2005年
9月
2006年

新しい星の入団
(05/09/28)

どのカテゴリーでも同じだが、今シーズンのカデッテBチームも昨シーズンその下のカテゴリーから上がってきた選手が中心となって構成されている。カデッテBの一つ下のカテゴリー、それはインファンティルA、つまりイスラエルの星ガイ、ドイツの星デニス・クロール、ポルトガルの星アレックス・サハビなどの将来楽しみな外国人選手がいるカテゴリーだ。そして今シーズン、もう一人毛色の変わった選手が入団してきている。ブラジル人の血を引くティアゴ・アルカンタラという14歳の少年。

セレソンで世界チャンピオンとなりバレンシアに1年在籍、その後セルタに4年在籍したマジーニョという選手を覚えているだろうか。身長は低かったもののゴッツイ体格をしたセントロカンピスタだったマジーニョ、その彼がティアゴの父親だ。そのマジーニョは現役引退後セルタのカンテラ責任者の一人になっている。そして息子のティアゴは両親が住むスペインガリシア地方で誕生している。昨シーズンが終了し夏休みとなった季節を利用してバルサに入団テストを受けた彼に惚れ込んだのはコロメルさん。当時インフェリオールカテゴリー最高責任者であった彼は即時に入団を許可したようだ。

名の知られているかつての名フットボール選手の血を引くことが決して将来の活躍を保証することではないものの、何となく期待してみたくなる二世選手。まだ14歳のティアゴ・アルカンタラはメディアプンタ選手。今シーズン話題となる選手の一人となりますよう。


第5節 アウエーで勝てないバルサB
(05/09/27)

レウスーバルサB
 3−1

ルーベン、ハビート、ベルドゥ、アルナウと不在が続くバルサBだが、層が厚くなっているチームだから、それなりの試合展開がされないといけない。が、アウエーではなかなか勝てないバルサBだ。クリスティアンが先制のゴールを決めて楽な試合展開となりそうだったのに、あっという間に追いつかれて気がついたときには逆転されていた。

一方、快調に飛ばしていたバルサCは地元ミニエスタディでの試合であったにもかかわらず、チョイとつまずいてしまった。それもギャフンと言わんばかりの1−3というスコアで敗戦。バルサBもそうだがこのチームは特に若い選手で構成されており、28歳ぐらいの選手が中心となってプレーしている三部チームのクラブ相手の試合は本当に厳しいものがある。経験の差もさることながらフィジカル的に見劣りしてしまうのはしかたがない。

■FC BARCELONA
Javi Ruiz/ D.Fernandez/ Olmo/ Rodri/ Pen~a(Fran 34')/ Fragozo/ Sastre(Pitu 55')/ Jordi(Orlandi 77')/ Cristian/ Sito/ Montan~es


“ジョバニ事件”が起きませんように
(05/09/25)

ペルーで開催されているアンダー17の大会には当然ながら世界中からスカウトマンが押し寄せている。将来性を感じさせる才能豊かな少年フットボーラーの発掘を目指すスカウトマン。まだグループ戦の段階でありながら、彼らはすでに何人かの“クラック少年”に注目し始めている。そしてその中でも目玉商品として扱われているのがジョバニ・ドス・サントスのようだ。

ペルーにはジョバニの父親である元フットボール選手ジジーニョ、そしてバルサスカウトマンであるぺぺ・コスタが同行している。息子ジョバニの代理人でもあるジジーニョはすでに多くのメディアを相手にして息子獲得を希望するクラブからのオファー到来を語っている。
「すでに私の手元にはアーセナルをはじめ、マンチェスターとチェルシーなどから具体的なオファーが届いている。もちろん息子にしても私にしても基本的にはバルサに残ることが希望だ。だが、他のクラブからのオファーを検討するのが私の役目でもある。したがってこの大会が終了しバルセロナへ戻ったときにクラブ関係者とこのオファーに関して話し合わなければならないだろう。」

