2007年
12月
2008年

フベニル・カデッテカテゴリー
(07/12/26)

■フベニルA(第16節)■
バルサーアリカンテ
1−0

この試合のスタメン選手で、何と言っても目を引くのはムニエッサの登場だ。カデッテAチーム登録されている15歳の少年。すでに6シーズンにわたってバルサにいる“ベテラン”選手だが、その成長の著しさはスペインU17に招集されていることからもわかる。本来であるならば、フベニルBでプレーしているテロンがこのカテゴリーに上がってきても良さそうなものだが、彼を飛び越してムニエッサが選ばれている。そしてもう一人注目に値する選手はロチーナ。ヤゴが前日のバルサBの試合に出場したため、フベニルBから呼ばれたのだろうが、ヤゴがいようといまいとデランテロセントロとしてこのカテゴリーでプレーさせるべき選手。ムニエッサとは違い、彼はベンチスタートとなった。

16チームによって各グループが構成されているから、この第16節のアリカンテ戦はリーグ戦後半に入っての最初の試合となる。シーズン開幕戦となったこのカードでは、アリカンテが3−2というスコアーでバルサに勝利している。

地元での試合だから3−4−3システムのバルサ。このシステムだとメディアプンタに入るジョナタンがいきいきとする。この試合でも良いところを見せていたが、後半に負傷して交代。前半にフラスコのゴールでリードするバルサ。そして後半10分にようやくロチーナが登場。ゴールは決められなかったものの、このカテゴリーでもじゅうぶんやっていけることを証明していた。

■FC BARCELONA
Masip/ Blasco/ Muniesa/ Alex(Ruben 46')/ Fontas/ David/ Ilie/ Jonathan(Enric 75')/ Pons(Pere 85')/ Osado/ Yepes(Rochina 55')


■フベニルB(第15節)■
バルサBーオスピタレ
3−0

土曜日の昼12時におこなわれた試合。ボージャン、セバージョス、ガイなどが楽しそうにペチャクチャしゃべりながら観客席に。ガイはこの日17時からバルサBの試合、ボージャンは翌日のクラシコを控えている。それでもこういうカテゴリーの試合を見に来る熱心さと、スターぶらない自然の行動がファンからの親しみを得る秘密だ。ここが、ボージャンとジョバニの決定的な違い。

ロチーナがフベニルAに招集されたことにより、便利屋のアリエロがデランテロセントロに。このカテゴリーでプレーしていた選手はほとんどが上のカテゴリーへと昇進していってしまったので、現在のチーム内にこれはといった“クラック”選手はいない。だが、それでも良い選手がそろっていることと、チームブロックがしっかりしていることが強みのチームだ。オスピタレ相手のこの試合でも楽勝という感じの試合展開で勝利し、しっかりと首位を保っている。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Bartra/ Terron/ Planas/ Oriol/ Marti(Manu 72')/ Polaco/ J.Luis/ Arriero/ Quime(Lopez 67')


■カデッテA(第13節)■
バルサーテラッサ
8−0


■カデッテB(第13節)■
テラッサBーバルサB
1−3

*順位表は「試合日程・順位」から


第19節 ついにヤゴのデビュー!
(07/12/25)

バルサBーエウロッパ
4−2

それにしても、ペップバルサには負傷選手が多い。ディマス、ビクトル・バスケス、ジェフリーと長期負傷組に加えて、これまで絶対スタメン選手だったペドロ、そしてジェフレンが前回の試合で負傷してしまった。ボティア、バリエンテなども完全ではなく、それでもバリエンテだけはかろうじてベンチ入りが可能となった。そして、ペップ監督はついにヤゴを招集。ヤゴ・ファルケ、初のバルサBでの試合。それも地元ミニエスタディでのデビュー。ポジションは左エストレーモ、そして、そして、このデビュー戦で見事ゴールを決めている。

