2005年
8月
2006年

ガブリショック!
(05/08/31)

二日間のフィエスタが終わりバルサAチームは火曜日から練習再開。もっとも多くの選手が代表にとられているため、限りある選手だけの練習となった。モッタも元気に顔を出し、ようやく彼にも春がやって来そうという風景の中に・・・今シーズン初の負傷者があらわれた。

プレステージではエンジン全開で大張り切りだったガブリエル・ガブリが今シーズン初の負傷者となった。今シーズン加入してきたある選手と衝突し左足首捻挫全治4週間から6週間と診断されている。再び苦しい苦しいリハビリが再開されることになる彼だが、去年のことを考えればたった1か月程度のリハビリなんぞガバー!と乗り越えて頑張って欲しい。今シーズン終了をもってクラブとの契約が切れるガブリにまだチキからのお声はかかっていないが、こういう厳しい状況を迎えている時にこそ契約延長のオファーをだして欲しいもんだ。


今シーズンのバルサB
(05/08/30)

トリプレッテを昨シーズン達成したフベニルAの選手が何人か上がってきているのが特徴の一つと言えるバルサB。今のところ発表されている選手はルイス・サストレ、フリオ・デ・ディオス、シトの3人だけだが事情によってはビクトル・バスケスなどもシーズン途中でバルサB入りする可能性もあるようだ。そしてバルサCからはジョルディ・ゴメス、ヘスス・オルモ、ピトゥの三人が上がってきているが、やはりバルサBのチーム事情に変化が起きれば更にバルサC在籍選手も招集されるようになるだろう。いずれにしても今シーズンのキケ・コスタス・バルサBはシーズンを通じてバルサC在籍選手を起用することが多いような気がする。

昨シーズン加入してきたモラ、ロロなどはもうクラブを去っている。そして今シーズンに他のクラブから入団してきた選手は今のところわずか一人、それはアラベスから1年レンタルでやって来たアンドレア・オルランディという選手だ。いちおうデランテロとして登録されており、それも左エストレーモとしてプレシーズン中起用されてきているが、セントロカンピスタという感じがする選手。彼の入団によってポジションがダブることになるマノロ・ランサロッテがクラブを去ることになったのは残念だが、まあ、致し方ないところ。バルサBの目標、それはできる限りバルサAチームに選手を送り込むこと、そしてもちろん二部Aカテゴリーへの仲間入りを果たすこと、つまり例年通りだ。

期待の新星ルイス・サストレは軽い負傷中、かつての期待の新星だったエスポシットもいつものように負傷中、ダニ・フェルナンデスは昨シーズンにもらった赤い紙のせいで開幕戦は出場停止、そしてハビートは“エコノミー症候群”のリハビリ中だ。偶然のいたずらでシーズン終了後の金稼ぎ日本ツアーに招集されたハビートだが“エコノミー症候群”に苦しんでいる。帰国して以来理由もわからず体調を崩した彼を診断した医師の診断書には「“エコノミー症候群”の兆候が見られ、全治3カ月の安静が必要」とあり、彼はプレステージにも参加していない。そして奇妙な状態に置かれているレオ・メッシーは今シーズンはバルサBでプレーする可能性はまったくないため、当然ながらこの試合には招集されていない。また、バルサAチームではもちろんバルサBでも実力的に相応しい選手かどうかも怪しいと(個人的に)思い始めているダミアはスタメンで出場している。

第1節 引き分けスタート

オスピーバルサB
 1−1

試合はバルサBがクリスティアンのゴールで先制し、試合終了間際に追いつかれてしまい1−1の引き分けという結果となったが、結果以上に興味深いことがいくつかあった。まずクリスティアンが右エストレーモとして起用されていること。そして9番にはフベニルからやって来たシト・リエラだ。オリオル・リエラはベンチで控え、同じリエラでもシトの方が優先されて起用されているのはプレステージの試合での好調さを買われてのことのようだ。ベテラン(ペーニャ、フラゴッソ、ベルドゥ、アルナウなど)と若手(ピトゥ、フリオ、シト)が混ぜっての新生バルサBはまあまあのスタートを切った。