今シーズンからバルサインフェリオールカテゴリーの責任者となったアレサンコが就任記者会見の席で次のように語っていたのを思い出す。
「フットボールの世界はここ何年かで大きく変化してきているが、それは少年達の世界にしても同じだ。12歳、13歳の子供達にすでに代理人がつくという異常な世界となっている。自分が子供だった頃と比較してもしかたがないが、フットボールがビジネス世界に浸って行くに従い、それは両親達にも影響を与えることになる。子供の成長を見守るというよりは、いかに早くプロの世界に足を突っ込ませるか、それが多くの両親達の希望となっているのが現実だ。」

まあ確かにゴチャゴチャした世界に違いない。アレサンコが語るように将来性あるカンテラ選手を抱えるクラブにとっては非常にやりにくい時代となってきているのだろう。だがそれでも将来性あるカンテラ選手を、どうにかしてクラブに残すようにはかるのが彼らの仕事であることも確かだ。バルサというクラブに魅力を感じさせることも首脳陣の大事な仕事だろう。ドーバー海峡を渡ってしまったことにより発生した“セスク事件”や“ピケ事件”は未だに多くのバルセロニスタにとって記憶に新しいし、つい最近でも“フラン事件”や“メッシー事件”が発生している。そしていままた世界中から注目されつつあるジョバニに決して“事件’が起きないように、どうにもあてにならないチキ・ベギリスタインやゴルフやパーティー出席に忙しいラポルタさんも、ここはひとつ、マジに仕事してください。


ジョバニ・ドス・サントス、アシスト役
(05/09/22)

ウルグアイ相手の初戦に勝利したメキシコの次の相手はオーストラリア。個人技のレベルの違いもさることながらチームブロックが固いメキシコは圧倒的な差でオーストラリアを撃沈。注目されるジョバニはこの試合でもゴールを決められなかったがアシスト役として大活躍。3−0で勝利したこの試合でメキシコ9番のカルロス・ベラという、やはりジョバニと同じく16歳の選手が2点を決めている。ウルグアイ戦でもゴールを決めているから合計3得点。この選手がなかなか素晴らしいし、ジョバニとのコンビもまたうまくいっている。この大会が終わったらバルサのフベニル選手として来てくれないだろうか。

ジョバニはこの試合でも一人ポツンとワントップ。彼にはこのポジションは辛いものがあると思うが、それでもスペース作りとアシスト役として立派な活躍。でもやはり彼のゴールが見たい、昨シーズン、バルサのすべてのカテゴリーの中でボージャンについでゴール数の多かったジョバニだから、今後の試合に期待。


バルサC監督フアン・カルロス・ペレス・ロホ
(05/09/21)

1979年に日本で開催されたワールドユースカップではマラドーナが最優秀選手に選ばれているが、バルサのカンテラとしてプレーしていた選手がマラドーナに続いて2位に選ばれている。それが今シーズンからバルサCの監督に就任したロホさんだ。1959年生まれでバルサAチームデビューが1983年、つまり24歳でデビューしているから、最近のデビュー傾向から考えると非常に遅咲き選手であり、おまけに現役引退が28歳の時だから選手寿命は非常に短い選手だった。

ルイス・メノッティがバルサの監督に就任してきた時、ワールドユースでの試合を見て知ったロホという選手がまだバルサBでプレーしているのを知ってビックリし「ここではマラドーナでさえ20歳前後ではAチームデビューさせてもらえなかっただろう」と言うセリフを吐いたのは有名な話だ。1983年、このメノッティ監督の下でかつてのユース最優秀選手マラドーナと2位の選手ロホが一緒にプレーすることになった。だがユース最優秀選手がわずか2年でバルサを離れ、そしてロホは5年間しかプロ生活をおくれなかった。前者のケースは当時会長ヌニェスとの確執がクラブを離れた一つの原因となったが、ロホの場合は持病のように抱えてしまった右足膝の負傷が原因だった。それでも何回もスペイン代表選手として選ばれていたのだから、才能的には素晴らしいものを持っていたのだろう。

