2005年
10月
2006年

フベニル・カデッテカテゴリー
(05/10/27)

■フベニルA
昨シーズンはトリプレッテを達成したカテゴリーだが、今のところチームブロックの編成中というところか。フベニルBから上がってきた選手が主体となっているチームだが、同じカテゴリーを繰り返している何人かの選手をベースとしている。グアルディオラ似のマーク・クロッサス、アンダルシアの星ホセ・マヌエル・ルエダ、ナイキCM登場のカルラス・コト、左エストレーモのフアンホ、そして御存知ジョバニ・ドス・サントス。

フベニル一部リーグ順位表(8節終了)
1.エスパニョール・・・19
2.マジョルカ・・・・・18
3.バルサ・・・・・・・14
4.レバンテ・・・・・・14

■フベニルB
昨シーズンのカデッテAチームからジョバニを抜いたメンバーで構成されているフベニルBチーム。つぶ的には小柄な感じのする選手が多いがチームブロックという意味では非常にまとまっている。カピタンのマーク・ブラスコ、セントロカンピスタのホセ・バエナ、バルサ元ポルテロの息子セルヒオ・ブスケ、エストレーモのホルヘ・イエッペス、やはりエストレーモの星ワルテル・エルナンデス。

フベニル二部リーグ順位表(6節終了)
1.エスパニョールB・・16
2.バルサB・・・・・・13
2.マルトレル・・・・・13
4.グラマネ・・・・・・11

■カデッテA
フラン・メリダが抜けてどのくらいの影響がでるのかと思っていたが、今のところフランの穴が気にならないほど快調に飛ばしている。フランの代わりにはアンリックがポジションを上げてきているし、やはり何と言ってもヤゴとボージャンのコンビは最高だ。アンリック・バージェス、ボージャン・ケルキック、ヤゴ・ファルケなどは必ずスタメンだがジョナタン・ドス・サントスは今のところ後半出場のみとなっている。6試合を消化して5勝1敗となっているが、その1敗は3−0という勝利結果に終わった試合であるにもかかわらず、選手登録が済んでいない選手を出してしまったため0−3という結果にされてしまっての“事務的”敗戦。

カデッテ一部リーグ順位表(6節終了)
1.バルサ・・・・・・・15
2.グラマネ・・・・・・15
3.バダロナ・・・・・・15
4.エスパニョール・・・13

■カデッテB
“史上最強のインファンティルチーム”と勝手に名付けた昨シーズンのインファンティルAチーム選手によって構成されている。デフェンサの要カルロス・テロンやマーク・エルナンデス、バルサ生活7年目のマルティ・リベロラ、ドイツ戦車デニス・クロール、マジーニョの息子ティアゴ、イスラエルの星ガイ・アシュリン、ポルトガル人のアレックス・サハビ、そしてスペイン製のデランテロであるキメやロチーナに加え、もちろんクリスティアン・テージョも健在。

カデッテ二部リーグ順位表(4節終了)
1.バルサB・・・・・・・9
2.フィゲーラス・・・・・9
3.エスパニョールB・・・9
4.オソーナ・・・・・・・9


第9節 オスティアッ!
(05/10/25)

グラマネーバルサB
4−0

先週末のミニエスタディの試合で思わぬ敗戦をしてしまったバルサBの今週はアウエーでのグラマネ戦。アウエーの試合とはいえ、これまで一度も負けたことのないグラマネのスタディアム、再び順位を戻すために絶好のチャンスとなるはずだった。だが、そうはうまく事が運ばない。何と4−0という派手なスコアーでグギャーと沈んでしまった。順位もだいぶ下がったところで、さて、来週から頑張りましょう。

バルサBの試合は別として、この週末のメインは“シウダー・エスポルティーバ・デ・サン・アドリア・デ・ベッソス”という長ったらしい名前が付いているエスパニョールのスタディアムでおこなわれる3試合のダービー戦。カデッテB,フベニルA,そしてバルサCがエスパニョールを相手に戦うアウエーでのダービー戦だ。残念ながらカデッテBとフベニルAは1−0という同じスコアーで敗戦してしまった。だがロホ監督率いる好調バルサCは0−1で勝利してくれた。バルサCにとってもエスパニョールBにとっても、このダービー戦というのはここ20年ぐらいで初めての体験となる。エスパニョールにはCチームというのはなくBチームまでしかないし、そのチームは昨シーズンまで二部BカテゴリーにいたからバルサBとのダービー戦は毎シーズンおこなっていたもののバルサCとの試合をしたことがない。そういうわけで彼らにとっては非常に珍しいダービー戦だった。

