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50%のカンテラだってさ! かつてアルバセテを三部から二部カテゴリーに上げ、そしてその勢いで一部リーグのチームにまでのし上げた“奇跡の監督”ベニート・フローロ。その彼がアリゴ・サッキに代わりマドリ・スポーツ・ディレクターに就任している。わずか1年少し前の2004年7月から数えるとこれで4人目のスポーツ・ディレクターの誕生だ。バルダーノ、ブトラゲーニョ、アリゴ・サッキ、そしてベニート・フローロ。“アルバセテのサッキ”とも呼ばれた彼がサッキの後釜になるというのも笑える話だが、ベニート・フローロのマドリ突然入団そのものがまるでイノセンテニュースみたいなものだし、とにかく今のレアル・マドリは誰もをアッと驚かしてくれる超高級ビックリ箱となっている。 ベニート・フローロにとってスポーツ・ディレクターという職は初めてのことであり未知の世界に足を踏み入れたことになる。監督として素晴らしかったかと言えば、それは超二流の結果しか出していないヘボ監督と言ったほうがいい。クライフバルサに5−0という歴史的な結果をいただいた後、スポルティング・デ・ヒホン、ナントカ神戸、メキシコのモンテレイ、そしてビジャレアル、マジョルカと職場を変え、一つとしてタイトルを獲得していないばかりか、シーズン途中での降参常連監督でもある。その彼がアリゴ・サッキの後釜に就任した最大の理由がロペス・カロに窮地が訪れた場合の“臨時監督”でもあるというのだから、さすがびっくり箱クラブだ。 そのベニート・フローロが入団記者会見で次のようにぶち上げている。 それでは22人の選手で構成されるレアル・マドリの内訳を見てみよう。メヒアとかディエゴとかミニャンブレスというような選手まで含めて8人のカンテラ育ち選手と3人のスペイン人“優秀’選手、そしてつい最近入団してきたシシーニョを加えると11人の“クラック“外国人選手。つまり36%のほとんど招集さえされないカンテラ選手と14%のスペイン人選手と50%の世界的クラック選手によって構成されているチームであり、それがレアル・マドリの実態ということになる。サッキでさえその辞任理由を「自分の思うような仕事をさせてくれないのに給料をもらうわけにはいかない」と辞任記者会見で語っているぐらいだから、ベニート・フローロに仕事の自由が与えられる楽観的根拠はまったく存在しない。 いずれにしてもベニート・フローロが語る“フィロソフィー”は夢物語だ。21世紀の今日において、75%の国内選手によって構成されるチームが国内ではもとよりヨーロッパの大会で通用するわけがない。それはボスマン判決以前のフットボール世界の話であり、現在においてはユートピアにしか過ぎない。カンテラ育ちの“旬の時期’を迎えているバルサでさえ40%強のカンテラ選手と、50%を大きく上回る外国人選手によって構成されているのだ。 コロコロと変わるフィロソフィーを持つクラブを笑い話のタネとし、楽しかった2005年が終わろうとしている。2006年も間違いなくバルサの年となるだろう。バルサの快進撃サイクルは始まったばかりであり、レアル・マドリのどん底サイクルもまだまだ続くことになる。 それでは、みなさん良いお年を! カピタン おっと、そう言えば、一昨日の12月28日はスペインではイノセンテの日と呼ばれ、日本で言う4月1日のエイプリル・フールのような日。毎年この日に、スペイン各紙は練りに練った嘘八百ニュースを掲載します。アス紙「マドリがグアルディオラの獲得を計画中」、エル・ムンド・デポルティーボ紙「チェルシーのランパー選手がモンセラでで結婚式をおこなう予定」とか、いろいろ今年もイノセンテニュースが流れましたが、下の28日の記事ももちろんイノセンテニュースです。マクシはバルサAチームとのプロ契約を結んで入団してきた選手ですから、バルサBでプレーできるわけがないことは知っているでしょうし、15歳のボージャンがバルサAチームでプレーすることもあり得ないでしょうから、まあ、誰もひっかからないニュースだったでしょう・・・・か? |
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さすがチキ・ベギリスタイン ベティス、マジョルカ、ソシエダなどのクラブからレンタル移籍要請が正式にクラブに届いてから早1か月。バルサとしては当人の意志を尊重して最終決定したいという方針で、当人のマクシの結論待ちという状態だった。そして12月28日、マクシ当人とクラブ側の間で最終的な結論に達したようだ。それはどこにもレンタル移籍せず、あくまでもクラブに残ることだ。前日に発表された「ラルソンの今シーズン限りでバルサ退団」というニュースがこういう結論に達した最大の理由となっている。しかもバルサはレンタルに出した選手のバルサ戦への出場を否定しない歴史的な方針があるため、もしカンプノウでの試合でマクシにゴールパフォーマンスのガジーナをやられようものなら、みっともないということもあるのだろう。 