、それは自然の成り行きだろう。 毎年おこなわれるバルサのソシオ審議会というのは、通常9月か10月におこなわれる。前年度の収支決算や新しい年の予算案をソシオの投票によって承認されることが、最も大きな課題となる性格を持っているのだから、シーズン開始当初におこなわれて初めて意味のあるものとなる。だが、レアル・マドリの今年のソシオ審議会はバルサのそれとは異なり、12月に入っておこなわれることになった。クラブ会長のカルデロンが何かと理由をつけては延期してきたからだ。なにゆえ彼は延期工作をしなければならなかったのか、それは非常に単純明快な理由となっている。カルデロン更迭運動を進めていたアンチ・カルデロン派の攻撃を恐れていたからだ。アンチ・カルでロン派はすでにシーズン開始当初から、独自の調査による前年度の大赤字発表をおこなっている。カルデロン理事会がソシオ審議会で発表するであろう黒字決算とはかけ離れた数字を、彼らははじき出していた。もし、ソシオ審議会で前年度収支決算及び新年度予算が否決されるようなことがおきれば、それはカルデロン体制の崩壊を意味することになる。したがって、彼は長い時間をかけてソシオ審議会に参加するソシ代表者に対しての“内部工作”をおこなってきたと言われている。その結果、シーズンが開始されてから3か月以上もたった12月にソシオ審議会が開催されることになる。 ソシオ審議会は12月7日と設定された。そしてその5日前、つまり12月2日、マドリはアヤックスでプレーしていたジャン・フンテラー選手の獲得を発表する。この時期に、しかも負傷中の選手であるにもかかわらず、フンテラーの獲得を発表するということは、明らかにソシオ審議会に向けてのアドバルーンであることは間違いい。だが、すべてのメレンゲ族がフンテラーの加入を両手広げて歓迎したわけではないようだ。2日後におこなわれたフンテラー・プレゼンテーションに500人近く集まったメレンゲ族の中から、次のようなコールが沸き上がることになる。 メレンゲ族にとってミッチェルがどのような人物として受け止められていたか、それは例えば、バルサのペップのような存在だと思えばいいだろう。ペップほどのカリスマ性はなかったものの、“キンタ・デ・ブイトレ”を構成した1人であり、カンテラ出身選手のシンボルの1人だった。レアル・マドリのフィリアルであるカスティージャの監督を務め、二部B降格の責任をとって監督を辞任し、去年からカンテラ部門の責任者となっていたミッチェル。その彼が突如として辞任を発表することになる。しかもソシオ審議会が目前に迫っている時であり、強烈なカルデロン批判と共に辞任発表をおこなっている。 「我々は他のクラブ(もちろんそれがバルサとは言えない)と同じように優秀なカンテラ組織を持っており、その組織の中から優秀な選手が育っている。だが、残念なことに我がクラブの会長は、カンテラ組織のことにまったく興味がないようだ。これではいかに良い選手が育ってこようが、エリートチームでプレーチャンスを得ることはできないばかりか、プレー場所を探すために他のクラブを当たるしかない状況になっている。こういう状況で私にできることは一切ないと判断し、カンテラ組織責任者としての職を辞任することに決めた。」 |
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最後のスパーリング
