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第14節 アウエー3敗 ラピテンカーバルサB かつてメッシーがバルサBに上がってきた当初、プレーするのは決まって地元の試合だけだった。若い選手を保護するために、当たりの厳しいアウエーの試合には起用せず、ミニエスタディだけで起用するのはよくあることだ。そしてメッシーが二部Bカテゴリーでの試合に慣れてくるに従い、地元以外の試合にも起用されることになる。今シーズンからバルサBでプレーする機会が増えてきたガイにも同じような起用法がとられている。これまでアウエーの試合では一度たりともスタメン出場したことのなかったガイ・アシュリン。その彼がついにアウエーでの試合でもスタメン起用されることになった。ペップ監督の期待の大きさがわかるというものだ。 真新しい人工芝が敷かれているラピテンカのグランド。2000人の収容数を誇るスタジアムらしいが、ほぼ満席となっている。例えバルサBチームとは言え、バルサと名の付くチームだけに、彼らが馳せ参じるアウエーのスタジアムはどこの試合でも多くの人々が集まってくる。しかも監督はペップ・グアルディオラ。このカテゴリーではメディアチックな監督だ。 順位的には中盤に位置するチームながら、ラピテンカは地元ではまだ1回しか負けたことがない。しかもこの試合を見た限り、典型的な三部リーグのチーム。つまり、当たりがとてつもなく激しく、20歳後半の経験豊かなベテラン選手を擁し、そして試合運びが汚い。先制点を決めリードするとやたらと倒れる選手が続出し、時間稼ぎ作戦を展開してくる。ペップバルサはこの手のチームに弱い。そして試合展開は相手にとって理想的なものとなってしまった。後半に入ってすぐさま先制点を稼いだ彼ら、ペップバルサには苦しい戦いとなる。圧倒的に攻め続けるものの、見事なカウンタアタックを決められ2−0。ペップバルサとしてアウエーでの試合3敗目となった。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第12節)■ シーズンが開幕してからアウエーの試合で勝利できず、いきなり3分けという状態になったとき、これはリーグ優勝は無理だと思ったにもかかわらず、気がついてみれば13節を消化した段階で首位にたっている。前にも説明したとおり、このフベニルAチームは今シーズンからカタルーニャ州のグループではなく、バレンシアとマドリッド方面のグループに参加しているが、アウエーの試合で少々ポイントを稼ぐことができなくても大丈夫なようだ。サン・ブラスというチーム相手の試合で勝利したことにより、8勝1敗3分け25ポイント獲得、28ゴール9失点で首位にたった。 ■FC BARCELONA ■フベニルB(第10節)■ ドーバー海峡をわたりイングランドのクラブに移ったパチェコが抜けたチームながら、明日のキラキラ星がその穴をじゅうぶんに埋めている。その選手は9番ロチーナ。パチェコがトップをやっていた昨シーズンまでは左エストレーモか、あるいは9番の控え選手となっていたロチーナだが、今シーズンの活躍は目を見張るものがある。この試合でも今シーズン二度目のハットトリックを決めている。この地元での試合の勝利により、首位を走るエスパニョールBと同ポイントながら、得失点差で2位につけている。 ■FC BARCELONA ■カデッテA(第8節)■ ■カデッテB(第8節)■ ここ2、3年のバルサカンテラ政策の特徴の一つにカタルーニャ州出身の選手の獲得というのがあるが、もう一つ目立つ政策としてエトー財団で育ってきたアフリカ出身の選手の起用だ。このカデッテBを含めさらに下のカテゴリーをのぞくと、多くのアフリカ出身選手がプレーしていることがわかる。ポルテロのヤニック、セントロカンピスタのティナ、アテバ、バカリ、そしてデランテロのエラ、すべて黒人選手。テクニック的にも面白いものを持っている選手ばかりだし、そして何よりもフィジカル的に他の選手を圧倒している。ちなみに、この試合でスタメンで出場しているポルという坊やはラポルタの長男。将来性はまったくないと見た。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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第13節 ガイ決勝点 バルサBーラ・ボブラ “北極寒波”という、いかにも寒そうな名前が付く寒波に襲われた先週末のスペイン。ピレネー山脈には雪が降り、カタルーニャ州内陸地方では朝晩零下となり、地中海側の都市でも5度前後という、寒い寒い週末。ジローナという町の火葬場で焼かれている愛する身内は暖かいだろうが、この世に残されてしまっている当方としては、心だけではなく体も寒い。