ロホは昨シーズンまで5年間のフベニル・サブ監督及び監督を務めている。そして今シーズンからバルサCの監督を務めることになった。彼は監督就任第一声で次のように語っている。
「バルサCというカテゴリーに対する多くの人々が持つフィロソフィーを変えたいと思う。もうフベニルカテゴリーにいる年齢でもなく、かといってバルサBには上がれない選手たちがプレーする場所、それがバルサCカテゴリーだとするフィロソフィーを過去のものとしたいと思う。もちろんバルサBとは違いバルサAチームに選手を直接送り出す場所ではない。だが、必要に応じて、バルサBチームを助けていくカテゴリーとして、そして最終的にはバルサBカテゴリーに入り込む選手を養成していくカテゴリーとしていきたい。」

そのバルサCはバルサBと同じように快調に飛ばしている。これまで“ゴミため”カテゴリーと言われてきたバルサCだが、昨シーズンにトリプレッテを達成したフベニルAチームの選手が加わりバルサBの控え軍団として、あるいは将来のバルサAチーム入りを目指す活きのいいチームと変貌している。


第4節 ルイス・サストレのデビュー
(05/09/20)

バルサBーログロニェス
 3−0

ルーベンとハビートは走り込みができるようになったものの試合出場はまだ無理。ベルドゥは前回の赤紙一発退場で2試合出場停止処分をくらっているしフラゴッソもカード制裁でこの試合には出場できない。

だがバルサBは快調に飛ばしている。クリスティアンが絶好調を維持し、ジョルディ・ゴメスとフリオ・デ・ディオスもスタメン出場を果たしたし、期待のルイス・サストレも後半に入ってバルサBデビュー。そして彼らが期待通りの活躍を見せてくれた。1点目はクリスティアンからのセンターリングをジョルディが頭で合わせ、2点目と3点目は絶好調クリスティアンが決める。4試合で4ゴール、ということは38試合38ゴールの大目標に前進中。そして興味の対象はルイス・サストレがバルサBでどのようなプレーを見せるかということ。彼は非常にグアルディオラに似ている選手でチームを動かしていく能力はバルサBでもじゅうぶん発揮できそうな印象を受けた。ルイス・サストレ、楽しみな選手。それにしてもクリスティアン、凄すぎます。

ちなみに、ボージャンやヤゴがいるカデッテAカテゴリーもリーグ戦が開始された。地元でグラマネ相手に戦い3−0で勝利。だが、やはりカピタン・フランの姿はない。もうバルサにはいないのだろうが、どこのクラブにいったのだろうか。ドンデ・エスタ・フラン?

■FC BARCELONA
Javi Ruiz/ D.Fernandez/ Olmo/ Rodri/ Pen~a/ Arnau/ Julio(Sastre 46')/ Jordi/ Cristian(Pitu 82')/ Sito/ Orlandi(Montan~es 46')


ジョバニ・ドス・サントス
(05/09/19)

メキシコの初戦はウルグアイ。そして注目される選手はもちろんジョバニ。最年少選手でありバルサインフェリオールカテゴリーに所属する彼がどこまでやれるか、それはとても興味あるところ。

2−0でメキシコが勝利した試合となったがジョバニはゴールを決めていない。だが2点とも彼のアシストであり、期待通りの活躍を見せてくれたと言える。テレビで見た限りメキシコは彼をワントップとして起用している。彼のもっとも自然なポジションはメディアプンタあるいはロナルディーニョと同じポジション。したがって少々不自然な感じがしたものの、それなりにキッチリと仕事をしていた。

さて、アンダー17ワールドカップはまだ始まったばかり。これからの更なる活躍を期待しつつ、メッシーの例を深く反省して早くEUパスポートを申請しておこう。


明日の星
(05/09/16)