クラシコの試合開始まで26時間前の土曜日17時試合開始。今にも雨が落ちてきそうな雰囲気のもとで試合をスタートし、前半20分頃には大雨になってきた。そんな中、エウロッパが思わぬ先制点を決めてしまう。ペップバルサは地元での試合は3−4−3システムというのが多いが、この試合もそのシステムを採用している。真ん中で“クーマン”を演じているのはアレックス・ボラーニョス。本来ならバリエンテが最適なのだろうが、リハビリを終えて戻ってきたばかりで体調もイマイチ。そこでボラーニョスの登場となったが、若干17歳の彼は立派に役目を果たしていた。だが、彼に加えてビクトル・サンチェス、コルコレスという三人デフェンサはどうしてもタッパ的に問題がある。相手セットプレーでの高いボールには負けてしまうのだ。エウロッパの先制点はまさにそれを絵に描いたような感じで決まっている。そしてそれから20分後、ヤゴがゴールを決めて前半1−1で終了。

後半開始と同時にバリエンテが登場。ボラーニョスが右ラテラルに、コルコレスが左に移り、マルチ選手ビクトル・サンチェスはアブランの代わりに右インテリオールへと移行。そして前半と同じように、唯一と言っていいゴールチャンスをエウロッパにものにされてしまう。後半4分で1−2。だが、ティアゴがボラーニョスに代わって入ってペップバルサに勢いがつく。20分には同点に追いつき、タルヘッタ二枚→退場となり10人の選手となったエウロッパを追いつめる。ティアゴからスペクタクルなパスがガイに渡ってゴール。これで試合は決まった。

かつてバリエンテが負傷したことからフベニルA在籍のボラーニョスのデビューが可能となり、今またデランテロたちの欠場がヤゴのデビューを実現した。そしてヤゴのフベニルAチームの欠場が、フベニルBのロチーナに一つ上のチームでデビューすることを可能とする。必要とされる場所と時間にいること、そして期待に応えられること、この二つのことが若手選手にとっていかに大事なことか、いや、本当。

■FC BARCELONA
Oier/ Corcoles/ Bolan~os(Thiago 60')/ V.Sanchez/ Xavi/ Toribio/ Abraham (Valiente 46')/Busquets/ Iago(Eneko 64')/ Guerra/ Gai

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(07/12/21)

■フベニルA(第15節)■
バルサーAt.マドリレーニョ
0−1

地元にAt.マドリレーニョを迎えての試合。まだシーズンが折り返し地点に到達していない時点での試合とはいえ、バルサにとっては重要な試合といえる。なぜなら相手チームはバルサと同じように首位を狙っているチーム。ここはどうしても勝利しておきたいところ。だが、肝心のゴールを決めることができず、0−1という最少スコアーでの敗北。これは痛い。

ヤゴがトップに起用されているところからもわかるように、このチームには9番がいない。今シーズン期待されて加入してきたオサーダが控え選手になっているようでは、どうもいけません。下のカテゴリーでゴールを決めまくっているロチーナをなにゆえ連れてこないのか、いまだにその理由がわからない。

バルサB選手バリエンテの負傷がフベニルA所属のボラーニョスをカテゴリー昇格させてプレーさせているように、ボラーニョスの不在がフベニルB所属のペレを招集する理由となっている。今シーズン加入してきた選手だが、どことなくオラゲールに似ている。何でもかつてバルサで活躍した選手のお孫さんだというが、将来性ありそうなデフェンサ選手だ。そしてもう一つ明るい材料は、ティアゴが負傷から戻ってきて、20分強プレーしていること。体調が完璧になれば、再びペップバルサに呼び戻されることになるのだろう。

■FC BARCELONA
Min~o/ Blasco/ Pere/ Mario(David 81')/ Alex/ Fontas/ Polaco/ Ilie/ Pons(Thiago 67')/ Iago/ Ruben(Osado 58')