来シーズンにはアンリの加入がすでに内定しているため、再び第三デランテロ候補となるであろうマクシだが、それでも今シーズンできる限り試合に出場させたいと考えるチキ・ベギリスタイン。だがエトーが絶好調の今、マクシの出番はそうそうあるものでもない。可能な限り試合に出場させてスペインフットボールのリズムをつかめる場所、カンプノウが無理ならミニエスタディがあるじゃないか、そういう結論に達した我らが天才ディレクター、チキ・ベギリスタイン。 エトーがアフリカの大会に参加するためバルサの試合に出場できない期間はラルソンがその穴を埋めることになる。これまで合計15分しかリーガの試合に出場していないマクシだが、エトーが抜けている期間もフラン・ライカー監督は彼を起用する意志はないようだ。第一デランテロはラルソンであり、第二デランテロ候補としてはジュリーやメッシー、あるいはつい先日フベニルカテゴリーでデビューしたボージャンの起用も考慮中だと関係者は語る。いずれにしても1月8日に予定されているビラホイオッサ戦でバルサBの助っ人マクシがデビューすることになる。スエルテ! -------------------------------- イノセ〜ンテ! イノセ〜ンテ! 12月28日はイノセンテの日と呼ばれる、いわばスペインのエイプリル・フール。毎年この日、スペイン各紙は練りに練った大ウソ記事を掲載して読者を楽しませてくれます。ということで、これはラ・マシアからのイノセンテでした。チキート・フットボールの過去ログ、「NewsGrana」「カナルチキート」「今日の一面」などの12月28日〜30日あたりの記事を見ると過去のイノセンテ記事が見つかります。 |
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前半の総括(4) ●ラモン ●マーク ●ベサーダ ●アルベルト ●ビクトル ●トニー ●ペドロ ●ジルベルト |
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前半の総括(3) 昨シーズンにフベニルカテゴリーでプレーした多くの選手によってよって構成されているバルサC。そのことを考慮に入れれば、今のところ“結果”がでていない状態ながら同情の余地は確かにある。同じような年齢の選手たちを相手として戦ってきたフベニル時代から、30歳近くの経験豊かな選手によって構成されているチームが多い三部リーグでの戦い。しかも現在のバルサCでプレーする多くの選手は昨シーズン長いシーズンを過ごし、夏休みさえとれなかった何人かの選手もいる。トリプレッテを達成したフベニルAチーム選手たちはほとんど休憩する時間もないままバルサCに加入してきているからだ。試合に勝利することが大事なことは変わらないとしても、このチームの最終目標はこの厳しいカテゴリーでの経験を若手選手に積ませること。そしてできる限り多くの選手をバルサBに送り出すことだ。 バルサCは冬休みに入るまでの9試合、つまり27ポイント獲得の可能性がある9試合でわずか8ポイントしか獲得していない。シーズンが開始されてから第9節にはいるまで快調に飛ばしリーグ5位に位置していたチームからは考えられない結果だ。この不安定さが現在13位、4位以内まで9ポイントという結果になってあらわれている。もっともルイス・サストレやバリエンテというチームの中心選手がバルサBに持って行かれてしまったという言い訳も成立しないこともないし、ただでさえデランテロがいないチームなのに、シトもバルサBでプレーしているということも同情の余地はあるだろう。いずれにしても10代の選手で構成されているバルサCというチームにとって、この三部リーグというのは毎年厳しい戦いの場となる。 ●ミゲール ●モンテロ ●ジャーマス ●カサード ●マルトス ●ボレゴ ●ルジェー ●アロンソ ●オリオール |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第16節)■ 年内最後のこの試合に勝利したことにより今シーズン初の4連勝を達成。調子は徐々にではあるものの上昇カーブを描いてきているようで、来年に入ってからのリーグ後半が楽しみになってきた。首位のエスパニョールに4ポイント離されているが、その程度の差は問題ではないだろう。本来の調子を取り戻し、リズムに乗りれさえすればエスパニョールとの直接対決も残っているし問題はない。だが、ゴールを決める選手を欠いているチームだけにリーグ後半に入ってからどうしても必要となる選手がいる。ジョバニ・ドス・サントスだ。 そのジョバニが久しぶりにスタメン出場したようだが調子はイマイチだったらしい、しかも後半に入ってすぐにベンチに下げられているようだ。これからのリーグ戦においてどうしても活躍して欲しい選手だけに、ここは一つしっかりとクリスマス休暇を楽しんで、スッキリクッキリの精神状態となってチームに戻ってきなさい。 ■フベニルB(第14節)■ 見捨てようと思ったこのチーム、だが見捨てるわけにはいかない。今シーズンの後半あたりにはボージャンがこのカテゴリーにやって来るだろうと思っていたが、こんなに早く加入してくるとは思わなかった。そう、カデッテAからボージャンがこのカテゴリーにやって来た。 1歳から3歳年上の選手がいるチームの中にあって彼のフィジカルは決して見劣りするものではなかった。順調に成長してきているのだろう、もう身長は170前後あると思うし、細い体ながら強いあたりにも耐えるものを持っている。ゴール前のスペースはカデッテの試合のようには簡単に見つからないが、それでもマークを外す能力やリズムの変化を付ける才能は超ピカピカするものがある。“1試合2ゴール”というノルマは果たせなかったものの、フベニルカテゴリーデビュー戦となったこの試合で、しかも前半だけの出場で1ゴールだけはキッチリと決めている。 ■カデッテA(第14節)■ 上のカテゴリーにさらわれてしまったため、ボージャンが不在となった試合だが、それでもこのチームの強さは変わらない。“栄光の9番’が不在となると普段以上にやる気を見せるヤゴはこの試合でもカピタンマークを付けている。 まるでヤゴの一人舞台とも言える試合となった。彼のアシストによりゴールが生まれ、そして彼自身もゴールを決めまくる。彼も早くフベニルカテゴリーに上げてやってください。 ■カデッテB(第12節)■ いかに実力的に違いがあろうと、7点というのはなかなか入らないものだ。だがこのカデッテBチームを構成する20人以上の選手は誰がスタメンで出場してもおかしくないような力をもっている。前半と後半でルールが許す限りの数の選手交代をおこない、交代してきたフレッシュな選手たちはすでに疲労を覚えている相手選手たちに襲いかかる。それをまるで絵に描いたような試合内容だった。 *順位表は「試合日程・順位」から |
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前半の総括(2) ●フラゴッソ ●アルナウ ●ジョルディ・ゴメス ●ベルドゥ ●フリオ ●サストレ ●クリスティアン ●シト ●リエラ ●オルランディ ●パコ・モンタニェス ●ピトゥ ●ハビート |
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前半の総括(1) ギリギリのところでの勝負強さが欠けているとも言えるかもしれないし、選手たちの経験不足のせいかもしれない。あるいは監督や選手たちが言うように「不運な試合が多かった」のかもしれない。もし、ということを言ったらキリがないが、もし、試合時間が90分ではなく85分制度であったなら今の段階でバルサBは首位にいてもおかしくない。第1節、アウエーのオスピ戦、1点リードしながら85分に同点ゴールを入れられている。第3節、やはりアウエーのアリカンテ戦、1点をリードしながら89分と94分(94分!)にゴールを入れられ敗北している。第13節、これもアウエーでのアルファロ戦、同点のまま86分に入りここでゴールを入れられ1ポイントを失っている。そしてその翌週のバダロナ戦では89分にゴールを入れられ同点とされ2ポイント失っている。これを勝負強さの欠如とするか、あるいはツキのなさの証明とするか、それはそれぞれの人の判断にまかせよう。 17節を終了した段階で7勝5敗5分け27得点25失点で26ポイント獲得し8位に付けている。首位のレバンテには7ポイント差を付けられているものの、二部Aカテゴリー入れ替え戦の権利を得る4位までにはわずか2ポイント差だ。今シーズンから加わってきた新しい選手が多いチームだから、今のところそれなりの結果とみていいのではないだろうか。 ●ルーベン ●ハビ・ルイス ●ダニ・フェルナンデス ●ペーニャ ●ロドリ ●バリエンテ ●オルモ |
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第17節 3連勝ならず バルサBーテラサ この試合に勝利すれば今シーズン初の3連勝となり楽しい年末年始を迎えられるはずだったが、残念ながらそうはならなかった。試合内容が悪かったわけではなく、いくつかの決定的なゴールシーンをそれなりにものにしていれば楽勝となっていた試合だ。前回の試合でのゴールが評価されたのか、この試合ではリエラがスタメンデランテロとして今シーズン初の出場。内容はまあまあというところか。 いつものように攻め続けるバルサBに対しカウンタアタックを狙う相手チーム。そしていつものように見事に相手の逆襲がゴールにつながってしまう。そこで突然のようにあらわれるベルドゥ。試合終了まで余すところ20分ほどで彼のゴラッソで同点に。それからはバルサBの猛烈な攻撃が続くもののゴールまでには至らない。また地元ミニエスタディでポイントを失ってしまったが、試合内容はここのところ上向き加減になっているのが救いという感じ。