2005年
2006年
3月

カデッテAリーグ優勝!
(06/03/31)

リーグ戦終了まで4試合を残した第26節にカデッテAチームが優勝を決めている。獲得ポイント72、2位のエスパニョールに14ポイントと差を付けたことにより優勝が決定した。第1節の選手起用におけるミスによる敗北をのぞけばわずか1敗しかしていないカデッテAは、引き分けも知らずその他はすべて勝利という結果で終わっている。

第01節 バルサーグラマネ・・・・・−0
            (選手登録ミスにより0−3に)
第02節 ナスティックーバルサ・・・0−
第03節 バルサージャバック・・・・−0
第04節 リブレーバルサ・・・・・・0−
第05節 オスピタレーバルサ・・・・1−
第06節 バルサーコルネヤ・・・・・−0
第07節 バダロナーバルサ・・・・・1−
第08節 バルサーサンタクラウス・・−0
第09節 レイダーバルサ・・・・・・0−
第10節 バルサーエスパニョール・・−2(初の2失点)
第11節 サンガブリエルーバルサ・・0−
第12節 バルサーマルトレル・・・・−0
第13節 ダムーバルサ・・・・・・・0−
第14節 バルサーマタロ・・・・・・−0
第15節 ジローナーバルサ・・・・・1−
第16節 グラマネーバルサ・・・・・1−
第17節 バルサーナスティック・・・−1
第18節 ジャバックーバルサ・・・・0−
第19節 バルサーリブレ・・・・・・−1
第20節 バルサーオスピタレ・・・・−0
第21節 コルネヤーバルサ・・・・・0−
第22節 バルサーバダロナ・・・・・−0
第23節 サンタクラウスーバルサ・・0−
第24節 バルサーレイダ・・・・・・−0
第25節 エスパニョールーバルサ・・2−
第26節 バルサーサンガブリエルイ・−1(優勝決定!)

フラン・メリダがシーズン前に抜け、そしてゴレアドールのボージャンがシーズン途中でフベニルカテゴリーに持って行かれながらも堂々とした結果を残しての優勝だ。ポルテロには現在負傷中ながら将来が期待されるディエゴ・ゴメス、セントラルにはアレックス・ボラーニョスとクリスティアン・バージェという絶妙のコンビがおり、左右のラテラルにはチャビとアンジという超攻撃的な選手がいる。そしてピボッテにはダビ・アルバレスというとてつもなくファイトを見せる選手がいるし、左右のインテリオールにはアンリックとダビ・ゴメスという絶対スタメン選手がいる。そして後半に入ると必ず登場してくるテクニシャンのジョナタン・ドス・サントスも忘れてはいけない存在だ。デランテロにはヤゴ、クッキー、ホセ・ルイス、クシ、トニーと豊富に揃っているが、やはりヤゴの存在が超ピカイチであることには変わらない。
フェリシダーデス!カンペオーネス!


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/03/30)

先週末は2つのバルサインフェリオールカテゴリーのチームが優勝を決めている。ヤゴ率いるカデッテAと破竹の勢いでリーグ戦を戦ってきたアレビンB、この2つのチームがリーグ戦をまだ何試合も残しながら優勝を決定した。

■フベニルA(第27節)■
バルサーレバンテ
3−1

フベニルBの試合がなかったからか、あるいはもうフベニルA選手として認められたのか、とにかくボージャンがこの試合に出場してきている。後半20分過ぎに姿をあらわしてきたが、2回ほどゴールチャンスがありながら決められなかった。シーズン開始当初からしばらくはカデッテAチームで、そしてシーズン途中からフベニルBで6、7試合出場、さらにシーズン終了が近づいてきている今はフベニルA。こんなことはイニエスタにもメッシーにもなかったことだ。

さて気がついてみれば首位に立っているフベニルAチーム。一時は首位のエスパニョールに10ポイント前後離され3位ぐらいにいたこともあるが、地道に勝ちを拾いながらひっそりと首位に立ってしまった。もっともここのところエスパニョールがイマイチの調子ということもあるだろうが、リーグ戦残り3試合というところで今シーズン初の首位に立つというのはなかなかドラマチックでよろしい。エスパニョールが地元2試合アウエー1試合、バルサが地元1試合アウエー2試合という残り3試合で勝負が決まる。

■フベニルB■

先週末は試合ナシ

■カデッテA(第26節)
バルサーサンガブリエル
5−1

前回はダービー戦に負けて悔しい思いをしたが、1週間たった先週末にはリーグ優勝が決まってしまう勝利を飾ったバルサ。この試合は土曜日おこなわれエスパニョールの試合は日曜日だったので、実を言うとこのサンガブリエル戦に勝利した段階では優勝は決まっていない。翌日の日曜日なってエスパニョールが負けたことによりバルサの優勝が決定したという、チョット感激に欠ける優勝となってしまった。

■カデッテB(第24節)■
バルサBーマルトレイ
3−1

前回に続いて地元での試合。ここのところ何試合か不調が続いているうえに、前回では地元での初の敗北をした後だけに非常に心配された試合でもある。ティアゴ、ガイ、キメなどの多くの負傷者がいまだに出場できない状況となっているが、それでもリーグ優勝を簡単に決めてしまうのではないかと予想されたチームだけに、彼らの意地を期待したい試合だ。そして前半終了間際、相手チームに先制点を許してしまい嫌な雰囲気がグランドに漂う。

後半に入ってデニス・クロール、クリスティアン・テージョを入れて、しかも今シーズン初のシステムに切り替えるカデッテBバルサ。それは4−4−2という感じのシステムだ。そして試合開始直後デニスのゴラッソが登場し様子が変わってきた。2点目をテージョが入れイケイケ状態となってくる。そして試合終了間際に更に追加点を加え、久しぶりの勝利。首位のエスパニョールが地元で引き分けたことにより1ポイント差に追いついた。

*順位表は「試合日程・順位」から


エリック・ラメーラ少年
(06/03/29)

今から約1年半前のこと、アルゼンチンはリーベルのカンテラに所属していたエリック・ラメーラ少年がバルサに入団するのではないというニュースが流れた(参照)。当時12歳の彼はインファンティルカテゴリーでプレーしており、将来性を高く買ったバルサが獲得しようとしたニュースだ。すったもんだのあげく最終的に彼はリーベルに残ることになり、しかも5年の契約を勝ち取ったばかりではなく、この年齢のプレーヤーとしては異常なほどの年俸をとることになったという。そして今、彼はスペインでいうカデッテカテゴリーに上がってきている。

「もともと我々としてはエリックをバルセロナにやる気はなかった。まだあまりにも小さいし、国を離れるのはもっと成長してからでも遅くないと思っていたからね。だが再三のようにバルサの関係者が連絡してくるので、我々としては彼らが受け付けないだろうと思われるような条件をだしたんだ。我々が住む家と息子がかよう学校と私の仕事の確保、そして息子の月給として1万ユーロ。まさかこんな条件を受け入れるとは思っていなかったんだが、バルサ関係者はOKサインをよこしてきた。これがメディアに流れてややっこしいことになってしまったんだ。」
当時のコメントとはだいぶ違うニュアンスで“事件”を振り返ってこう語る父親のホセ・ラメーラ。もっとも、このことがメディアに騒がれたおかげで息子とリーベルの延長契約と高額の年俸を勝ち取ることができたのだから、親としても“楽しい思い出の一つ”として語られている・・・かというとそうでもないようだ。