■フベニルB(第14節)■
エスパニョールBーバルサB
2−2

敵地でのデルビー戦。引き分けという結果だけを見れば、バルサにとって満足できるものと言えるが、試合の流れからすると残念な結果となっている。ロチーナの先制点→エスパニョールが追いつく→再びロチーナのゴールでリード→試合終了間際に同点。エスパニョールとの差を大きくするチャンスだったが、残念ながらそうはならず。それでも単独首位を楽々走っている。

■FC BARCELONA
Diego/ Montoya/ Bartra/ Terron/ Cristian/ Oriol/ Arriero/ Jonathan(Marti 75')/ J.Luis/ Rochina/ Quime(Angi 60')


■カデッテA(第12節)■
オスピタレーバルサ
0−3


■カデッテB(第12節)■
バルサBーグラノジェールス
2−3

相手のグラノジェールスはそれほど強敵ではない。リーグ戦順位も真ん中に位置している。しかも、彼らにとってアウエーの試合。だが、試合開始から攻め込んできた。その健康的な姿勢が前半20分に先制点へと結びつく。そして3分後にも追加点。誰もが予想しなかった試合展開となってしまう。2枚目のタルヘッタをもらったグラノジェールスの選手が退場となったところで、バルサはデフェンサのジョシュアを引っ込め、デランテロのマークを投入。つまり3−4−3システムに変更し、逆転を狙う。攻めに攻めまくるバルサはどうにかこうにか1点をもぎ取る。これは同点も間近かと思えた瞬間、相手のフリーキックをポルテロのミスでゴールにしてしまい、同点どころかさらに差がついてしまった。

この試合までに今シーズン11試合を消化。成績は11試合勝利という全勝で38ゴール獲得し失点はわずか5。それが、今回の地元の試合で3点も奪われて初の敗北。

■FC BARCELONA
Richy/ Josue(Marc 28')/ Daniel/ Pau(Edu 41')/ Ayala/ Sanmartin(Tina 56')/ Roger/ Rafa(Ateba 64')/ Pablo(David 41')/ Pol(Mikel 51')/ Ella

*順位表は「試合日程・順位」から


第18節 アモール激励の勝利
(07/12/18)

サン・アンドレウーバルサB
0−1

17試合を消化して5失点しか許しておらず、しかも最近8試合では、相手チームに1回としてゴールを許していないサン・アンドレウ相手の試合。ジョアン・ガスパーが会長を務めるこのサン・アンドレウのスタジアムには、手入れの行き届いた人工芝が敷かれていて、いかにもプレーしやすそうな感じを受ける。日曜日の昼におこなわれたこの試合に6千人もの人々が観客席に。観客席といえば、前回の試合で退場となったペップもまた、ベンチではなくこの観客席に座っている。

さて、今シーズン初めて見るサン・アンドレウ。10番を付けている選手をどこかで見たことがあると思ったら、マノロ・ランサロッテだった。2年ぐらい前までバルサCチームでプレーしていた選手で、バルサBにも登録されたことがあるが、最後までスタメンを勝ち取ることができなかった。左エストレーモのテクニシャンで、個人的には非常に気に入っていた選手だが、こんなところにいたのか。デランテロとしては残念ながらゴール能力に欠けている選手だったが、このサン・アンドレウではチームの重要な選手になっているらしい。まだ23歳か、24歳ぐらいだと思うが、もっと上のカテゴリーでやっていける選手。だが、何かが欠けているのだろう。彼のようにきっかけをつかめないまま、三部リーグあたりのチームで終わってしまう多くの“良い選手”を見てきたが、彼もその一人となるのかも知れない。