が、それでも気分転換にミニエスタディへ。まだ11月の半ばだというのに、道路のアチコチにクリスマスに備えてのライトアップのデコレーションがなされ、そして寂しいことに、夜がやってくるのも早い今日この頃。その暗くなり始める6時に試合開始。 相変わらず地元では3−4−3システムというのを採用しているペップバルサ。だがバルサBだけではなく、他のカテゴリーを見ても、例えば、フベニルAでもBでも、カデッテAでもBでも、地元ではほぼ例外なくこの3−4−3システムで戦っている。これまではバルサAチームと同じシステムで戦うというのが、バルサインフェリオールカテゴリーの掟だったが、今シーズンはペップバルサと同じように戦おう!というのが合い言葉のようだ。 相手は今シーズンから初めてこのカテゴリーに上がってきたラ・ポブラというクラブ。もっとも、“実力”でカテゴリー昇格を達成したわけではなく、バルサCが壊滅したおかげでその穴埋めとしてカテゴリー昇格を果たしたチームだ。したがって、バルサには感謝しても感謝しきれないほどの借りがあるわけだから、楽に勝たしてくれるのかと思っていたら、そうではなかった。 ゲーラはまだ負傷中、ビクトル・バスケス、ビクトル・サンチェス、ボティアも軽い負傷中ということで、この試合には招集さえされていない。そのかわりと言ってはなんだが、1年ぶりにウルバーノという選手がベンチ入りしている。昨シーズンはバルサCに在籍し、シーズン開始早々ゴールを量産していたエストレーモ選手だが、すぐに負傷してしまい、冬がやってくる前にシーズンサヨナラ宣言を余儀なくされた不幸な選手。したがって、この試合では1年ぶりの復帰となる。気に入っている選手だけに、個人的にも非常に嬉しいニュース。 左エストレーモの位置でプレーしていたガイが前半半ばにゴールを決め、結局このゴールが試合を決めることになる。それにしてもこの16歳の坊やは急上昇で成長し続けている。前回のように状況に応じてフベニルAチームに戻ることもあるようだが、基本的にはペップバルサのスタメン選手と言っていい。昨シーズン見たジョバニとは違い、プレーの一つ一つに100%さを感じる選手。来シーズンに関する個人的な予想。ボージャンはもちろん毎試合招集選手であり、スタメンを勝ち取ることも不可能ではない。ジョバニの将来は、少なくてもバルサでの将来はかなり暗い。そしてボージャンに次いで期待の星となるのがこのガイだろう。 それにしても、ペップ監督はなにゆえヤゴを呼ばないのか、いまだに理解できない。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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第12節 一歩後退 カッサーバルサB バルサB9番のゲーラはいまだに負傷中、だが明るいニュースとしては軽い負傷中だったクロッサスと、長いリハビリ生活をおくっていたジェフレンが戻ってきている。デランテロ不足となっているペップバルサでありながら、ここのところ活躍していたガイが不思議なことにフベニルAチーム送りとなっている。 とてつもなく狭く、薄汚れた人工芝のグランドという悪条件の中での試合。前回の試合では地元でありながら4人デフェンサというシステムで戦ったペップバルサだが、このアウエーの試合では初めてと言っていい3−4−3システムで戦おうとしている。右にビクトル・サンチェス、真ん中にボティア、そして左にカピタン・バリエンテ。試合開始1分にチャビがゴールを決めてしまうという願ってもない試合展開。前半終了5分前に同点に追いつかれたものの、審判の笛が鳴る直前に再びチャビがゴールを決め、1−2で前半終了。勢いとしては、アウエーで3ポイント稼げる絶好のチャンス。だが、残念ながら、そうはならなかった。後半開始早々に同点に追いつかれ、そしてロスタイムに逆転ゴールがぶちかまされた。今シーズン2回目の敗戦を味わうペップバルサ。 ライカーバルサのポルテロコーチであるウンスエがプレステージで次のように語っているのを思い出す。 だが、幸いなことに、フベニルAにはミーニョとマシップという優れたポルテロがいる。個人的には特にミーニョに期待している。ヤゴを早急に加入させることと、このミーニョを思い切ってバルサBに招集すること、これがペップ監督に望むこと。 ■FC BARCELONA フベニルカテゴリー ■フベニルA(第11節)■ ■FC BARCELONA ■フベニルB(第9節)■ ■カデッテA(第7節)■ ■FC BARCELONA ■カデッテB(第7節)■ *順位表は「試合日程・順位」から |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第10節)■ バルサBと同じようにこのチームも72時間前の木曜日に試合をおこなっているので、この試合では若干のローテーションがとられている。