「あの騒ぎのおかげで息子はしばらくメディアを嫌うようになったし、噂を聞きつけて毎日の練習まで見に来る大勢のファンのせいかどうか、どうも人を避けるようになってしまった。今でもインタビューされることを避けているようだが、本来は明るい性格をしている子だから、だいぶ時間がたった今では普通の少年に戻って来ている。ただ一つ心配なのはフィジカル的に成長が見られないことなんだ。今ではカデッテカテゴリーでプレーしているが、周りの選手と比べるととてつもなく小さい。そのせいかどうかプレーそのものにもかつてのような冴えが見られなくなってしまったし、当人もそのことで悩んでいるようだ。」

ひょっとしたら“小さい頃は天才プレーヤーだった”という、数多くある過去の例に見られるようなフットボール少年に終わるかも知れないし、ひょっとしたらフィジカル面の成長も見られ“第二のマラドーナ’となるかも知れないし、まだまだ将来のことはわからないエリック・ラメーラ少年だ。


第29節 1回でも負けると5位!
(06/03/28)

レバンテBーバルサB
1−0

この試合が始まる前までは首位のバルサBに、対するは2位に位置していたレバンテB。そして90分たち試合が終了してみると2位にいたレバンテBが首位にたち負けたバルサBは何と5位になってしまった。1位から5位までわずか2ポイント差という詰まりに詰まった上位5チーム。リーグ終了まで8試合残し、このように毎週順位が変わっていく感じだ。

デフェンサの要だったロドリが立身出世してしまったため、残された駒で補っていかなければならないキケ・コスタス・バルサBチーム。誰がロドリの代わりにセントラルに入るのかと思っていたらオルモでした。つまりバリエンテとオルモのセントラルコンビが誕生、そしてこの試合を見る限りそれほど悪いものでもない。試合内容といえばいつものようにバルサBが試合主導権を握り攻撃に、そしてレバンテBの方といえば“スキあらばカウンタいただき”システムで、当然ながらボール支配率はバルサBが圧倒する。後半の半ばあたりに“審判だけが見た”ペナルティーが吹かれるもののルーベンがバッシリと止めて、こりゃあバルサBペースになるんじゃねえかと思いきや、見事にカウンタアタックを決められて1−0。試合終了までの最後の15分間、必死に攻めるバルサBながら時間が少々たりませんでした。これでバルサBの連勝もストップ。まあ来週の地元での試合に頑張ればまたまた首位返り咲きということもあり得そうだ。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Olmo/ Pen~a/ Fragozo/ Verdu/ Arnau(Jordi 64')/ Cristian(Javito 57')/ Sito(Montan~es 81')/ Orlandi


第30節 バシッと2連勝!

バルサCーグラノジェルス
4−1

トニー・カルボが復帰してきてからこれまで2試合続けて後半から出場していたが、この試合はスタメン出場で90分間プレー。だいぶリズムも戻ってきたようで、ゴール前までの切り込みが何回か見られた。シーズン終了までの大事な試合を控えているバルサCにとって貴重な選手の復帰だ。そして前回の試合と同じようにフベニルAカテゴリーに在籍しているジェフレンがこのチームに参加してきている。トニーが右エストレーモ、そして彼が左エストレーモとして起用されているが、なかなかスピードのある両エストレーモだ。これでプンタがジルベルトではなくもっと魅力的な選手だったら、そう、例えばジョバニとかボージャンだったら更に楽しめるチームとなる。

この地元での勝利は去年の11月19日以来で、何と4か月ぶりのことになる。ちなみに前回の試合からミニエスタディを使用せず、フベニルやカデッテカテゴリーなどが使う第四スタディアムで試合している。コケみたいな人工芝らしきものが敷かれているグランドで、もちろんミニエスタディと比べたらお粗末なスタディアムだ。ここを使用することに決めたのは只今負傷中のロホ監督。連敗が続き試合内容もお粗末なチームに、ミニエスタディなどを使う権利はないというアイデアかららしい。

■FC BARCELONA
Montero/ Llamas(Alberto 57')/ Martos/ Borrego/ Alonso(Pedro 55')/ Crosas/ Casado/ Sastrel(Marc 66')/ Jeffren/ Gilberto/ Toni

*順位表は「試合日程・順位」から


3人目の自家製セントラル
(06/03/24)

2003年5月25日、セルヒオ・ロドリゲス・ガルシア“ロドリ”はバルサBチームにデビューしている。まだ若干18歳の彼のデビュー戦となったのは、二部カテゴリー昇格をかけたプレーオフでのラス・パルマス戦だった。そしてそのデビューが可能となったのは同じポジションを務めるオラゲール・プレッサスの負傷が原因だった。オラゲールが徐々にバルサAチーム選手として変貌を遂げていくとつれて、ロドリもまたバルサBのセントラルの重要な選手の1人となっていく。
「フィジカル的には非常に強い選手だし、見た目よりスピードを持った選手だ。強いあたりをしなければならないときは激しくいくし、ファールを犯して良い場面と悪い場面を理解するインテリジェンスも持ち合わせている。もし今すぐバルサAチームで起用されたとしても何の問題もないだろう。」
ロドリを最も理解するキケ・コスタス監督がこう語る。今から3年前にロドリをバルサB選手としてデビューさせた監督であり、そして今シーズンもロドリを信頼しきって起用し続けている監督でもある。

ロドリへの信頼感はフラン・ライカーも持っている。だが、毎日のように彼を見ているキケ・コスタスほどの信頼感を持ち合わせなくても不思議ではない。彼が信頼しきっている選手たちは毎日の練習を通して見続けてきている選手たち、つまりAチーム在籍の選手であり、まず第一に彼らを優先して起用したいと考えるライカー。
「カンテラの選手を起用するときはチームそのものがうまく機能しているときが一番理想的だと思う。チーム状態がデリケートであったり、カンテラ選手に多くの責任がかかるような試合には、まず第一にAチームの選手起用を優先してやり繰りしていきたい。」
マルケス、エドゥミルソンが負傷していて、彼らが試合出場できないヘタフェ戦を前にしてこう語るライカー、したがってどのように考えてもロドリのスタメン起用の可能性は非常に薄いものだった。

そのロドリが登場したのは後半39分。カピタン・プジョーに代わっての出場だった。2004年12月11日、アルバセテ戦で後半41分マルケスに代わって登場しリーグ戦デビューして以来のリーグ戦出場だ。ロスタイムを無視して単純計算すれば1回目より2回目の方が2分多くプレーしていることになる。まあ、シンチョウ・ライカーだから今後どうなるかわからないものの、プジョー、マルケス、エドゥミルソンが出場できないマラガ戦やベンフィカ戦には更に出場時間が増えるかも知れない。チャンスを与えられたときに期待に応えられるかどうか、更に言ってしまえば、失敗したときにも立ち上がる根性をもっているかどうか、それで彼らの将来は決まる。したがって・・・スエルテ!ロドリ!


