ほんとうに、これっきり?

土曜日だか日曜日だかの夜中にリーグの選手登録が締め切られるわけで、今日は金曜日だからもうわずかな時間しか残っていない。どこもゼニがねえ、ゼニがねえと、しけた夏の移籍選手市場となってしまったけれど、これでほんとうに終わりになっちゃうんだろうか。

そんなシケタ世の中で、メンディエタとリケルメをとったバルサはナカナカ良くやった方だ。せこいゼニの払い方とはいえ、とったことには変わりがない。それにしてもと思うのは、ここから600km離れたスペインの首都のクラブ。派手なアドバルーンをいつものように上げていたけれど、ほんとうに今シーズンは何もなし?

騒々しいのも気になるが、これほど静かだとよけい勘ぐりたくなる。ロナルド問題が終わったとはとても思えない。モラッティが「99%ロナルドはインテルに残る」と言ったって100%と言わないところが怪しい。そもそもインテリスタがもうロナルドを受け入れるわけがないだろうっちゅうに。おかしい、おかしい、どう考えてもこれはおかしいな。もうこの際、ロナルドがマドリに行こうがどうしようがどうでもいいけれど、やはりマドリに行ったらビッグニュース。

多くのバルセロニスタがロナルドの復帰を望むのはそりゃあ無理ない。彼の素晴らしさを一番知っているのはバルセロニスタなんだから。たった1年だけとはいえ、カンプノウでの最高のプレーを見ているのはバルセロニスタしかいない。その彼がマドリに行ったとしたら、やはり、それはそれは悔しいに決まっている。

メディアにとってこれほど美味しい話題はない。フィーゴ、ジダーン、ロベカル、ラウール、そしてロナルド。今世紀最強のクラブ、オールスター軍団と騒ぐのは目に見えている。でも問題はロナルドがかつてのロナルドに戻れるかどうかだ。

ロナルドを断ったバンガール、まあ、その心意気良しとしよう。「チームブロック」っちゅうやつで、今世紀最強クラブに勝負を挑みましょう。でも負けたら、はい、その時は覚悟しとかないとね。もちろんこれ、ロナルドがマドリへ行ったという、想定のうえでですけれど。
(2002/08/30)


マルチガブリ

プレステージの最初の頃の試合では左のカリレーロを担当。今はモッタが最優先候補となっているポジション。マルチガブリはそれなりの合格点をあげる活躍。それでもやはり左利きのモッタの方が若干いいか。

しばらくして今度は右のカリレーロを担当。このポジションでも2試合ぐらい出場していたんではないかな。今はメンディエタが最優先候補となっているポジション。やはり年俸の差ぐらいの違いがある感じ。とはいえ、それなりにこなしていた。

それからしばらくして、右のセントラールを担当。今はプジョーが最優先候補となっているポジション。急カーブを描いて成長しているプジョーの右セントラールにくらべるとやはり落ちるけれど、それでもそれなりの仕事を。

そしてそのあとはピボッテの仕事をこなすマルチガブリ。今はチャビが最優先候補となっているポジション。それでも負けじとばかりボールをあっちこっちに配給。

つい最近の試合では左セントラールを担当。今はナバーロが最優先候補となっているポジション。このポジションをどうしても確保したいため必死に毎試合やっているナバーロに比べると少々迫力に欠けるが、それでもどこのポジションでも同じように最低限の要求は満たしてしまうマルチガブリ。

バルサBでは右インテリオールとメディアプンタが自然なポジションだったマルチガブリ。アンダーいくつかの代表では9番もやっていた。ってえことは、キーパー以外どこでもやっちゃうということか。今のところどこのポジションでも一番にはなれないものの、どこのポジションでも2番か3番につけている超便利な選手だ。

一家に一箱、富山のナントカ薬。一チームに一人マルチガブリ。貴重な選手です。
(2002/08/28)


Gent del Barca

カタラン語でGent del Barca(ジェン・デル・バルサ)、カステジャーノでGente del Barca(ヘンテ・デル・・バルサ)という、言ってみればバルサシンパの人々に送るソシオ制度ですが、いよいよ本格的なスタートとなるようです。

