2007年
2008年
4月

第35節 地元14連勝、そして初の首位!
(08/04/30)

バルサBーマスノウ
3−2

ミニエスタディにやって来たマスノウというのは、最下位あたりをウロウロしているチーム。これまで34試合を戦って5勝23敗(23敗!)6分けという恐ろしい結果を残しているのだから、最下位となっていてもしかたがない。すでに三部リーグからのカテゴリー落ちは決定しており、来シーズンからは地方リーグで戦うことが決まっているチームでもある。だが、そんなチームを相手に、どういうわけかペップバルサは大苦戦。先制点をあげたのはバルサながら、マスノウはすぐに追いつき、そして逆転ゴールまで決めてしまう。この試合に勝利すれば暫定的にではあるが首位に躍り出るチームと、煮ようが焼こうが最下位には変わらないチームとの試合としてはシナリオがおかしい。だが、そこは良くできたもので、後半の途中で相手チームに2枚目のタルヘッタをもらった選手が登場し、バルサにとっては人数的優位な試合となった。そしてその瞬間からペップバルサの大攻勢が始まる。同点に追いつき、さらに逆転ゴール。終わってみれば3−2というスコアでの勝利。メデタシ、メデタシ。

一つめのメデタシはこの勝利でミニエスタディ14連勝を記録したこと。二つめのメデタシはペップバルサが初のリーグ戦首位に躍り出たこと。

このマスノウ戦がおこなわれたのが快晴の土曜日午後。一方、これまで首位を走り続けていたガスパーチームは、日曜日に試合が組まれていた。相手はブラネスというチームであり、順位的には常に中頃にいるチーム。そして予想に反してガスパーチームは今シーズン6回目の敗北を喫してしまう。35節を終了したところで首位ペップチーム76ポイント、2位ガスパーチーム75ポイントとなり、わずか1ポイント差ながらバルサが首位に踊りでた。

今シーズンの残りはたった3試合。そして最も重要な試合となるのは5月11日に予定されている第37節ペップバルサ対ガスパー・サンアンドレウ。場所はミニエスタディ。この試合の1週間前におこなわれる第36節の試合結果次第では、地元15連勝という記録を作ることによってリーグ優勝が決定してしまうかも知れない。

■FC BARCELONA
Pau/ Fali(Thiago 60')/ Chico/ Valiente/ Corcoles(Eneko 49')/ Busquets/ Toribio/ Abraham/ Jeffren(Rueda 77')/ Guerra/ Gai

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(08/04/24)

すべてのインフェリオールカテゴリーのリーグ戦が大詰めに入ってきた今日この頃。先週末はバルサの4つのカテゴリーがそれぞれリーグ優勝を決めている。

■アレビンA
27勝無敗81ポイント獲得
137得点10失点
残り3試合を残したところでリーグ優勝決定
■インファンティルB
22勝3敗1分け67ポイント獲得
69得点17失点
残り4試合を残したところでリーグ優勝決定
■インファンティルA
26勝1敗78ポイント獲得
104得点12失点
残り4試合を残したところでリーグ優勝決定
■カデッテB
24勝1敗2分け74ポイント獲得
88得点14失点
残り3試合を残したところでリーグ優勝決定


■フベニルA(第30節)■
マドリレーニョーバルサ
0−0

リーグ戦最終節となったフエラでの試合。この試合に最悪でも引き分けという結果を得ることができれば、グループ2位となり、スペイン国王杯参加権が得られる超大事な試合。そしてこの試合のスタメン選手を見ると、なかなか興味深いことを発見できる。それは、今シーズン加入してきた多くの選手の内、わずか2人しか11人のメンバーの中に入っていないことだ。つまり9人は何年も前からバルサカンテラ選手としてプレーしている連中。今年もまた、補強作戦の失敗が語られることになっても不思議ではない。

さて、90分間にわたって戦われたこの試合、バルサは最低限の目標であった引き分けという結果で試合を終えることができた。そして同時に、今シーズン最低限の目標であったスペイン国王杯参加権も得ることができた。だが、バルサにとって良いシーズンだったかどうか、それは国王杯の戦いぶりによって結論が出ることになるだろう。これまでのリーグ戦の戦いぶりだけを見れば、決して良いシーズンとはなっていないバルサ。いざ、国王杯勝負!