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/03/23)

■フベニルA■

理由はわからないものの、先週末にはこのカテゴリーの試合はおこなわれていない。ただバルサフベニルAチームは何週間か前に雪のために中止・延期となっていたレイダ戦を先週の水曜日におこなっている。結果は0−3で勝利。久々にジョバニもゴールを決めている。まだ1試合少ないバルサだが、この勝利で首位のエスパニョールに3ポイント差と接近。

■フベニルB(第25節)■
コルネヤーバルサB
0−1

ボージャンはスタメン出場し76分プレー。ゴールは決めていないが、なかなか良かったらしい。そしてこの試合とは関係ないが、どうやらアンダー17スペイン代表に15歳の彼が選ばれる可能性が高くなっきた

■カデッテA(第25節)
エスパニョールーバルサ
2−1

アウエーでのこの試合はエスパニョールが相手。つまりダービー戦だ。2位に付けているチームが相手なので、もしこの試合に勝利すればリーグ戦5試合を残しながらリーグ優勝が決まってしまう重要な試合。エスパニョールにしてみても最大のライバルチームの優勝フィエスタなんぞを目の前で見たくないから、彼らにとっても意地をかけた試合だ。

前半20分程度でヤゴのゴラッソでバルサが先制。雰囲気は良し!という感じの試合となったが、そこはそれ意地を見せちゃうエスパニョール。前半に追いついて後半に入りすぐに逆転。試合内容といえばダービー戦にありがちな“意地のぶつかり合いっこ”で、お互いに黄色いカード、赤いカードが咲きまくる。最終的にはお互いに10人同士の試合となったが、どうにかこうにか守りきった地元チームの勝利で審判の笛が吹かれた。バルサにとって今シーズン25試合目にして初の敗北であり、2失点という“大量失点”というのも前回のダービー戦以来シーズン2回目。まあ、負けたとはいえ、次の試合に勝利しエスパニョールが勝たない限りリーグ優勝が決まる。

■カデッテB(第23節)■
バルサBージローナ
2−3

カデッテAチームと同じように余裕のリーグ優勝が目の前にありながら、ここ何試合かの不振がとんでもない状況を生み出している。地元での敗北、この悲惨な結果がこれまで走り続けてきた首位の座をエスパニョールBに譲ってしまうことになってしまった。何と言ってもここ4試合で勝ち知らずの2分け2敗、誰がこんな状況を予想しただろうか。

もっとも、試合内容から見れば決して負けるようなものではなかった。20回はあったゴールチャンスを2回しかものにできなかったカデッテBに対し、わずか4回あったゴールチャンスのうち3回を決めてしまったジローナの勝利に終わった試合。監督にしても選手にしてもまったく納得できない結果だろう。ティアゴの負傷に始まりガイ、キメというこのチームにとって大事な選手が不在とはいえ、試合内容は悪くないだけに悔しい敗北だ。

*順位表は「試合日程・順位」から


3人のゴレアドール
(06/03/22)

28節を終了した段階でバルサBは二部B3グループの中で最多のゴールを決めているチームだ。そして合計45ゴールのうち31ゴールが3人の選手によって決められている。ジョアン・ベルドゥ11ゴール、シト・リエラ11ゴール、そしてクリスティアンの9ゴール、つまりチームゴール数の70%がこの3人によって獲得されている。

セントロカンピスタのベルドゥがプンタのシトと共にチーム最高ゴール数を記録していることになる。もっとも、ペナルティーを担当するのは常に彼ということもその理由となるだろう。
「今シーズンはゴールに関して言えば、これまでの最高のシーズンをおくっていると言える。これまで常に7、8ゴールがシーズンを通しての数字だったのに、すでに11ゴールを決めていることは自分でも驚きだ。まだまだ試合は残っているし、自分のゴールがチームの勝利につながるならどんどん数字を増やしていきたい。」

デランテロ・プンタのシトがバルサBチームでプレーするのは今シーズンから。昨シーズンはフベニルAでトリプレッテを達成する際の重要な選手の一人でもあった。シーズン開始当初はリエラとプンタを争っていたが、もう今では9番は彼のものとなっている。
「フットボールで最も魅力的と感じるのはゴールを決めること。もちろん個人レベルでの話だが、ゴールそのものが自分にとって生き甲斐みたいなものさ。そしてチームレベルで言えば、それはもちろん試合に勝利すること。ここまで来た以上、どんなことをしてもカテゴリー昇格を争うプレーオフに食い込まなければ。」

昨シーズンまではこのチームの9番だったクリスティアンは監督のキケ・コスタスのアイデアにより右エストレーモとしてプレーさせられている。シーズン開始当初は毎試合のようにゴールを決めまくっていた彼だが、そのままシーズンをとおしてゴール運に見舞われるわけもなく、今の段階では3番目のゴレアドールとなっている。もっとも数字的にはほとんど差がないゴール数であり、つい何試合か前までは彼がチーム最高数のゴールを決めていた。
「数字的には例年並みのゴール数だと思うが、プレー位置が変わったことを考えればよく決めている方だと思う。現在のポジションも気に入っているし、アシストする快感も覚えてきた。そう、これまではゴールを決めるだけの役割だったのが、このポジションになってからゴールエリア内にいる誰かにアシストすることも学習できることになった。これまでのシーズン以上に一人の選手として成長してきていると思う。」

先週末もそうだったが、これからも上位のチームと対戦するスケジュールが待っているバルサB。だがこの3人の共通する思いは、相手が強敵であればあるほどバルサBはやりやすいということだ。その声を代表してカピタンの一人であるベルドゥが説明する。
「我々が一番苦手とする相手は自陣ゴール前に何台もの大型バスを置いて固く固く守り、そして我々の一瞬の隙をついてカウンタアタックするチーム。下位のチームはほとんどそういう感じで戦ってくる。でも上位のチームはフットボールをしようとするし、特に彼らの地元では攻撃することが義務づけられている。したがって我々には比較的やりやすい相手となるんだ。」
28節を終了し今シーズン初の首位に立ったバルサB。大雪のため中止・延期となった試合を含めて残り11試合、彼らのゴールがまだまだ必要だ。とりあえず今週の木曜日、2回も延期状態となっているアウコイア戦が待っている。1−0というマイナス状況であり残り35分だけの試合だが、もし1ポイントでも獲得できたら大きい。


第28節 1位!トップ!首位!一番!
(06/03/21)

バルサBーグラマネ
3−1

「我々の誰一人としてあの試合のことは忘れていないさ。だからこの試合はある意味で復讐戦と呼んでも言いと思う。」
バルサBカピタンの一人であるベルドゥが語る“あの試合”とはリーグ前半戦アウエーでのグラマネ戦のことだ。4−0という、今シーズン最も屈辱的な結果で敗戦しているバルサB。どうしても勝利の3ポイントが必要な地元の試合という意味以上に、彼らにとってはプライドをかけた重要な試合だった。そしてもしからしたら、他のチームの結果次第では、何年ぶりかに首位にたてる可能性も秘めている試合だった。

試合開始早々シトがゴールを決めている。ゴラッソと言っていいカッコ良いシュート。この早いゴールでバルサBペースとなるかと思われたが、そこはそれ、相手も首位を狙っているチームらしくすぐ同点に追いついてきた。前半はどちらがリードしてもおかしくないような内容のまま終了。そして後半に入ると一気にバルサBペースになってしまう。そこらへんが勢いに乗っているチームという感じだ。つい2、3か月前までは“ひょっとしたらこの選手の獲得は間違いじゃなかったのか?”と誰もが思っていたオルランディの2つのシュートが決まってしまうのだから、何が起きるかわからない。アラベスから今シーズン限りのレンタルで来ているオルランディだが、少なくともリーグ戦折り返し地点に入るまでパッとしない存在というか、デランテロとしては少々お粗末という感じの選手だった。それでもキケ・コスタス監督は我慢強く彼を起用し続けいてきていたが、その結果が出始めた感じ。審判の笛が吹かれ3−1で勝利、これでまたまた3ポイントいただき。そしてレバンテBが引き分けに終わったことにより実に、実に、実に久しぶりの首位に立った。

ちなみにロドリは月曜日の練習ではフラン・ライカー監督指揮の下、バルサAチームに合流している。マルケス、エドゥミルソンの負傷により彼の練習招集となったわけだが、これまでのフラン・ライカーの起用法を見る限りあくまでもAチームメンバーを優先しているから、ヘタフェ戦でのロドリのスタメンはあまり期待できない。それでもとりあえずAチーム入りの第一歩を歩み始めた感じだ。スエルテ!