Granaさんがかなり前に書いたように、この制度はバルセロナに在住でないためそう簡単にはカンプノウにやってこれない人々、あるいは経済的問題でソシオにはなれない人々用につくられたもののようです。このソシオ制度に使われているキャンペーンのカタラン語バージョンは次のようなものです。
「SI ho sents, ho ets」
大胆に訳してしまうと「カラーを感じるなら、あなたはもうバルセロニスタ」という感じです。これにも見られるようにバルサカラーをより身近に感じたい人、だけれどもバルセロナから遠く離れて住んでいる人を対象にしているのでしょう。したがって手続きはバルサオフィシャルページを利用してできるようです。

各メディアによって情報が違っているので詳しいことは発表され次第Granaさんが書くと思いますが、わかっている基本的なことだけを書いておきます。

ベーシックカードは19ユーロで、スタンダードカードが39ユーロ。違いがはっきりしているのは、スタンダードの方は1年に1回だけ試合が見られること。ただしマドリ、バレンシア、デポールを除いた試合です。そしてパラウ・ブラウグラーナでのバスケやハンドボールの試合も一試合だけ無料。バルサ博物館も無料で、バルサショップでグッズを買うときも少し安くなるそうです。

あとの違いは情報が入れ混じってしまっていて確かではないので無視しておきます。9月に入ればより細かいことがわかるはずですから。
(2002/08/26)


バカ騒ぎ〜、バカ騒ぎ〜

いったい昨日の騒ぎはなんだったのだろう。夕方からテレビといわずラジオといわず、デパートでのバーゲン初日のような大騒ぎ。もちろんマドリ系のウエッブページでも大騒ぎ。
アス「来た、来た、ロナルドが来た!」
マルカ「ついにロナルドがやって来る!」

海上での両クラブ会長同士の「秘密会談」とやらがすっぱ抜かれたのが夕方。たまたまニュースを聞いていたら「臨時ニュース」だとっ。何かと思ったら「ロナルド、マドリ移籍は時間の問題」だとかなんとか。それから一日中各局とも(全国放送局のテレビ、ラジオ)はこのニュースばっかし。どこからどのように移籍条件が流れたのか「1200万ユーロ+モリエンテス+ムニティスかファービオ」だとさ。そりゃもう嬉しそうに大騒ぎ〜、大騒ぎ〜。ロナルドという大物恩知らずが来るということ以外に、もうじきシーズンが始まるというのにマドリにはちっとも明るいニュースがなかったからしょうがないか。

ところが夜になるとチョット様子が変わってくる。それまではマドリッドから伝わってくるニュースばかり流していたのに対し、ミランからのニュースも紹介し始めた。これがぜんぜん違うんだなあ、マドリッドで伝えられているニュースと。イタリアメディアはインテルのオフィシャルページを紹介。それによれば、「秘密会談」はモラッティによれば単なる「儀礼上」のもので、ついでに新しいオファーがあるのなら聞いてみるためのものだったこと。そのオファーはまったくもって現実性がないものであったこと。もっともっとマジなオファーがなければロナルドはあげませんよ、という感じだった。

そして今日は、何にもしないディレクターのバルダーノとインテルの責任者が細かい話しをしたそうな。そりゃダメだ、バルダーノが出て来ちゃあ。まとまる話もまとまらなくなる。案の定「決裂」だとっ。

それにしてもこれで終わったわけじゃあない。恩知らず、裏切り者に明日はない。少なくてもミランには彼の明日はない。マドリはこれからもうチョット考えて、もっと大胆なオファーを練り直さなくっちゃあいけないよ。それにしてもモリエンテスって可哀想な選手。
(2002/08/23)


辞書作り

なにやらGranaさんが辞書を作ると約束したらしい.。ところが、にわかシネマ監督にのめり込んじゃったせいでやる気をなくしたようです。そのおかげで辞書作りの仕事がこちらに回ってきてしまいました。このクソ暑い時にそんなもんをやる気は今のところまったくありませんが、そのうち開始することもあるだろうと思って色々なHPを覗いてみました。

思ったよりこんな面倒くさいことをしている人たちがいるもんで、結構あるもんです。中には勘違いしている単語もあったりして、それも笑えてなかなかいい。大体が、サイドバックはスペイン語でなんと言うかとか、フォワードは何というかという感じで、そういういみでは目的を立派に達している。中でも「ふっぼる・えすぱにょーる」は非常に単語数が多いのに感心。よく調べたもんだ。