8番の背番号をつけたサン・アンドレウの攻撃的なセントロカンピスタ選手は36歳だという。その選手をマークしてピッタリとくっつくのは、前回の試合でバルサBデビューを飾った17歳のアレックス・ボラーニョス。19歳という年齢差があるが、ボラーニョスは素晴らしい仕事をしていた。そして彼の隣でプレーするボティアもまた、デフェンサの要として合格点をつけられる90分間のプレー。バリエンテはいまだに負傷中で試合に出られないが、このボティアが試合ごとに成長している。ひょっとしたら、いつの日かバルサAチームに上がってくるチャンスを得るのは、バリエンテではなくボティアとなるかも知れない。

三部リーグならではの当たりの激しい試合。お互いにゴールチャンスがあるものの、それを決めることができず、そのまま前半が終了するかと思われた40分頃、それまで何をしていたのかもわからないほど消えていたデランテロセントロのゲーラが、ゴールを決める。前半を終わってバルサB、0−1でリード。そして後半に入っても同じような試合展開が続く。何回か失点を許しそうになるバルサBだが、必死に守って試合終了。首位のサン・アンドレウに行ってのフエラ試合で、貴重な3ポイント獲得。

ちなみにこの試合ではマーク・クロッサスは招集されていない。バルサAチームのバレンシア戦にも招集されなかった彼だが、実はすでにバルサAチーム選手としての扱いを受けることに決定。したがって、ペップバルサでの練習にも試合にも参加することはもうあり得ず、ライカーチームの一員として認められることになった。だが同時に、この意味は冬のマーケットを利用して、レンタル移籍することが明らかになったということだろう。最後までバルサに残りたいと表明していたクロッサスだが、半年間だけでも他のチームでプレーするチャンスをつかみ、少しでも大きくなって戻ってくればよい。

この勝利によりペップバルサ2位に浮上し、1位のサン・アンドレウに3ポイント差と接近。また、この試合がおこなわれる10時間前に交通事故を起こし、危ない状態となっていたアモールへの激励の勝利ともなった。居眠り運転をし車道から外れて崖に落ちてしまったアモールは、約1時間ほどグシャグシャになった車から出られない状態が続いたが、駆けつけた救助隊によって救出。集中治療室での治療がおこなわれ、一時は危篤状態とまでなったが、どうやら命には別状がないところまで回復。居眠り運転には気をつけましょう。

■FC BARCELONA
Oier/ Corcoles/ Botia/ Bolan~os/ Espasandin/ V.Sanchez/ Busquets(Xavi 87')/ Abraham/ Pedro(Toribio 91')/ Guerra/ Jeffren (Urbano 63')

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(07/12/13)

■フベニルB(第13節)■
バルサBージローナB
3−0

ここのところ8試合続けて勝利と縁のないジローナBが相手の地元での試合。ところが驚くことに、前半はそのジローナBがしっかりと主導権を握る感じの試合内容となった。フベニルBチームは地元の試合でも3−4−3システムではなく、ライカーバルサのように4−3−3システムをとることに決めたようで、この試合でも4人デフェンサで戦っている。対するジローナBは中盤を5人、あるいは6人もの選手で固めて制覇。この作戦がバルサをアップアップ状態とすることに成功していた。

だが、何と言っても首位を走るチームと中盤から下に位置するチームでは、実力が圧倒的に違う。中盤を圧倒されながらも、徐々に攻撃態勢を作り始めるバルサ。前半30分、ロチーナのシーズン16ゴール目が先制点となり、試合の流れのバランスが急に崩れ始めた。審判の笛が吹かれて試合が終了してみれば、3−0のスコアーで楽勝となった試合。

後半30分ぐらいにデニス・クロールが登場。長期負傷していた彼にとってこれが今シーズン最初の試合出場。ドイツ人らしいフィジカルの強さはこれまでと変わっていないものの、ドイツ人らしい身長がない。入団してきた3、4年前には一番背の高い選手だったが、いまのところ身長の伸びが止まってしまったかのようだ。バルサインフェリオールカテゴリーの試合を見に行くと、必ず観客席に彼の姿が見られる。いつも父親と一緒に他のカテゴリーの試合を観戦する熱心な若者だ。その彼の隣にいる父親がまた小さい。ドイツ人としては非常に小粒なお父さん。両親には似ずに大きくなる息子がいることも間違いないだろうが、強烈な遺伝子を持つ家族であったとしたら、デニス・クロールもまた小柄な選手となってしまうかも知れない。