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/ Fragozo/ Verdu/ Jordi(Arnau 59')/ Cristian(Javito 82')/ Sito(Olmo 89')/ Orlandi


第29節 ふぅ〜、と一息

エウロッパーバルサC
0−1

この週はフベニルAの試合がないため、ジェフレンが抜擢されている。ひょっとしたらジョバニも呼ばれるのではないかと思われたのに残念ながら招集されていない。またバルサBからはモンタニェスが呼ばれスタメン出場。各カテゴリーの選手が入り交じってのメンバーで試合開始。

これまで幸運にまったく恵まれていなかったバルサCに思わぬ“良い審判”が笛を吹いてくれた。前半22分に早くも2枚目のタルヘッタ・アマリージャがエウロッパの選手に高々と示される。これで地元チーム10人対バルサC11人の試合となった。というわけで、数的優位をもって攻めまくるバルサC、だがゴールの女神は別の神様のようで、ゴールはなかなかやって来ない。そのゴールがやって来たのは、何と92分。それも数的優位とはあまり関係ないコーナーキックからのゴールだった。バルサBからの助っ人モンタニェスが奇跡的なゴールを決めて、いつ以来かも忘れてしまった久しぶりの勝利。これでやっと一息つけそうなバルサCでした。

■FC BARCELONA
Montero/ Llamas/ Martos/ Borrego/ Casado/ Crosas/ Alberto(Toni 46')/ Sastrel(Pedro 67')/ Jeffren/ Gilberto(Alonso 34')/ Montan~es

*順位表は「試合日程・順位」から


カピタン・フラン事件、その後
(06/03/19)

昨年の夏過ぎに話題になった“カピタン・フラン事件”、この事件は今年に入ってからも相変わらず不透明どころか、いったい彼はどこで何をしているのかという、まるで行方不明事件に近いものとなっていた。そしてついに先日、具体的に言えば3月5日、彼の代理人がフランの現況について語っている。
「彼はバスク地方のビトリアという町に住んでいる。アリスナバラというクラブの練習場で毎日体作りをしているし、非常に元気にやっている。これまで彼を隠していたのかって?うん、まあ、そう思われてもしょうがないだろう。」
こう語る代理人の名前はホセバ・ディアス、そう、前にも触れたようにセスクをアーセナルに連れて行った人であり、現在もセスクの代理人を務める人物である。多くの人々がカピタン・フラン事件を忘れかけた頃に何故この代理人がフランの近況を語るに至ったのか、それは簡単なことだ。3月4日にフラン・メリダは16歳の誕生日を迎えており、これで晴れてイングランドのチームと契約できる年齢となったからだ。そう、イングランドのクラブは16歳未満の外国人選手とは契約できない規則となっている。したがって16歳となった彼はもう隠れている必要がなくなったのだ。

バルサカンテラ関係者の一人がこれまでフランについての近況はいっさい知らなかったと語っている。
「もしどこかのクラブに入団していれば、それがスペイン国内であれ外国であれ、我々にそのニュースは伝わってきていだだろう。だが、これまでそういうニュースはいっさい聞かれなかったので、我々としても彼の消息を知るに至らなかった。それにしてもビトリアにいたなんで、まるで逃亡生活をしているようなイメージがする。」
もっとも、代理人のホセバにしてみれば、バルサはおろかどこのクラブにも属さないことは一つの重要なメリットだ。セスクの件やピケの件で学んだように、16歳までクラブにいるとそこのクラブには何らかの“お礼金”を支払わないといけない。それが10万ユーロであろうと100万ユーロであろうと、いずれにしても支払わなければならない。だが、どこのクラブにも属していないフランには、いっさいの支払い義務は生じないことになる。そこが代理人にしても、そしてフラン家にとっても重要なことだ。新たに選手を迎えるクラブがかつて在籍していたクラブにいっさいの支払い義務がなくなることは彼らにとって重要なことだ。なぜなら代理人が受け取るマージンに、そして選手が受け取る年俸に影響を与えるからだ。

この代理人のコメントがなされた時にはフランがイングランドのどこのクラブに入団するのかということに関してはまだ触れていない。たがそれから2週間ほどたったいま、ドーバー海峡の向こうから一つの噂が伝わって来ている。それによれば、どうやらフランはかつての噂どおりロンドンにいるようだ。アーセナルのクラブがあるロンドンの街にいる。そしてこのニュースを受け3月17日金曜日、代理人のホセバが再び重い口を開いた。
「そう、フランはもうロンドンに渡っている。だがまだアーセナルとは契約していない。契約書は用意されているが、まだ両者のサインはされていない。もっともそれがされるのは時間の問題だと私は思っている。」
いまさらフランがどこにいようとそれは彼の自由というものだが、それにしてもまだ16歳の少年が何をコソコソとしなければならないのか、そしてその少年を操る気分が悪くなるようなデブッチョ代理人、しかもこの代理人は少なくてもまだ10人ほどのバルサカンテラ選手を抱えているというのだから・・・困ったもんだ。


他人事ではない
(06/03/17)

2月の最初の頃に突如としてわきでた噂話であったものの、決して楽しい内容ではないのでここではこれまで触れていない。だが、その噂話の“半分”が現実となってしまったので触れておこう。チェルシーという、すでにチャンピオンズの戦いから除外されているクラブが、二人の少年選手の獲得を狙っているという噂。それは一人がエスパニョール在籍の選手であり、もう一人はバルサ在籍の選手と言われていた。どちらもインフェリオールカテゴリーに属し、フベニルBカテゴリーでプレーしている選手、一人はセルヒオ、もう一人はボージャン。そしてエスパニョールの少年セルヒオは来シーズンからチェルシー移籍がすでに決まってしまった。まだ15歳の少年だが、来シーズンを迎えるときにはすでに16歳となっている、したがってイングランドのチームと契約しても法律的には何の問題もない。

セルヒオ・テヘラ、1990年5月28日生まれ。10歳の時からエスパニョールに在籍するセントロカンピスタ。今シーズンは15歳であるにもかかわらずフベニルBでプレーしている。ボージャンはデランテロ、セルヒオはセントロカンピスタとポジションこそ異なるが、15歳という年齢やフベニルBカテゴリーでプレーしていることは同じだ。この少年に目を付けたのはつい先日ジョバニを見にきていたチェルシーのテクニカル・ディレクター、フラン・アルネセンだ。約1年前からこの少年に目を付けていたと言われている。チェルシーはこの少年をロンドンに連れて行くのに、移籍料と呼ばれるほどの資金を用意する必要はない。少年とその両親が“引っ越し’さえ決意すれば済む話だが、それでも決してタダということにはならない。これまで同じような年齢の少年がクラブを変わる際にFIFA裁断による“常識的な値段”は、約15万から20万ユーロ程度のものだ。だが、それでもチェルシーは紳士的な監督がいるクラブだから、エスパニョールの首脳陣と紳士的な話し合いをして平和裏に子供をさらっていきたいようだ。

この年齢の選手がそれまで育ったクラブを離れていくこと自体は珍しくも何ともないが、海を越えたクラブへ行くというのはどこにでも転がっている話でもない。やはり“セスクの成功”という事実が、カンテラ組織が充実していない外国クラブ関係者にとっては大きな関心事となっているのだろう。セスクもつい最近「スペインの若い選手は早い時期から海を越えて冒険にでるべきだと思う。」などとお節介なことを言っているが、将来を期待される若者がそれまで在籍していたカンテラ組織を離れて独自の世界を探していくケースは増え続けていくことは間違いない。“16歳未満の者は労働契約できない”というスペイン労働法を変えるか、あるいは例外のケース枠を広げるか、とにかくどうにかしないと選手代理人ばかりが太っていってしまう。