そうは言っても所詮「辞書」だから、はっきり言ってみんな同じようなもの。そりゃそうだいね、一つの単語がHPによって違っていたらおかしなことになってしまう。そう考えたらますますやる気がなくなってしまった。

それでもやれという命令は変わらない。同じようなものを作ったら先に作った人たちに申し訳ないので、やはり「辞書」とはいえ独自性を作らないといけない。じゃあ、どうするかというと暑いからじぇんじぇん考えてもいない。それでも突然ながら「辞書」のタイトルはできた。名付けて「ほんとカナ事典」。辞書ではなく事典。今のところ名前だけができて中味がない事典。

例えばこういうのはどうだろう。どこにでものっている「ピチッチ賞」だとか「サモーラ賞」。得点王だとか最も失点数の少ないキーパーだとかに与える賞だという。これが「ほんとカナ事典」によると次のようになるかも知れない。
「マルカというレアル・マドリの機関紙が、そのシーズンの得点王や最高キーパーを賞賛するために勝手に作った賞。したがって同じレアル・マドリの機関紙でありながらマルカのライバル紙であるアス紙には基本的には載らない単語でもある。この賞ができたのは1953年、奇しくもディ・ステファノがマドリに入団し21年ぶりにリーグ優勝を飾った年でもある。もちろんマルカが考えたことはミエミエだ。レアル・マドリの黄金期がやって来てディ・ステファノが永遠にこの賞をとると考えたからであろう。現在ではアス紙にも新入りの記者が間違ってのっけたり、カタルーニャのメディアも面倒くさいからこの名前をカッコつきで使うこともある。」
(2002/08/21)


ロマリオが好き

「フットボール選手はいろいろだ。例えば、自分の価値を証明するために一生懸命やるヤツがいるかと思えば、俺みたいに自分のためだけにプレーしているヤツだとかな。試合での俺の目標は、試合後に自分に満足することさ。相手チームなんかどこでもいい。試合結果もどうでもいい。もちろん勝つにこしたことはないけれど。でももっとも重要なのは俺が個人的に満足できる試合をしたかどうかということだ。家に着いた時に自分自身に祝福できること。これだけだ。」

「今日の一面」でのペップのインタビューにロマリオが出てきたので思い出したロマリオの発言。これはロマリオがまだバルサに在籍している頃のインタビューのなかでのもの。まだバルサに在籍しバルサの選手としてプレーしている時の発言です。彼は自分がバルセロニスタなんてことは当然いわない。バルセロニスタもそんな発言を期待しているわけじゃあない。ヤツはいつも本心でしゃべるということを知っているから、彼の言葉は素直に受け入れられる。そしてこれがプロなんだと、何となく納得させられるおぞおぞしいものがヤツにはある。在籍中にこういう発言ができるか、あるいは辞めるときにここぞと「私はプロ」発言をするか、それはまるで価値が違う。

リバルドはバルサにいる頃はいつも金の問題でもめ、ロナルドカンパニーは金の臭いのするところにダッシュして消えていった。でも同じブラジル人のロマリオは金ではもめない。あったとしても内密にうまく処理していたのかも知れない。外から見ている限り、少なくてもバルサでは金のことでもめたことがない。金の話しになるとすぐ「プロ談義」という感じになるけれど、ロマリオのプロとしての誇りは別のところにある。

バルサを通り過ぎていった「プロ」の三人のR選手。ロマリオ、ロナルド、リバルド。誰が一番好きかと聞かれたら他の二人を大きく離してロマリオだ。その「プロ精神」にあふれるロマリオは次のようにも言っている。

「俺がグランドの外で何をしようが自由ってもんだ。俺は夜が好きなんだ。毎日4時間のシエスタをした後、街に出ていく。夕食をレストランで取って、踊れる場所にいって踊りまくる。だが試合前の夜にはそういうことをしない。俺はプロだから。そうだろ!」
(2002/08/19)


若手育成

バルサBの選手の年俸は一律1万ユーロと決まっている。これにいろいろな手当が付いて1万2千ユーロというのが普通らしい。日本円にしてだいたい140万円ぐらいか。チャンピオンズ予備選で一部デビューしたフェルナンド・ナバーロもこの年俸の選手。1200万ユーロをとっていたと言われるリバルドの千分の一の年俸。リバルドが365日働いたとして計算される日給分にも満たないのが現在のナバーロの年俸だ。