イニエスタ、メッシーに続くカンテラ出身の明日の星、それはジョバニ・ドス・サントス、今シーズンからフベニルBカテゴリーに在籍することになる。そのジョバニは今ペルーにいる。アンダー17ワールドカップでメキシコ代表の一人としてプレーするからだ。9月16日から始まるこの大会で、ジョバニがいるメキシコ代表はウルグアイ代表、オーストラリア代表、そしてトルコ代表と一緒のBグループ。9月16日にウルグアイ戦、19日にオーストラリア戦、そして最後のグループ戦は22日トルコ相手となる。

ブラジル人の父とメキシコ人の母を持つジョバニ。父親のジジーニョは70年代から80年代末にかけてメキシコのクラブでプレーしていたという。したがってジョバニはブラジル生まれかと思っていたが、どうやらメキシコで誕生しているようだ。しかも育ったのもほとんどメキシコのようで「自分はブラジル人ではなくメキシコ人」と認識しているという。アンダー17のメキシコ代表選手の中で彼は国外でプレーしている唯一の選手でもある。

メキシコ代表に合流してきた彼に地元メディアがインタビューをおこなっている。

親善試合とはいえバルサBでデビューした感想は?
「相手チームの選手がほとんど30歳前後だったようで最初はビックリした。これまでこれほど年齢が離れている選手がいる相手チームとは試合したことがなかったから。でも15分もすればいつものような感じでプレーできたように思う。」

この大会について
「これまでメキシコ代表は準決勝にも進んだことがないそうだから、とりあえずそこまでたどり着くこと。そして最終的な目標はもちろん優勝だ。アンダーという名がついていながらもワールドカップはワールドカップ。多くの人々が注目するこの大会でメキシコ代表の強さを示すことができれば素晴らしいことだと思う。」

この大会が終わったらバルサではどのカテゴリーでプレーするのか?
「フベニルカテゴリーが今シーズンの自分の場所。でもメッシーのようにシーズン内でカテゴリーをどんどん上げていきたいと思っている。そして近いうちにカンプノウでプレーするのが自分のスケジュール。」

フベニルBカテゴリーでシーズンをスタートするジョバニ。だがプレステージでの試合ではフベニルAどころか、バルサBの試合でも1回だけながら起用されている。これまでイニエスタとメッシーがそうであったように、つまりシーズン開始当初はフベニルB在籍となりながらも、時間の経過と共にフベニルAで、バルサCで、そしてシーズン終了間際にはバルサBで試されるということも起きるかも知れない。カンプノウ出場に一直線に走るジョバニ、今シーズンさらなる爆発の予感。


しっかりせいや、チキ・ベギリスタイン!
(05/09/14)

結果的に大外れとなったルストゥやクアレスマの獲得だが、こういうハズレはこの世界ではよくあることだし、スーペル・マリオ獲得というシャレのきいたこともしてくれたのでまあ良しとしよう。カピタンマークまで付けてくれたコクーに対して恐れ多くもケチなオファーしかださなかったことはとても許されないことながら、チキを取り巻く“状況”がそうしてしまったこととして許しておこう。何の役にも立たなかったアルベルティーニ獲得も緊急事態だったことで大目に見てしまおう。アルゼンチン代表のサビオラより、代表はおろかバルサの試合にも招集されなくなったマクシを選んだことも複雑なクラブ内の事情があるようだから仕方ないとしよう。そのマクシを買った価格とほぼ同じ値段でアルゼンチン代表選手リケルメを売ったこともやはり複雑なクラブ事情と理解してあげよう。バルサインフェリオールカテゴリーの責任者だったコロメールを切ったこともコネが優先するスペインらしきことと理解してあげよう。そして例えこれらのことがチキ・ベギリスタインを評価する際のマイナス材料となったとしても、プラスの材料、つまりロナルディーニョやデコ、エトー、その他大勢のライカー・バルサの核となる選手を獲得することを“許可”した功績は高く評価されていいだろう。少なくても我らが最高責任者はアリゴ・サッキより結果を出してくれている。