フベニル、カデッテカテゴリ
(06/03/16)

負傷から戻ってきたクリスティアン・セバージョスがここのところ何試合もスタメン出場している。先々週の試合では2ゴール決めているが、最初のゴールはヘディングによるもの。果たして何センチジャンプしたのかわからないが、いずれにしてもチーム一番のチビ選手が決めたゴラッソだ。

■フベニルA(第26節)■
ジローナーバルサ
0−1

第26節の試合とはいえ、試合数が2つ少ないバルサにとっては24試合目となるこのジローナ戦。 結果的に0−1でアウエーのこの試合をものにしたバルサだが、首位のエスパニョールが引き分けたためその差が6ポイントなっている。もし雨や雪で延期となった2試合に勝利すれば同ポイントで首位に並ぶことになる。

■フベニルB(第24節)■
バルサBーオスピタレ
2−2

ボージャンはスタメンで出場し試合終了の笛が吹かれるまで走り回っている。だが残念ながらゴールは決めていない。フル出場しゴールを決められなかった試合は今シーズンこれが初めての出来事だ。彼よりは身長10センチ体重20キロぐらい上回る二人の選手に徹底的にマンマークされ思うような動きが可能ならなかった、が、その変わり他の選手が自由に動き回れるシーンが何回か。いずれにしてもこういう試合を経験していくことで、更に磨きのかかったデランテロとして成長していくのだろう。

ちなみにスペインとポーランドのアンダー17親善試合が先週おこなわれている。この試合にバルサフベニルBから4人の選手が出場している。ポルテロのジョルディ・マシップ、セントロカンピスタのクリスティアン・ベルガラ、そしてエストレーモのワルテル・フェルナンデスとホルヘ・イエッペス。

■カデッテA(第24節)
バルサーレイダ
3−0

この試合で興味を引かれたのはヤゴが9番を付けてプンタの位置にいたことだ。ボージャンが抜けた後に何人かのデランテロ選手が9番として起用されてきているが、ヤゴがその役をまかされたのはボージャンが抜けて以来初めてではないだろうか。それでも11番を付けていたトニーと時折ポジションチェンジをしていたので、まあバルサAチームに例えるならエトーとラルソンの関係みたいなものだ。この試合でプンタ・ヤゴは2ゴールを決めている。先々週にはハットトリックしている彼だが、ここ何週間かゴールづいている感じがする。

この試合に簡単に勝利し、24節を終了したところでダントツ状態のカデッテA。数字的にも優勝が決まるのは時間の問題となってきたが、最も関心のあることは果たして今シーズン負け知らず、引き分け知らずの全勝でシーズンが終了できるかどうかというところだ。フランのシーズン前の逃走、ボージャンのシーズン中のカテゴリー昇格、そして多くの負傷選手を出してきていながら、この成績は驚くべきものだ。

■カデッテB(第22節)■
コルブランーバルサB
2−2

3、4試合前から急激に下降線を描き始めたカデッテBチーム。ティアゴの負傷に始まりガイの今シーズン絶望の大負傷と続き、どうもカデッテBチームは元気がない。この試合に引き分けたことにより2位のエスパニョールが同ポイントで並んできた。シーズン残り8試合、いよいよ大詰めとなりました。

*順位表は「試合日程・順位」から


第27節 4連勝!そして2位に浮上!
(06/03/14)

ウエスカーバルサB
1−2

今から5週間前あたりには考えられなかったバルサBの快進撃が続いている。相手はかなり下位に位置するチームとはいえ、アウエーでの難しい試合に勝利することでアッと驚く4連勝を達成。1試合少ないバルサBでありながら首位にわずか1ポイント差で2位につけた。

絶対スタメンA定食チームのピボッテのポジションに変化をつけたキケ・コスタス監督。フラゴッソが定番となっているこの位置にオルモを起用している。アウエーの試合だけに少々守備的にいこうという老将の考えか。いずれにしても前半はお互いにゴールチャンスもそれほどなく終了。そして後半10分にジョルディ・ゴメスがゴール前に走り込んだところでポルテロがファール。ということは当然ながらペナルティーとなり、これをベルドゥがぶち込んで0−1という願ってもない展開。だが、それから10分ほどして同点に追いつかれるバルサB。5週間前までのバルサBなら、これで良くて引き分けという結果、悪くて逆転ということにもなりかねないチームだったのに、やはり乗っているときは幸運の女神はチョイと違うシナリオと用意してくれている。試合終了間際、バルサBに再びペナルティーをもらえるチャンスがやって来て、これを再度ベルドゥが決めて1−2。気がついてみれば、バルサBがシーズントータル42ゴールを決めてこのグループ1位となっている。さあ、イケイケバルサBとなってきたぞ。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/ Olmo/ Verdu/ Jordi/ Cristian(Arnau 45')/ Sito(Javito 80')/ Orlandi


第28節 風雲急を告げ・・・っぱなし

バルサCーエスパニョール
0−1

バルサBには明るい話題が続いているというのに、このバルサCには暗い話題ばかり目立つことになる。何試合も負け続きで連続3試合ゴールを奪っていないバルサCに対し、ダービー戦相手のエスパニョールはここ10試合負け知らずでしかも3連勝を続けているチーム。試合前から暗い雲が覆う雰囲気だ。

とはいえ、そこはダービー戦。15ポイント近く差があるチーム同士とは思えないほどの試合展開となった。これまでのバルサCとは違い11人の選手の活気が見られる試合だ。だから先制点さえ奪えば面白い試合展開となっただろう。だが、その肝心のゴールは選手の活気だけでは訪れない。ゴールなきデランテロ・リエラ、負傷退場したビクトル、そして調子がイマイチなジルベルト、この試合も90分間にわたりゴールが決められず、バルサCデフェンサのミスをうまくついたエスパニョールのゴールが重たくのしかかる。

唯一といっていい明るいニュース。それは右エストレーモのトニー・カルボが負傷から戻ってきたことだ。ずいぶん長くリハビリに時間がかかってしまったが、どうにかこうにかこの試合の後半から登場してきた。彼の復帰が次の試合からの反撃に結びつくことを期待。

■FC BARCELONA
Montero/ Martos/ Lopez/ Borrego/ )Casado/ Crosas/ Ramon(Marc 69')/ Sastre/ Victor(Alex 72')/ Gilberto(Toni 54')/ Riera

*順位表は「試合日程・順位」から


ラ・マシアの食事
(06/03/11)

ラ・マシアは三食付きの寮だ。その食事を担当するコックさんは二人いて、コック長となっているのが五つ星ホテルであるプリンセッサ・ソフィアのコックを長い間務めたフェルナンド・レドンド氏。彼と助手のベレン・ゴンサレス氏によって一日合計150人分の食事が用意される。
「もう11年この寮で食事の担当をしているが、ここに住む子供たちは伝統的にしつけが良く食事に関する文句は言われたことがない。もっとも、もう少し食事の量を減らしてくれと言われたことがあるがね。」