来年はとりあえず4位以内を狙ってみよう。 ■FC BARCELONA 第18節 拾いもの3ポイント フィゲーラスーバルサC どうやらお互いにひどい試合内容だったらしい。それでも90分でわずか2回しかなかったゴールチャンスを2度ともものにしたバルサCが勝利。たまにはこういうことがあってもバチは当たらない。君たちの場合は4位以内狙いというよりはカテゴリー落ちラインに入らないように気をつけ、そしてフベニルから上がってきた若手選手たちが貴重な経験を重ねていけばよい。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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チャンピオンズは復讐戦? チェルシー相手と決まる前からラポルタを含め多くの人々が復讐戦を希望していた。それはカタルーニャメディアのアンケートを見れば60%以上の人々がチェルシー相手を希望していたことからも明らかだ。だが、個人的にはチェルシーなんぞに復讐の気持ちはわかない。復讐戦、それはあくまでもミラン戦以外見つからない。 チェルシーに復讐を誓うのであるなら、バルサには多くの復讐戦がある。ユベントス相手でもそうだし、バイエルン相手でもそうだし、インテル相手でもそうだし、もちろんマドリ相手の戦いも復讐戦だ。つまり、コパ・デ・ヨーロッパと呼ばれた時代からチャンピオンズと呼ばれる現在まで、バルサはこの大会向きのクラブではなく、大事なところで何回も敗戦してきているチームだ。したがって復讐戦を望むとすれば相手にはこと欠かないのだから、そういうスケールの小さい発想は捨ててしまおう。唯一この世に存在する復讐戦と呼ばれるに相応しい相手、それはミランしかいない。そしてバルサの決勝戦の相手はもちろんミランでなくてはならない。 まず。スタンフォード・ブリッジでの勝利を勝ち取った我々は、カンプノウに乗り込んでくるモウリーニョに対して「通訳ご苦労さんでした。」と感謝の気持ちを込めて暖かく迎え入れよう。ついでにこの試合も3−0で勝ってしまうのがよい。そして次は何と言ってもインテル相手が好ましい。カンプノウでの怒濤のような叫びをクラシコでもないのに再び楽しむことができる。ついでに彼の引退試合に花を捧げ、木っ端みじんにぶちのめしてやろう。準決勝は奇跡的に生き残っているベンフィカとの対戦が気持ちよい。ベンフィカであるなら監督をはじめシマオやジオバンニなどという元バルサ選手がいるから同窓会のような感じでヨロシイ。そしてパリでの決勝戦の相手にはもちろんミランが乗り込んでこなければならない。11年前の借りを返す絶好のチャンスであり、あれ以来ノドに引っかかっていたものを取り除くありがたき決勝戦となる。5月17日、バルサは次のようなスタメンでミランを4−0でやぶる。 と、カンテラとは何の関係もないお話でした。 |
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メキシコ人選手が4人 エベル・アルセニオ・グスマン・サバーラ、1988年3月15日メキシコはセラーヤというところで生まれ、現在モナルカス・デ・モレリラというクラブに所属しているデランテロ選手。16歳という年齢で2004年メキシコリーグデビューし、一部リーグデビュー最少年記録を作った彼は、ジョバニ・ドス・サントスなどと共にアンダー17の大会で活躍している。身長170センチ体重60キロと紹介されているそのグスマン少年が、今週の月曜日からマシアの練習場でテストを受けている。1週間の予定でおこなわれるこのテストに合格すれば、彼はジョバニと共にフベニルAチームでプレーすることが可能となる。だが、もちろん、グスマン選手を取り巻く何人かの選手代理人とバルサ側で経済的な交渉が成立すればの話だ。 アンダー17の大会で合計467分プレーし5得点を決め得点王となったカルロス・ベラは現在アーセナルのグランドで練習している。まだ正式にアーセナルでプレーできない彼は近いうちにバレンシアにレンタルされる予定。そして第二デランテロとしてアンダー17の大会で活躍したのがこのグスマン選手。この大会で合計168分プレーし4ゴールを奪っているから決して悪い数字ではない。 12月11日から17日までの1週間にわたっておこなわれるこのテストに参加している選手は実はグスマンだけではない。エフライン・バルデス、クリスティアン・サンチェス、ホルヘ・エルナンデスという、やはりアンダー17の大会に出場しチャンピオンとなった3人の選手たちもグスマンと一緒にマシアに来ている。つまり合計4人のメキシコ選手がテストを受けに来ているのだ。だが、テストが終了する1週間後に彼らの誰かに“合格”サインがだされたとしても即バルサ入団ということにはならないようだ。というのは、彼ら4人の選手は“テストツアー”の一環としてバルセロナに来ているに過ぎず、マシアでのテストが終われば次はカディスの招待テストが待っているという。