2005年
2006年
1月

第21節 雪のため延期
(06/01/31)

アルコヤノーバルサB

バレンシアの南に位置しながらも内陸に入ったところの町アルコイにあるクラブでおこなわれる予定だったバルサBの試合。だが、地中海側はともかく内陸には2、3日前から大雪が降っている。ちなみに、バルセロナ市内には雪は落ちてこなかったものの、街の北にあるティビダボの丘の頂上にはパラパラと粉雪が落ちてきた週末。スペイン中どこもかしこも真っ白状態となっているため多くの試合が延期となっているが、この試合もその中の一つとなってしまった。


第22節 ミニエスタディ、頑張る!

バルサCービラノバ
2−2

前日から降り続いている雨が試合開始時間になっても止まず、こりゃあミニエスタディの芝の状態を考えれば雨天中止かと思っていたら意外にも試合決行となった。バルサCはすでに雨天延期となっている試合があるため他のチームより1試合少ないから、この試合はどうしてもやらなければならなかったのだろう。まあ、そういうわけでグランド状態は決して良好とは言えない。

昨シーズンはトリプレッテを達成したフベニルAチーム、そこに所属していた“ロホ軍団”の選手たちの出場が試合を重ねるごとに増えてきている。トニー・カルボは負傷中なので出場できないが、セントラルのルジェー、ラテラルのアロンソ、セントロカンピスタのラモン、そしてデランテロのビクトル、ペドロなどがスタメン出場している。しかも彼らより一つ年下のマーク・クロッサスもピボッテ役として定着しつつあるようだ。この試合でも彼ら若手選手が活躍しているが、どうもミニエスタディでは勝利できないバルサC。先制点をあげたあと同点に追いつかれながらも再び引き離し、これは久しぶりの地元勝利かと思いきや終了間際にゴールを入れられてしもうた。ミニエスタディの芝は頑張ったのに“ロホ軍団”に勝利は訪れなかった。

■FC BARCELONA
Montero/ Casado/ Roger/ Lopez/ Alonso(Llamas 77')/ Crosas/ Alberto/ Ramon(Gilberto 86')/ Pedro/ Victor(Marc 69')/ Riera

*順位表は「試合日程・順位」から


レバンテ兄弟に注目
(06/01/29)

レバンテAチームは現在二部リーグに在籍し第21節を終了した段階では4位につけている。3位までのチームが自動的に一部リーグに上がる権利を持つから、このままリーグが終了してしまうと夢の一部リーグには上がることはできない。そして彼らの弟分のレバンテBチームが今シーズンどこでプレーしているかというと、バルサBが在籍する二部Bカテゴリー第三グループだ。そのレバンテBが快調に飛ばしていて現在のところ首位を走っている。もちろんこのままリーグ戦が終了すれば彼らには二部カテゴリー昇進をかけたプレーオフが待っていることになる、はずだが、残念ながらそうはならない。

二部リーグ所属レバンテAチームが3位以内に入ることがでず、来シーズンも二部カテゴリー残留となると、レバンテBチームも例え二部Bカテゴリーで優勝しようとカテゴリーはそのままとなってしまう。そう、レバンテBチームは二部Bカテゴリーでどんなに頑張っても、兄貴分チームが上のカテゴリーで糞詰まっている限り上にはいけないのだ。ということは、もしレバンテBチームが4位以内に入ったままシーズンが終了ということになると、5位のチームが二部カテゴリー昇進のプレーオフ参加権を得ることになる。せこい話といえば身もふたもないが、もしレバンテA・Bチームともこのままの成績でシーズンを終了することになると、バルサBは最低でも5位以内に入ればOKということになる。

5位に入ったチームがカテゴリー昇格戦に参加した例はこれまで何回かある。最も最近の例を見てみると2001−02シーズンがそうだ。サラゴサBが二部Bリーグで3位に入りながらも兄貴分のサラゴサが二部落ちしてしまったシーズンだ。この時に5位につけていたのがテラッサ。このチームは二部入れ替え戦で見事勝利を収め二部リーグ昇格を果たしている。そのテラッサが今シーズンはこれまで32ポイントを獲得し5位に入っている。3ポイント差ながら10位につけているバルサB。ひょっとしたら棚からぼた餅が落っこちてくるかも知れない。だが、いずれにしても勝ち続けることを心がけないとその5位にも入れない。今シーズンこれまで連勝したのは2回あるが、いずれも2連勝止まりとなっている。とりあえず5位狙いなんてことは忘れて、ひたすら勝ち続けることが大事なバルサBだ。


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/01/26)

■フベニルA(第19節)■
バルサーバレンシア
1−0

この試合でもスタメン起用されたジョバニだが、少しずつとはいえ良くなってきているようだ。わずか1点しか得点できなかったバルサだが、それでも勝利の3ポイントを獲得することができた。そしてこのポイントは非常に貴重なものとなっている。なぜなら首位のエスパニョールが引き分け、2位にいたマジョルカが敗れたためバルサが首位のエスパニョールに5ポイント差と近づいて2位に躍り出ることができたからだ。

“メッシーの教訓”がジョバニのスペイン国籍取得手続きを急がせることになった。彼と弟のジョナタンのスペイン国籍取得手続きがすでにおこなわれたらしい。もし順調に書類手続きが進むことになると、来シーズンが始まる頃には二人ともEU国内選手としてプレーすることが可能となる。

■フベニルB(第17節)■
バルサBーエスパニョールB 
1−3

エスパニョールというクラブには“エスパニョールC”というカテゴリーが存在しないため、フベニルカテゴリーの上はいきなりエスパニョールBというカテゴリーとなる。したがってフベニルチームでプレーした選手が毎年“B”カテゴリーに上がるということはなく、3年あるいは4年間にわたってこのカテゴリーでプレーする選手がほとんどだ。今シーズンのフベニルBエスパニョールチームは昨シーズンとほぼ同じ選手によって構成されている。要するに同じカテゴリーを2年間続けている選手たちとなる。いっぽうバルサの方といえば、ほぼすべての選手が昨シーズンはカデッテAチームでプレーした選手によって構成されているし、ボージャンのようにカデッテBでプレーした選手もいる。まあ、そのことを考慮に入れれば、エスパニョールBとの年齢差や実力の違いは明らかとなってしまうのはしょうがない。そしてそれを見事に示したのがこのダービー戦となってしまった。