■FC BARCELONA
Min~o/ Blasco/ Bolan~os/ Montoya/ Fontas/ David/ Polaco/ Jonathan(Enric 87')/ Osado(Pons 76')/ Rochina/ Iago(Mauri 90')


■フベニルB(第29節)■
バルサBーエウロッパB
6−1

トルコで開催されるユーロU17の大会に向けて、スペインU17代表の第一次メンバーが発表されている。その中には実に7人ものバルサの選手が含まれている。

ポルテロ・・・・・・・・アレックス・サンチェス
デフェンサ・・・・・・・カルラス・プラーナス、マルティン・モントヤ
セントロカンピスタ・・・オリオル・ロメウ、ティアゴ・アルカンタラ
デランテロ・・・・・・・アドリア・カルモナ、ルーベン・ロチーナ

そしてこのエウロッパBの試合には、フベニルAチームに招集されているモントヤとロチーナ、そして負傷中のティアゴをのぞいて4人のスペインU17代表選手がスタメン出場している。試合は圧倒的な強さをみせたバルサが、6点をもぎ取って楽勝のうちに終了。このカテゴリーは一シーズン34試合も戦わなければならないので、まだ6試合も残っておりバルサの優勝はまだ決まっていない。

負傷から久しぶりに戻ってきた選手が二人いる。一人はオリオル・ロメウ、もう一人は生粋のカンテラ育ち選手マルティ。オリオルの方はそれほど長い負傷生活ではなかったが、マルティのリハビリ期間は非常に長かった。彼にとって納得いかないシーズンとなってしまったが、シーズン残り7試合となったところでようやく復帰してきた。

■FC BARCELONA
Alex/ Bartra/ Pere/ Terron/ Planas/ Oriol/ Marti(Manu 58')/ Arriero/ J.Luis(Palau 70')/ Angi(Quime 56')/ Carmona(Luis 74')


■カデッテA(第27節)■
バルサーオスピタレ
2−0


■カデッテB(第26節)■
グラノジェーレスーバルサB
1−3

*順位表は「試合日程・順位」から


第34節 首位をピッタリマーク
(08/04/22)

サンボイアーバルサB
0−2

“Liga de filiales”のアイデアは、ビッグクラブにとっては非常に魅力的なものとうつっているようだ。まず第一に、22歳、23歳程度の将来を期待される選手を、上のカテゴリーに所属するチームにレンタルさせることが可能となり、その結果、一人前の選手としての経験を勝ち取ることができることに。これまではカテゴリー昇格を果たすため、あるいはカテゴリー落ちを防ぐために、将来を期待される選手にはすでに器が小さくなっているカテゴリーであるにもかかわらず、ほぼ義務的にプレーすることを余儀なくされてきていたが、その必要がなくなることになる。なぜなら“Liga de filiales”では、カテゴリー昇格もなければ降格もないからだ。そして第二に、例えば、二部Bカテゴリーでは外国籍選手は登録不可能となっていたが、この“Liga de filiales”ではそういう制約がないため、若い外国籍選手を育てることも可能となることがある。だが、いずれにしてもまだ検討中のアイデアであり、どう転ぶかわからないもの。したがって、ペップバルサはカテゴリー昇格を狙っていくことのみが、現在の一番の目的だ。

相手は4位に位置し、やはりカテゴリー昇格プレーオフを狙っているサンボイア。しかもフエラの難しい試合だ。この試合にビクトル・バスケスとゲーラが復帰してきているが、コルコレス、ボティア、ルエダ、ウルバーノたちは、それぞれ復帰に向けたリハビリをおこなっている最中で、この試合には間に合わない。