だが、メッシーに関するここ最近の発言はチョイといただけない。フットボール部門の最高責任者としてのチキ・ベギリスタインの発言としては少々お粗末過ぎる。そう、だいぶお粗末過ぎる。いやそれどころか、とんでもなくお粗末だ。

「メッシーのバルサAチーム出場資格に関しては何の心配もしていない。メッシーは今の契約条件のままで、つまり昨シーズンと同じようにバルサAチームで出場可能だ。」
8月のニュースでも触れたように、チキは8月の末にこう語っておきながら、その二日後には「フットボール協会の規約上の問題がはっきりしない。」ことを理由にフラン・ライカーがメッシーのアラベス戦招集をあきらめている。そして月は変わって9月、カンプノウ開幕戦となったマジョルカ戦後に我らがフットボール最高責任者はテレビカメラを前にしてこう語った。
「メッシーは水曜日のブレーメン戦にも招集されることはない。UEFAの関係者によれば、選手が所属するフットボール協会で何らかの問題を抱えている場合はチャンピオンズにも出場できないと言ってきているからだ。」
フム、フム、それらしきことをくっちゃべるチキ、だがその翌日、なんとUEFA自体がメッシーの出場を合法として認める発言をしている。つまりUEFAとしてブレーメン戦でのメッシーの出場は何の問題もないとおっしゃっている。

どういうことが原因となっているのかはわからないものの、バルサというビッククラブのフットボール部門の最高責任者がこうではクラブとして恥ずかしい。とにかく何かしゃべると48時間以内に反対のことが起きてしまうのは異常なことだ。このお粗末さの理由は、例えば彼に届いてくる情報がとんでもなくいい加減なものばかりなのか、あるいは情報を受け取る人間が単に無能なだけなのか、はたまたサンドロ・ルセーの怨念が彼に取り憑いてしまったのか、どれだかわからないものの、ここは一つ、チキ・ベギリスタインさん、根性入れて働いてみたらどうだろう。そうじゃないと、150万ユーロとも200万ユーロともいわれている年俸が似合いません。


第3節 初の敗北
(05/09/13)

アリカンテーバルサB
 2−1

負傷中のルーベンに変わり只今絶好調のハビ・ルイスおじさんがいつものようにスタメン、前回の試合で赤一発退場をくらったロドリは当然ながらこの試合には出場できないので彼の穴を埋めるオルモ、そして軽い負傷中のピトゥに代わりジョルディがスタメン出場、そして良いニュースとしてはアンダー21代表に持って行かれていたペーニャが戻ってきていることだ。相手は強敵アリカンテ、しかもアウエーの試合。

バルサBはこれまでの試合と同じように試合の主導権をとるものの無得点のまま後半に突入。そして後半6分、シトのバルサB初ゴールで先制しその後も攻め続けるバルサB。だが30分にベルドゥが赤紙一発退場をくらってから雲行きが怪しくなってきた。89分(89分!試合終了まで!分!)フラゴッソがペナルティーエリア内でファールを犯し2枚目のイエローでこれまた退場。ペナルティーを決めたアリカンテは9人のバルサBに攻撃の嵐を仕掛ける。そして94分(94分!試合終了してから4分!)、ついに2点目を入れられちゃいました。と言うわけで、2−1の敗北。惜しいチャンスを逃しました。

■FC BARCELONA
Javi Ruiz/ D.Fernandez/ Olmo/ Fragozo/ Pen~a/ Arnau/ Verdu/ Jordi(Fran 89')/ Cristian(Riera 85')/ Sito/ Orlandi(Julio 76')


カピタン・フラン事件(その2)
(05/09/11)