それにしてもロチーナの毎試合の活躍に驚いている。これほど才能ある選手とは思えなかっただけに、今シーズンの変貌ぶりは驚異だ。パチェッコという明日のキラキラ星を失ったバルサだが、彼の不在をじゅうぶんすぎるほど補っている。再び、明日のキラキラ星選手が登場してきた。

ちなみに、今週はフベニルAとカデッテAの試合がおこなわれていない。

■FC BARCELONA
Alex/ Montoya/ Pere(Bartra 81')/ Terron/ Cristian/ Oriol/ Arriero/ Jonathan(Klor 73')/ J.Luis/ Rochina(Angi 76')/ Quime(Lopez 53')


■カデッテB(第11節)■
ナスティックーバルサB
0−1

*順位表は「試合日程・順位」から


第17節 ペップ退場の巻き
(07/12/11)

バルサBーマンレウ
4−2

欠場者リストの常連となりつつあるジェフリーやディマス、ビクトル・バスケス、そして前回の試合で負傷したティアゴ、同じく前回の試合でタルヘッタ・ロハをもらったジェフレンとブスケ、これらの選手をこの試合に欠いているペップバルサ。しかも軽い負傷中につき試合開始直前まで出場可能かどうか怪しかったコルコレス、オイエル、バリエンテなどのうち、ポルテロのオイエルだけしか出場可能とならなかった。層が厚いチームとは言え、こういう状況となるとフベニルチームから応援を頼まざる終えない。と言うわけで、フベニルAからアレックス・ボラーニョスが招集されている。ヤゴは・・・それでも呼ばれない不運な選手。

日曜日18時30分試合開始。北極からやって来る冷たい風がビュンビュンと吹きまくっている日だったので、カンプノウでの21時試合開始コルーニャ戦に行く人は少ない。カンプノウに行く人が少ないから、ミニエスタディに立ち寄る人も少ない。

オウンゴールをわずかな時間の間に2回も見たのは初めてだ。ガイが左ゴールライン側からセンターリングしたボールを、ポルテロの前にいたデフェンサの選手が見事にゴールを決めてくれる。そしてそれから数分間後、ビクトル・サンチェスが右ゴールライン側からセンターリングしたボールを今度は違うデフェンサ選手がバシッとゴール。前半終了間際にマンレウもバルサ側にゴールを決めて2−1で前半終了。前半だけで3点入っているが、実質すべてマンレウ選手が入れたものだ。そして後半が始まり、マンレウ“4点目”を入れる。この4点目も3点目と同じようにバルサ側に正当に入れたゴール。つまりバルサは同点に追いつかれてしまった。まるで前回のアウエーの試合を見ているような感じ。2点リードし、そして気がついてみれば2点入れられ同点で試合終了した前回の試合。

そんな嫌な感じの空気を読んだのか、ペップが珍しく線審や主審に文句を言い続ける。確かに相手選手の当たりが激しかったり、オフサイドやファールなどに対する誤審もいくつか見られた試合だが、それは、まあ、いつものこと。何と言っても、三部リーグで試合をしているのだ。審判の質が低いのはいつものことだが、それでもペップは執拗に線審に文句を言い続け、挙げ句の果てに退場となってしまう。何だか芝居がかっている風景だが、それでも若い選手たちは監督退場から奮起してしまう。試合が開始されて90分過ぎてみれば4−2でペップバルサの勝利。ライカーバルサと同じように、地元では負けないし、余程のことがない限り引き分けもない。

ヤゴやフラン、あるいはアンリックと同世代の“キンタ・デ・ボージャン”の一人であるアレックス・ボラーニョスが17歳でバルサBデビュー。180センチ以上あるボティアと並んでセントラルをやっていたが、彼の隣にいるとどうしても小さく見えてしまう。だが、もっとガキの頃にはセントロカンピスタをやっていた選手であり、テクニック的には何の問題もないどころか、非常にテクニシャンな選手だ。各カテゴリーでカピタンを努めていただけあって、デビュー戦とは思えない落ち着いたプレーをしていた。カンプノウへの道がだんだん近づいてきたボラーニョスに、フェリシダーデス!