この試合でもボージャンが9番をつけて登場。だがとてつもなく一人ぼっちという感じで相手ゴール前にいることになる。大半の選手が守備におわれ、相手ゴールを脅かすことになるのはほんの一握りのチャンスを迎えた時だけ。だが、そのチャンスをボージャンが生かし、再びゴールを決めている。とはいえ、やはりエスパニョールBはバルサより圧倒的に強い。この敗戦でバルサBは首位のエスパニョールに再び大きくポイント差をつけられてしまった、が、しょうがないか・・・。

■カデッテA(第17節)
バルサーナスティック
2−1

ボージャンという“大スター”が抜けてしまったこのチームで大活躍を期待されるのがヤゴとなる。実力的にはボージャンと同じようにすでにフベニルカテゴリーでプレーできるものを持っていながら、このチームを引っ張っていく唯一の選手となってしまったため、彼は当分このカデッテAでプレーすることになりそうだ。それでももちろんフベニルBで彼の力が必要となったとき、多分それはシーズン終了近くとなるだろうが、その時はフベニルカテゴリーに上がることになるだろう。

ヤゴの存在がこのチームにとって重要なものとなっているのはもちろん相手チームも研究済みだ。したがって彼には二人、あるいは三人ものピッタリマークがつくことになる。非常にやりにくそうにプレーするヤゴだが、それでも考えようによってはとても良い経験をしていることになるだろう。この試合でもピッタリマーク選手たちにイライラしながらも、彼らしいプレーが何回か見られたし、カピタンとしての自覚も芽生えてきているようだ。

■カデッテB(第15節)■
ジュピテルーバルサB
0−5

どうやら派手に勝ったようだ。

*順位表は「試合日程・順位」から


第20節 バルサB久しぶりの勝利!
(06/01/24)

バルサBーオスピタレ
2−1

クリスティアンのアシストでシトがゴールを決めたのが開始50秒。そして23分にはオルランディのゴールが決まり、前半2−0とバルサBは久しぶりの楽勝気分展開。ミニエスタディでの試合でこれほど楽観的な気分で観戦させてくれるバルサBは本当に久しぶりだ。が、選手たちも楽観気分になったのか、後半はのんびりムードで、残り10分で1点決められると少々あたふたした試合となった。
シトと共にゴールを決めたオルランディにとってはバルサBにやってきて初のゴールでもある。この試合の後には兄貴分のバルサAチームがカンプノウでアラベス相手に試合をするが、この選手は今シーズンそのアラベスからレンタルでやってきた選手。それが関係あるかどうか、まあ、まったく関係ないだろうが、とにかくオルランディの初ゴールが生まれた。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/Arnau / Verdu/ Jordi/ Cristian(Montan~es 87')/ Sito(Olmo 92')/ Orlandi(Pitu 72')


第21節 大量得点勝利

ルビーバルサC
1−4

前半12分でPKにより1−0と先制されながらも逆転勝利。しかもラモン、マーク、そしてリエラ2ゴールで、今シーズン初の4点得点。B・Cそろっての久々の勝利だ。

■FC BARCELONA
Montero/ Alonso/ Borrego/ Roger/ Casado/ Crosas/ Pedro/ Albelto/ Riera(Alex 78')/ Ramon(Marc 58')/ Victor(Gilberto 73')

*順位表は「試合日程・順位」から


あと4分・・・
(06/01/21)

フィゲーラスからバルサBにやって来たダミアだが、バルサBだけではなくバルサAをも何となくスーと通過し、気がつけばすでにサンタンデールにレンタルされている。最後までどういう選手なのかよくわからなかったが、フィゲーラスとバルサが結んだ移籍契約もなかなか複雑にできていたようだ。

ダミアがもしバルサAチームで10試合出場した場合、バルサはフィゲーラスに12万ユーロのボーナスを支払うことが義務づけられていた。だが1分だけとか10分だけの出場時間では1試合出場とは認められない。最低でも15分間プレーしないと1試合出場とは認められないという契約内容だ。さて昨シーズン、ダミアはバルサAチーム選手として10試合の公式戦に出場している。10試合目の出場となったレアル・ソシエダとのリーガ最終戦、ダミアは79分にグランドに姿をあらわしている。つまり、この試合11分しかプレーする時間がなかったことになる。もし75分に出ていれば彼は15分間プレーしたことになるから1試合出場の条件を果たすことができた。だが、4分だけ足らなかった。経済的に苦しいフィゲーラスの首脳陣たちは、わずか4分出場時間が短かかったことにより12万ユーロの“美味しい臨時収入”をあきらめることになるが、それでも落ち着いたものだったようだ。なぜならバルサと交わした契約は“バルサAチームで10試合出場した場合は12万ユーロのボーナス”という内容であり“1シーズンに10試合”とは書かれていない。つまり今シーズン、ダミアが1試合でも15分以上プレーしてくれれば10試合達成となりクラブにボーナスが入ることになっていたからだ。そして誰もが「少なくても1試合ぐらい公式戦に出場するだろうし、それも15分以上ぐらいはプレーさせてくれるだろう」と信じていた。昨シーズンの起用のされ方を見れば、彼らの思いも納得できるものだろう。

だが、多くの人々の予想と期待を裏切り、ダミアは今シーズン1試合も1時間も1分も1秒もバルサAチームで出場することなくレンタルされてしまった。レンタル先のクラブでダミアが何試合何十分出場しようとフィゲーラス首脳陣には興味がない。ボーナス収入が可能となるのはあくまでもバルサAチームに出場したのみであり、レンタル先では関係ないことだからだ。あのソシエダ戦にわずか4分早く出ていれば・・・今シーズン負傷せず1試合でも出場していれば・・・12万ユーロという大金が手に入ったのに・・・フィゲーラス残念の巻。


人脈というのか派閥というのか・・・
(06/01/20)

サンドロ・ルセーとジョアン・ラポルタの確執が表面化されてから、何人かの人々がその影響を受けたのはすでに誰もが知っていることだ。リーグ優勝が決定してクラブとしてはメデタシメデタシという状況を迎えていたとき、クラブ内の権力を握る二人の重要な人物の衝突が5人の理事辞任劇に発展したことは記憶に新しい。それぞれの人脈、あるいは派閥が生んだ辞任劇でもあった。そしてそれはバルサインフェリオールカテゴリー組織にも影響を与えることになり、ルセー派であったインフェリオールカテゴリー総責任者コロメールも辞任することとなる。彼の代わりにその職に就いたのはラポルタ派として認識されているアレサンコとなった。