だがバルサBの選手がすべて同じような年俸かというともちろんそうじゃない。移籍先を探し中のナノはご存知のように高級車を乗り回すリッチ組の一人。同じく就職先を探しているババンジーダにしても最近年俸が急激にアップした一人だ。そしてこれまた仕事先を探しているトラショーラスも高給取り組みの一人。なぜ彼らの年俸が60万ユーロだとか80万ユーロだとかに上がってしまったのか、それはよそのクラブからのオファーがあったからだ。

未成年者の場合、クラブとの契約はあってないようなもの。父親、つまり保護者が住んでいる地域に属するクラブへの移籍は自由だからだ。つまりどこかのクラブが保護者に美味しい仕事のオファーを出して引っ越しさせちゃうと、子供も移る権利が得られる。ということは保護者の仕事場次第でクラブを自由に変えることができる。だからオファーがあった場合、保護者を納得させるような大金をその家族に与えないといけない。

ここがクラブ指導者の難しいところ、と、シロウトでもそう思う。ナノ、ババンジーダ、トラショーラスを例に出すまでもなく、ころころと変わる一部チームの監督が「この選手はいる」「この選手はいらない」ということで、これまでの投資が空振りに終わったりしてしまう。じゃあ、GMを置けばいいかというとそう簡単なことでもない。GMがスタメンを決めるわけじゃないんだから。

バレンシアから来たジェラールへのオファーをバルサは相手にしなかったため、彼は5年前にバレンシアへ。当時のバレンシアの監督はバルダーノで、彼はメンディエタの代わりとしてジェラールを希望。だがメンディエタ放出計画は買い手がなく失敗。結局、バルダーノの予想を裏切りメンディエタがボチボチと活躍し始め、ジェラールは控え選手となった。

そういえばジェラール放出を決めた時のバルサの監督っちゅうのは誰だったかなあ、あーあ、思い出せない。
(2002/08/17)


ガンバレ、若手のベテラン選手

もし「予想されるスタメン」が実現するとなると、これはチョット凄い。カンテラ上がりの選手が5人、彼らも含めてスペイン人選手が6人、オランダ人が3人、アルゼンチン人が1人、そしてイタロ・ブラジル人が1人。

シーズン途中ではあったら決しておかしくもないカンテラの5人起用。カード制裁や負傷選手をカバーするためにカンテラ選手が登場することはよくあるケースだ。でもシーズン開始時期のカンテラ5人起用はチョットこれまででは考えられないことじゃないだろうか。受けを狙ってやるような器用な新監督ではないだろうから、必要性に迫られてのものと見るべきか。ボナノはどうしちゃったのか知らないけれど、エンケはまだまだバルサのシステムに慣れていない。左セントラールに入ると思われたレイジンゲルは完調ではないのか。左インテリオールは今のところモッタしかいない。

ビクトルやナバーロの強いところは、彼らは物心ついてから常に同じようなシステムで試合をしてきていることだろう。彼らは二人とも10年前にバルサに入団している「ベテラン」選手。少なくてもバルサの選手としては「ベテラン」なのだ。しかもバルサ選手としてのこの10年間、常に3人ディフェンスというシステムで戦ってきている。そして少年部であろうとバルサBであろうとプレッシャーのなんたるかはじゅうぶんにわかっている選手でもある。これは凄い強みだ。

11年前にバルサに入団にしてるチャビがもっとも古い選手だとすれば、この若手の二人はそれに続くベテラン選手。若手だからといってバカにしちゃあいけない。デ・ボエルやクルイベルやコクーやルイス・エンリケなどより古い選手なんだ。

幸運の星のもとに生まれたと思ったレイナがチャンスをものにすることができず、今年はそのチャンスさえバルサではやって来ない。ビクトルとナバーロもやっとその幸運をつかんだ。でもそれはスタートにしか過ぎない。今日の試合、アンラッキーがやって来ないように、それだけを祈っちゃいます。スエルテ! バルサ若手ベテラン選手!
(2002/08/14)


不況がバルサに微笑みを

フットボールクラブというのはスペインに限らずいくつかの他のスポーツセクションを持っている。例えば我らがバルサはプロ部門としてはフットボール、バスケ、ハンドボール、ローラーホッケーの4つだけだけれども、セミプロ部門となると野球から陸上競技、フットサル、アイススケート競技、アイスホッケー、テニス、陸上ホッケー、体操競技、バレーボールと、それこそきりがないほどのスポーツ部門を抱えている。ちなみに我らがライバル、レアル・マドリはフットボールとバスケ部門のみというシケタところであります。