ボティア、チコといったセントラル選手が負傷やカード制裁で出場できないため、この試合もバリエンテはセントラルを務めている。4人デフェンサで戦った試合となったが。もう一人のセントラルは超便利屋ビクトル・サンチェス。試合終了間際にタルヘッタ・ロハで一発退場になってしまうが、いつものようにほぼ完璧にペップ監督の期待に応え、素晴らしい活躍を見せている。ペップバルサの先制点はこの試合では9番としてプレーしていたビクトル・バスケス。バリエンテと共にこのチームを背負っている大黒柱の一人だが、プレーオフでの重要な要となることは間違いない。

首位を走るガスパーチームは地元でしっかりと勝利し、ペップチームを寄せ付けない。と言ってもその差はわずか2ポイント。残り4試合となった今シーズンだが、第37節は地元ミニエスタディにガスパーチームを迎えることになる。したがって、少なくともこの2ポイント差をその試合までにキープすることが大事なペップバルサ。次は地元の試合だから問題ないし、ガスパーチームと対戦する前の試合はフエラながら下位にジーとしているマンレウだから、余程のことがない限りだいじょうぶ。したがって、5月10日か11日に戦われるペップバルサ対ガスパーチームの試合がリーグ戦首位を決める決戦となりそう。

■FC BARCELONA
Oier/ Fali/ V.Sanchez/ Valiente/ Espasandin/ Toribio/ Abraham/ Dimas(Xavi 88')/ Pedro(Guerra 61')/ V.Vazquez(Gai 85')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(08/04/18)

■フベニルA(第29節)■
バルサームルシア
1−0

バルサが在籍するこのグループ内には、レアル・ムルシアというチームとムルシア・デポルティーボという似たような名前のチームがある。バルサの地元にやって来たのは、ムルシア・デポルティーボというチーム。なかなか守備が固く、そして当たりも強烈な嫌らしいチームだ。もし、この試合の審判がタルヘッタ大好き審判であったなら、彼らには少なくとも3人の退場者がでていたと思われるほどのハードなスタイルで90分間戦っている。

試合を決めたのはやはり9番ロチーナだった。左サイドから強烈な左足によるシュートが相手ゴールに突き刺さる。フベニルBチームで18ゴール、フベニルAチームで6ゴール決めているから、今シーズンの合計は今のところ24ゴール。フベニルB、フベニルA、両チームとも将来を期待できる9番の選手が登場してきていない今シーズン、彼だけは唯一の例外となっている。来シーズンにはバルサBに昇格するのか、あるいはシーズン開始当初はフベニルAチーム居残りとなるのか(この可能性の方が大きいだろう)まだわかっていないものの、左エストレーモとしても面白いものを持っている。

非常に残念なのは左ラテラルをやっていたムニエッサの大負傷だ。膝を痛めたらしく、例の半年病の可能性が大だという。もしそうであるならば、彼がグランウドに登場してくるのは早くて今年の秋頃。カデッテAチームをスタートとし、フベニルBで1試合も出場することなくいきなりフベニルAチームに上がってきた“将来有望”という表現に二重丸がつくとてつもなく有望な選手。決して急ぐことなく、完全な形で治療とリハビリを済まし、再び元気な姿を見せてくれると良い。

さて、いよいよリーグ戦も残すところ1試合となった。2位という位置をキープしてスペイン国王杯への参加権をどうしても獲得したいところ。そのバルサの最終戦は、マドリレーニョ相手のフエラの試合。バルサは2位につけ、そして彼らは3ポイント差で4位につけている。地元でのこの対戦は1−0というスコアーでバルサが勝利しているが、もし2点差以上で敗北するようなことがあると同ポイントながら、マドリレーニョというチームの方がバルサより順位的に上になってしまう。したがって、この両チームだけのことを考えた場合、バルサに必要なのは悪くて1−0という敗戦(お互いの直接対決はドローという結果になるが、得失点差でバルサが上回っているためバルサが2位となる)、あるいは引き分け、勝利という結果。

だが、3位にいるチームのことも考えなければならない。3位のレアル・ムルシアはバルサと2ポイント差となっている。もし彼らが勝利し、バルサが1−0というスコアーながらマドリレーニョに敗戦した場合、2位はレアル・ムルシアに行ってしまう。したがって、他の場所で同じ時間帯でおこなわれるレアル。ムルシア戦の結果のことを気にしなくても良いように、やはり最低でも引き分け、あるいは勝利となる結果が必要だ。