昨シーズン、バルサインフェリオールカテゴリーに属する多くのチームがタイトルを獲得している。フベニルAはトリプレッテを達成し、当時の監督だったロホは今シーズンはバルサCの監督に就任している。他のカテゴリーでも今シーズンはほぼすべての監督がカテゴリーを一つ上げて監督をしている。だが例外もある。例えば、フベニルBの監督をしていたアルゼンチン人監督ギジェルモ・オヨスは“普通”なら今シーズンはフベニルAの監督をしているはずだった。だがクラブ首脳陣たちが決めたカテゴリーは11歳程度の少年たちがプレーするアレビンカテゴリーだった。メッシーを育てたことで高く評価されてしかるべきギジェルモ・オヨスは「その扱いには不服でござる」としてクラブを去っている。彼はサンドロ・ルセーと最も仲の良い監督として知られていた。そしてもう一人カテゴリーを下げられた監督がいる。ボージャンやヤゴなどがプレーしていたカデッテBの監督をしていたジョアン・サルバンス、彼もまた本来ならばカデッテAの監督となるはずであるのに、クラブが指定したカテゴリーはインファンティルBだった。彼もまたサンドロ・ルセー派として知られる人物だ。ただ、ジョアン・サルバンスが男ギジェルモと違うところは「お家のためになると申されるなら・・・」と両目に涙をためたかどうかは知らないが、このカテゴリー落ちを受け入れた。

2005年が終わりほぼリーグ戦前半が終了した段階で、インファンティルBは首位にわずか2ポイント差で3位につけていた。絶好調とは言えないまでも決して悪い成績ではない。たった1試合を消化することで首位にたつことができる位置にいた。だが年が明け、クラブ首脳陣は突然の監督交代を発表している。その理由は・・・試合内容が良くないということだった。かつてレアル・マドリで監督をしていたラドミル・アンティックが首位をキープしていながらも試合内容が悪いと言うことで更迭となったのを思い出すような監督交代劇だ。

そして新たにインファンティルBの監督に就任してきたのはチャビ・ロレンス。かつてルジェーやデ・ラ・ペーニャ、キケ・アルバレスなどを育てた人物だ。つまりヨハン・クライフが監督をしている頃にバルサインフェリオールカテゴリーで働いていた人物ということになる。やはり、人脈は大切ということだ。


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/01/19)

■フベニルA(第18節)■
ビジャレアルーバルサ
3−0

このカテゴリーはすでにリーグ後半戦に入っている。3位につけているバルサはこれまで3敗しているが、すべてが1点差での最少点差敗北となっていた。だが、いかにアウエーの試合とはいえ、そしていかにビジャレアル相手とはいえ、年明け早々に3−0という派手な負け方はショックだ。二つのペナルティーがバルサを沈めてくれた。ジョバニ、久しぶりのスタメン出場。

■フベニルB(第16節)■
ジャバックーバルサB
2−2

どうやら引き分けたらしい。

■カデッテA(第16節)
グラマネーバルサ
雨天でもないのに延期

2006年に入っての最初の試合は大雨のため延期となり、今週こそはと大張り切りでこの試合にのぞんだバルサカデッテAチーム。試合開始予定時間である16時きっかりにグランドに登場、そして地元グラマネの選手も姿をあらわしてきた。さあ、いよいよ新しい年に入っての最初の試合だ、と思ったら、アラアラ、肝心の審判の姿が見られない。待つこと5分、10分、だがいつまでたっても審判たちはやって来ない。と言うわけで、雲一つない快晴にもかかわらず、審判不在のため試合延期となりました。ちなみに後でわかったことだが、審判は試合開始時間を間違えていたそうな。

■カデッテB(第14節)■
バルサBーフィゲーラス
1−1

前半だけで少なくても10回はあったゴールチャンスをものにできないと、相手がいくら格下チームとはいえ勝利することはできないのは当然だ。ペナルティーという願ってもないゴールチャンスも見事に外し、そうこうしているうちに相手チームの唯一のゴールチャンスだったフリーキックがゴール枠内に入ってしまう。まさにバルサBにとって厄日と言っていいこの日の試合。

後半に入ると焦りばっかりが目立つようになるバルサB。圧倒的な勝利の試合が多いチームに起こりうる“あり得ない状況”を迎えての戦いとなってしまった。ボールを回しながらゴールチャンスを作るというこのチームの特徴が消え、ダイレクトなボールぶっ込み作戦となってしまった後半戦。それでもティアゴの個人的なプレーで、しかも見事なゴラッソが決まってどうにか同点になって試合終了。“才能あふれる少年たちよ、焦ってはいかんよ”という教訓が残った試合であり、同時に去年の11月から続いていた連勝記録が8でストップしてしまった。

*順位表は「試合日程・順位」から


第19節 ミス、ミス、そしてミス
(06/01/17)

バルサBーベニドルム
2−3

オルランディが中盤でポコッとボールをとられ、サイドラインに沿って走り込んだ選手からだされたゴール前へのセンタリングを目測を誤ったルーベンがポロッとやり開始2分で先制点を許してしまったバルサB。それでもいつもの試合とは違うところはすぐに同点に追いついたところだ。ジョルディ・ゴメスの強烈なミドルシュートからコーナーキックを得たバルサBはペーニャのヘディングでゴール。こりゃ、今日はひょっとしたら楽勝かいな、そう言う感じの前半15分。そしてこの日は9番に選ばれていたシトがやはりコーナキックからゴールを奪い、前半30分ではバルサBが勝利していて楽勝予想はさらに膨れあがる。だが、そこはバルサB,なかなか楽しい思いをさせてくれない。

後半20分程度に同点に追いつかれるバルサB。明らかにゴールラインを割っていたボールをセンタリングされ、それに合わせる形で相手9番がゴールを決める。線審の大ミスだ。そして試合終了1分前、途中から入っていたハビートの大ミスでゴールを奪われた。左エストレーモに入り相手デフェンサとの一対一の勝負に敗れボールを奪われたハビートはカウンタアタックを防ぐためにバルサデフェンサに合流。ロドリが相手デランテロからボールを奪いハビートにわたる。ここで再び一対一の勝負をのぞんでしまうデフェンサ・ハビート。これを見事にとられて、そのままセンタリングされ逆転ゴールを許してしまう。まあ、これだけミスが多くては勝てません。次はミスを少なくすることを心がけて頑張ってみましょう。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/ Fragozo/ Verdu/ Jordi/ Cristian/ Sito / Orlandi(Javito 76')


第20節 マーク・クロッサスのデビュー

バルサCーバラゲー
0−1

予想よりもかなり早くマーク・クロッサスが上がってきた。フベニルAの絶対スタメン選手ピボッテでありカピタンでもあるクロッサスがバルサCのピボッテとしてデビューしてきた。そして新米選手であるにもかかわらず、常にボールを要求し、ボールが足下にないときにはボールを持っている選手に大声で指示を出している。ここら辺が並の選手のデビュー戦とはチョイと違う。