そして今、フットボールクラブが経営の危機を迎えているという。テレビ放映権などの問題で不況の時期を迎えようとしている。そしてその結果、クラブ内の弱小部門から経営縮小を強いられる。フットボールの次ぎに人気があるバスケ部門も各クラブはかなり厳しい締め付けをおこなっているらしい。バスケが人気のあるイタリアやギリシャ、トルコあたりはこれまで莫大な資金を使ってクラック選手を集めてきたけれど、今年あたりから高額な年俸が払えずに「リバルドケース」みたいにタダで出ていってもらうケースが増えてきているようだ。

今シーズンからバルサバスケの監督に、ユーゴの代表監督を務めるペシックという人が就任。ヨーロッパでは名監督中の名監督として知られているそうだ。その監督がいわゆるクラック選手コレクションを今シーズンおこなっている。もちろんバルサをヨーロッパチャンピオンにするために。

スロベニア生まれながらイタリア国籍を持っているグレゴール・フツカ、ユーゴ人のデジャン・ボディロガがその超クラック選手。二人とも年俸100万ユーロ。この移籍記者会見がおこなわれてから、バスケ部門のソシオ数が急上昇。8000人入れるパラウ・ブラウグラーナだけれど、ソシオ数が7500人ぐらいになってしまったそうな。

今年はバスケでもヨーロッパ制覇を狙うバルサです。しかもファイナルフォー・決勝戦がおこなわれる会場はバルセロナ。地元での優勝を期待。
(2002/08/12)


バルセロナの「自宅」

「今日の一面」を読んでもらうとわかるけれど、フィーゴがまた余計なことを言っているようだ。個人的にはあの新聞よりもっともっと言いたいことがあるけれど、バカバカしいから言わない。もうどうでもいい選手にイチイチ反論なんかしていられない。

彼の場合は本当に後味の悪い大スカシッペをしての裏口も裏口からの消え方をしていった選手だけれど、リバルドなんかは一応「お別れ記者会見」を開いてでていった選手。それでも彼はバルセロニスタではなかったという、言わなくてもいいことを言いのこした。言ってみればリバルドは最後までリバルドとして出ていったということかも知れない。これまで多くの選手が外国人、国内選手を問わずバルサに在籍してきたけれど、クラック、普通の選手に関係なく「愛された選手」はなぜかバルセロナという街と関係を持ち続けている。フットボールの選手は、基本的な問題として、プロとしての自覚はもちろん持っていなければいけないだろうけれど、でも人々の心に残るのはやはりそれだけじゃないんだな。100年史でリネッカーのことを書いているときに特にそう思った次第。そして今日のフィーゴの発言。

ここ何年かのバルサ放出選手の仕方が問題となっているけれど、もっともっと寂しくバルサを離れたクライフ時代の選手。クライフと喧嘩したりクラブともめたりして、まさしく裏口からでていかなければならなかった選手。でもあの時代の選手は「愛された」選手が多かった。そして不思議なことに、そういう選手の多くがいまだにバルセロナに残って、あるいはそこを生活の場として生きている。

サリーナス、チキ、バケーロなどはここで生活しているし、エウセビオやクーマン、クライフ、ストイチコフ、ロブソン、リネッカーなどはいまだにバルセロナ内の「自宅」を残したままにしている。ロナルドはインテルに行ってから半年で「自宅」を売り払った。リバルドの「自宅」がなくなるのも時間の問題だろう。
(2002/08/10)


足はクラック、頭はカラック

まあ利口なヤツだとは思ってはいなかったけれど、これほどノーテンキだとも思っていなかった。99%、本当は100%と言いたいけれど、99%ぐらいの確率でクラックカラック選手はマドリに行くはずだった。でも、少なくとも今日のところ、彼は行かない。というか行けない。

誰もが否定できない事実、それはロナルドの代理人マルティンとマドリサイト(フロレンティーノかバルダーノかは知らない)とではすでに移籍合意が達していたこと。ロナルド個人としてもインテルには戻らず、マドリに行くことを決めていたこと。マドリはすでにプレゼンテーションの準備まで進めていたこと。クラックカラックが負傷した場合の保険会社との契約(保険額年間4億円)まで結ばれていたこと。超ライバルであるマルカとアスが同じようにこれらのことを発表するということからみても、これらのことは誰もが否定できない事実。