■FC BARCELONA
Ruben(Javi Ruiz 58') / Damia/ Rodri/ Fragozo/ Pen~a/ Arnau/ Verdu/ Pitu/ Cristian(Julio 87')/ Sito/ Orlandi(Montane~s 77')


メッシーの置かれているラテン的状況
(05/08/29)

バルサはアラベス戦に招集されなかったレオ・メッシーに関して、その状況を説明するためにクラブ公式メッセージを発表している。一人の選手が招集漏れになったことに関する公式メッセージというのも珍しいが、その説明もなかなかスペイン的である。そのメッセージの中身は、要するにクラブとしてはメッシーのバルサAチーム出場は合法的という結論を出してはいるものの「慎重には慎重を期して」彼を招集しないことに決めたとある。それは次のような理由だ。

スペインフットボール協会が定める“外国籍であるにも関わらずEU諸国選手として認められる選手”規約項目、つまり13歳以下でスペインのクラブのインフェリオールカテゴリーに在籍した選手に関する規約項目だが、その内容がこれまでどうもあやふやなものだったらしい。そのあやふやさというかいい加減さというか、とにかく色々な解釈がなされてもおかしくない内容であったようだ。そこで今年の7月6日、スペインフットボール協会は規約項目の誤解を招かないようにその項目の変更をおこなっている。そしてその変更は、スペイン政府内にある組織CSD(スポーツ省とでも訳すのか)の承認をもって初めて有効となるという。だがまだその承認はなされていない。なぜなら高給取り役人様たちはまだ夏休みだからだ。彼らの1か月の夏休みが終わり「さ〜てと、仕事でもするべえか」となり最初の会合がもたれるのは9月の中旬ではないかと言われている。

バルサ理事会が慎重を期すのは、負けたクラブがやけっぱちになってメッシーの出場にケチをつけることを予想してだ。例えそんな状態となってもバルサ弁護士は間違いなく勝利裁判となると踏んでいるらしいが、それでも余計なもめ事を避けたいのだろう。そして当然ながらメッシーはまだロナルディーニョでもデコでもチャビでもないからして、2試合程度不出場でも問題のタネとならないだろうというフラン・ライカーの読みもあるのだろう。しかも外国籍選手には何の問題もないチャンピオンズの試合には出場できることもある。いずれにしても9月中旬過ぎにはメッシーは問題なくバルサAチームでアマチュア契約選手としてリーグ戦出場できることになりそうだ。

それにしても、と思うのは、旧規約であろうと新規約であろうとプロ契約を結んだ選手はいずれにしてもEUパスポートが必要ということぐらい(チキやラポルタはともかく弁護士は知っていて当然だと思うのだが)わかっていたことだからして、なにゆえ彼にパスポート取得を進めていなかったのだろう。しかもメッシーの場合、父親はとっくにスペイン国籍を取得しているのだから、彼の手続きはかなり簡単なことに違いない。これはやはりラテン的状況とでも言うのだろう。


カピタン・フラン事件(その1)
(05/08/27)

フラン・メリダ、昨シーズンはボージャンやヤゴと共にカデッテBカテゴリーに在籍し大いなる成長を見せたバルサキラキラ星中のキラキラ星選手。今シーズンはカデッテAカテゴリーだけではなくフベニルカテゴリーにまで進出して更に光る存在となるだろと期待していた彼だが、シーズンが終わったこの夏休み中にすでにクラブとの契約が終了しバルサを離れ他のクラブからのオファー待ちだという。こんなショッキングな話題をカタルーニャのあるメディアがひっそりと伝えている。

まだ15歳のフランの契約書は親のサインがなされている。それは別に不思議なことでもなんでもなく、まだ未成年であるから当然のことだ。だが当然でないこと、それは今シーズンからの新たな契約書にフラン側のサインがなされているのにクラブ側のサインがなされていないことだ。クラブ会長ジョアン・ラポルタ、金庫番フェラン・ソリアーノのサインがなされて初めて正式な契約書となるのに、どうしたわけかクラブ側のサインが欠けている契約書となっている。これはフラン側(ちなみに彼の代理人はセスクと同じホセバ・ディアス氏)にクラブ側が彼を自由契約扱いとしたと受け取られても仕方がない。というわけで、フランに押し寄せるビッグクラブ、その中にはレアル・マドリ、アーセナルなどの顔が見られるという。