見ていて気持ちの良い感じでボールがまわるが肝心のゴールチャンスにまでは行きつかない。そしてそのゴールチャンスが訪れるとリエラとかジルベルトなどが、これまた気持ちよく外してくれる。防戦一方のチームにやって来る唯一のゴールチャンスはセットプレー攻撃だと言うが、その通りにコーナーキックをうまくいかしてゴールをぶちかましてくれた。0−1という結果に終わってから後半に入ると、超ベテラン選手が多い相手チームはひたすら時間稼ぎ。一人一人のテクニックを比べたら圧倒的にバルサCの方が上回るが、経験というやっかいなものには劣ってしまう。少しでも体が触れると大げさに倒れ、フリーキックを蹴るのはボールに一番遠くにいる選手がトロトロとやって来て時間稼ぎ。ラテン的田舎フットボールが展開された後半、若い選手が多いバルサCはそれでも必死に攻めるもののダラダラフットボールの勝利に終わる90分となった。バルサCはこれで9試合地元で戦って5敗といういただけない結果を残している。

■FC BARCELONA
Montero/ Martos(Casado 18')/ Borrego/ Roger/ Alonso(Pedro 73')/ Crosas/ Sastre/ Besada(Alberto 46')/ Gilberto/ Victor/ Riera

*順位表は「試合日程・順位」から


3人のカンテラ
(06/01/15)

カンプノウでおこなわれたサモラ相手の国王杯に3人のバルサB選手が招集されている。ペーニャ、ジョルディ・ゴメス、そして最も“ベテラン”選手と言っていいロドリの3人だ。年齢的には22歳のペーニャが一番の年上となるが、21歳のロドリは招集回数も最も多いしバルサAチームデビューの経験を持つ。そして20歳のジョルディ・ゴメスにとってはアウエーのサモラ戦に続いて2回目の招集となった。

ロドリは昨シーズンのチャンピオンズの戦いでシャクタール戦に出場。そしてリーグ戦では1−2で勝利したアルバセテ戦でデビュー。親善試合やカタルーニャカップではすでに何試合かバルサAチーム選手として出場している。そしてこのサモラ戦でもガブリに代わって後半14分に登場。徐々に徐々にではあるもののバルサAチームに顔を出してきている。一方、モッタに代わって後半23分に1万6千人の大観衆の拍手に迎えられて登場してきたジョルディ・ゴメスはバルサAチーム初参加だ。限りなく親善試合に近い公式試合とはいえ、わずか2回の招集経験でデビューをかざってしまうというのは幸運な選手と言える。フベニルカテゴリーではレオ・メッシーと一緒にプレーしていた彼であり、そしてどうやら親友の仲らしいが、その親友に後れをとってしまっているのはしょうがない。メッシーは超特別な選手なのだから。

またまた残念賞となってしまったのがペーニャ選手。彼は2002年5月29日、タイでおこなわれたナントカという地元チーム相手の試合にバルサAチーム選手として出場している。だが、これはもちろん親善試合、彼が18歳の時だ。そして2002−03シーズンにはベンフィカ相手の試合にも出場している。だが、これも親善試合。2003−04シーズンにはフィゲーラス戦、中国戦にも出場しているが、これまた親善試合。そして負傷者が続出した昨シーズン2004−05には5回のリーグ戦招集がされている、が、1試合も出場していない。そして今シーズン初の公式戦招集となったサモラ戦だが、残念賞ペーニャには出番がやって来なかった。

つい先日、チキ・ベギリスタインが「シルビーニョがEUパスポートを取得した時点ですでに契約期間の1年延長という契約項目が自動的に発動されることになっていた。」と、まあ、1年半前の出来事を最新ニュースのように語っちゃってくれて多くの人々が驚くこととなったが、それによるとシルビーニョは今シーズン限りではなく、来シーズンもバルサ在籍が決まっているようだ。しかも契約が残っているジオについても来シーズンはいないだろうと予想されていたが、その可能性も否定したチキ・ベギリスタイン。したがって、ペーニャに出番が回ってくる可能性はほとんどなくなったということだろう。


アウエーでの応援
(06/01/13)

バルデスが100試合出場達成したエスパニョール戦で3人の外国人観戦客がエスパニョール・インチャに襲われている。当初は日本人観光客がその被害者として一部のメディアで発表されたが、その後“アジア系アメリカ人”として訂正されている。バルセロナ大学とアメリカのどこかの大学との間でおこなわれている交換留学システムで1年間バルセロナに滞在しているアメリカ人学生たちらしいが、最近は日本人の観戦客が増えてきていることもあり東洋人顔だから日本人だろうと調べもせずに発表しものと思われる。

彼らを襲ったのは“ブリガーダス・ブランキアスーレス”と自称するエスパニョールの過激応援組織の一部アホ連中。フランコ時代のスペイン国旗を掲げて応援するファシストイデオロギーを持った連中である彼らがモンジュイク・スタディアムの8番ゲート付近にたむろっているのは、このスタディアムに通う人々には知られていることだ。つまり南ゴール裏が彼らのアジトとなっている。だが3人の外国人が襲われたのは、その8番ゲートではない。暴力的なアホ連中は自らの縄張りから“一般席”にまで押しかけて襲ったのだ。そして、バルサのマフラーをしながら騒いでいた3人の東洋系の顔をした外国人がアホな連中の被害者となった。

ヨーロッパの他のスタディアムに関しては知識がないものの、スペインの多くのスタディアムではアウエーのファンの人々が彼らの応援するクラブのユニフォームを着て応援に行ったり、あるいはマフラーを首に巻いて応援しても大した問題とはならない。特に一目で外国人であることがわかるアジア系の人々であれば、何も事情を知らない外国人観光客として嘲笑の対象となったりからかわれる対象となることはあっても、肉体的な被害を受けることはほとんどない。だがもちろん例外もある。ベルナベウとカンプノウでのクラシコと、各地でおこなわれるダービー戦だ。そしてこの事件が起きた試合はダービー戦。だから“無知は罪なり”とまるで被害者に同情の余地なしと短絡的に扱われそうだが、この事件はそうではない。シロウトがヤクザの縄張りに進入したのではなく、ヤクザがシロウトの世界に介入して襲ってきたことによって起きた事件なのだから。そして見て見ぬふりをするかのように近くにいながら行動にでなかったオマワリも暴力的なアホ共と同じように批判されるべきだ。