そして個人的に勝手に思う否定できない事実。このブラジル人、首下はクラックには違いないが首上はヘアースタイルやヘディングのひどさは別として、中味がどうしようもないということ。ブラジル選手がワールドカップ後にどうなるかは誰もが知っているけれど、これほどどうしようもない選手も珍しい。

もうマルティン一人を悪者にする気がしなくなった。バルサをでた頃はまだ10代の坊やだったこのクラック選手だけれど、今ではもう24か25じゃないかい。今回のことだってマルティンの金儲けだけで始められたこととはとても思えない。インテルの事務所に着いたこの選手にモラッティから電話がかかってきた。泣きべそをかきながら電話口で「インテルを出たい」と頼むシーンが目撃されているという。コイツはダメだ。じぇんじぇんダメ。

それにしても不思議な局面を迎えているこのクラックカラック選手問題。この手の話のジ・エンドは、普通は間違いなく移籍となるものだ。でも、少なくても今日の段階では残ることに決まったという。マルティンに相当な金がモラッティからわたされたのか、あるいはロナルドの年俸が相当上がったのかわからないけれど、でも絶対このままでは終わらないと思う。もう彼はインテルの選手としてはジ・エンド。インテリスタはこれまでの経過をぜったい忘れはしないだろうから。今回はマドリのことにはあえて触れないでおこう。楽しみはとっておかないと。
(2002/08/07)


それぞれ個性というものがあるようで

セラ・フェレールが5年間のバルサ生活に終わりを告げてクラブにサヨウナラ。バイバイ記者会見ではクラブ内部の問題を告発して最後のスカシッペも忘れません。まあ、これはよくあるバルサストーリー。そして批判されたのは誰もが簡単に批判できるガスパーとレシャック。特にレシャックには厳しい批判をしてのお別れ記者会見。もともと肌が合わない人たちだし、セラ・フェレールはクライフ派、そして複雑なことにヌニェス派でもあるから、このスカシッペは不思議なことでもなんでもない。

バンガールが監督に就任した年、セラ・フェレールはカンテラの責任者として当時の会長ヌニェスに呼ばれてベティスからやって来た。一部チームの監督としてもマジョルカやベティスをUEFAカップに参加させた実力のある監督。その実績をかってヌニェスがバルサ下部組織の面倒を見させるために雇った人。もちろんイザという時のための代理監督もできるということで呼ばれたんだろう。そして彼の夢が実現するのが4年目。バンガールがクビになり、会長選挙というゴタゴタ騒ぎもあったせいで、なんだかトコロテン式に監督になってしまった。

セラ・フェレールは守備を固めてからの戦いを挑むタイプの監督。マジョルカやベティスでも後ろをガチガチに固めてカウンターアタックを得意としていた。だが彼がバルサで使用したシステムはクライフ時代の3−4−3というもの。本来の自分のスタイルではないけれど、クラブの性格やファンの好みに合わせて攻撃的なものに変えてしまった。レシャックが監督に就任した時に、誰もが予想した攻撃的なスタイルを放棄してケチクサイ戦法にしたのと対象的だ。

対象的という意味で言えば、レシャックとバンガールもそうだ。今のメディアが伝える話題はバンガールシステムについてばかり。やれ3−4−2−1だの2−3−2−3だのシステムの話題にはこと欠かない。レシャックの時にはこんなことはなかったように思う。いや絶対なかった。
「まあ、楽しくやろうじゃないか。あっちがこうきたら、こっちはこんな感じでこうやってこんな風にやればいいだろう。困ったらみんなで相談してやってくれ。いざとなったらみんなで下がって守りゃいい。さあ、頑張ってやってみよう!」
まあ、こういうのも決して嫌いじゃあないけれど、弱虫というのがいけませんでしたねレシャックは。
(2002/08/06)


二人のブラジル選手

「一度たりともバルセロニスタと感じだことはない」
ブラジル選手の本来の「クラブ」はセレソン以外存在しないっちゅうことは頭の中で理解していても、こうまではっきり言われちゃうとねえ。困っちゃうなあ。ヨーロッパクラブでプレーすることは、彼らにとって将来の経済的保証という意味しかないということはわかっているけれど、こうまではっきり言われちゃうとなあ。参っちゃう、参っちゃう。