15歳前後の少年が在籍するカデッテカテゴリーなんぞには普通のファンはあまり興味ないから、メディアはほとんどニュースを提供してくれない。もちろんそのカテゴリーの少年の将来に関してクラブを追求したりしないメディアだから、クラブもなかなか公式発表をしない。したがってカピタン・フランに関してもなかなか本当の話が聞けないが、もうバルサを辞めたことだけは確かなことのようだ。練習にもでてきていないようだし、先日見た親善試合でもフランは不在でカピタンマークはヤゴが付けていたことで雰囲気的にはもういないことがわかっていたフラン。そしてついに彼の代理人であるホセバ・ディアス氏が「フランは個人的な理由でクラブを去ることになった。今いくつかのクラブのオファーを検討中。」とエスポーツ紙に語っている。

フランの“逃亡理由“は最近のセスクやピケの例をだすまでもなく、外部の人間には真実が最後までわからずボヨヨ〜ンと時間の経過と共に消えていってしまうかも知れない。本当にクラブ関係者がサインをせずにさぼったことが原因なのか、あるいは他のクラブからとてつもなく美味しいオファーが舞い降りてそれを代理人がうまく調理してしてしまったのか、そこら辺は関係者のみ知ることになる。だが、いかなる理由であろうと、つまるところこれらの少年と彼を取り巻く人々にとってバルサというクラブでの将来よりオファーを出してくれたクラブでの将来が明るいとうつったのだろう。悲しいかな、それが現実だ。

この1週間でいくつかの講演や記者会見をしている我らが会長はフランに関しては質問を何も受けていないので当然ながら沈黙を守っている。が、それでもサビオラやメッシーなどにはペラペラと触れている。カピタン・フラン事件だけでもイライラするのに、どれもこれもポカ〜ンと口を開けたくなるほどの間抜けな発言と言える。いったいこの会長はどうしちまったのだろう。まったくもって常軌を逸している。
「サビオラがセビージャにいったのはカンプノウを閉鎖されたくなかったことも一つの理由となっている。」
カンプノウは閉鎖されないことがずいぶん前に決まったが、あくまでも閉鎖を要求しているセビージャ会長デル・ニードが控訴しないことがサビオラレンタルの条件の一つとなっているという。8月におこなわれたソシオ審議会では「経済的に一番良い条件をだしてきたのセビージャだった」からとソシオに報告しておきながら、バルサとは何の関係もない学生を前にしての講演会で「本当の理由は」と語るこの我らが会長。さらにレオ・メッシーの置かれている状況を作り出した最大の戦犯はルセーとコロメールにあると言うに及ぶと、もうこの人、いっちゃってるとしか思えない。ここ2年のラポルタ政権はバルセロニスタに大いなる希望を与えてくれたものとして歴史に残るかも知れないが、これからの2年はガスパー政権と並ぶ史上最悪のものとして残らなければいいが。


快調なスタート、クリスティアン
(05/09/10)

9月の末には22歳となるクリスティアン・イダルゴ選手。リーグ戦を2試合経過した今の段階でそれぞれ1ゴールずつ決めている。昨シーズンは4ゴールしか決めていないデランテロだから、これは絶好調のスタートと言っていい。

「バルサに入団してきた1年目や2年目に良い結果を出していないので、プレステージでの段階では放出もありかなと思っていた。だがキケ・コスタス監督と何回か話し合ったときに『とにかく自分に自信を持て。すべてはそれからだ。』という言葉が今まで以上にやる気を起こさせてくれたような気がする。いずれにしてもバルサBにとっても個人的にも今年は勝負の年だと思っている。」
そう語るクリスティアンの契約期間は2007年6月30日まで。今シーズンを含めて2シーズン残っていることになる。この契約期間内にバルサAチーム入りが可能であればそれにこしたことはないものの、もしそれが不可能であるなら他の一部チームでプレーすることが希望だ。