両チームともゴールなしの前半が終了し後半に突入。バルサCはトニーの個人プレーで右スペースを切り裂き彼から送られたセンターリングをジルベルトがこの試合唯一のゴールを決める。これでバルサC、なんと3連勝だ。順位も5位まで上がってきている。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Fragozo/ Rodri/ Pen~a/ Arnau(Sastre 46')/ Verdu(Ludovic 82')/ Jordi/ Cristian/ Sito/Orlandi(Javito 60')


ジョバニ、フベニルAでスタート
(05/10/20)

アンダー17の大会から戻ってきたジョバニ・ドス・サントスはフベニルAチームの選手としてスタートすることになった。昨シーズンはカデッテAチームに属していたから、フベニルBチームからスタートするのが普通でありとっても自然な成り行き。だがあれほど注目を浴びてしまった彼だからその一つ上のカテゴリーでプレーすることになったようだ。

フベニルB,フベニルA、バルサC,バルサB、それぞれのカテゴリーでのメッシーデビュー戦をこの目で見てきたが、ラッキーにもジョバニのフベニルAデビュー戦にも遭遇。このカテゴリーとなると18歳前後の選手が多いため彼は二つぐらい年下となる。フィジカル的にはそれほど見劣りしないが、カデッテ時代のような“他の選手との違い”がはっきりと見て取れることもない。もっともこのチーム仲間とは1週間足らずしか一緒に練習していないはずだし、久しぶりの試合だったから調子もイマイチなのはしかたがない。しかもアンダー17の大会でのメキシコ代表と同じように9番のポジションで起用されていた彼には常に二人ものマークが付いていたから好き勝手にできない試合だった。それでもゴールを決めているのだからタダモノでないことは確か。シーズンの途中あたりからバルサCで何回かプレーし、シーズン最後の頃にはバルサBの選手として顔を見せるかも知れない。

ちなみに今週末、バルサAチームが対戦するオサスナのアギレ監督はメキシコ人。彼が現役選手だった頃はジョバニの父親ジジーニョと一緒にプレーしているそうだ。


第8節 アウエー初勝利の次は地元初敗北
(05/10/18)

バルサBーウエスカ
1−2

デコがカンプノウの芝の悪さを嘆いていたが、芝の状態が悪いのは何もカンプノウだけではない。そのお隣にあるミニエスタディの芝もメチャクチャひどい。バルサBとバルサCが毎週交代に使う使用回数の多いスタディアムということもあるし、ここ何日か雨が降り続けたこともありこの日のグランド状況は最悪状態。そして試合結果も今シーズン初の地元敗北という最悪のもの。いつものパターンではあるもののバルサBが70%以上のボール支配率を誇った試合でありながら、ゴール確率は相手チームの方が上。しかも10人の選手がゴール前に分厚い壁を作り機を見てのカウンターアタックを狙ってくる90分。そして4回ほどあったゴールチャンスのうち半分をものにしてしまうのだから立派と言えば立派なもんだ。この試合に関して唯一明るいニュースは、ハビートがようやく戻ってきたことだろう。

このバルサBの試合が開始されたのは日曜日の17時。そして試合終了後にはバルサCの試合が待っている。三部リーグは水曜日にも試合がおこなわれておりそれまでバルサBとバルサCのどちらかがアウエー、どちらかがホームという状態で試合をこなしてきていたが、これで両チームとも同時にアウエーかホームということになってしまった。

そして水曜日の試合で今シーズン初のアウエー勝利を勝ち取ったバルサCは日曜日のミニエスタディの試合でも2−1と勝利している。バルサCの勝因となった2点目の天才ビクトル・バスケスの狙いに狙ったフリーキックによるゴールはまさにゴラッソ。第8節を消化した段階で4勝3敗1分け首位に5ポイント差で8位につけているバルサCの成績は決して悪いものではない。ロホ新監督のもとに18歳や19歳という多くのフベニル年代の選手が起用されているバルサCが対戦するのは、ほとんどが28歳前後という選手で構成されているチーム。フベニル選手達が経験を積んでくれば更に強いチームとなっていくだろう。ちなみに、ラス・パルマスでおこなわれるアトランティコ杯とユーロ・アンダー19の大会に備えてバルサCから4人の選手が招集されている。天才ビクトル・バスケス18歳、トニー・カルボ18歳、マーク・バリエンテ18歳、そしてバルサBの試合にも時々出場しているフリオ・デ・ディオス18歳。元バルサカンテラだったマーク・ペドラサ(現エスパニョール)やジェラール・ピケ(現マンU)も呼ばれている。