■FC BARCELONA
Oier/ Fali/ Bolan~os/ Botia/ Espasandin/ Crosas(Urbano 75')/ V.Sanchez/ Abraham(Toribio 64')/ Pedro/ Guerra/ Gai(Rueda 85')

*順位表は「試合日程・順位」から


第16節 最下位チームと引き分け
(07/12/08)

マスノウーバルサB
2−2

8日間で3試合をこなさないとならないバルサB。この第16節の試合は木曜日におこなわれている。ティアゴとコルコレスは前回の試合で負傷し、ディマス、ジェフリー、ビクトル・バスケスはいまだにリハビリ中。そんな状態でのアウエーの難しい試合を戦わなければならない。と言っても相手は最下位をウロウロするチーム。これまで15試合を戦い地元で2勝、アウエーで2勝、合計4勝しかしていない。ペップバルサにとって、ここは久しぶりにアウエーでの勝利を期待できる試合だった。

そしてその勝利への期待が現実化しそうな前半の試合展開。まず試合開始12分にジェフレンがFKを決め先制点。そしてその10分後にはビクトル・サンチェスが追加点を決め前半を終了した段階で0ー2という、楽勝を感じさせるスコアーとなった。

後半がスタート。15分以内にバリエンテ、ペドロ、ビクトル・サンチェス、ボティア、ジェフレンなどのゴールチャンスがドカドカとやって来る。こりゃあ、なんだ、5点ぐらい入って圧倒的勝利じゃないかという雰囲気。だが、こういうゴールチャンスを生かせないときには得てして悪いことが起こるものだ。

20分にジェフレンがタルヘッタ・アマリージャをもらう。そのカードに対して審判に文句を言って再び黄色いカードが示され、当然ながらカードは赤色に変わって退場。ここから一気に雰囲気が悪くなってしまった。後半30分前後にあっという間に同点に追いつかれるペップバルサ。ロスタイムにはブスケ・ジュニアに2枚目の黄色いカードが与えられ彼もまた退場。99%勝っていた試合を引き分けに持ち込まれた情けない結果となり、再びアウエーでの試合を勝てずに終了。それにしても、年間予算25万ユーロ(約4千万円)というチーム相手に引き分けてはいけない。

■FC BARCELONA
Pau/ Fali/ Botia/ Valiente/ Espasandin(Xavi 70')/ Crosas/ V.Sanchez/ Busquets/ Pedro(Eneko 68')/ Guerra(Urbano 82')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(07/12/07)

■フベニルA(第14節)■
ムルシアーバルサ
1−0

もう何回も触れているように、このチームにはこれといった9番の選手が見あたらない。ヤゴやワルテルは決してデランテロ・セントロという感じではないし、新加入してきたオサードという9番選手も、今のところその良さを見せてくれていない。フベニルBでゴールを決めまくっているロチーナを昇格させれば良いと思うものの、どうやら監督にはその意思がなさそうだ。このチームの最も多くゴールを決めているのがヤゴだと前回触れているが、そのゴールのほとんどがコーナーキックからのものであったり、セットプレーからのものであったりしている。アウエーのムルシア戦、残念ながらそういうスタイルのゴールもなく、1−0で敗戦。