少しでも早く、1か月でも早く、1週間でも1日でも早くヨーロッパのクラブでプレーすることが多くの中南米出身選手の夢だ。みんな、スエルテ! |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第15節)■ 前半15分にバルサデランテロのルエダが負傷し、後半から出場予定だったジョバニが急きょ出場してきた。ここ何試合かベンチスタートとなっている彼だが、やはりアンダー17の大会での盛り上がりが彼には否定的な影響を与えていたようだ。まだ16歳の少年がいきなりスター選手扱いされ、すっかり精神的に舞い上がってバルセロナに戻ってきて、それから冷静にフットボールに集中できるまで3か月前後かかってしまった。最近おこなったインタビューでもそこら辺のことを彼も反省しているようで「今では精神的にも落ちついてきた。いままでどおりバルサのインフェリオールカテゴリーの階段を一段一段上がっていこうと思う。」と語っている。まあ、いきなり注目された選手になってしまったんだから、舞い上がってしまったのはしょうがない。そんなことよりも以前の彼に戻ることができたのだから立派なもんだ。 決して試合内容は褒められたものではなかったが、地元で勝利し貴重な3ポイントを獲得。これで首位のエスパニョールに4ポイント差、2位のマジョルカに1ポイント差と追いついて3位になっている。少しは期待が持てる状態に戻ってきたようだ。 ■フベニルB(第13節)■ もうこのチームは見捨てようかと思います。 ■カデッテA(第13節)■ 2位のグラマネに5ポイント差、3位のエスパニョールには9ポイント差として首位を走り続けるカデッテAバルサチーム。ダム相手のこの試合では前半に監督とセントロカンピスタ一人が退場となり予想以上に苦しい試合展開となった。普段であれば後半に入ればベンチに下がることが多いボージャンだが、この試合はそんな余裕はなく最後まで残業。そしてこれまでの試合どおり“1試合2ゴール”というノルマを果たし、バルサ勝利につながる2ゴールを稼いでいる。これでボージャン13試合に出場して26ゴール、ピッタシ1試合2ゴールだ。 ■カデッテB(第11節)■ もう止まらないカデッテBバルサチーム。試合ごとに着実に首位の位置を確保。 *順位表は「試合日程・順位」から |
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第16節 スリリングな勝利 バルサBーサラゴサB 先週末のサラゴサB戦、そして今週末のテラッサ戦、この2試合を戦えば2005年のスケジュールは終わることになる。そしてこの2試合とも地元ミニエスタディで戦うことになるバルサBだから順位を上げる絶好のチャンスとなっていた。試合開始早々クリスティアンの久々ゴールでバルサBが先制。こりゃ久しぶりに楽な試合が見られるかいな、と思っていたらすぐに同点にされてしまう。そして試合はどちらが勝ってもおかしくない展開で、気がつけばロスタイムに突入。ここで後半途中からシトに代わって入ってきていたリエラが待望のゴール。というわけで最下位チームサラゴサBをどうにかこうにかやぶりスリリングな勝利による3ポイント獲得に成功。 リエラはバルサBで今シーズン5分間しかプレーしていない。負傷から戻ってきた約1か月前、調整のためかどうかわからないもののバルサCへと派遣されていた。したがってこの試合での登場は本当に久しぶりという感じ。最終的に劇的なゴールを決めてヒーローとなった彼だが30分程度のプレーぶりを見た限りまだまだという印象。まあ、それでもデランテロとしての仕事を立派に果たしたのだから、今後の彼に期待してみよう。この勝利で1位まで5ポイント、4位まで1ポイントと迫った。 ■FC BARCELONA 第17節 2ポイント失う パラフルゲイーバルサC 前半にビクトルのゴールで先制し、後半に入って相手が10人となったのだからこれは3ポイントいただかねばならないバルサC。だが残念ながら試合終了10分前に同点に追いつかれ、審判の笛が吹かれた90分には1−1の引き分け試合となってしまった。アウエーで1ポイント稼いだというよりはやはり2ポイント失ったという方があっていそうな試合展開。 この試合ではリエラがバルサBに戻り、そのバルサBからはハビートが応援部隊としてやって来ている。例の“エコノミー症候群”から立ち直って戻ってきてからずいぶんと時間はたっているが、バルサBでの出番がそれほどないため、かつてのリエラと同じようにこのカテゴリーで調整しろということなのだろう。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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フベニル・カデッテカテゴリー エメスト・ブロンゼッティという、アリゴ・サッキをよく知るFIFAエージェントが次のように語っている。 選手としても監督としても特筆すべきことは何もない人物だ。