プロ選手は所属するクラブで一生懸命やればいいのだと言われれば、まあ、そりゃそうなんでしょう。それがプロ選手。チームカラーを感じようが感じまいがそんなことは関係ないのがプロ選手。給料を払っているクラブのために一生懸命やるのがプロ選手。こういうプロ選手がやっている試合に金を払って一喜一憂するのがシロウトのわたしたち。でも、そういう図式はわかっていても、頭の悪い人間には何かスッキリしない。もともとスッキリしない関係の選手だったけれど、最後までスッキリとこなかった。プロねえ、プロ、プロ、便利な言葉だ。

「インテルとのサイクルは終わったと思う」
もう一人のブラジル選手。5年間在籍しているクラブで、その期間の半分近く負傷中だったにも関わらず「一つのサイクルが終わった」だと。プロ選手にはモチベーションっちゅうもんが必要だから、いかに世話になったクラブであろうとモチベーションがなくなると本来の力をだせない。それがプロだそうです。もっともこれは彼の代理人、あの悪名高きマルティンが代弁したものです。そう言えばこの選手、仲間の高給とり選手と口をあわせて、愛するクラブを救うために年俸引き下げを自ら申し出た人でしたね。そして世話になったクラブ会長や借りのあるインテリスタのために、今シーズンこそは頑張ると言っていた人です。「ユダ」という言葉は嫌いだから個人的には使わないけれど、インテリスタがそう彼を呼んでもいたしかたないか。

まあ、この人は好きなところを行けばいいでしょう。プロの選手として多くの敵と味方を作り、好きなところで好きなようにやればいい。違約金1億ドル、いいじゃないですか、バルダーノさん買っちゃいなさい。マドリに行くのもよし、民放のテレビ局が嬉しそうにこのニュースばかり流すもよし、スペインの首相がニタニタしてこの噂に関するインタビューに答えるもよし。リケルメのゴラッソのことなど何も触れられず、もうこのニュースばかり耳に目に入ってくるスペインです。
(2002/08/04)


「今日の一面」が一周年

雨の日や風の日にも負けず、バルサが負けた翌日はイヤイヤながらも、そしてバルサ負け・マドリ勝利という最悪の事態の日も乗り越え、どうにか続いてきている「今日の一面」。それが気がつけばもう1年経過しました。これまでこのコーナーではほとんど触れたことがないので、1周年の今日は「今日の一面」について。

「今日の一面」といっても本当に新聞の一面を載せているわけではありません。新聞の一面なんていうのは、だいたいが写真やでっかいタイトルで終わってしまっています。エスポーツもムンドもだいたい48ページ前後のタブロイド版ですが、そのうちバルサ関係のページは三分の一に当たる16ページ前後というのが普通です。その中から目に付いた記事を引っ張ってきています。それも1時間前後で終わらせるという勝手につけた時間制限があるので、少ない時間でできるだけ多くの内容を入れようと思い、アッチャコッチャの記事をごちゃ混ぜにして一つにしていることがよくあります。まあ言ってみれば寄せ集め記事となっています。

ここ何か月かは、編集長や副編集長などが毎日載せているコメントはできる限り避けています。面白そうで実はそれほど面白くないのが彼らの意見で、しかも行間から伝わってくる空気には時々怪しげなものがあります。ガスパーの発言も最近は載せる価値もないような気がしてやめています。勝手に好きなものを選んで載せることができるのが個人HPの強みです。決してウソを載せているわけではないですから。ちなみにタイトルは直訳ではありません。今日の「今日の一面」などはもちろんでっち上げタイトル。

本当は写真をコピーして載せてもうチョット見栄えよくしたいのですが、これはGranaさんの「商業写真」はできるだけ載せないという方針のためダメ。したがって今後も文字だけが詰まった、少しばかり退屈なものとなるのはしょうがありません。

というわけで今後もそれほど変化のない「今日の一面」となりそうです。スタイルには変化はないだろうけれど、せめて内容は変化して欲しいもの。そう、まだ「今日の一面」に載ったことがないニュース。バルサ優勝!!!!!!!!!!!!!!!!これだね。
(2002/08/01)