この試合にスタメンとして起用されている選手のうちで、今シーズンから加入してきた戦手が5人いる。デフェンサのマリオ、セントロカンピスタのフォンタスとイリエ、デランテロのポンスとオサード。この中で今のところ合格点をあげられる選手はフォンタスという選手ぐらいのものだろうか。ここ数年、どうもこのクラスに加入してくる選手にこれといった選手が見あたらない。つまり補強作戦の失敗という感じがしている。

バルサCが解体したこともあり、今シーズンには多くの選手が放出されているが、その数は60人にも上る。そして半分近くの選手が2年前、あるいは昨シーズンに加入してきた選手たちだ。補強作戦のミスを如実に示す数字と言える。イニエスタ、メッシー、ボージャン、ジョバニ、ガイ、ティアゴ、現在と将来を約束してくれる何人かのカンテラ組織出身選手。このすべての選手は10歳ちょいでバルサにやって来た選手。だが、一つの傾向として、フベニルカテゴリーあたりから加入してきた選手で将来が大いに有望とされる選手が一人も出てこない。アレサンコ更迭要求!

■FC BARCELONA
Min~o/ Blasco/ Bolan~os/ Fontas/ Mario/ Iago/ Polaco/ Ilie(David 76')/ Pons/ Osado(Yepes 69')/ Walter (Ruben 60')


■フベニルB(第12節)■
エウロッパBーバルサB
0−2


■カデッテA(第10節)■
ジローナーバルサ
0−3


■カデッテB(第10節)■
バルサBーマンレサ
2−0

監督の意向なのだろうが、このチームにはマルチ選手が多い。例えばこの試合、前半には右ラテラルとして起用されていたジョスエは後半に入ると左ラテラルに、左ラテラルをやっていたアヤラはセントラルに、左エストレーモとして起用されていたパブロは後半には右エストレーモに、そしてトップとしてプレーしていたエラが左エストレーモというように、ポジションをコロコロと変えていく面白いチームだ。

ここのところスタメンで起用されていたラポルタ会長長男のポルは、後半に入ってから出場。小さい、とてつもなく小さく線の細い選手。このチームには何人かの黒人選手がいるので、やたらとその小ささが目立ってしまう。左インテリオールを務めていたラファという選手はティアゴの弟、したがってマジーニョの息子。この試合にはラポルタとそのマジーニョが観戦に来ていた。ちなみに、ポルテロのウンスエという坊やはライカーバルサのウンスエコーチの息子だろうか?

■FC BARCELONA
Unzue/ Josue/ Edu/ Pau(Carmona 41')/ Ayala/ Sanmartin(Mikel 51')/ Bacary(Tina 66')/ Rafa(Pol 41')/ Ernesto(Marc 51')/ Ella/ Pablo(Roger 58')

*順位表は「試合日程・順位」から


第15節 10人での勝利
(07/12/05)

バルサBーサンボイア
1−0

起用する気などまったくないにもかかわらず、ライカーはクロッサス、ビクトル・サンチェス、ボティアをモンジュイクに連れていってしまったため、彼らはこの試合には招集されていない。なにゆえバリエンテではなくボティアだったのか、そこらへんはわからないものの、考えられることは二つ。一つは単純にボティアの方が優れていると思ったからということだろうし、もう一つは逆にバリエンテがどうしてもバルサBに必要な選手だからということか。いずれにしても試合に出場させる気などなかったのだろうから、無駄な招集だ。もし可能であるなら、この冬にでもバリエンテとクロッサスはレンタルさせるのが彼らのためだろうという気がする。ちなみに、ディマスとビクトル・バスケスはいまだに負傷中。クロッサスがライカーバルサに招集されたことにより、フベニルAから急遽ティアゴが呼び戻されている。ヤゴ・ファルケは相変わらず冷遇されている。

試合開始15分に右エストレーモのペドロがゴラッソを決め、バルサBリードという理想的な展開となった。何でも前半15分というのは、今シーズンのバルサBにとって、統計的に最もゴールが決まる時間だという。最終的にこのゴールが決勝点となる試合だが、比較的面白かったのは、相手チームが自陣にこもることなく、ミニエスタディでは珍しく攻めることを心がけたチームだったことか。お互いのゴール前を行ったり来たりする面白い試合だった。