昨シーズンまで9番のポジションで起用されてきた彼だが、プレステージやリーグ戦2試合を見た限り右エストレーモ選手として配置されている。それが今のところ良い結果としてでていることは間違いない。2試合で2ゴール、この計算でいけばシーズン終了時には38ゴール決めていることになるが、まあ、とにかくシーズンは始まったばかり。2シーズン見てきてどうもイマイチ信頼できない選手だけにコロッとズッコける可能性もないとは言えないものの、スタートはとにかく好調だ。このまま自信を持って走ってみよう。


第2節 ハビ・ルイス大活躍
(05/09/06)

バルサBーアルコヤノ
 1−0

アルコヤノという変な名前のチームを迎えて、地元ミニエスタディでの開幕戦はまだ強い日射しがカンカンと照らしている18時にスタート。相変わらず寂しい観客席、千人かもうチョイかといった感じ。ペーニャはアンダー21の代表に招集中、ルーベンはけっこうな負傷でほぼ1か月ダメ、ダミア、サストレ、フリオは軽い負傷でダメ、ハビートは“エコノミー症候群”からようやく脱出したもののまだ軽く走れるようになった程度でダメ、というわけでバルサBにとってはダメダメ症候群状況の第二節となった。

でもクリスティアンが良い、万年控えポルテロのハビ・ルイスも良い。シーズン開幕戦と同じように右エストレーモにポジションを変えたクリスティアンが、やはり初戦と同じようにバルサ唯一のゴールを決めている。そしてルーベンの代理としてスタメン出場してきたハビ・ルイスが経験豊かなところを披露してくれた。クリスティアンのゴールも早い時間だったが、ロドリがペナルティーエリア内でファールを犯して一発退場となったのも早い時間。このPKをハビ・ルイスはバチッと足に当てて止めてしまう。そしてこれでもかこれでもかと飛んでくるシュートをバチバチと止めてしまうハビ・ルイス。この日は彼のためにあるような大当たりな日でした。

■FC BARCELONA
Javi Ruiz/ D.Fernandez/ Rodri/ Fragozo/ Fran/ Arnau/ Verdu/ Pitu(Jordi 52')/ Cristian(Montan~es 74')/ Sito/ Orlandi(Olmo 37')


ホセ・ラモン・アレサンコ
(05/09/05)

個人的にアレサンコという名を聞いて最初に浮かんでくるのは“エスペリアスの反乱”での彼だ。1988年、ルイス・アラゴネスが監督をしているシーズンに、各選手の年俸額とその支払い方法をめぐって現役選手たちがヌニェス理事会を相手取って“団交“を要求するという前代未聞の闘争がおこなわれ、その要求記者会見をしたのがエスペリアスというホテルだったことから時代の経過と共に“エスペリアスの反乱”と名付けられた。この闘争でビクトル・ムニョス(現サラゴサ監督)と共にヌニェス理事会に対し反乱の指揮をとったのがアレサンコだった。だがこの勝負には当時の副会長ガスパーがシャシャリシャシャリと出てきて最終的にガスパーの圧倒的な勝利に終わっている。ついでに、この勝負で初めてガスパーという、胡散臭いながらもなぜか憎めない人物の存在を知ることになった。

この反乱に参加したほとんどの選手が翌年のクライフの監督就任と共にクビになっている。だがアレサンコだけはクラブに残ることが許された。いや、許されたというよりはクライフの要望で残っていただいた選手といった方が正しいかも知れない。その後のクライフバルサでの彼の起用法などを見ていると、あらゆる意味でクライフの信頼を勝ち取っていた選手という印象だ。