■FC BARCELONA
Masip/ Blasco/ Bolan~os/ Muniesa(David 58')/ Fontas/ Ilie/ Polaco/ Jonathan(Mauri 82')/ Iago(Pons 67')/ Rochina/ Osado(Yepes 86')


■フベニルB(第28節)■
サンアンドレウーバルサB
0−0


■カデッテA(第26節)■
コルネヤーバルサ
0−0


■カデッテB(第26節)■
バルサBーナスティック
4−2

*順位表は「試合日程・順位」から


第33節 地元13連勝
(08/04/16)

バルサBーラピテンカ
2−0

地元ミニエスタディで3ポイントが取れなかった最後の試合、それは10月14日第7節イグアラダ戦までさかのぼることになる。試合結果は1−1の引き分け。そしてそれ以来、12連勝を続けていたペップバルサだが、先週末のラピテンカ戦に勝利し、13連勝という快進撃を続けている。フエラの試合でも決して恥ずかしい成績ではないとはいえ、首位のガスパーチームを脅かす存在となっているのは、何と言っても地元での圧倒的な強さがあるからだろう。

久しぶりの3−4−3システムを起用したペップ監督。選手配置図では右ラテラルにアブランとしているが、正直言って実際に見ていても本当は誰がラテラルとして起用されたのかわからずじまいだった。トリビオが2番の背番号をつけていたことからみても、本来は彼が右ラテラル選手として起用されたのだろうが、ほとんどの時間、10番を付けていたアブランが右下にいたようだ。そしてトリビオと言えば、メディアプンタになったり右インテリオールになったり、そして時折右ラテラルとしてプレーしている。エスパサンディンという左ラテラル選手がこの試合では左インテリオールとしてプレーしていたが、こんなシーンを見るのも初めて。彼もまた90分の試合の中でアッチコッチとポジション変化をしており、まったくもってペップバルサの各選手のポジション変化は激しい。

イスラエル代表から戻ってきたガイが、先々週はフベニルAチームにおくられ、そして予想されたようにこの試合ではバルサBに戻ってきている。ベンチには久しぶりにヤゴとボラーニョスの姿が見られたが、残念ながらペップ監督は90分間ベンチに釘付けの刑としている。1回も体を温めることもなくベンチに90分間。いったいなにゆえ彼らを招集したのか理解に苦しむが、最終的に彼らは翌日おこわなれたフベニルAの試合にスタメン出場している。ガイは後半15分過ぎに負傷交代してベンチに下がるが、この試合の先制点を決めるという重要な仕事をしている。

首位のガスパーチームは、カテゴリー降格ラインに片足を突っ込んでいたブラゲルというチームに思わぬ敗戦。残り5試合となったところでガスパーとペップの差はわずか2ポイント。しかもガスパーさんたちはミニエスタディでの試合が待っているということで、ペップバルサは首位になる可能性もじゅうぶんあることになる。プレーオフの試合に、1位となって参加するのと、2位でのそれとはどれだけ違うのか知らないものの、やはり1位でリーグ戦を終了するのにこしたことはない。フエラが3試合、地元が2試合残っているペップバルサとなっている。

■FC BARCELONA
Oier/ Abraham/ Valiente/ V.Sanchez/ Busquets/ Dimas/ Espasandin/ Toribio/ Pedro(Fali 81')/ Gai(Eneko 62')/ Jeffren

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(08/04/11)

■フベニルA(第28節)■
レバンテーバルサ
0−3

9番ロチーナが負傷から戻ってきてスタメンで出場している。そして彼のフリーキックからのゴールがバルサ先制点となり、フエラの難しい試合を少し簡単にしてくれた。そして、最終的に試合を決めることになる3点目はガイのゴール。そう、16歳にしてイスラエル代表選手となってバルセロナに戻ってきた彼は、バルサBではなく何とフベニルAチームに格下げされてプレーさせられている。