これまで三部リーグ、二部Bリーグのチームを率いてきて、今シーズン初めて二部カテゴリーの監督となった。マドリ生え抜きの人物ではないからデル・ボスケやマリアーノ・レモンなどと比較することはできない。システムは4−2−3−1、オーソドックスなスタイルを好むらしい。いずれにしてもサンタクロースがやって来る季節までの臨時監督だろう。 ■フベニルA(第14節)■ 先週末にはこのカテゴリーの試合は一切おこなわれず、今週の火曜日(祭日)と水曜日に延期されている。したがって先週末にはフベニルBへの応援組となって出場したカルラス・コトやバルサCの常連であるマーク・マルティネスなどが加わっている。ジョバニは相変わらずベンチスタート。どうにかこうにか勝利して首位のエスパニョールに6ポイント引き離されて3位。 ■フベニルB(第12節)■ 相手は最下位付近をうろついているチームであり、しかも地元での試合であるから当然ながら楽に勝利しなければならない試合。それが勝てないんだからどうしようもない。ゴールチャンスは両手を超えるぐらいあったのに、それを確実にものにできないフベニルBチーム。これで首位のエスパニョールに11ポイント差をつけられての3位。こまったもんだ。 ■カデッテA(第12節)■ バルサインフェリオールカテゴリーの中でシーズン開幕と共に順調に飛ばしている唯一のチーム。このチームの最大のライバルであるエスパニョールには、すでに9ポイントの差をつけて堂々の首位を走っている。この試合でも前半に4点をもぎ取ってしまい、後半はほぼ半分の選手が交代し、しかも入ってきた選手たちが普段と違うポジションを務めるという実験までしてしまった。もっとも、9番ボージャンに代わってデランテロを務めるマルティネスという選手は試合スタートは右ラテラルという位置でプレーしていることに見られように、マルチ・ガブリタイプの選手が多いのもこのチームの特徴だ。 後半にはベンチに下がったボージャンは前半にハットトリックを決めている。それ自体は珍しくはないが、3点ともヘディングシュートというのは珍しい。これで彼自身12試合に出場して24ゴール、つまり1試合ピッタシ2ゴールとキリがいい数字を出している。 ■カデッテB(第10節)■ カルロス・テロンのミスで先制点を許してしまったバルサがグラマネを追いかける形で試合が進行。パチェコの2ゴールでバルサBが勝利したものの、試合内容はそれほど良いものではなかったようだ。それでも2位に1ポイント差を付けて首位を走る。 *順位表は「試合日程・順位」から |
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バルサB選手招集ゼロ! 今月の12日、スペイン代表選手が首都マドリッドに集まりミニ合宿ならぬミニミニ合宿をおこなう。合同練習することが目的ではなく、あくまでもスタッフたちの顔あわせであり、さらに選手同士のメンタル的な一致を図ることを目的としたものだ。ルイス・アラゴネス監督によって招集された選手は33人、つまりこの中から最終的に絞って25人の選手がワールドカップ本戦に招集されることになる。そしてこの33人の中にバルサカンテラ育ちの選手が何と9人もいるのだ。バルデス、オラゲール、プジョー、イニエスタ、チャビ、レイナ、ルイス・ガルシア、セスク、デラ・ペーニャがその9人だ。 この9人の中で初めて招集されたのはセスクとイニエスタ、そしてオラゲール。これまで中央メディアを中心として「オラゲールは政治的な問題でスペイン代表にはいかないのではないか」という根も葉もない噂が流されてきたが、オラゲールはこれまで一度たりとも招集拒否発言をしたことはない。これまで一度も呼ばれたことのない代表チームに「もし呼ばれたらどうするか?」という仮定の質問そのものを意味がない、として拒否してきただけだ。そして当然ながら彼は12日のミニミニ合宿にいくことになる。 そのオラゲールが残念がっていることが一つある。それはウディネセ戦に、バルサにとってすでにどうでもいいウディネセ戦に、バルサBから一人の選手も招集されていないことだ。ただでさえ怪我人が多い上に、日曜日のセビージャ戦にはカード制裁でデコとかマルケスが出場できないこともあるから、このウディネセ戦にはバルサBの選手を混ぜての混合チームでいいはず。だが、フラン・ライカーの指示を守ったテン・カテはバルサBから誰一人招集しなかった。 いや、本当に残念だ。少なくてもロドリは呼んで欲しかった。できればベルドゥも呼んで欲しかった。もちろんジョルディ・ゴメスも呼んで欲しかった。ついでにペーニャも呼んで欲しかった。フラン・ライカーは風邪のビールスに頭をやられてしまったのかなあ。残念だなあ。 |