■FC BARCELONA
Ruben/ Olmo(Sastre 55')/ Fragozo/ Rodri/ Pen~a/ Arnau(Javito 72')/ Verdu/ Jordi/ Cristian/ Sito/ Pitu(Orlandi 55')


カタルーニャ代表監督ナンバーワン候補
(05/10/15)

長い間カタルーニャ代表監督を務めてきたピッチ・アロンソが今年の6月30日をもってその職からおりているため、10月現在カタルーニャ代表チームに監督は存在しない。カタルーニャ・フットボール協会会長につい最近就任したジョルディ・ロッチェ、そして彼の右腕となって働くことを決めたピッチ・アロンソ、12月28日におこなわれるカタルーニャ・パラグアイ戦を前に彼らは代表監督の決定を急いでいる。そして今のところナンバーワン候補はペップ・グアルディオラとなっているようだ。それはファンの人々の希望としても同じようで、あるラジオ局が“ファンが希望する代表監督”というアンケートをとったところ、ペップが一番で彼に続いてクライフ、レシャックという結果が出ている。

アモール、ブスケ、ナダール、サリーナス、フェレール、セルジ、ガッツなどというかつての同僚と共に今年の夏“監督養成講座”を受けていたペップたち。すべての受験生がその最初の試験に合格しすでにフベニルカテゴリーまでの監督資格を取得している。そして11月から12月にかけて第二次試験を受け、来年の夏にはAチームの監督も務められる最後の段階に突入する予定。もっともカタルーニャ代表というのは正式な代表チームではないのでこれらの資格とは無関係だ。ちなみに先週はペップとガッツがバルサカデッテBの練習に参加し、監督のフラン・サンチェスの指導の元にコーチのお勉強をしている。


ぺぺ・コスタの報告書
(05/10/13)

単なるフットボールファンとしてではなく、バルサスカウトマンとしてアンダー17の世界大会を“仕事観戦’していたぺぺ・コスタが帰国しクラブに報告書を提出している。バルサのインフェリオールカテゴリーチームが参加する大会はもちろん、必要とあらば例え南極や北極で開催される大会であろうと必ずぺぺ・コスタの姿が見られるというほど仕事熱心な人だ。そしてサンドロ・ルセー派の人物としてクラブに残っている数少ない人物の一人でもある。彼が持って帰ってきた分厚い報告書の中からジョバニとカルロス・ベラに関するものだけ拾ってみよう。

まずジョバニ・ドス・サントスに関して。
「17歳となっている選手がほとんどであったにも関わらず、彼らより一つ下という年齢差をまったく感じさせなかった。いや、それどころか、多くの選手より経験豊かな選手に思えるほどのプレーだった。確かに、多くの専門家が語るように、90分にわたって常にグランドの中でその存在を示すタイプの選手ではない。まったく消えてしまっている時間がある試合が何試合かあったのも確かなことだ。だが、突如としてその存在を示すとき、それは相手チームにとって常に危険な選手として現れてくる。そしてリズムの変化、試合状況の読み、アシスト能力、どれをとっても一流と言っていい。」

これまで多くの才能ある選手を見てきたぺぺ・コスタにとって、ジョバニはメッシーに続く選手としてうつっている。今からわずか3か月前にアンダー20の大会で一躍“時の選手”となったレオ・メッシーに続く明日のキラキラ星、それがジョバニだと想像する。だが、決してプレッシャーをかけてはいけないし、急いでもいけないとも考える。
「多くの才能ある若い選手がフィジカル的にもメンタル的にも準備が足らないうちに第一線に登場し、そしていつの間にかてつぶれていくという例は数え上げたらきりがない。メッシーがバルサインフェリオールカテゴリーで一段一段階段を上っていったように、彼もまた背伸びせず徐々に徐々に階段を上がっていかなければならない。今シーズンはフベニルBかAでスタートし、シーズン終了時にはバルサBに顔を出しているというのが理想的だろう。」

ジョバニの同僚であったメキシコ・デランテロのカルロス・ベラに関して。
「今回の大会でプレーしたデランテロの中では群を抜いた存在と言っていいだろう。タイプ的にはバン・バステンの小型という感じがしている。もちろん我々は彼の獲得に関して興味を持っている。だが問題がないわけではない。すでに16歳でユーロパスポートを持っていない選手なので、フベニルカテゴリーはおろかバルサCでもバルサBでもプレーできないからだ。一時的に他のクラブにレンタルさせる手段をとる以外、彼の獲得はあり得ない。」