この“ラ・マシア寮レストラン”での掟は、出された食事はすべて片づけないといけないことだ。つまり食事を残すことは何かの理由がなければ許されないこととなっている。子供たちの成長を助けるためのカロリー計算からバランス計算までしっかりなされた食事であるから、子供たちはお皿の上にあるものをすべて平らげないといけない。
「フルーツ、野菜、肉、魚、そしてオリーブオイル、これらがが基本となっている。その中でもフルーツ類と野菜類がバランス的には最も多いだろう。この寮にやって来たばかりの子供たちがまず驚くのは野菜の量が多いこと、だが時間の経過と共にそれにも慣れてくるものさ。」
普通のレストランとは違い“客”が好きなものを注文し食べられるというわけではない。すべて体の成長を考えての食事内容となっているからだ。そして普通のレストランとの違いはメニュー内容以外にもいくつかある。例えば、ここの厨房には冷凍庫というものがない。フルーツ、野菜、肉、魚、すべて当日仕入れた新鮮なものしか調理しないからだ。そしてもう一つ、食事の際のマナーにも“客”は気を使わなければならない。“どの世界でも通用する人間に育てること”というラ・マシア寮のモットーを保つため、だらしない食事態度は許されないのだ。朝食は絞りたてのオレンジジュース、牛乳、そしてクロワッサン。カフェインは体に良くないということでコーヒーを飲むことは、この寮では禁止事項の一つとなっている。もちろんフルーツや野菜はふんだんに用意されている。

ちなみに、バルサBとCの選手たちの昼食時間はだいたい13時30分から。そして14時を過ぎたあたりから学校から戻ってきたフベニルカテゴリー以下の少年たちの昼食時間となる。夕食の時間は20時30分から始まるが、みんながみんな一緒に食べるわけではない。この“ラ・マシア寮レストラン”で必要とされる食事素材にかかる費用は毎月3万ユーロ。それにしても、こんな優雅な食事が用意されているというのに、イニエスタやメッシーみたいなチビばっかしが育ってくるのはどうしてだろう?


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/03/09)

“これだけの資金を費やして、こんなに面白いオモチャを作って楽しんでいるのに、どうも家の外に出ると面白くない。家の中ではうまく機能するのに、何で外にでると他人に簡単に玩具にされてしまうのだろうか?いったい何でなんだ?このとてつもなく高額なオモチャは島の人間だけにしか通用しない半端品なのだろうか?評価額の2倍も3倍もだして部品を買い入れ作り上げたオモチャなのに、自家製のタダ同然の部品で作られているバルサオモチャなんぞに何で負けてしまうのか?ビクトル?オラゲール?プジョー?モッタ?メッシ?こんな部品はタダで手に入れたものではないか?そんなものでできたオモチャに、何でこんな高価なオモチャが負けてしまうのか?あ〜あ、金持ちには貧乏人のやることはさっぱりわからん!”
そうアブラモビッチが嘆いたかどうかわからないが、バルサカンテラ工場ではタダ同然ながらの“オモチャ”に心を染める、単なる部品以上の熱い魂を持ったカンテラ選手が日々育てられているのであります。

■フベニルA(第25節)■
バルサーサン・フランシスコ
75分雨天中止

チェルシーのスポーツ・ディレクターがジョバニを視察に来ていることをメディアの連中が知っているぐらいだから、当然ながらバルサインフェリオールカテゴリーのクラブ関係者もそのことを知っている。まあ、気前よく存分に彼の活躍するところを見せてやるてもあるが、クラブ関係者はせこい方法である“見せないぞぉ〜作戦”を選択したようだ。ここ何試合かは続けて絶対スタメン選手の一人となっていたジョバニが後半15分になるまでベンチに座り続けていた理由はそれしか考えられない。

試合開始10分ぐらいで相手選手がタルヘッタ・ロハをもらい、バルサ11人対相手チーム10人の楽な展開となった。攻めまくるバルサ、そしてそれを防ぎまくる神がかったポルテロとの戦いが続く。10回近くあったゴールチャンスをものにできず前半が終了。後半に入ると試合開始前には小雨だった雨が豪雨となり、水はけの悪いグランドはプール状態に。そこで登場したのがジョバニ。豪雨の中なら彼のプレーはよく見えないだろうというこしゃくな作戦。だが見えないのは彼だけではなく、ボールはおろかすべての選手が見えない状態になり、試合は中止・延期となってしまった。というわけで、チェルシーのお偉いさんはビショビショになっただけで、何のおみやげを持たずイングランドに帰国ということになりました。ご苦労さんでした。

■フベニルB(第23節)■
ダムBーバルサB
0−4

後半に入ってからボージャンが登場しゴールを決めたそうだ。メデタシ、メデタシ。

■カデッテA(第23節)
サンタ・クラウスーバルサ
0−6

ヤゴのハットトリック。

■カデッテB(第21節)■
バルサBーダムB
1−2

ガイ・アシュリンが先々週の試合で怪我をしたらしい。この試合に出場するバルサの選手たちが“ガイ、元気を出せ!”と描かれた白いTシャツをユニフォームの上に着て登場してきたぐらいだから、ひょっとしたら大怪我なのかも知れない。と、試合開始前に思っていたら、どうやらガイにとって今シーズンは終了したらしい。ティアゴも相変わらずリハビリ中ということでこの試合には招集されていない。ここのところ少々不調気味なカデッテBにあまり明るいニュースが聞かれない。

今シーズン20試合を戦ってきてまだ1試合しか敗戦という経験をしていないカデッテB。その負け試合は永遠のライバルであるエスパニョールの地においてのものだった。もちろん地元では負けなどという結果とは無縁できていたチームに、初めての苦い味の結果が待っていた。相手は18ポイントも下にいるチーム、いかにここのところ不調気味のバルサBとはいえ実力的にはっきり違いがあるチームに敗れたことは交通事故と思うしかない。2位に付けているエスパニョールも引き分けという思わぬ結果に終わったことが幸いと言えば幸い。

*順位表は「試合日程・順位」から


絶好調、バルサB
(06/03/08)

バルサBの好調さを示すのは3連勝という記録だけではない。ここ最近6試合(18ポイント獲得可能)で16ポイントを稼いでいること、地元ミニエスタディでは4試合勝ち続けていること、そして最近5試合では1回のペナルティー以外は相手チームに得点させていないこと、これらがバルサBの絶好調さをあらわしている。

チームが好調な時には11人のおなじみのスタメン選手が常に登場する傾向があるが、今のバルサBチームにも同じことが言える。すでにミニエスタディに通うファンにはスラスラとでてくるであろう11人のスタメン選手、それはポルテロにルーベン、右ラテラルにダニ・フェルナンデス、左ラテラルにペーニャ、二人のセントラルはロドリとバリエンテ、ピボッテにはフラゴッソかアルナウ、右インテリオールにはベルドゥ、左インテリオールにはジョルディ・ゴメス、右エストレーモにはクリスティアン、左エストレーモにはオルランディ、そしてプンタにはバルサBの得点王シト・リエラというように。

そのシトは昨シーズンはフベニルカテゴリーでプレーしていた選手。ほぼ同じ年の17歳、あるいは18歳の選手たちと一緒になりプレーし、相手もほぼ同じ年齢の選手たちによって構成されるチームだった。だが今シーズンから同僚たちは3、4歳年上であり、相手チームは10歳以上年上の選手ばかりのチームだ。
「慣れるのに時間が必要だったけれど、リーグの後半戦に入ったあたりから普通にプレーできるようになった。チームも上がり調子だし、地元で3ポイント、アウエーで悪くても1ポイントという感じでいけばカテゴリー昇格戦に出場できると思う。そしてもし来シーズンには二部Aカテゴリーに行ければ、我々のチームにいるベテラン選手もバルサ残留ということになるから二重の喜びになると思う。」

だが、若いシトとは違いキケ・コスタス監督は、もちろん大喜びなどしていない。超ベテラン監督である彼は冷静さを装ってどこまでも慎重だ。
「歴史的に見て我々のチームは、リーグ後半戦に入ってから調子が上がってくる。そう、今シーズンも同じような傾向が見られるし、チーム事情そのものには非常に満足している。だからといって油断はできない。このグループには実力が接近したチームがいくつもあるし、我々が4位に入ったといっても、ポイント的には9位のチームと3ポイントしか差がないんだ。」