(08/12/06) セビージャ戦前と同じように、バレンシアファンが作るいくつかのブロッグをのぞいて見る。そして、バルサ戦を前にしたセビジスタと同じように、バレンシアニスタの人々もバルサ戦には悲観的な意見が多い。今のバルサに勝てるわけがない、そういう意見が圧倒的だ。さらに、試合そのものとは関係ない事ながら、クラブは経済的な危機状況に陥っているらしい。 選手たちへの月給とかボーナス、そして300人近くいるクラブ職員たちに支払う給料、その他諸々を含め、年内にどうしても5千万ユーロというキャッシュが必要だというバレンシア。だが、クラブ金庫内には1ユーロもない状況だという。そこで何日も前からおこなわれているバンカハという銀行との交渉。すでにこの銀行から2億5千万ユーロもの借金をしているらしいが、今回は新たに1億ユーロの借金をお願いしているという。これは、どう考えても都合の良いお願いらしく、バンカハのお偉いさんたちはバレンシアの要求に対して渋っているようだ。そして、もしこの銀行が年内にお金を貸してくれないとすると、バレンシアは大変なことになる。年内の支払いに必要な資金を作るためには、クラブ所有物を売るしかない。クラブ所有物と言えば、メスタージャの土地とクラブが抱える選手たちとなるが、土地はすでに前回の2億5千万ユーロ借金の時の担保となっているので、残るは選手だけとなる。選手の給料を支払うために、高く売れることができそうな選手を売らなければならないという皮肉なことになってしまう。 バレンシアのクラブ経営危機の原因は、世界的経済危機状況が生んだものというよりは、もうだいぶ前から始まっているスペイン不動産バブルの崩壊から来ているのだろう。新スタジアムを建設するための資金は、現在のスタジアムであるメスタージャの土地売買によって作り出そうとしていらたしいが、不動産バブル崩壊が始まったため、クラブ理事会の考えた“ソロバン”どおりに事が運ばず、銀行への返済もままならぬ状態となっているようだ。“人のふり見て我がふり直せ”という諺があったように記憶しているが、ミニエスタディを売却してカンプノウ改装を企むラポルタ政権も、ない頭を絞ってこれからよ〜く考えた方が良いのだ。 いかにクラブが経済危機をむかえていても、それがバルサ戦で影響を及ぼすとは思えない。土曜日のバルサ戦48時間前に、UEFAの試合を戦わなければならなかったバレンシアだが、この試合には控え選手でのぞんでいるから、これも大した影響を与えないだろう。だが、木曜日に試合をして48時間後の土曜日に再び試合をしなければならないというのは、少々異常な出来事であることは確かだ。 来週の火曜日にチャンピオンズの試合が控えているとはいえ、消化試合となっているため、レアル・マドリ戦に出場する多くの選手はお休みとなるだろう。したがって、クラシコを前にしての最後のスパーリング試合となるバレンシア戦。バッチリと守備を固めカウンタアタックを狙う戦い方をしてくることが予想される試合だけに、同じような試合展開となるであろうクラシコを睨んでのちょうどいいスパーリング試合だ。 と、ここまで書いて、突然ながら嫌なことを思い出してしまった。確か、去年の今ごろにもちょうどバレンシア相手にバルサは戦っているのだ。内弁慶ライカーバルサが珍しくもフエラで勝利をおさめた試合だった。だが、とんでもない悲劇が生じてしまった試合でもある。レオ・メッシーが負傷退場してしまったのだ。そして今回のスケジュールと同じように、翌週にはレアル・マドリ相手の試合が待っていた。北側ゴールへの、遙か遠くの方でバティスタがゴールを決め、それが決勝点となった屈辱的な試合だった。カンプノウでのクラシコで0−1というスコアで負けた試合。いや、まったく嫌なことを思い出してしまったわい。今回のバレンシア戦には、くれぐれもそういう悲劇がおきませんように・・・。 |
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2年目、トゥレ・ヤヤ