そのカルロス・ベラの父親はすでにいくつかのクラブからのオファーを受けているという。スペインではレアル・マドリ、バレンシア、そしてバルサ。しかもバルサ以外の二つのクラブは父親が要求する4百万ドルをすでに準備していると語っている。


第7節 アウエーで初の勝利!
(05/10/11)

フィゲラスーバルサB
0−2

アウエー4試合目にしてバルサBが初の勝利、それも0−2という大勝利。絶好調のクリスティアンはゴールこそ決められなかったものの、バルサBの1点目となったペナルティーを誘っているし2点目にはペーニャへのアシストを提供している。このアウエー勝利でバルサBはリーグ順位4位にまで上がってきている。

バルサCから今シーズンバルサBにやって来たオルモという選手がいる。セントロカンピスタとしてもデフェンサとしても起用される器用な選手だが、この試合ではダニ・フェルナンデスが試合途中で退場となったため右ラテラルとして起用された。これまでそれほど多くの試合に出除しているわけではないが、この選手はけっこう楽しみな選手だと思っている。セントラルでも良いしラテラルでも使えそうだ。そして日本遠征にも行ったピトゥ、明日のキラキラ星ジョルディのコンビもなかなか良い。左インテリオールと左エストレーモのポジションをお互いにチェンジしながらやっているが、今のところ非常にうまくいっているようだ。ペーニャ、ダニ・フェルナンデス、アルナウ、ベルドゥ、そしてクリスティアンなどの“ベテラン選手”などと、シトやジョルディ、ピトゥ、サストレ、オルモなどの“新参者”とのグッドハーモニーがバルサB快調の秘訣だ。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Fragozo/ Rodri/ Pen~a/ Arnau(Sastre 65')/ Verdu/ Jordi/ Cristian(Olmo 81')/ Sito/ Pitu(Montan~es 75')


歴史を作ったフベニルA
(05/10/07)

これまでのバルサというクラブの歴史において最も素晴らしかったフベニルカテゴリーのシーズン、つまり“黄金期”とも呼んでいいほどの輝かしい成績と優秀な選手を誇っていた時期、それは1993−94シーズンだと言われてきていた。地域リーグ優勝とスペイン国王杯の2冠を制しただけではなく、その後“キンタ・デ・ミニ”と呼ばれた強豪バルサBチームを構成することになるメンバーであり、さらに彼らの多くが時間の経過と共にバルサAチームにデビューしているからだ。

ジュアン・マヌアル・アセンシ監督が率いるバルサフベニルAチームはシーズンを通して2位を大きく引き離して地域リーグ優勝を決めたあと、スペイン国王杯決勝戦に進みレアル・マドリを相手に戦っている。レアル・マドリは若輩ラウルのゴール、そしてバルサはルジェーとセラーデスがゴールを決め2−1で勝利している。このシーズンからしばらくして、レアル・マドリではラウル、そしてバルサではルジェーやセラーデスなども徐々に一部Aチームへと顔をだすようになるが、バルサフベニルチームには彼らだけではなく他にも多くの若者がカンプノウでプレーするようになる。そう、当時は無名でありながらも今となっては多くの人が名前を知っている選手たちがこのフベニルチームにいた。
アルナウ(現マラガ)がポルテロを、キケ・アルバレス(現ビジャレアル)、ジェニス(ルジェーの兄にしてオスカーの弟)、ミンゴ(現アルバセテ)の3人のデフェンサ、そして4人のセントロカンピスタにはデ・ラ・ペーニャ(現エスパニョール)、ルジェー(現ビジャレアル)、セラーデス(現サラゴサ)、トニー・ベラマサン(現エスパニョール)、さらに3人のデランテロとしてフアン・カルロス・モレーノ(現ヌマンシア)、ガルシア・ピミエンタ(誰?ダレ?)、オスカー・アルポン(現サラマンカ)といった11人の選手たちだ。

そして昨シーズン、つまり2004−05シーズン、フアン・カルロス・ペレス・ロホ監督率いるフベニルAチームはまず地域リーグの優勝、そしてコパ・デ・チャンピオンズ(地域リーグ優勝チーム同士によるカップ戦)の優勝、さらに国王杯でも勝利したことによりスペインリーグ発足して以来初めての三冠王チーム誕生という偉業を達成することになる。成績的にはもちろん1993−94シーズンを超えるものだ。