「ガイは16歳という年齢で国の代表選手に選ばれるほどだから、才能的には素晴らしいものを持っている。だが、いずれにしても、彼はスタートしたばかりの選手だ。多くのことを学んでいかなければならないし、メンタル面でもしっかりとしていないとならない。いかに代表に招集された選手といえ、特別扱いすることはしないつもりだ。」
ガイが代表に参加している間に、ペップ監督はこういうコメントをしている。そして具体的にペップが描いた風景は、ガイのフベニルAチーム行きというものだった。これまで半年以上バルサBでプレーし続けていた彼が、突然のフベニル行き。そしてペップは次の試合でバルサBに戻すだろう。かつて、クライフがペップに対してとった手段とまったく同じだ。今週はクライフチーム、来週はバルサBチーム、デビュー当初こういうことを何回も繰り返すことによってメンタル面を鍛えることができたと、かつてペップが語っている。

レバンテ相手に勝利することができた試合とはいえ、すでにビジャレアルがリーグ優勝を決めてしまっている。スペイン国王杯参加権を得るために2位確保を狙うバルサ。残り2試合となったところで3位のムルシア、4位のバレンシア、5位のマドリデーニョがそれぞれ同ポイントとなっており、2ポイント差でバルサを追いかけている。2位確保は、死にもの狂いの戦いとなりました。

■FC BARCELONA
Masip/ Blasco/ Bolan~os/ Muniesa/ Fontas/ David/ Polaco(Ilie 62')/ Jonathan(Mauri 72')/ Gai(Pons 70')/ Rochina/ Osado


■フベニルB(第27節)■
カステルデフェルスーバルサB
0−2


■カデッテA(第25節)■
バルサー
ジローナ
3−0

地元にジローナを迎えての試合。予想されたとおり、何の問題もなく試合を支配し、80分間の試合を終了してみれば3−0というスコアで勝利。これで、残り5試合となり、首位のエスパニョールに6ポイント差をつけられ2位となっている。リーグ優勝の可能性は非常に少ないのが現実だ。

後半途中からセバージョスが登場。前回見たときより身長が2センチは伸びているのではないかと思われるほど、少しだけだが大きくなっている。だが、色白と線の細さは相変わらず。このチーム一番のチビ選手がヘディングで3点目を決めている。

■FC BARCELONA
Carlos/ Dalmau/ Gomez(Monsergas 65')/ Blanchar(Deiver 65')/ Oriol/ Balliu(Sito 61')/ Rossell/ Roberto(Espinosa 41')/ Brian/ Parry(Ceballos 61')/ Pablo(Reina 52')


■カデッテB(第25節)■
マンレッサーバルサB
1−2

*順位表は「試合日程・順位」から


第32節 久しぶりの敗戦
(08/04/08)

マフメーバルサB
1−0

この試合がおこなわれた土曜日の数日前、ラポルタ会長が次期監督候補としてペップ・グアルディオラの名をあげ、各メディアをさわがせている。もちろんラポルタの第一希望はライカー続投であることにはかわりがないものの、もし次の監督を捜さなければならないとしたらの話として、“ペップ次期監督候補”を登場させている。時の人を求めて、地元メディアがワンサカワンサカとこの試合を取材に来たとしても不思議ではない。試合前から多くのカメラがペップ監督を追い求め、試合中も彼にカメラ視線が向けられた。いや、本当に、試合どころではないペップ・グアルディオラ監督。

ペップは監督としての経験はまだ半年チョイしかない。その監督経験もバルサBという、バルサと名が付くチームではあるものの、三部リーグを戦っているチームでのものだ。しかもバルサB快進撃(三部リーグ!)の原因は、彼のコーチをやっているティト・ビラノバという人の貢献度が多い。フィゲーラスやテラサというチームでスポーツ・ディレクターやコーチ業をやっていた人であり、二部Bカテゴリーや三部リーグの事情に詳しい。ペップ自身も認めているように、彼の助言がバルサB快進撃の秘密の一つであるのだろう。もちろんペップ自身にも、シーズン開始当初予想したよりも監督としての才能はありそうだし、経験さえ積めばバルサのクラブ史に名を残すような名監督になれる可能性もあるだろう。だが、急ぐ必要はまったくない。経験豊かな優れた監督のもとで監督業を学んでからでも決して遅くない。ライカー時代の終焉をペップバルサのスタートとするというのは、まったくもって馬鹿げた発想であり、ファン受けを狙ったものとしか考えられない。