(08/12/05) カンプノウに足を運ぶ多くの人々が、密かに感謝し続けている1人の選手がいる。テレビ画面ではボールがあるところしか映らないことが多いため、ほとんど見られないシーンながら、スタジアムの観客席からはよく観察されたシーン、それは昨シーズンの後半に入ってから、ボールが離れたところでトゥレ・ヤヤが腰を曲げるようにしているシーンだった。なにゆえ毎試合のように、そういう姿勢をしているのか、多くの人々は理解できないでいた。その謎が解けるのはシーズン終了間際のことだ。トゥレ・ヤヤはずいぶん前から腰を痛めており、完治させるには手術が必要だということがメディアに掲載された。だが、彼は手術を拒否したという。この大事な時期に手術などしていられない。それはみんながバケーションを楽しむシーズンオフの間にすればいい。そして、自らの言葉どおり、誰にも迷惑がかからないシーズンオフに入ってからヘルニアの手術をしている。医学的な理由もはっきりぜず、ジムにしか顔を出さないクラック選手と褒め称えられた選手もいた時期でもあり、トゥレ・ヤヤのプロ精神に特に感謝することになったのだろう。 「バルセロナという街を、家族みんなが気に入っている。個人的にはバルサというクラブも、そしてペップ監督がアイデアするフットボールも非常に気に入っている。こんな楽しいフットボールができるクラブから離れたいなどと、一度として思ったことはない。」 だが、彼の移籍噂話がメディアに登場したのは今回が初めてではなく、プレステージの段階でも登場してきていた。アーセナルのアデバヨルとかフレブ獲得の噂が出始めたとき、その交換選手として彼の名が登場してきている。ペップ新監督は彼の資質を買っていないのではないか、そういうコメントも多く見られた。シーズン開始当初、ブスケの台頭ということもあってか、確かにトゥレ・ヤヤがベンチに座っているシーンが何試合か見られることになる。ここでも冬のメルカードでの移籍噂話がチラホラと登場してきている。だが、彼の発言だけは変わっていない。 ペップ監督の言葉が嘘ではなかったのは、数字が証明している。リーグ戦が13試合消化されている現在、1576分のチャビ、1108分のイニエスタに続いて、トゥレ・ヤヤは1100分プレーしており、3番目に起用度が高いセントロカンピスタになっている。しかも大事な試合には、間違いなくスタメンとなっている選手でもある。 モナコでは完全な自由が与えられ、守備的な部分より攻撃参加に重点を置いてプレーすることが多かったトゥレ・ヤヤ。だが、ライカーバルサにやって来た昨シーズン、彼のポジションは守備的なピボッテ、あるいは第三のセントラルという意味合いの強いポジションとなった。彼にとっては初めての経験と言っていいポジション。だが、それでも期待通りの活躍を見せてくれた。そして今シーズン、ペップ監督はライカーとは一つ違うことを要求しているという。それはもっと攻撃参加に積極性を見せるプレースタイル。 今週の火曜日にフィジカルテストがおこなわれている。瞬発力、持久力、スピードなどのテストをおこない、選手たちのフィジカル状況を知るためのものだ。ラポルタ御用機関紙エスポーツによると“最もフィジカル的に優れていたのはエトーとアンリ”となっているが、エル・ムンド・デポルティーボ系のラジオ番組に出演したバルサドクターによれば、彼らはスピードのテストで他の選手より優れていただけに過ぎないらしく、瞬発力と持久力に五重丸の得点を得たトゥレ・ヤヤが、チーム内一番のフィジカルを誇るだろうという。まあ、誰が一番だろうとどうでもいいことだが、グラウンド内で地味に答えを出し続けているトゥレ・ヤヤは、テストでも密かに結果を出しているようだ。そして、カンプノウに集まるバルセロニスタも、地味ながら仕事を全うする彼を、密かに応援し続けるだろう。 |
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あと10日