後半10分当たりにバルサB選手のアブランが赤一発で退場。それからしばらくしてティアゴが登場する。この試合で光った選手は三人。一人はチームのカピタンらしく、窮地に立っている同僚を励まし続け、自らも守備の要となって相手ゴールチャンスを見事に防いたバリエンテ、二人目は後半20分過ぎにベンチに下がるまで運動量の多さを示してくれたガイ、そして三人目はガイと同じく16歳という年齢でありながら、リーダーシップのあるところを見せてくれたティアゴだ。

10人となったバルサBだが、ティアゴがしっかりと緩急あふれるリズムを作る。そしてなかなか根性あるところも見せている。試合終了10分ぐらい前に相手選手から強烈なタックルを受けて負傷退場。すでに3人の選手交代も済ませている上に、10人となっているバルサB。足を引きずりながら戻ってきた彼は、どうにかこうにか審判の笛が吹かれるまで我慢してプレーしていた。

■FC BARCELONA
Oier/ Corcoles/ Valiente/ Espasandin/ Xavi/ Toribio/ Abraham/ Busquets/ Pedro(Fali 73')/ Guerra(Thiago 58')/ Gai(Jeffren 65')

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(07/12/02)

■フベニルA(第13節)■
バルサーレバンテ
1−0

右、あるいは左のエストレーモとしてプレーするヤゴが8ゴールでこのチーム最多ゴールの選手となっている。今シーズン加入してきたデランテロセントロのオサードは3ゴールと少ない。これがこのチームの抱えている大きな問題だ。それでもリーグ戦首位にたっているチーム、あまり贅沢なことを言ってはいけないかも知れない。

ペップバルサに招集されないことにより、このフベニルAチームでプレーすることを義務づけられているヤゴだが、ここまでの試合を見ているとデランテロとしては絶対のスタメン選手となっている。彼にとってはすでに器が小さくなっているカテゴリーながら、なにゆえペップ監督がバルサBに招集しないのか、それは七不思議の一つだ。

レバンテ相手の試合。後半35分を過ぎるまで0−0の試合展開。だが、ヤゴがPKを決めることによりどうにかこうにか3ポイント獲得。これまで同ポイントで首位に立っていたが、この勝利で単独首位となった。

■FC BARCELONA
Min~o/ Blasco/ Bolan~os/ Polaco/ Fontas/ David/ Ilie(Enric 90')/ Thiago(Pons 53')/ Yepes(Walter 70')/ Osado(Mario 64')/ Iago


■フベニルB(第11節)■
バルサBーサン・アンドレウ
4−0

フベニルAチームがヤゴ中心のチームであるとするならば、このフベニルBはゴレアドールであるロチーナ中心のチーム。第11節を消化した段階で15ゴールというのは凄い数字だ。パチェコの抜けた穴を完全に埋めるどころか、例えパチェコがいたとしても彼を控えにしてしまうほどの勢いといって良い。

シーズンの折り返し地点前後になったら、このチームを卒業してフベニルAに上げるべき選手が何人かいる。セントラルのテロン、ラテラルのクリスティアン、セントロカンピスタのオリオルとマルティ、そしてデランテロのロチーナ。特にゴレアドールがいないフベニルAにはロチーナがプレーする余地はじゅうぶんあるように思う。

■FC BARCELONA
Alex/ Montoya/ Pere(Bartra 69')/ Terron/ Cristian/ Oriol/ Marti/ Jonathan(Manu 77')/ J.Luis/ Rochina(Arriero 66')/ Quime(Lopez 72')


■カデッテA(第9節)■
バルサープラッツ
6−0


■カデッテB(第9節)■
メルカンティルBーバルサB
0−1

*順位表は「試合日程・順位」から