ペップ監督に対してガヤガヤとした騒音が同伴する試合となったからかどうかはわからないが、この試合に出場したバルサBの選手たちの動きが鈍い。普段よりギクシャクしたプレーをする選手たち。もしこの試合に勝利すれば、数字的にもカテゴリー昇格プレーオフ参加が決まるというプレッシャーなどあるはずもないのに、ここ何試合かで最低の出来のバルサBチームとなってしまった。1月末におこなわれたブラーナス戦以来の敗北。

だがそれでも、5位にいたサンボイアが勝利し4位に、そして4位にいたプレミアが敗北し5位に墜落した結果、バルサBと5位プレミアのポイント差が19となり、残り6試合を残して数字的にもカテゴリー昇格プレーオフ権を獲得することになった。

■FC BARCELONA
Oier/ Fali(Urbano 64')/ V.Sanchez/ Chico/ Espasandin(Busquets 76')/ Valiente/ Dimas/ Abraham/ Jeffren/ Guerra/ V.Vazquez

*順位表は「試合日程・順位」から


フベニル・カデッテカテゴリー
(08/04/04)

■フベニルA(第27節)■
バルサーサンブラス
5−0

9番ロチーナが不在ながら、5−0というスコアーで何の問題もなく勝利。とは言うもののリーグ優勝の可能性はほとんどない。残り3試合を残した今シーズン、首位のビジャレアルは2位のバルサに7ポイント差をつけて走っている。へたすれば今週末にも彼らの優勝が決まってしまうかも知れない状況。昨シーズンまでこのチームがプレーしていたカタルーニャグループよりもレベルが低いと言われているグループでの成績だけに、フベニルAチームにとっては失敗の巻シーズンと言えるだろう。

それでも何人かの選手が、シーズン途中で下のカテゴリーから上がって来て活躍している。フベニルBチームから、モントーヤ、ロメウ、ロチーナという期待の選手に続き、この試合ではホセ・ルイスがデビューを飾り2ゴールまで決めている。彼はこの試合から24時間前におこなわれたフベニルBの試合にも出場している。そして何と言っても最大の期待の星は、カデッテAチームからフベニルBチームを飛び越して、いきなりこのチームでプレーするようになったムニエッサ。期待のセントラル選手だが、来シーズンの途中当たりからいきなりバルサBでプレーしているかも知れない。

■FC BARCELONA
Masip/ Blasco(Mauri 55')/ Bolan~os/ Muniesa/ Fontas/ David(Enric 68')/ Polaco/ Jonathan(J.Luis 55')/ Pons/ Osado/ Ilie(Iago 68')


■フベニルB(第26節)■
バルサBーダムB
3−0

相手のダムBチームにはクリスティアン・テージョという9番の選手がいる。昨シーズンまでバルサに在籍し、今シーズンはレンタルでダムでプレーさせられている。インファンティルカテゴリーまでは絶対スタメンの9番だったが、カデッテカテゴリーに上がってきてから、バレンシアからやって来たパチェッコという選手に9番の座を奪われていた。そしてパチェッコは今シーズン始まる前にドーバー海峡をわたり、9番の位置にはロチーナという選手を抜擢。だが、その彼もシーズン途中でフベニルAチームへとカテゴリーをあげたため、事実上9番のいないフベニルBチームとなっている。もし、このテージョがレンタルされずにバルサに残っていたとしたら、間違いなく9番スタメン選手となっていただろう。