だが、問題はフランにとどまらない最悪の状態のようだ。なぜならラポルタとその一味は多くのキラキラ星選手たちの契約書に未だにサインをしていないようだからだ。もし、これが本当だとすれば、それらのキラキラ星選手たちも美味しい条件を懐に接近してくるハイエナクラブたちの餌食となる可能性も大だ。

ひたすらこのニュースが何かの誤解から生じたものとなることを祈るものの、もし本当であるならば声を大にしてラポルタ辞任を叫んじまうぞ。ソリアーノも辞任だぞ。コロメールはもうクビになっているから辞任は要求しないが、その上にいるチキにも辞任を要求だ。まったく、なんてことだ!

ついでだからチキ・ベギリスタインを更に追求してみよう。
「メッシーのバルサAチーム出場資格に関しては何の心配もしていない。メッシーは今の契約条件のままで、つまり昨シーズンと同じようにバルサAチームで出場可能だ。」
この発言をしたのが今週の水曜日。そして今日は2日後の金曜日。フラン・ライカーはフットボール協会の規約上の問題がはっきりしないとして、リーガ開幕戦となるアラベス戦にはメッシーを招集していない。まったく、本当にどうなってるんだ!


メッシーにもEUパスポートが必要
(05/08/23)

これまで知っていたこと、それはリーガ・プロッフェショナールのルールによれば13歳以下でスペインのクラブのインフェリオールカテゴリーに在籍すれば、例えアフリカ人であろうがアジア人であろうが宇宙人であろうが外国人選手扱いにはならないということ。だがこのルールにはもう一つ続きがあったことを知らなかった。どうやらメッシーもそのことは知らなかったようだ。

例え13歳以下でインフェリオールカテゴリーに在籍しようとも、一部チーム選手としてプロ契約を結んだ瞬間から、その外国から来た選手は外国人選手扱いとなることだ。メッシーはすでにバルサAチームで昨シーズンデビューを果たしているが、それはまだアマ契約時代であったからで、今年の6月にプロ契約を結んだ彼はプロ選手としてはバルサAチームでは登録できない。したがって一部登録選手だけに許される1番から25番までの背番号を付けることは不可能であり、昨シーズンと同じように30番を付けることになった。

バルサにはすでに三人の外国籍選手、つまりエトー、マルケス、ロナルディーニョがおりメッシーの入る余地はない。したがってすでにバルサと結んだプロ契約は事実上意味をなさないことであり、EU国籍を取得するまでアマ契約選手としてバルサAチームで出場することになる。早ければ今年の12月にはスペイン国籍が取得できるのではないかと予想されているようだが、いずれにしても今のところメッシーはバルサB所属の選手であり、契約内容もアマチュア選手となっている。


ジョセップ・コロメル
(05/08/21)

バルサインフェリオールカテゴリーの最高責任者であったジョセップ・コロメルに関して触れる前に、2004−05シーズンのバルサインフェリオールカテゴリーの成績を見てみよう。

■ベンジャミンB・・・・リーグ戦3位
■ベンジャミンA・・・・リーグ優勝
■アレビンB・・・・・・リーグ戦2位
■アレビンA・・・・・・リーグ優勝
■インファンティルB・・リーグ戦2位
■インファンティルA・・リーグ優勝
■カデッテB・・・・・・リーグ優勝
■カデッテA・・・・・・リーグ優勝とカタルーニャカップ
■フベニルB・・・・・・リーグ優勝
■フベニルA・・・・・・リーグ優勝とスペインカップと国王杯のトリプレッテ

これは驚くべき成果と言っていい。10のうち7つのカテゴリーでリーグ優勝を達成していることもさることながら、フベニルAカテゴリーではスペイン最初のトリプレッテ(リーグ戦、コパ・デ・チャンピオンズ、スペイン国王杯の三冠王)を達成している。したがって各カテゴリーの監督や選手と共に彼らの最も上にいるインフェリオールカテゴリーの最高責任者も高く評価されるのが普通だ。その最高責任者ジョセップ・コロメルは、それにも関わらずクビになってしまった。それも非常に後味の悪い形でクラブを去ることを強いられた。