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第15節 ヘッヘッへ、勝ったっぞぉ サンタンドレウーバルサB 今回の相手はサンタンドレウ。元バルサ副会長のジョアン・ガスパーが会長をしているクラブだ。三部リーグからこのカテゴリーに今シーズン上がってきている。そして今のところバルサBよりは上の順位にいて4位以内を狙っている好調なチームであり、地元ではまだ5ポイントしか失っていないという地元強豪チームでもある。だが今回のバルサBはなかなか強かった。 ベルドゥがナスティック相手のカタルーニャカップで決めたのと同じようなバセリーナで先制点を獲得。そしてジョルディ・ゴメスが彼ならではのロングシュートを2発決めている。それにしても彼のプレースタイルは10年ぐらい前のルジェーに似ている。バルサBに上がってきてからますます似てきているような気がする。とにかくアウエーでの貴重な勝利により4位まで3ポイントとなった。 ■FC BARCELONA 第16節 圧敗 バルサCーガバ 圧敗という言葉があるかどうか、いずれにしてもコテンパンにやられてしまった試合となった。相手のガバのカピタンはオスカー・エルナンデス、そう、チャビのお兄さんがカピタンを務めているチーム。奇しくも彼は約1年前に先日チャビがやってしまった半年病にかかり、やはり同じ手術医であるクガット医師の手によって手術を受けている。そしてこの試合でハットトリックを決めたミキという選手はかつてのバルサカンテラ選手。彼の他にゴールを決めたマンガという選手もついこの間までバルサBでプレーしていた選手。相手チームのほとんどの選手がプロとして脂ののりきった28歳程度の選手であり、対するバルサは20歳以下がメインとなるチーム構成。三部リーグは厳しい。 16戦6勝8敗2分け19得点22失点という結果はもちろんいいものではない。それでもロホ監督が目指している目標を考慮に入れれば、結果以外に重要な“経験’というものを勝ち取っている。例えばこの試合、昨シーズンフベニルカテゴリーにいた選手が5人もスタメンで出場している。10歳程度上の選手によって構成されるチーム相手に経験を積み、いずれはバルサBカテゴリーに上がっていけばいい。そして目指すはカンプノウだ。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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久しぶりセバージョス 昨シーズンは負傷で泣いていたクリスティアン・セバージョスだが今シーズンも負傷続きだ。シーズンオフの間に負傷していた彼は先週末までまだ一試合も出場していなかった。リハビリの毎日を過ごしていた彼に出番がやってきたのは後半から。インファンティルAカテゴリーに上がってきてからの初出場だ。だが、5分もプレーしないうちに再び右足に痛みが走る。手をくるくる回しながら交代のサインを送るセバージョス。ベンチに引き上げる時には涙さえ浮かべていた。 彼を初めて見たのは今から1年半前におこなわれたブルネッテ杯という大会で、バルサインファンティルBの選手として出場したとき。そして、先週末見た彼は身長がほとんど伸びていない感じであり、体のキャシャさは1年半前のそれとほとんど変わっていない。もちろんイニエスタにも負けないぐらいの色の白さも変わっていない。いずれにしても、フィジカル的に成長していないのが心配だし、彼と一緒にいた両親の背の低さを見ると更に心配となる。でも、まだ12歳、急に成長する可能性もじゅうぶんあるだろうし、両親の2倍ぐらいの身長になる可能性もあるというもんだ。秘めた才能に関してはすでに第四スタディアムでは有名になりつつある彼であるし、どんなに時間がかかろうがじっくりと治療に専念し、再び元気な姿で登場してくることを期待。 チャビの負傷にも触れておこう。不運にも、いわゆる“半年リハビリ病”にかかってしまった彼だから、今シーズンの再登場はほぼ不可能かも知れないが、ひょっとしたら昨シーズンの患者さんたちみたいにリーグ優勝が決まってからの消化試合に出てこられるような気もする。いずれにしてもリハビリさえ完全にこなせば来シーズンの出場は間違いないのだから、じっくりと治療してもらおう。そして彼の不在中のバルサのことを心配することもない。いや、それどころか、一回り大きいバルサの登場ということになるかも知れない。イニエスタという、素材的にはチャビを超える偉大な選手の爆発が可能となるかも知れないからだ。左インテリオールという彼にとって最も自然なポジションで起用してもらえれば、そして試合出場の持続性を与えられさえすれば、もうそろそろ本当のイニエスタが登場するはずだ。ボールを持った瞬間から前へ前へと進む姿勢を持つ選手。かつてのイバン・デ・ラ・ペーニャが感じさせてくれたものと同じように、彼がボールを持った瞬間に観客の目線が自然と相手ゴールの方に向かうような、そういうワクワクする雰囲気を作り出してくれる選手、それがかつてのイバンでありこれから誕生する本当のイニエスタだ。 |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第13節)■ ジョバニはこの試合でもベンチスタート。