先週末の試合で後半に登場してきてだめ押し点となるゴールを決めているバルサBカピタンの一人アルナウ。
「フィゲーラス相手の勝利は非常に重要な意味を持っている。我々が上位に食い込むことが可能となっただけではなく、チームそのものの好調さを保つことができたからね。だが、ここは一つ冷静になって次の試合に望まなければならない。これから強敵が我々を待っている。本当の勝負が始まるのはこれからだ。」
残り12節(バルサBは1試合消化していない試合があるので13試合)残すだけとなったが、ベテランアルナウの語るように本当の勝負はこれから始まる。


第26節 今シーズン初の3連勝!そして4位!
(06/03/07)

バルサBーフィゲーラス
2−0

シート・リエラというのは不思議な選手だ。テクニックに優れている選手かと言えば、それほどでもないような気がするし、連係プレーにうまく反応する選手かと言えば、どちらかと言えば必ずミスする選手の一人だし、デフェンサ選手を抜き去るような素晴らしいスピードがあるかと言えば、そういうシーンはあまり見たことがないし、ずば抜けたシュート力を持っているかと言えば、これまでバシッと決まるようなゴラッソを見たこともない。ただ言えることは、相手選手のマークを外すのがうまい選手であり、ゴールの臭いのしそうな場面に必ず顔を出している選手ということか。この試合のゴールで今シーズン10個目、バルサBでは得点王だ。

これまでの連勝最多記録は2、つまり続けて勝つことはできても3回は続けられないというバルサBだった。そしてシーズンの重要な期間となるこの3月に入り、ようやく3連勝という輝かしい記録を達成。それもカテゴリー入れ替え戦参加の権利を持つ4位以内に突入するという明るいおまけ付きの勝利だ。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/ Fragozo/ Verdu/ Jordi/ Cristian(Javito 89')/ Sito(Montan~es 90')/ Orlandi(Arnau 75')


第27節 今シーズン初の4連敗!

パラモスーバルサC
1−0

この試合の相手は最下位に位置するパラモス。先々週の試合が終了した段階で16試合続けて勝利していないという大記録を作り、当然ながら監督が首となり新しい監督がこの試合から指揮を執っている。その新監督は、昨シーズンまでバルサフベニルBの監督をしていたギジェルモ・オヨス。以前にも触れたが、フベニルBをリーグ優勝に導きながらインファンティルカテゴリーの監督にまで格落ちされたことを不満として今シーズンが始まる前にバルサを離れている人物だ。サンドロ・ルセーに最も近い人物の一人であったことが彼に不幸を招いたとしか考えられないカテゴリー落ちの処分だった。

さて、そういうこととは別に、バルサCの選手たちにとってこの試合は特別な試合となっていた。監督のペレス・ロホに勝利の3ポイントを捧げることを試合前に選手同士誓い合った試合だったからだ。先週の月曜日の練習中、ロホ監督は右足のアキレス腱を切っている。翌日の火曜日には手術がおこなわれ木曜日にはすでに退院し自宅に戻っているが、現場に復帰できるのは2か月後だという。だが“勝利の誓い”だけでは試合に勝てない。ゴールを決めないと試合には勝てない。そのゴールが入らないバルサはこれで4連敗。微妙な順位となってきた。

■FC BARCELONA
Montero/ Llamas/ Borrego/ Martos/ Alonso/ Crosas/ Alberto/ Sastre/ Victor/ Pedro/ Riera(Gilberto 80')

*順位表は「試合日程・順位」から


セルビア代表ボージャン?
(06/03/05)

カデッテA所属のボージャン・ケルキック家に、つい最近、父の母国であるセルビアのフットボール協会から一通の手紙が届いている。
「セルビア・アンダー17の代表選手としてプレーする気があるかどうか?」
今年の5月にどこかの国でユーロ・アンダー17の大会が開かれるらしい。その大会にセルビア代表選手として出場する意志があるかどうかという問い合わせだが、ボージャンはまだそれに対する返答はしていないという。スペインはレイダで生まれた彼だが、父の国セルビアを選ぶか、あるいは母の国スペインを選ぶか、それはまだ決めていない。いずれにしても近いうちの意思表示をしないとならない。

カデッテAカテゴリーに所属はしているものの、ボージャンの現在のプレー場所はフベニルBだ。少なくても一つ年上、あるいは二つ年上の選手もいるチームでデランテロとしてプレーしている。これまで4試合に出場し、2ゴールを決めている。彼としては少ない数字だが、出場時間を考慮に入れればそれほど悪いものでもない。先週末ようやく負傷から戻ってきて現場に復帰してきたばかりだが、彼の目標は来シーズンにはフベニルAチームでプレーし、2年後にミニエスタディ進出を狙うというもの。つまり16歳か17歳でバルサC,あるいはバルサBでプレーすることだ。すでに14歳でスペインアンダー16、カタルーニャアンダー16に招集された経験を持つ。ちなみに、レッド・スターでプレーしていた彼の父ボージャン・ケルキックは、ユーゴスラビアのすべてのカテゴリーで代表選手となった経験を持つ人で、現在はバルサのスカウトマンをしている。したがって、セスクやピケの場合のように他のクラブからいかに美味しいオファーが来ようと、まずこの家族が引っ越しすることはあり得ないだろう。

ところで、3月8日に予定されているスペイン代表アンダー17の親善試合にバルサフベニルBチームから4人の選手が招集されている。ポルテロのマシップ、セントロカンピスタのクリスティアン、デランテロのワルテルとイエッペス。だが今のところボージャンの名前はない。もし次回の親善試合にもボージャンの名前がない場合、彼の決断は簡単なものとなる。セルビアアンダー17代表選手となることだ。

話はコロッと変わってチェルシー戦。ロンドンからドーバー海峡を渡ってチェルシー御一行様がバルセロナにやって来るのは日曜日の午後。だがそれよりも早く、土曜日の午後にはチェルシーの重要な人物がすでにバルセロナに来ている。スポーツ・ディレクターのフランク・アルネセンがその人だ。彼の目的は土曜日のバルサ・コルーニャ戦を観戦すること、そして日曜日の昼におこなわれるフベニルAの試合も観戦することだ。フベニルAはジョバニがプレーしているチーム、その彼が目的であることは火を見るより明らかだ。以前からジョバニとガイ・アシュリンの獲得に興味を持っていると言われてきたチェルシーなので、それほど不思議なことではない・・・が、気分が悪いのう。


身内試合
(06/03/04)

バルサから多くの代表選手がそれぞれの国代表チームに招集されていることにより、いつものメンバーでの練習ができない水曜日。数少ない居残り組メンバーがバルサBやCの選手を混ぜながら身内試合をしている。言ってみれば、バルサAチーム対バルサB・C混合チームの試合だが、Aチーム内にもメンバーをそろえるために、何人かのインフェリオールカテゴリーの選手を混ぜて対戦している。単なる試合形式の練習であり、この試合に招集されたことに深い意味はないものの、やはり若手の選手にとってAチームの選手との対戦は、今後のモチベーションを更に大きくする可能性があるかも知れない。(映像内ゴール順 モンタニェス、ハビート、マクシ、ベルドゥ、ガブリ、ジェフレン)

●前半
シーズン開始前はバルサC登録となっていたが、シーズンが開けてみれば控え選手ながらバルサBの試合に毎試合招集されているオルモが右セントラル。ピボッテにサストレ、右エストレーモにはハビートがそれぞれ配置されている。対するバルサB・C混合チームは基本的にバルサBの選手がメインとなっていた。ルーベンの控えポルテロであるハビ・ルイスおじさん、今では絶対スタメンとなっているバリエンテは軽い負傷中で不在のため、バルサCからボレゴが、そしてピボッテには期待の星マーク・クロッサスが呼ばれている。