ラポルタ政権誕生以来2年間にわたってバルサインフェリオールカテゴリーの最高責任者だったジョセップ・コロメルをクビにしたチキ・ベギリスタインはその理由として3つの事柄をあげている。

1.バルサAチームと同じシステムでプレーすることをインフェリオールカテゴリーの監督に徹底させなかった。
2.外国人選手を獲得しすぎた。
3.インフェリオールカテゴリーの責任者は元フットボール選手が好ましい。

さすがのチキ・ベギリスタインもバルサBやバルサCの不調に関しては触れていない。バルサCは毎年のように不調なカテゴリーであるし、バルサBの昨シーズン補強選手は1万8千ユーロの移籍料を支払って獲得したダミアだけだし、しかもバルサAチームの台所事情で多くの選手が招集(シーズン延べ人数84人)されてしまいバルサB監督のペレ・グラタコスが理想とするような形で試合に望めなかった。したがってバルサBやCの不調を理由とできないチキは、実に理屈に合わない理由でコロメルをクビにしている。

1.少なくてもカデッテやフベニルカテゴリーでは、バルサAチームと同じシステムでプレーしていたのは毎週末ミニエスタディの後ろにあるスタディアムに顔をだしていた暇な親父たちに聞いてみれば明らかだ。確かにバルサBやバルサCでは起用できる選手たちのキャラクターに合ったシステムを起用している試合もあったが、基本的にはバルサAチームと同じシステムで戦っていた。
2.外国人選手を獲得しすぎたというが、ここ2年間で獲得した外国人選手はガイ、クロール、アレックスの3人だけ。シーズン途中からテスト入団のようなスタイルで入ってきたルードビックやサンティアゴはもうバルサにいない。
3.元フットボール選手が好ましいと言うが、それではなぜ2年前にコロメルを最高責任者としたのか。

チキにしてみれば、やはり、サンドロ・ルセーがらみの人物と一緒に仕事をするのはやりにくいし窮屈だったのだろう。ジョセップ・コロメルの解任理由はそれしか考えられない。


ラ・マシア
(05/08/15)

これまでバルサカンテラの寮として親しまれてきたラ・マシアだが、将来はレストランとなる可能性が大きいという。それもかなり近い将来の話であり、早ければ来年末か再来年にはオープンしたい、とジョアン・ラポルタ・ビジネス理事会のプランとしてすでに発表されている。

まだ完全には工事が終了していないとはいえ、2005年10月にはバルサインフェリオールカテゴリーの練習場として“シウダー・デポルティーバ”が利用できるようになる。ここには少年たちのための宿舎も作られているから、狭くなったラ・マシア寮を放棄し“シウダー・デポルティーバ”に引っ越す。以前より多くの少年たちを受け入れられるだろうし、より近代的な設備が整っているだろうからそれはそれで素晴らしいことだ。

ヌニェス元会長が土地を購入し、その敷地にガスパー元会長が“シウダー・デポルティーバ”と名付けられたカンテラ及びバルサAチームの総合練習場施設計画を推進。ガスパー元会長の数少ない遺産の一つとなるはずだったこの施設の完成予定は2004年の夏、だがラポルタ新理事会が誕生してからこの工事はストップされていた。工事予算にあたる資金をすべて選手獲得のための資金としてしまったからだ。それでもようやく工事が再開される見通しがついたのが今年の夏。やはりヌニェス元会長がカンテラ用敷地として買い占めていたカン・リガーの土地の一部を売り払い、その収入を工事費に当てることになったからだ(詳しくはチキートコーナー”ラポルタ風ジョーク”参照)。

近い将来に“レストラン・ラ・マシア”という名が付けられることになるか、はたまたこの計画もこれまでのいくつかのラポルタ計画のように現実化せずにスッテンコロリン転んでしまうのか、いずれにしても“ラ・マシア”という名をこのHPの空間だけでも残しておこう。アモール、グアルディオラ、セルジ、チャッピー、チャビ、ガブリ、プジョー、メッシー、その他の多くの選手を生み出してきたラ・マシアの名を残しておこう。