(08/12/03) エスパニョールのティンティン・マルケスという監督がクビになった。なんでティンティンなどという変な呼び名がついているのか知らないが、いつだったか、エスパニョール以外の“心のチーム”はと聞かれた時に、それはレアル・マドリと応えていた人であることを覚えている。エスパニョールに長い間いた人だから、必然的にアンチ・バルサとなるのはしかたがないし、その気持ちがメレンゲシンパへと結びつくことになるのも自然なことだ。知り合いの中にはバルサのソシオにして同時にエスパニョールのソシオもやっている“ソシオ好き”人間がいるが、そういう人はごく希な人種となる。今これを書いている当人はごく平凡なバルセロニスタの1人であるから、エスパニョールが勝つよりは負けてくれる方が気分がヨロシイ。好調の波に乗っているよりは、不調が続いてくれる方が気分がヨロシイ。コルネヤに誕生する新スタジアムの建設工事が順調に進んでいるらしいが、そのお披露目が二部カテゴリーでの試合にでもなれば、それはもうたくさんのジョークが聞けることになるから、気分はさらにヨロシクなる。“ア・ラ・セグンダ!”、そう、エスパニョールにはこの言葉がよく似合う。 エスパニョールに危機が訪れる1日前、ヘタフェでおこなわれたマドリダービー戦では、天下のレアル・マドリが倒れ、ヤバイ状態となっていた。そしてシュステルチームが敗北してから2時間後、セビージャではバルサがマジな試合を展開して快勝。つまり、バルサ勝利・マドリ敗北ということで、その差は6ポイントと広がり、エスパニョールはカテゴリー降格ラインに限りなく近づいてきたという、いやはや、バルセロニスタにとってはたまらない週末となりました。まるで“一粒で二度おいしい”グリコキャラメルのような週末。 ビジャレアルがいかに頑張ろうとも、彼らがリーグ戦を制覇するとはとても思えない。リーグ戦だけに絞れる状況でもそれが信じられないのに加え、チャンピオンズにも絡んでいる彼らにリーグ優勝を狙うエネルギーがあるわけがない。リーグ戦が終了し、彼らがチャンピオンズ参加圏内に残っていたとしたら、それは大成功とするクラブでもある。ここのところのバレンシアの試合を見ていても、彼らはかつてのバレンシアとはほど遠い状況であることがわかるし、いかにメディアがバレンシア→クラシコ→ビジャレアルと続く年内の試合を“トゥーレマ”と騒ごうと、それほどのものではないだろうと思っている。年内三大決戦はこれまで触れてきたように、レクレ戦・ヘタフェ戦、そしてクラシコだ。長期の戦いとなるリーグ戦を制覇する基本的な条件は、弱小チームに確実に勝利し続けること、これ以外にない。そしてもし可能ならば、永遠のライバルであるレアル・マドリに直接対決で“封印の杖”を使ってしまうことだ。 12月13日22時試合開始となるカンプノウでのクラシコまであと10日。レアル・マドリにとっては今シーズン初のテレビオープン番組で、全国にタダで試合が中継されるクラシコ。我らがバルサは軽いスパーリング試合となるバレンシア戦を経て、チャンピオンズの消化試合を済ませ、クラシコに望む。一方のレアル・マドリと言えば、超厳しい戦いとなるであろうセビージャ戦が待ち受けており、しかもクラシコ3日前にはグループ首位をかけたチャンピオンズの試合を戦わなければならない。そしてカルデロン会長にとってはまさに“トゥーレマ”の頂上となるであろうソシオ審議会が、今月の7日におこなわれる。このソシオ審議会でもし今シーズンの年間予算案が否決されようものなら、クラブ理事会の解散という劇的な事態に追い込まれることを意味する。したがって、それまでに再びアドバルーンを上げることを要求されているが、その第一弾がフンテラー獲得となりそうな気配の今日この頃。負傷選手続出のために、冬のメルカードで追加補強することが義務づけられてしまった彼らが、ソシオに希望を与えるために獲得しようとしている選手が、これまた負傷中というのも笑える話だ。 バルセロニスタにとってはルンルン気分の10日間。監督や選手たちまでがルンルン気分になってはいけないが、楽しい時期をルンルンできるのはファンの特権だ。6日土曜日22時スパーリング試合開始バレンシア戦、9日火曜日20時45分消化試合開始シャクター戦、そして13日土曜日22時徹底的粉砕試合開始レアル・マドリ戦。バルセロニスタにとって“10日間夢のルンルンツアー”が始まった。 |
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