ロホ監督率いるフベニルAは公式戦だけでも昨シーズン66試合を戦っている。多くの試合を戦い好成績をだした彼らのほとんどは今シーズンからバルサC,あるいはバルサBへと飛んでいっている。そしてかつてのフベニルカテゴリーで活躍した選手が“キンタ・デ・ミニ”時代を作ったように、彼らもまた“キンタ・デ・トリプレッテ”時代を形成するかも知れない。


ジョバニとジョナタンを間違えてはいけません
(05/10/05)

決勝戦を中継していたユーロスポーツの解説者がジョバニについて次のように語っていた。
「この選手は昨シーズンはバルサのカデッテカテゴリーでプレーしたそうですが、スタメン選手というよりはベンチでの控えという試合が多かったそうです。」
この大会をいつも担当しているスペシャリストらしいが、多くの人がそうであるようにこのスペシャリストもジョバニのことをほとんど知らない。負傷している時以外は常にスタメン出場していたジョバニであるし、この人がもらった情報は弟のジョナタンのことに違いない。ジョナタン・ドス・サントス、ジョバニとは1歳違いの弟であり今シーズンはカデッテAカテゴリーに上がってきている選手。そして例のナイキのコマーシャルに出演しているドス・サントス君でもある。

マンチェスターでおこなわれたナイキカップでサー・ファーガソンの目にとまったのは昨年のこと。だが普段はカンプノウでもミニエスタディでもなく、それらのスタディアムの陰に隠れてひっそりと存在している第四スタディアムでしかプレーしていない彼だから、スペシャリストにも多くの情報が手に入らないのはしかたがないかも知れない。それでも気になるのは、昨シーズンまではコロメルやルセーなどがかなりの確率で試合を見に来ていたにもかかわらず、今シーズンはこれまでのところチキもアレサンコも顔を出していないようだ。チキは昨シーズンもほとんどインフェリオールカテゴリーの試合には顔を出していないから不思議なことでもないが、アレサンコはインフェリオールカテゴリーの最高責任者として足を運ぶべきだろう。

さて、時の人となったジョバニ・ドス・サントス16歳、すでにナイキとの100万ドル契約を結んだ彼は水曜日にはバルセロナに戻ってくる。アンダー17の大会では最優秀選手賞こそ逃したものの、シルバー賞を獲得している。そしてコロメルによれば弟のジョナタンと共に20歳になるまでの“長期契約”が“万全の体制”でなされているというが、この年代の選手との契約なんぞまったく保証されていないのがこの世界であることは、セスクやピケに例を見るまでもなく明らか。また、最近でも30万ユーロ程度でドーバー海峡を渡ることができたソンゴー・ジュニアという例もある。試合には顔を出さないチキやアレサンコもバルセロナ空港には“時の人”を迎えに行き、
「私がスポーツ・ディレクターをやってますチキ・ベギリスタインです。」
「私はインフェリオールカテゴリー最高責任者を任されているアレサンコであります。」
と、しっかり自己紹介すべし。そしてウソでも良いからバルサでの明るい将来でも語ってやりなさい。


第6節 試合時間良し、天気良し、そして結果良し
(05/10/04)

バルサBーサバデル
 3−0

オルランディ、ペーニャ、アルナウが軽い負傷中ということでこの試合に出場できるかどうか微妙なところだったようだが、オルランディをのぞいて二人ともスタメンで出場。そしてルーベンが負傷から戻りベルドゥは2試合出場停止処分を済ませ久々の登場。また、エコノミー症候群から復帰しているハビートはまだまだ走り込み程度の練習しかできておらず、リエラと言えば全治1か月の負傷中という状況で迎えた地元ミニエスタディでの試合。

この日は20時からカンプノウでサラゴサ戦を控えていることもあり、この試合が開始されたのは17時半。したがってカンプノウに行く前にチョイとのぞいていこうという興味本位の人々も多くミニエスタディの試合では珍しく3000人も入っている。天気も良好、条件的には文句のない試合となった。そしてバルサBにとって試合展開もこれ以上望めない形で進められている。

試合開始10分で早くもゴールを奪っている。今シーズンからバルサBに上がってきたシトがゴールを決める。そしてこの先制点から15分後、再びシトゴールがやって来る。勝負はすでに決まったようなものだがダメ押し点というやつをゴレアドール・クリスティアンが決め、前半30分で3−0というラクチンな試合展開。ちなみにのりにのっているクリスティアンは6試合で6ゴール。目標の38試合38ゴールまでわずか32ゴールと迫っている。