不運と言えば不運、どこにでもいる暴力的なアホ共に遭遇してしまったのが不運、だが、それでも、もしかしたら避けられた“不運”であることも確かだろう。クラブが組織した“グループ応援”でアウエーに出かけるのならともかく、数人のアウエー応援なら安全と呼ばれるどこのスタディアムでもそれなりの注意が必要なのは当然だ。最近カンプノウでベッカムのユニを着た東洋系の女の子や大久保のユニを着た日本人を見ることがある。彼らが何らかの被害を受けたという話は聞いたことはないが、それでも少しは地元チームを応援する人々に尊敬の念とまでは言わないまでも、遠慮っちゅうもんがあってもいいだろう。ユニを着ていかなくても、マフラーをしていかなくても、応援の気持ちさえあればいいのだ。と、いうわけで、こちらにメールを送ってくれた“3月アウエー観戦”を予定されていながらも心配になってしまった方、ごくフツーに観戦してみたらどうでしょう。


フベニル・カデッテカテゴリー
(06/01/12)

■フベニルA(第17節)■
バルサーマジョルカ
1−1

今シーズンからこのカテゴリーの監督に就任してきたアレックス・ガルシア監督のインタビューを聞いていると、どうもこの人はフィジカル面に強い選手を優先して起用してきているようだ。ジョバニは確かに昨シーズンまでのような輝きをこれまで見せていないが、彼の調子がどうのこうのという前に、フィジカル的に劣るから(2歳ぐらい上の選手と一緒にやっているのだから、それはしょうがない)ベンチスタートが多くなっているのではないかと疑りたくなってきた。もしフィジカル面を優先したいならエスパニョールの監督になった方が良い。バルサとエスパニョールにおけるカンテラ組織のアイデアの決定的な違い、それは前者がテクニックとか才能を最優先するのに対し、後者はフィジカル面を第一優先とするところだ。最年少のベンジャミンクラスからフベニルカテゴリーまで、両チームの選手を見てみると、その違いが一目瞭然となる。バルサは小さいがやたらとうまい選手が多いし、エスパニョールはやたらとデカイ選手が多い。どちらが良いというわけではなく、クラブカラーの違いというところか。

この試合、いつものようにジョバニはベンチスタート。今後のフベニルAチームの鍵を握る重要な選手だけにスタートから起用して欲しいもんだ。

■フベニルB(第15節)■
ブラウグラーナーバルサB
0−1

ボージャンはカタルーニャアンダー16に招集されているため、この週はバルサの選手としてどこのカテゴリーでもプレーしていない。ちなみにカスティージャ・ラマンチャとの公式戦にボージャンはスタメン出場し、前半に2ゴールを決めてベンチに下がっている。この試合はワルテルのゴラッソで勝利し、首位のエスパニョールが負けたため11ポイント差とほんの少し縮まった。

■カデッテA(第15節)
ジローナーバルサ
雨天延期

■カデッテB(第13節)■
エウロッパーバルサB
1−3

どうやら勝ったようだ。

*順位表は「試合日程・順位」から


ピチッチ、クリスティアン
(06/01/11)

これまで18節を終了した段階で8ゴールを決め、チームの得点王となっているクリスティアン・イダルゴ選手。その彼が国王杯サモラ戦でバルサAチームデビューをかざっている。エトー、ラルソン、マクシという三人のデランテロが欠けていたという事情が彼のデビューにつながった。クリスティアンは非公式試合にはこれまで何試合か招集され、試合にも出場している。2004年7月16日におこなわれたプレステージでのバニョーレス戦で初めてバルサA選手として出場して以来、エルチェ戦やオポルト戦などの親善試合やカタルーニャカップにも出場。そしてこれまで公式戦にも4回ほど招集されベンチ入りしながらも試合出場まではいかなかった。したがって今回は5回目の正直となった招集であり、彼にとって夢の出来事であったバルサAチームでのデビューが現実となったことになる。

89分にグランドの登場したクリスティアン、92分に試合終了を告げる審判の笛が吹かれるまでの3分間はまるで夢のような感じだったと語る。
「非常に短い時間だったとはいえボールにさわることもできたし、これまでの夢が実現できたことが嬉しい。バルサBでの仕事が少しは評価されたと思うし、これからの大きな励みになる。」
そう語りながらも自分の場所を決して忘れないクリスティアン。
「自分の置かれている場所はあくまでもバルサB。そして今シーズンの目標は何としても二部A入れ替え戦に参加すること。それが自分の仕事であり、それが達成されたら次の目標をたてればいい。もちろん最終的な目標はバルサAチームの選手としてプレーすることだけれど、今回のデビューを機会に徐々に徐々にバルサAチームに食い込んでいければ最高だ。」

デランテロというポジションでバルサAチームに上がってくることはとてつもなく難しいことは歴史が証明している。メッシーというようなデランテロがラ・マシアから誕生してくるのは20年、あるいは30年に1回あるかないかだろう。したがってバルサBのピチッチとなっているクリスティアンにも当然ながら難しいこととだが、不可能ということではない。頑張ってみちゃおうクリスティアン。

ちなみに今週水曜日におこなわれるカンプノウでのサモラ戦にはクリスティアンは招集されていない。ラルソン、マクシ、エスケロというデランテロが呼ばれているからだ。そして招集されたのはは次のような選手。
ジョルケラ、ジオ、ロドリ、プジョー、ベレッティ、ボメル、ガブリ、イニエスタ、ジュリー、エスケロ、ラルソン(スタメン候補)、バルデス、ペーニャ、モッタ、ジョルディ・ゴメス、マクシの16人。


第18節 新年 明けまして 負けました
(06/01/10)

ビラホイオッサーバルサB
1−0

カード制裁で出場できないベルドゥに代わって出場してきたのは負傷から戻ってきたアルナウ。相手は同ポイントながら順位的には一つ上にいるビラホイオッサであり、しかもアウエーの試合ときているからバルサBにとっては非常に難しい試合となった。そして、スタートメンバーを見て嫌な予感。3人のセントロカンピスタの中にアルナウとフラゴッソという2人の守備的な選手が含まれている。ベルドゥという“頭脳”を欠いたチームだから中盤をガッチリと固めてカウンタアタックでいこうということか。いずれにしても攻撃をデザインする創造性を持った選手で構成する中盤ではなく、相手をつぶしてボールを奪ってアタックしようという意図の中盤構成だ。だがその狙いも空しく、いきなり先制点をとられてしまった。こうなるとこの日のバルサBは更に厳しい試合展開となるのはしかたがない。点を取られてからは普段のバルサBに戻ってゲーム支配を試みる。ただボールを常に回しながらもゴールチャンスがやって来ない試合展開ほど退屈なものはない。すでにそのことはバンガールが証明して見せてくれたが、この試合もまるでクラック選手のいないバンガールバルサを見ているような感じだ。