普段の試合では控え役が多くなっているマリオ、ダビ・ゴンサレス、ジョナタン、ワルテルというところがスタメンに顔を出し、ポラッコやティアゴといったところがベンチスタートとなった。 先週の地元での試合と同じように3−4−3システムで戦うフベニルAチーム。相変わらず攻め続けるものの、どうもゴールにまで行き着くのに苦労してしまう。相手チームがしっかりと守りきるスタイルでのぞんでくることが多いし、チーム内には特に目立つような9番の選手もいないためだ。だが、もちろん、バルサがゴールを決めリードするような試合展開となれば、思わぬ大差のつく試合となることが多いが、この試合もそうなっている。久しぶりにスタメン起用されたU17スペイン代表のダビ・ゴンサレスがゴールを決め、その後、ヤゴが今シーズン2回目のハットトリックを記録してしまった。このカテゴリーでは器が小さくなっている感じがするヤゴだが、ペップバルサB監督はいつになったら彼を招集するのだろう。 さて、10節を消化した段階ですでに3敗もしているのに、首位と3ポイント差で2位につけている。昨シーズンまで所属していたのはカタルーニャ州とアラゴン州のクラブがメインとなって構成されているグループ3。このグループではエスパニョールとバルサが圧倒的に強かったので、どちらかのチームが3敗もすれば、それでシーズンはほぼ終了したことを意味した。だが、今シーズンは諸事情によりバレンシア州とマドリッド州のクラブが多いグループ7でプレーするバルサ。どうやらこのグループは混戦状態となっているようで、3敗ぐらいたいしたことではないようだ。 ■FC BARCELONA ■フベニルB(第8節)■ ■カデッテA(第6節)■ ■カデッテB(第6節)■ *順位表は「試合日程・順位」から |
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第11節 地味ながら勝利 バルサBーパラモス リーグ戦第10節が木曜日、そして72時間後の日曜日に第11節が戦われるという、三部リーグもなかなか厳しいスケジュールとなっている。そこでローテーションらしきスタメン11人を選抜するペップ監督。これまで途中から出場してくることはあったものの、ほぼスタメン選手にはなっていなかったファリ(右ラテラル)、ルエダ(セントロカンピスタ)、トリビオ(セントロカンピスタ)がスタートから出場。これまでほとんどの試合に出ずっぱりだったビクトル・サンチェスとペドロはベンチに下げられ、負傷気味のゲーラとクロッサスは招集さえされていない。 ミニエスタディでのお決まりシステムは3−4−3。だがこの日の試合では4−3−3システムにして戦っている。ああ見えても、ペップ監督はいろいろ考えているようだ。しかもここ2、3試合、ようやく監督業に慣れてきたのか、それまで90分間立ちっぱなしだった彼がベンチに座って指揮するようになってきた。ライカー監督とペップ監督を比較することは、あまり意味のないことだ。すでにタイトルをいくつも獲得している経験豊かなエリート監督と、三部リーグに所属するチームでの指揮を取り始めたばかりの未経験監督。クラックと有名選手ばかりで構成されるエゴの固まりのようなチームを指揮する監督と、プロとセミプロの境界線にいる選手たちを指揮する監督。比較の背景があまりにも違いすぎる。それでも今のバルサAチームをペップ監督が指揮するとどうなるのか、いつか是非とも見たい気がする。 ガイがしっかりとバルサB在籍を勝ち取ってしまったかのようだ。この試合にスタメン出場したことで2試合連続となっているし、試合出場そのものは3試合連続出場となっている。早くてもリーグ戦の折り返し地点当たりからバルサBチームに加入してくるではないかと予想していたが、それよりもだいぶ早くなっている。そしてもう一つ予想外なことは、ペップ監督がこれまで一度たりともヤゴを招集していないことだ。 日曜日16時30分試合開始。カンプノウでのベティス戦は19時から予定されていたので、後半に入る頃あたりからボツボツと人が集まってきている。点が入ったのは前半の早い時間。ビクトル・バスケスが左エストレーモに入っているエネコにパスを送り、そのエネコがセンターリングしたボールをトリビオが決めてゴール。ビクトル・バスケスが9番を付けた試合は、いわゆるラウドゥルップ9番システムと同じで、デランテロなきシステム。空いたスペースを利用して、セントロカンピスタがゴール前に突っ込んでくることによってゴールを得ることが多いシステムだが、まさにそれを絵に描いたようなゴールシーンだった。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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第10節 1ポイント獲得 レウスーバルサB 11月1日は日本で言うところのお盆にあたり、全国的な祭日となっている。