前回の試合はアウエーだったので少し守備的に戦うという意味合いでジョバニがベンチスタートだったのかと理解したのだが、今回の地元の試合でもそうだとなるとやはり調子がイマイチと監督が判断しているのだろう。このカテゴリーだとチームメイトは彼より一つ年上、相手選手は二つ年上となる。いきなりベストにやっていくというのは難しいのかも知れない。イニエスタにしてもメッシーにしてもカデッテカテゴリーの翌年はフベニルBスタートとなっていた。ジョバニの場合はいきなりフベニルAスタートだから少々厳しい。 前半ですでに相手が10人となっての試合。したがって楽勝ペースで勝利しなければならないにもかかわらず、試合終了間際に追いつかれそうになってしまった。勝ってはいるもののまだまだ本調子ではないフベニルA。首位に追いつくのは大変だ。 ■フベニルB(第11節)■ いまだに調子が出ないフベニルB。 ■カデッテA(第11節)■ 11番ヤゴや8番アンリックがアシスト役に徹し、9番ボージャンがゴールを決める。アウエーであろうとホームであろうとこのチームは超攻撃的な試合展開を見せてくれる。11節を終わった段階でボージャンは21ゴール、つまり例年並みのゴールを稼いでいる。このまま首位をひた走り3月頃には優勝を決めているかも知れない。とにかく強い。 ■カデッテB(第9節)■ インファンティルカテゴリーに属していた昨シーズンの調子を戻してきたかのようなカデッテBチーム。予想通りこの試合に勝利し今シーズン初めて首位に躍り出ている。もう大丈夫だろう。 *順位表は「試合日程・順位」から |
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バルサB監督キケ・コスタス バルサBの監督は100年前から常にこの人という個人的なイメージが消えないキケ・コスタス。だが資料を見てみるとどうも100年はやっていない。第一次キケ・コスタス政権は1989−90シーズンから1995−96シーズンまでの7年間であり、第二次政権は2000−01シーズンと翌シーズンの2年間、つまり合計9年間しかバルサB監督をしていないことを発見。そして今シーズンから第三次キケ・コスタス政権となった。さらに選手時代からさかのぼってバルサとの関係を見てみると、何と35年もバルサにいる人だということがわかる。アレサンコ25年、キケ・コスタス35年、みなさん長いです。 キケ・コスタスとバルサBが常に一緒のイメージとなるのは“キンタ・デ・ミニ”時代の監督だったからかも知れない。“ペケーニョ・ブッダ’と呼ばれたイバン・デ・ラ・ペーニャを筆頭として、ルジェー、トニー、セラーデス、そして彼の息子であるキケ・アルバレスなどがミニ・エスタディで活躍した時代、それが“キンタ・デ・ミニ”。バルサBは今のように二部Bカテゴリーではなく、二部Aに入る立派なチームだった時代の話だ。今シーズンから二部Aカテゴリーに上がってきたマドリBも当時は二部Aに所属していたから、ミニ・エスタディではミニクラシコが戦われた時代の話でもある。 さて、昨シーズンのように試合当日の午前中までどの選手が起用できるかどうかわからない状態で戦い続けたペレ・グラタコス監督がクビになったのは可哀想な話ではあるものの、正直言ってよくわからない監督であった。バルサに来る前に監督をしていたフィゲーラス時代には守備をガチンガチンに固めて戦う監督だったと記憶しているが、バルサに来てからは攻撃を優先して戦うシステムとなっていた。ここらへんはバルサAチーム監督にセラおじさんが就任したときとイメージが重なってしまう。マジョルカやベティスではひたすた守るセラおじさんだったのに、バルサで監督を始めてからクライフっぽい試合展開を志してしまい、最終的には無理がたたってガスパーにつまずいて転んでしまうことになったが、ペレ・グラタコスの場合も似たような風景が見られた。でも、とにかくこの人にはじゅうぶんに同情の余地があることも疑問のないところ。いまだに就職先が見つからないようだから、カタルーニャ代表監督なんてのはどうだろう。 “キンタ・デ・ミニ”を作り上げたキケ・コスタスさんが、昨シーズンのフベニルA選手をそのうち主力メンバーとしての“キンタ・デ・トリプレッテ(三冠王の時代)”を作り上げるために監督に任命されたかというと、それはないようだ。昨シーズンのフベニルA・トリプレッテの監督であるロホは今シーズンからバルサCの監督に就任、そして彼の指揮下にあった多くのフベニル・トリプレッテの選手がバルサBに上がってくる来シーズンに彼もまたバルサBの監督として就任してくるのが自然だろう。いずれにしてもバルサB再構築作戦は今シーズンからスタートしている。今のところ試合内容は良いものの結果がついてきていないバルサBだが、キケ・コスタス監督は若手をできる限り起用しチームのベース作り中というところだろう。 |
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