前半はリエラがプンタ、後半はシトがプンタ、まあどちらの選手でも同じような感じだったが、ここは一つ、ルール無視だろうがなんだろうがマクシあたりを貸してくれんだろうか。クラブ首脳陣やチキ、ライカーなどのレンタル要請を無視してバルサに残っている選手なのだから、そしてライカーは二度と試合招集する気はないだろうから、バルサBあたりで働かせる方法を考えた方が良いと思うのだが・・・。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Valiente/ Rodri/ Pen~a/ Fragozo(Orlandi 75')/ Arnau(Ludovic 46')/ Jordi/ Cristian/ Riera(Sito 57')/ Montan~es


第19節 雨天延期

バルサCーマタロ

エスパニョール対バルサのダービー戦と同じ日に予定されていたミニエスタディでの試合。モンジュイクのグランドは雨なんぞ何のそのという感じでパーフェクトな状態であったのに比べ、ミニエスタディのグランド状態は最悪そのもの。ここ何年か、芝が生えているというよりはコケが生えていると言った方がふさわしいような状態だから、少しでも雨が降り続けると試合どころではない。そう言えば、ラポルタがソシオに約束した”11月シウダー・デポルティーボ・オープニング”というのはどうなったんだ?

*順位表は「試合日程・順位」から


前半の総括(8)
カデッテB
(06/01/08)

サンドロ・ルセーと共にバルサを去ることになった元インフェリオールカテゴリー責任者のコロメールの手による“置きみやげ’がこのチームと言える。バルサに来る前からアヤックスのカンテラ組織に注目していたコロメールは、それまでカタルーニャ地方、あるいはスペイン国内を中心として若手選手を獲得していたクラブ方針に若干の変更を加え、ヨーロッパ国内のクラブで活躍している少年たちに目を向けた。アフリカやアメリカ大陸生まれのフットボール少年たちをスカウトし、自らのカンテラ組織で育て上げようとしてきたアヤックススタイルをコロメルは注目していたのだ。そして彼がインフェリオールカテゴリー責任者となってからデニス・クロール(ドイツ人)、ガイ・アシュリン(イスラエル人)、アレックス・サハビ(ポルトガル人)などの外国人選手が加入し、同時に国内でもルベン・ロチーナ(バレンシア)、ダニエル・パチェコ(アンダルシア)、カルロス・テロン(サンタンデール)などという将来楽しみな選手を入団させている。

アレサンコが総責任者となった今シーズンからバルサの補強選手方針に変化が起きている。あくまでもカタルーニャ州で活躍する少年たちに注目してバルサに加入させようとする方針となったからだ。確かにいくつかのカテゴリーでこの方針は徹底されているようだ。だがこのカデッテBに入団しきたキラキラ星選手は皮肉にもやはり外国人選手だった。ブラジル出身のティアゴ・アルカンタラ、マジーニョの息子がそうだ。そしてコロメルの“置きみやげ“チームはすでに固いチームブロックを形成し、今シーズンもリーグ優勝第一候補となっている。

●アレハンドロ・サンチェス“アレックス”(ポルテロ)
カデッテBカテゴリーのチームにはこのアレックスとトーレスという素晴らしいポルテロがいる。今シーズンはほぼ半分ずつスタメン出場しているようだ。しかも11月の末にカデッテAのポルテロが負傷して以来、彼らのどちらかがカデッテAチームの試合に招集されている。

●ホセ・カルロス・テロン(デフェンサ)
これまでのところ今シーズンも絶対スタメンのセントラル選手となっている。このチームには多くのスタメン候補選手がいて、ベンチスタートとなった選手も後半には登場してくることが多いため前半後半を通じてプレーする選手は少ない。だがテロンはよほどのことがない限り試合終了までプレーしている。来シーズンは当然ながらカテゴリーを上げてくるだろうが、シーズン途中あたりからフベニルカテゴリーに顔を出してきてもおかしくない。

●デニス・クロール(セントロカンピスタ)
左インテリオールの絶対スタメン選手。フィジカル的にもテクニック的にも成長を見せている選手だ。素直にこのまま成長し続けるとすれば、彼もまたフベニルカテゴリーでの出場が早まるかも知れない。左足から放たれるロングシュートが魅力。

●ティアゴ・アルカンタラ(セントロカンピスタ)
シーズンが開始された最初の頃はスタメン出場がほとんどなかったが、バルサの水に慣れてきた11月頃からはスタメン出場が多くなった。いかにもブラジル人選手という臭いを感じさせてくれるティアゴだ。体の使い方とかボールテクニックに素晴らしいものがあるし、15歳とは思えない不思議な雰囲気がある少年。セントロカンピスタとしてはイニエスタの再来と評価する人もいるようだ。

●マルティ・リベロラ(セントロカンピスタ)
生粋のカンテラ育ち選手らしく、スタメン登場とはならなくても途中からグランドに登場してくれば誰よりも額に汗して、100%の力を出し切ろうとする選手。身長がだいぶ伸びたようだし、彼の右足からのロングシュートも魅力的だ。ティアゴがスタメンで起用されるようになってからベンチスタートということが多い。

●ガイ・アシュリン(デランテロ)
入団以来常に話題になってきている選手だし、それなりの活躍を今シーズンも見せているが、どうも個人的には伸び悩んでいるように思えてしかたがない。4−3−3というシステムに変わってからロナルディーニョがいる位置でプレーしているが、どうもそこはガイのポジションではないような気がする。もう少し下がったポジション、例えば左インテリオールあたりで起用するともっと伸びるのではないかとシロウト予想。

●ダニエル・パチェコ(デランテロ)
テージョ、ロチーナ、キメと何人かのデランテロがいるが、ロチーナとこのパチェコがスタメンで起用されていることが多い。ただ誰が出てきても同じようにゴールを奪ってしまうチームだが、相手選手がガチガチに守っている0−0の均衡状態をぶち破る先制点を決めることが多い選手でもあるパチェコだ。

●アレクサンデル・サハビ(デランテロ)
入団してきたばかりの昨シーズンよりはだいぶチームプレーに慣れてきた感じのするサハビ。今シーズンは右エストレーモとして起用されることが多いようだ。一昨年見たクアレスマが現在のシマオに変化したような感じと言えばわかりやすいかも知れない。テクニック的には非常に面白い選手。


前半の総括(7)
カデッテA
(06/01/07)