1956年5月19日にバラカイドで生まれているバスク人。フットボール選手を志す多くのバスク人がそうであるように、彼もまたビルバオのカンテラとして育っている。1975−76シーズンから1979−80シーズンまでビルバオの一部チームでプレーし、1980年に当時としては最高額の1億ペセタという移籍料でバルサに入団してきているが、デフェンサの選手に最高額の移籍料を支払うということはよほど期待されていた選手だったのだろう。ウエンブリーの決勝戦ではバルサカピタンとして優勝カップを高々と上げている。バルサで13シーズン過ごしてから現役引退し、その後も何らかの形でクラブに残り続け今日まで来ている。そして今シーズンから4年契約でバルサインフェリオールカテゴリーの最高責任者となった。

彼の前任者が納得いかない形で去ることを強制され後味の悪いものとなったが、個人的にはアレサンコ就任そのものは非常に気に入っている。これまでクラブ内では控えめな場所にいることが多かったが、もっと早く評価されていい人物だ。それにしても、彼がインフェリオールカテゴリーの最高責任者となってからソンゴー・ジュニアーの移籍が実現してしまうことになったが、ソンゴーはよほど将来性を感じない選手だったのだろうか?


まだいたルドビック
(05/09/03)

キケ・コスタス監督から計算外選手として宣告を受けていたフランス人選手ルドビック。したがってもうとっくにバルサBにサヨナラしてどこかに移籍しているのかと思ったらとんでもない間違いだった。

選手登録を済ませなければならない最終期限は8月31日24時。どうやらバルサネクタイ組は最後の最後までルドビック解雇の交渉を続けていたようだ。だが、ファンにとって残って欲しい選手にはタダか、あるいはとんでもなく少ないユーロで売り飛ばすことしかできないネクタイ組。ルドビック解雇交渉については、ついに最終期限まで終わりを見ずバルサB選手として登録する羽目になってしまった。そして彼の残留の波紋をガビ〜ンと受けたのがエスポシット選手。登録メンバーの人数制限の関係でバルサBから登録を外されてしまっている。ドジな話です。もっとも“ラ・マシア”というサイトはオフィシャルでも何でもないわけで、ルドビック選手には申し訳ありませんが、ベンチに入ることもないであろうからメンバー表には入れません。あしからず。

そして第三ポルテロとしてマノロという選手が登録されたので、まあ出番のない選手となるだろうが彼はおまけでポルテロ欄に入団。


ルーベンも負傷中
(05/09/02)

バルサBの開幕戦となったオスピ戦でルーベンは後半10分程度でハビ・ルイスと途中交代しベンチに下がっている。ゴール前ゴチャゴチャした状態でなにやら腰をおかしくしたらしく、試合翌日の精密検査の結果で全治3週間と発表されている。お大事に!


突然のソンゴーの移籍
(05/09/01)

8月31日、バルサはオフィシャルサイトを通じてソンゴーの移籍をさりげなく発表している。移籍先クラブはイングランドのポートマスで移籍料は30万ユーロ。そして将来、このクラブから再びどこかに移籍する際にはバルサが20%の移籍料を受け取る権利を有するという。1987年5月14日にカメルーンで生まれているソンゴーはまだ18歳になったばかり。2001年にバルサに入団してきているからすでに4シーズンにわたってバルサインフェリオールカテゴリーに在籍していることになる。今シーズンはバルサCでの登録が発表されたばかりだった。

“ラクディア・アンダー20”の大会というのがつい1週間ほど前におこなわれ、この大会に参加したバルサCは決勝戦に進みながらバレンシアに4−1というスコアーで敗退している。それでもこの大会の最優秀選手賞を獲得したのがソンゴーだと知ったとき、今シーズンはやっと快調にとばすソンゴーがみられるのではないかとひそかに期待をしていた。フベニルBでもフベニルAでも決してスタメン定着ができなかったソンゴーだが、それでも近い将来、バルサCからBに移り、そのうちカンプノウにも出場してくるのではないかと思っていた選手だけに残念。

わずか30万ユーロでこれまで育ててきた選手を、それも将来が期待された18歳の選手を手放しますかラポルタさん、チキさん、そしてアレサンコさん。