■FC BARCELONA
Ruben/ D.Fernandez/ Fragozo/ Rodri/ Pen~a/ Arnau(Sastre 72')/ Verdu/ Pitu/ Cristian(Montan~es 78')/ Sito/ Jordi


ロナルディーニョに続け!
(05/10/02)

今から8年前、エジプトで開催されたアンダー17世界大会でブラジル代表が優勝トロフィーを掲げている。この大会で話題を集めた一人の選手、それがロナルディーニョだった。そして今、アンダー17世界大会が開催されているペルーで、“ロナルディーニョ2世”と名付けられた選手がいる。それはバルサフベニルBカテゴリーに在籍するジョバニ・ドス・サントス君16歳だ。

準決勝でオランダを4−0という圧勝のスコアーでやぶったメキシコ代表は、日曜日の決勝戦でブラジル代表と対戦する。話題を集めているジョバニはまだこの大会で一つのゴールも決めていない。だが彼のプレースタイルが、彼の持つ瞬発力が、そして数多くのスペクタクルなアシストが、ジョバニを“ロナルディーニョ2世”と呼ばせることになった。
「突然のようにあらわれては試合そのものを決めるスペクタクルなプレーをする選手。だが彼の本当の魅力は一瞬のうちに状況を読み切る判断力と、爆発的な瞬発力にある。」
そう語るメキシコ代表監督ヘスス・ラミレス。

これまでの彼に関するニュースで触れてきたように、この大会での活躍が多くのスカウトマンの目にとまり彼の父であるジジーニョの手元にはいくつかのオファーがすでに届いていると言われる。だが決勝戦を前にしてジョバニは次のように語っている。
「父は息子のことを思っていろいろオファーを検討しているようだけれど、自分はバルサを離れる気はこれっぽちもないさ。まず今シーズンはフベニルBでスタートして、シーズンが終わる頃にはバルサBでプレーするのが目標。そして来シーズンはバルサBとバルサAのかけもちというのが夢。だから、この大会が終わりバルセロナに戻ったらスペイン国籍をとるための手続きを始めるつもり。メッシーのような例があるから気をつけないとね。」あるカタルーニャのラジオ局のインタビューに応じ、こうジョバニが語ったのが金曜日の夜中。だがその翌日土曜日のメキシコメディアに恐ろしげなニュースが流れる。
「ジョバニはメキシコのクラブであるチバスへの移籍がほぼ決定的。」

ヨーロッパに家族ごとわたってきた若者が16歳でメキシコに戻るというのも不自然な話に思えるし、ドーバー海峡のあちら側のクラブに行ってしまうのではなくメキシコのクラブに移籍するというのもなかなか信じられない話。したがって信憑性に欠けるニュースだが、信じられない“事実”は、信じられない“うわさ’から始まるのはこれまでのケースを見ればわかること。とは言いつつも、こりゃ信じられん。


カピタン・フラン事件 Adeuuuuu Fran!!!(その3)
(05/10/01)

レアル・マドリ、マンチェスター、アーセナルとフランの獲得を目指しているクラブがあると言われてきていたが、最終的にカピタン・フランの行き先はドーバー海峡の向こう側にあるクラブ、アーセナルとなるらしい。セスクと同じ代理人ホセバ・ディアスを抱えるフランだから、AS紙が伝えるこのニュースには信憑性がある。このニュースが真実であるかどうかはそのうちはっきりするとして、いずれにしてもカタランメディアではなく中央メディアがそれを伝えるというのは寂しい感がある。もちろんバルサオフィシャルなどは、明るいニュースしか流さないもの(それはオフィシャルだから当然と言えば当然。そもそもクラブ公認だとかクラブ公式だとかいうものにはろくなものがないのはしょうがない。)だから、そこには期待していなかったものの、最も興味を示さなければならない地元メディアが遅れをとっていることは恥ずかしいことだ。

ラポルタ、チキ、アレサンコを代表とするクラブ関係者にいつも通りの油断があったのか、選手代理人が一儲けをたくらんだ結果こうなったのか、あるいは選手自信がバルサというクラブに魅力を感じていなかったのか、いずれにしてもフラン・メリダはバルセロニスタにとって過去の選手となってしまった。そして悲しいことにこれが最初でもないし最後でもないことだろう。


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