フラン・メリダ、ヤゴ・ファルケ、アンリック・バージェス、そしてボージャン・ケルキックという将来が楽しみな選手によって構成されていたこのチームから、カピタンであるフランが抜けたことによりどのような影響がでるのか、それが注目の的となっていたが、今のところ問題はないようだ。へレスからやって来たダビ・アルバレスという選手の活躍もあるし、何よりもアンリックがフランの抜けた穴をそれなりに埋めてきている。

試合には勝利しながらも未登録の選手を起用してしまったことによる“書類上の敗北”をのぞけば、今シーズンこれまで無敗という素晴らしい結果を残してきているカデッテA。バルサAチーム並みの攻撃的なフットボールを支えるのはもちろんヤゴとボージャンだ。彼らにとってこのカテゴリーあたりからフットボール選手としての本当の勝負がやって来る。相手チームは1歳、あるいは2歳年上の選手。彼らを相手にどのくらいのプレーが可能となるか、当然ながらフィジカル的な面での問題も出てくる。だがこれまでの4か月間の内容を見るなら、じゅうぶん合格点を与えることができるだろう。特にボージャンは年内最後の試合でフベニルカテゴリーでデビューをかざっている。イニエスタやメッシーでさえこのカテゴリーからフベニルに上がってきたのはシーズンが終了する間際のことだったことを考えば、これはすごいことだ。

●ディエゴ・ホセ・ゴメス(ポルテロ)
シーズン前の予想通り、ディエゴがこのチームの正ポルテロとなっている。だが11月の末に負傷してから年内の試合には戻ってきていなかった。どのカテゴリーでも正ポルテロなのだから良いポルテロには違いないのだろうが、このチームは攻められるということがほとんどなく、圧勝という感じで勝つことが多いので“ポルテロの活躍により勝利”というケースがまったくといっていいほどない。今年は怪我をしないように。

●アレックス・ボラーニョス(デフェンサ)
前半4か月は右セントラルの絶対スタメンとして起用されている。カピタンマークを付ける試合が多いが、いずれにしても守備の要の選手でありチームのリーダーでもある。攻撃面ばかり目立つチームだが、自陣ポルテロ前をしっかりコントロールしているアレックスの存在は大きい。

●クリスティアン・バージェ(デフェンサ)
アレックスと共にセントラルに起用されている。右にアレックス、左にクリスティアンというパターンがほとんど。長身であることから高いボールに強いようなので、アンリックと共にもう一人セットプレーで使える選手が登場したことになる。

●アンリック・バージェス(セントロカンピスタ)
テクニックの違いやセンスの違いは当然ながらあるものの、アンリックは彼なりにフランの抜けた穴を埋めていると言っていいだろう。シーズンが始まって以来、昨シーズンまでのポジションであった左ラテラルでは一度として起用されず、左インテリオールのスタメン選手として活躍している。身長がまた伸びたようで、もう180近くなったのではないだろうか。将来有望選手。

●ダビ・アルバレス(セントロカンピスタ)
ファイターでありながら単なる猪突猛進選手ではなく、立派なテクニックも持ち合わせたセントロカンピスタ。身長もそれほどあるわけでもないのに高いボールを競い合ってなぜか勝ったりしている。左右インテリオール選手の後ろをしっかりとカバーしているピボッテ選手で、今シーズン加入してきた選手でありながらシーズン開始からこれまでの4か月間、しっかりとスタメンを与えられている。将来どうなるかわからないものの、少なくてもこのチームには欠かせない存在となった。

●ヤゴ・ファルケ(エストレーモ)
バルサAチームに例えるならロナルディーニョの位置であり、そしてプレースタイルも“カデッテのロナルディーニョ”だ。パス方向と逆を見ての“ラウドゥルップ・パス”も得意技となりつつある。だが、見栄えの良いプレーをやりすぎて監督の怒りを買うこともあるようだ。才能的には非常に楽しみな選手だし、最近はフィジカル的にも成長が著しい。残るはメンタル面だけだろう。いや、決してメンタル面が弱いというわけではなく、物事が計算したようにいかないと自分を責めてしまう完全主義的なところを、もう少しラテン風にした方がいいだろう。ケ・セラ・セラ、どうにかなるさ、そして次はうまくいくさ、こういう感じでいってみよう、ヤゴ。超キラキラ星選手。

●ボージャン・ケルキック(デランテロ)
ヤゴがカデッテのロナルディーニョ”なら、このゴールを決めまくるボージャンはエトー・・・という感じではなく、ラウルに近いタイプという印象を受ける。もちろん今のようなボロボロ・ラウルではなく、バルダーノによって起用され始めた頃の元気ハツラツ・ラウルだ。昨シーズンの彼と比較するとフィジカル的には縦にも横にも成長しているし、スピードもさらについたようだ。2005年最後の試合でフベニルカテゴリーでデビューしたし、早ければ来シーズンの終わりに頃にはバルサB選手としてミニエスディで見られるかも知れない。超キラキラ星選手。


前半の総括(6)
フベニルB
(06/01/05)

14試合を消化して14ポイントも首位に離されているチームだから、もちろん快調に飛ばしているといえるチームではない。それでもこのチームは、昨シーズンカデッテAカテゴリーでタイトルを獲得している選手たちによって構成されているのだから、本来ならこれほどポイント差がつくわけがない。このチームにとってジョバニの存在がいかに大きかったか、少なくても前半の4か月はそれを証明してしまった期間ということになる。ジョバニはカデッテAからこのカテゴリーを通過してフベニルAへ、そしてメンディはフベニルB居残りという感じになっているが、今のところ昨シーズンのような彼の活躍は見られない。

面白い選手がいないというわけではない。カピタンのマーク・ブラスコ、この選手は順調に成長すれば第二のチャッピーになる可能性があるし、セントロカンピスタのバエナや、今シーズン加入してきたブスケ息子も面白い存在。もちろんエストレーモのワルテルも将来楽しみな選手だ。そしてシーズン前半最後の試合で明るいニュースとなったのはカデッテAからボージャンがこのチームにスタメンとして登場してきたことだ。前半だけの出場ながら見事にゴールを決めている。もちろん年明けの試合からはどちらのカテゴリーでプレーするかはわからないものの、一つの可能性を示してくれたことだけは確かだ。

●マーク・ブラスコ(ラテラル)
これまで通過してきたすべてのカテゴリーでそうだったように、このフベニルBでも彼は右ラテラルの絶対スタメン選手となっている。だがこれまでと違うのは時々セントラルもやらされていることだ。ブラスコにとって貴重な経験となるに違いない。このチームの中にあって最も将来を期待される選手の一人であり、右ラテラル選手としてミニエスタディはおろかカンプノウにも登場する可能性をも秘めた選手だ。