●後半
バルサAチームはにハビート、サストレ、オルモに加え、ペーニャがシルビーニョの代わりに登場しただけで他の選手は前半と同じ構成。バルサBでは常に控えとなっている選手たちが60分間(前半30分・後半30分の試合)に出場しているのが興味深いと言えば興味深い。

バルサB・C混合チームは後半に入るとほぼ全取っ替えという感じとなっているので、今後のバルサBチームテストとしてキケ・コスタ監督は考えていたのだろう。もっともポルテロのハビ・ルイスやマノロ、そして右インテリオールのルドビックという選手は来シーズンはいなだろうから、単なるポジション埋めとしか考えられない。面白いのは左ラテラルにジョルディ・ゴメスが起用されていること。メッシーがまだフベニルカテゴリーにいた時代に一緒にプレーしている選手だが、器用な選手だから当時も色々なポジションでプレーしていたのを思い出す。それでもプンタ、左エストレーモ、左インテリオールというのは記憶にあるが左ラテラルというのは見たことがない。フベニルAチームの選手が二人登場してきている。右エストレーモとしてジェフレン、そして左エストレーモとしてジョバニ。それぞれ期待の星がバルサAチームを相手にプレーしており、おまけにジェフレンはゴラッソまで決めてしまった。


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/03/02)

■フベニルA(第24節)■
ナスティックーバルサ
0−1

ジョバニはスタメン出場し試合終了間際に交代。バルサのゴールはジェフレンのものらしい。首位を走っているエスパニョールも勝利しているので1位との差はなかなか縮まらない。

■フベニルB(第22節)■
バルサBージローナB
2−0

空は真っ青でポカポカ陽気の土曜日12時、ひなたぼっこ気分の観戦で気持ちが良いし、これで肝心の試合が面白ければ言うことナシ。でも試合そのものは何ともはや退屈なものとなってしまった。結果的には2−0で勝利したものの、どうも緊張感が感じられない試合。もっとも、ポカポカ陽気や勝利以外にも明るいニュースがある。後半に入ってようやくボージャンがグランドに姿を見せてきたことだ。

軽い負傷と伝えられていたにもかかわらず、何だかんだ言って1か月のリハビリ期間が必要だったボージャンが後半20分ぐらいに登場してきている。プレー時間も少なかったし、ボールもあまり来なかったからゴールこそ決めていないが、いずれにしても彼の復帰は嬉しいニュース。

■カデッテA(第22節)
バルサーバダロナ
5−0

“クッキー”という愛称で仲間に呼ばれていたフェルナンド・アリレロ選手は16歳となる今年からその愛称で呼ばれることを拒否したらしい。
「もう16歳にもなったのだから、クッキーなどというガキみたいな呼ばれ方は気にくわない。これからはフェルナンドと呼んでくれ。」
確かに、これまでプレー中には同僚の選手からクッキーと大きな声がかけられていたが、この試合で彼がボールを持つと「フェルナンド、こっちだ!」とか「あっちだあ!」とか声がかけられていた。

ボージャンはフベニルカテゴリーにとられているし、彼の代理にとなる9番補欠ホセ・ルイスは負傷中。そのホセ・ルイスの補欠であるトニーは、やはり負傷中のヤゴに代わって左エストレーモに配置され、結局このフェルナンドが9番として起用されていた。もともとデランテロの選手だったからそれほど問題はなかったにしろ、いきなり2ゴールを決めるとは大したものだ。

■カデッテB(第20節)■
グラノジェールスーバルサB
0−0

アウエーとはいえ引き分けという結果、しかもゴールなしの引き分けというのは珍しい。

*順位表は「試合日程・順位」から


メキシコ選手入団?
(06/03/01)

かれこれ1か月ぐらい前から“メキシコアンダー17代表だった選手がバルサ入りするのではないか”とメキシコメディア内で話題になっていた。彼らが言うところの“アンダー17代表選手”というのは昨年の12月にヨーロッパ“テストツアー”に来ていた4人のメキシコ人選手たち(2005年12月16日付ニュース参照)を指す。つまり、エベル・アルセニオ・グスマン・サバーラ、エフライン・バルデス、クリスティアン・サンチェス、そしてホルヘ・エルナンデスという少年たちのことだ。昨年の12月の中旬に約1週間マシアに滞在し、ヨーロッパテストツアーの一環としてバルサでテストを受けていた四人組、この中から二人の選手をバルサは獲得したとメキシコメディアは伝えている。エフラインとホルヘがその二人らしい。

エフライン・バルデス、もっと正確に言うとエフライン・フアレス・バルデスとなるらしいが、ポジションはセントロカンピスタ。1988年2月21日生まれだというから、つい先日18歳になったばかり。その成人となった誕生日の日にバルサからの契約書が到着したという“イノセンテ”みたいなコメントまで掲載している。プーマというクラブに在籍している選手のようだが、18歳を迎えた瞬間に自由にクラブを選べるという契約になっていたという。現在はアンダー20メキシコ代表となっているエフラインとバルサとの契約期間は4年間。もっとも彼はEUパスポートを持っていないから二部Bカテゴリーに在籍するバルサBではプレーできないし、もちろんフベニルカテゴリーでもプレーできない。したがって6月までバルサフベニルチームで練習し、来シーズンから二部Aカテゴリーのチームにレンタルという計画だとメキシコメディアは伝える。そしてもう一人はホルヘ・エルナンデスという選手だが、彼のことに関しては細かく触れていない。

バルサの公式発表を待つまで確かなことはわからないものの、ジュニアクラスの選手の移籍によくありがちな“悪臭”がしないこともない。この二人の選手のスペインにおける代理人がアントニオ・ゴンサレスという。“悪臭”はこの人物から放たれている。セスクの代理人と同じようにあまり良い評判を聞かない人物だからだ。

ホセバ・ナントカというセスクの代理人が評判が悪いのは今に始まったことではない。セスクが16歳でバルサを離れるときにもこの代理人に関しては胡散臭い噂が飛びかったし、今また“セスク、レアル・マドリ入団か?”という噂にもこの人物が準主役として登場してきている。スペイン代表監督に「チャビの後釜候補選手」などとチヤホヤされているが、個人的には“セラーデス改良型”という感じを昔から持っている。良い選手であることは間違いないものの少々過大評価されている感じがしている選手だから、レアル・マドリに行こうがどうしようがかまわない。だが、この“悪臭”は気分が悪い。この代理人の活躍によりセスクはほぼタダ同然でアーセナルに入団しそうになったのは記憶に新しいが、そこに登場したのがサンドロ・ルセーだった。アーセナル首脳陣とのルセーの巧妙な、そして執拗な交渉の結果、バルサは移籍料として300万ユーロを手に入れている。しかも手に入れたのはユーロだけではなかった。スペインのクラブに移籍させる際にはバルサが優先権を持つという項目まで勝ち取っている。したがってこの代理人の思い通りにことが運ぶには、バルサという窓口を通さないといけない。

そう言えば、もうじきサンドロ・ルセーの“バルサ回顧録”という感じの本が店頭に出る。非常に楽しみだ。そしてバルサともメキシコ人ともセスクとも何の関係もない話題を一つ。フロレンティーノがマドリソシオから白いハンカチを振られる前に自ら白旗を揚げて辞任してから1時間後、ブラジル代表に招集されていたクチカルにマルカの特派員がそのニュースを伝えている。そして彼の返答がとてつもなく素晴らしい。
「誰が会長でも俺には関係のない話だ。」
ああ、とてつもなく楽しいクチカル。マドリ崩壊の最先端を行く男だ。


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