このテージョのレンタル作戦と共に納得できないもう一つのことは、いまだにテロンをこのカテゴリーでプレーさせていること。シーズン途中にはフベニルAチームでプレーさせるものと思っていたが、どうやらその気はないらしい。セマーナ・サンタの休みを利用しておこなわれたドイツでのミニ大会にフベニルBチームは参加しているが、大会最優秀デフェンサ賞には我らがテロンに贈られている。彼の代理人が悪名高きホセバ・ディアスというのが、ネックとなっているのだったら不幸な話だ。

この試合で再び下のカテゴリーから上がってきてデビューした選手がいる。右ラテラルのダルマウという選手だが、スペインU16代表にも時々呼ばれていたりしている。そして負傷中だったカルモナが復帰してきて、いきなりゴールまで決めてしまった。

■FC BARCELONA
Alex/ Dalmau/ Pere/ Terron/ Cristian/ Bartra/ Arriero/ Enric(Palau 82')/ J.Luis(Manu 69')/ Angi(Carmona 55')/ Quime


■カデッテA(第24節)■
プラッツーバルサ
0−1


■カデッテB(第24節)■
バルサBーメルカンティルB
5−0

*順位表は「試合日程・順位」から


第31節 つまらない試合ながら勝利
(08/04/02)

バルサBーカサ
1−0

相手のカサはリーグ戦16位に位置し、ほぼ片足のつま先程度をカテゴリー降格ラインに触れようかという感じのチーム。いつものことながら、この手の相手と戦うのは、最初の点が入るまで非常に難しい展開となる。自陣ゴール前に何人ものデフェンサを並べてしっかりと守り、スキあらばカウンタアタックを狙ってくる下位チームがおこなう典型的な試合展開を試みる。こういう試合となると、セットプレーというのがキーポイントとなったりするが、何と、ペップチームは毎日の練習で磨かれたセットプレーでゴールを決めてくれた。相手ゴール近くのエリアでのファール。そのフリーキックをジェフレンが担当する。彼はかなり強烈なシュートを打てる選手であり、フリーキックを得意とする選手。誰しも強烈なシュートがポルテロに向かって放たれるだろうと想像したその瞬間、彼は相手選手が作る壁の脇にいたペドロにそ〜とパス。それをゴールポスト脇までドリブルで持ち込んだペドロがゴールを決めてしまう。フムフム、ペップチームはこんな練習もしているのであります。

地元の試合であるから、てっきり3−4−3というシステムにし、バリエンテをピボッテに起用するのかと思ったらとんでもない間違い。4−3−3というオーソドックスなシステムで戦い、セントラル不足ということもあり、バリエンテはチコと共にセントラルに配置されている。右ラテラルはコルコレスというのがこれまでの絶対スタメン選手だったが、この試合では久しぶりに、というかスタメンでは初めてではないかと思われるファリを起用。まあ、相手が相手だけに守備陣には何の問題も生じない試合となった。最終的にペドロのゴールが決勝点となり、90分の試合が終了。試合そのものは、今シーズンのミニエスタディでおこなわれた最も退屈なものとなった。

これで残り7試合となったリーグ戦。首位を走るガスパーチームは69ポイントを獲得し、5位につけているチームが47ポイントとなっているから、すでにプレーオフ参加権は得ていることになる。2位のペップバルサチームも67ポイントを取っているから、5位のチームが7試合7勝、ペップバルサが7試合7負けしない限りプレーオフ参加権が得られる。したがって、事実上はすでにその参加権を獲得しているようなものだ。数字的にそれがはっきりする最初のチャンスの次の試合となる。

これまでペップバルサは地元ミニエスタディでの試合成績は15試合14勝1分け。わずか1回の引き分け以外すべて勝利という結果で終わっている。そしてこの試合に勝利したことで地元15勝目、48ポイント獲得可能な16試合で46ポイントを稼ぐ驚くべき数字をだしている。ちなみにイスラエル代表に合流していたガイは、月曜日になってようやくバルセロナに戻ってきている。

■FC BARCELONA
Oier/ Fali/ Chico/ Valiente/ Espasandin/ Busquets/ Dimas/ Toribio(Abraham 80')/ Pedro/ V.Vazquez(Eneko 88')/ Jeffren(Urbano 62')

*順位表は「試合日程・順位」から