●ホセ・ラウル・バエナ(セントロカンピスタ)
これまでの起用のされ方を見ていると、予想通り左右どちらかのインテリオールというポジションでプレーしている。フィジカル的にもテクニック的にもこのカテゴリーでは合格印が押される選手ながら、これまでの4か月は例年並みの活躍を見せていない。彼の持ち味であるゴール前への参加があまり見られないし、少々不調なシーズンとなっている。

●セルヒオ・ブスケ(セントロカンピスタ)
今シーズンから見始めた選手だがなかなか興味深い選手。チーム一番の長身をいかしてゴール前の高いボールに強いのが彼の特徴の一つだ。右、あるいは左インテリオールのポジションで起用されている。フベニルAチームでの試合出場が基本になっているようだが、事情に応じてこのフベニルBにも顔を出してきている。親父のブスケと同じように気が強そうな選手。

●ワルテル・フェルナンデス(エストレーモ)
ジョバニが抜けたこのチームを引っ張っていくのはこのワルテルの役目だろう。そしてフベニルBが首位のエスパニョールに大差をつけられているのは彼の責任、と言っては可哀想だが、少なくてもワルテルのリーダーシップの欠如がこのチームの不調の原因だと思っている。左エストレーモをポジションとする素晴らしい才能に恵まれた選手であるのに、どうも調子の波が大きすぎる。それでも時々かいま見せるクラック的なプレーが将来への期待を抱かせてくれる。

●ディオン・メンディ(デランテロ)
バルサオフィシャルページにはフベニルA選手として登録されているが、シーズンが始まってからほとんどの試合出場はフベニルBチームとなっている。ジョバニがフベニルAでプレーするようになったのが理由だと思っていたが、そのジョバニがベンチスタートとなる試合が増えて来たときにも彼はフベニルAチームに招集されていない。そして年内最後の試合ではボージャンがカデッテから上がってきたため、メンディはベンチ生活となっていた。今から3、4年前には“将来の大物選手”と言われた彼だが、カテゴリーが上がってくるたびに陰が薄くなってきている。


前半の総括(5)
フベニルA
(06/01/04)

首位を走るエスパニョールに4ポイント差をつけられているフベニルAだが、調子は徐々に上がってきているようだから、ポイント差自体はそれほど気にならない。だが問題はゴール数の少なさだ。エスパニョールが40ゴール決めているのにバルサは27ゴールしか獲得していない。そしてこのゴール数の少なさこそが、これまでの不振の原因と言っていい。フベニルBで昨シーズンプレーした選手によって構成されているチームだが、その中からデランテロのディオン・メンディが抜けている。公式リストにはフベニルAチーム選手となっているが、実際はフベニルBでプレーしているメンディだ。彼にとって単に不調なシーズン前半だったのか、あるいはどうしようもなく伸び悩んでしまっているのか、いずれにしてもフベニルA監督の構想には入っていないようだ。したがってジョバニとかルエダという選手が9番を任されているが、二人ともそれなりの仕事をするとはいえ元々9番の選手ではない。

もちろん、注目のジョバニがどのくらい成長するかが楽しみだが、もう一人注目に値する選手がいる。マシアが生んだ伝統的4番、マーク・クロッサスがその選手。もともと注目されていた選手だが、昨シーズンの途中から素晴らしい成長を見せている選手でもある。したがってフベニルAカテゴリーからスタートした今シーズン、シーズン終了間際にはどこのカテゴリーまでいけるかが注目の的でもある。

●チャビ・マルケス(デフェンサ)
その名から想像できるように、ピボッテとセントラルをやる選手。だがこれまでの起用のされ方はほとんどが左セントラルとなっていて、しかも絶対スタメン選手の一人。デフェンサの要として頑張っている選手だが、このまま成長すれば少なくてもミニエスタディは近いと評価されているようだ。

●マーク・クロッサス(ピボッテ)
このポジションの選手としては、ここ何年かのマシアが生んだ最大の宝石。かつてのグアルディオラのプレースタイルに似ているからだけではなく、チームを引っ張っていく強烈なリーダーシップを持っているのが良い。来シーズンにはミニエスタディ、そしてそのうちカンプノウに登場するであろうカンテラ最大候補であり、バルサらしい4番の典型的な選手。とてつもなく将来期待選手。

●ホセ・マヌエル・ルエダ(セントロカンピスタ)
昨シーズンからこの選手の成長は非常に著しく、常に絶対スタメン選手の一人となっている。これまでの4か月、デランテロかセントロカンピスタと状況に応じてポジションを代えられて起用されているが、どこにいようと相手ゴール前に食い込んでくる選手だ。今シーズンの成長を見る限り、少なくてもミニエスタディでの登場は近い。将来期待選手。

●ビクトル・サンチェス(セントロカンピスタ)
今シーズンから見る選手だが、第三節に登場して以来常にスタメン選手として出場している。ほとんどの場合が右インテリオールというポジション。ゴール前に走り込む姿をよく見るし、気がつけば自陣ポルテロ前で守備をしていたりする忍者選手。なかなか面白そうな逸材。

●ジョバニ・ドス・サントス(セントロカンピスタ)
これまでの前半、まったくといって良いほど活躍していない。メキシコから英雄扱いでバルセロナに戻ってきてすぐにデビューし、最初の2試合程度は良かったような記憶があるが、ここ何試合かはスタメン登場というのも少ない。雲の上に乗っかってしまい、足が地についていなかったのもさることながら、新しい同僚との練習時間が少なかったこともあるだろう。これまで彼を見てきた限り決してバカではない少年だから、時間が解決して以前の彼に戻るだろう。何せ、メッシーに続くカンテラクラック候補なのだから、もちろんとてつもなく将来期待選手。

●カルラス・コト(エストレーモ)
これまでほぼスタメン選手として出場しているが、ベンチスタートとなっても必ず後半途中から出場してきている。ポジションは右エストレーモ。トニー・カルボと同じように自分でテクニック酔いしてしまう悪い癖があるが、まあそれは経験を積んでいくうちに訂正されていくのだろう。彼もまた将来を期待される選手だ。

●ホセ・クラウス“フアンホ”(エストレーモ)
メッシーやセスクと同じように1987年生まれ世代でありながら、彼らとはずいぶんと差をつけられてしまった。右にトニー・カルボ、左にこのフアンホ、メディアプンタにメッシー、ピボッテにセスク、そしてその下にピケというチーム構成だったが、負傷が続いたこともあり彼はいまだにフベニルAチーム在籍だ。それでも監督の期待は大きく、これまでほぼ絶対スタメン選手として起用されている。まだ18歳、遅れを取り戻すのに時間は余るほどある。頑張ってみよう。


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