ちょうど木曜日に祭日が来たので、金曜日に休みを取り4連休とする人が多かったようだ。そしてこの祭日を利用して、というかちょうどそういうスケジュールになっていたのだろうが、三部リーグとフベニルAチームがリーグ戦を戦っている。 相手はレウスというチーム。リーグ戦順位3位のバルサBと同ポイントながら得失点差で2位につけている。監督はラモン・マリア・カルデレ。1980年代の中頃、テリー・ベナブレスがバルサの監督を務めているときの選手で、タイプ的には好きなセントロカンピスタの選手だった。現役引退後、カタルーニャ州にあるいくつかの小さなクラブで監督業を務めている。今から2年前、バルサBの監督候補に名を連ねたことがあるが、ペップとの個人的な関係が強かったことも原因となってか、最終的にはリストから外されたそうだ。ペップはバサット派とされていた人だが、その彼が現在はバルサBの監督を務めているのだから、世の中面白い。 マーク・クロッサスが2か月ぶりに戻ってきている。ライカーバルサに招集されることはあっても出場することはなかったから、彼は2か月間にわたってプレーしていないことになる。この試合ではピボッテとしてではなく右インテリオールのポジションで起用されていたが、2か月間の不在を感じさせないそれなりの仕事をしていた。ライカーバルサでプレーしないのに招集されるよりは、三部リーグでの試合とはいえペップバルサに戻るべし。それでなければ、冬のマーケットでレンタルするべきだろう。こんな起用のされ方をしていると彼のためにならない。 両チームとも点が入らず0−0というスコアーで試合終了。1位のサン・アンドレウも引き分けたので、相変わらず同ポイントで首位サン・アンドレウ、2位レウス、3位バルサBという順位になっている。 ■FC BARCELONA フベニルカテゴリー ■フベニルA(第9節)■ 下位チーム相手の試合とはいえ、アウエー2連勝。デランテロの選手たちがゴールチャンスをキッチリとものにすればこういう結果が得られるということか。多くあったゴールチャンスを9番オサーダ、そして11番ヤゴが確実に決め、圧勝と言っていい0−3というスコアーで勝利している。 ■FC BARCELONA *順位表は「試合日程・順位」から |
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フベニル・カデッテカテゴリー ■フベニルA(第8節)■ このチームを構成している選手を見る限り、決して悪いチームではないし、むしろ期待を持てるチームと言える。今年の夏におこなわれたU17の大会にスペイン代表選手として招集されたヤゴ、ボラーニョス、ダビなどがいるだけではなく、ペップバルサチームでのデビューを飾ったティアゴやガイもいるし、ミーニョとマシップという二人のポルテロも将来を期待されている選手。だが、8節を終了した段階で期待通りの結果を出しているかというと、ノーということになる。 ペップバルサと同じように、地元での試合では3−4−3システムを採用しているチームだから、攻撃的に戦おうというポリシーは感じられる。だが、残念ながらそのポリシーがグランドの中で具体的に展開されていない。 この試合でもボール支配率だけを見れば、圧倒的なパーセンテージでバルサが優っている。それでもゴールにつながるような試合展開がなされているかと言えば、これまたノーだ。相手を驚かすような空いたスペースへのボールが送られない。ライカーバルサの悪いところをとったような足下のみへのパスが多く見られる。相手デフェンサにとってはじっくりと考える時間があるわけで、見ている方にとっても、次はどこにボールが行くか確実に予想できてしまうような攻撃展開。そして、残念なことに決定的なデランテロがいない。 これからガイはペップチームに招集されることが多くなるだろうし、ティアゴにしても同じような可能性がある。取り残された感じとなったヤゴが、果たしてこのチームを引っ張っていくことができるかどうか。そして、このチームではベテラン選手と言っていいワルテルがどのくらい調子を戻してくるか、フベニルAチームの将来は、彼らの活躍度にかかっている。 ■FC BARCELONA ■フベニルB(第7節)■ このアウエーでの試合で引き分けたことにより、エスパニョールBが1ポイント差で首位になってしまった。バルサB,7試合5勝2分け20ポイント獲得、29ゴール2失点でリーグ戦順位2位。 ■カデッテA(第5節)■ ■カデッテB(第5節)■ *順位表は「試合日程・順位」から |
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